常念岳〜大天井岳〜西岳〜槍ヶ岳〜双六小屋
双六集中 安彦班

2011年

創立35周年記念双六小屋集中登山最高!

                           安彦 秀夫(総リーダー)

<期日:2011年8月24〜29日>  参加者:20名(男性9名、女性11名)

山行部が『会創立35周年記念集中登山』として企画立案した記念山行は、当初の長期天気予報が外れ、後半は天候に恵まれ、大成功裏に幕を閉じました。

企画立案から実施までを振り返ります。

1>集中登山要綱決定

会報5月号にて、『8月28日(日)午後3時 双六小屋集合!』という集中登山の案内が、数ルートの推奨コースと一緒に掲載され、本格的に記念山行が火ぶたを切りました。

各人が自分の好きなコースに参加表明し、パーティー毎に計画は練り上げられていきました。でも、日が経っても、なんか盛り上がりが無いような…気がしました。それでついつい口出しをしてしまい、結果的には、途中から総リーダーを引き受ける羽目になってしまいました。それからが大変でしたが、やるからには納得のいく山行にすべく且つ独自性を出すべく奮闘しました。

<2>思いを込めたコース

 『参加メンバーの体力を考慮して朝出発としながらも、日本百名山を出来る限り効率的に回りたいとするパーティー』、『秘湯中の秘湯に絶対に入るんだというパーティー』、『山も温泉もと欲張るパーティー』、『以前登った時は天候が悪く、展望を楽しむことが出来なかったのでリベンジするパーティー』等と、参加者それぞれの山への熱い思いを込めた計画が練られていきました。チョッと無理なコース設定ではないかなと思われるパーティーに対しては、コース変更のアドヴァイスも行いました。

そんな中、参加意思表示をしたにも関わらず、体調不良や事故、そして家族の都合などで参加見送りをした会員も10名程いました。(次の機会には参加してね。)

 結果として、『入山口4か所で出発日・コースが異なる7パーティー』となりました。

@   24()朝出発4名:七倉温泉入山(5泊6日)渡邉()、五十嵐夫妻、四元

A   24()夜出発4名:折立入山(夜行4泊5日)猪狩、代田、木村、羽鳥

B   25()朝出発2名:七倉温泉入山(4泊5日)前田、井上

C  25()夜出発3名:折立入山(夜行3泊4日)菊池、嶋本、石塚

D  25()夜出発4名:折立入山(夜行3泊4日)安田、桐生、江崎、間瀬

E 25()夜出発2名:新穂高温泉入山(夜行3泊4日)加藤、村上

F 25()夜出発1名:一の沢林道終点(ヒエ平)入山(夜行3泊4日)安彦

<3>緊急連絡先と留守本部

 各パーティー間の連絡に携帯電話利用は、『かなり無理がある、制限される、確実に連絡が取り合える保証がない』と考え、『緊急事態発生時の最低限の連絡方法確保』ということで、『双六小屋』に事情を説明し、快く『緊急連絡先』をお引き受けいただきました。

 併せて、各パーティーの計画書や当日予定通り入山したかどうかの確認等を集約し、更に、全パーティーが入山した後の双六小屋への連絡窓口として、『留守本部』を設置しました。

<4>天候が思わしくなさそうだが…

 長期天気予報によると、決して良くはなく、加えて、各地でゲリラ豪雨が相次いでおり、入山日及びコースが異なる7パーティーが、山に行くかどうかの判断が迷うような状況が予想されました。そこで、『23日(火)正午までに、結構か中止かの連絡を、私から各パーティーのチーフリーダーに、携帯メールにて送るので、各リーダーはメンバーにその結果を連絡する』ということを例会(8月17日)で決め、参加者に周知徹底させました。

 運悪く、台風が2個も発生し、天気予報は雨。しかし、23日朝時点での気象概況を見て、入山中は台風・豪雨の影響は受けないだろう…と判断し、『決行!』のメールを流しました。

 

<5>双六小屋に笑顔そして興奮の渦が…

 28日(日)、双六小屋に集合の日!

この日も好天に恵まれ、皆、大展望を満喫しながらの山歩きになりました。

昼前には、2パーティー@Fが早々と到着。小屋の宿泊手続時、どこかのパーティーから連絡があったかどうかを確認したところ、「ありませんよ!」に先ずはひと安心しました。

ビールで乾杯!汗を拭いていたら、笠ヶ岳からのパーティーEと鷲羽岳で一緒になったという2パーティーBCが前後して到着! 賑やかさと喜びが更に増幅されました。

 残るは4人組みの2パーティーAD。皆、双六岳からの下山道を「次はどのパーティーが現れるだろうか…」と話しは途切れません。「あっ、見えた!いっちー…、にー…、さぁーん…、しぃー…、4人だ!」、「先頭は××、後ろは…」と興奮はエスカレートしていきます。パーティーAでした。途中パーティーBCが『彼らを見たよ…』ということでした。豆粒大に見える動く物体を皆言い当てるのですから…。(当然、間違いもありましたよ。)

そろそろ集合時間の3時が迫ってきます。やっと最後のパーティーDが現れました。先着16人が並んでお出迎えです。迎える側、迎えられる側、皆歓喜の一瞬です。涙ぐむ顔も…。

「こんな歓迎を受けるなら、最後に来れば良かった…」という最初に着いたパーティー@からの声でした。全員無事揃い、歓喜の興奮の中、記念写真を2枚笑いの中で撮りました。

「出発直前に急遽準備した特製の横断幕」と「会のイメージカラーの小さな会旗」を掲げ、約半数が踏んできた「鷲羽岳」をバックに1枚、そして、「花の百名山の著者・田中澄江さんの揮毛した「双六小屋」の看板のある小屋の玄関前で1枚。

 コースを踏破できたことと、無事に皆と会えたことによる満足の顔・かお・カオ…。

夕食時には、小屋からのビールの差し入れがあり、先ずはカンパーイ! 食べるのも忘れ、山での出来事の話で、あちこちで盛り上がり、更に、夕食後に、小屋のご厚意により食堂を1時間開放していただき、各パーティーからの報告で興奮は最高潮になりました。

<6>長ーい隊列で…

 ご来光(5時20分過ぎ)を皆で迎えた後、サブリーダーを先頭に長〜い列をなして出発! 前方に笠ケ岳、左手に槍・穂高連峰、後方にはドンドン小さくなっていく双六小屋が…。

 鏡平では、池に写る槍・穂高連峰をパチリ!朝陽の逆光が眩しい。「もっと大きく見えると思った。時間や季節によって大きく見えるのではないか?今日は朝だから小さいんだ…」等と勝手な会話があったようです。(ホントかな?)

 わさび平では、りんご、トマト、きゅうり等が山からの水で冷やされて売られており、乾いた喉には最高でした! でも、チョッと高くない?

 新穂高温泉『中崎山荘 奥飛騨の湯』にて汗を流し、無事下山を祝して生ビールで乾杯!

 良い気分になったところで、迎えのバスに揺られて北アルプスを後にし、鎌ヶ谷には、午後8時半ごろに着き、印象深い想い出を胸に秘め、各自の家路につきました。

<7>記念山行を終えて

 天候は、予報が大きく外れ、後半は好天に恵まれ、私達に見方してくれました。

『参加されなくても快く裏方に回ってくれた会員』や『双六小屋の緊急連絡先快諾と現地でのスタッフ一同の歓待』等で、記念山行は一人の落後者も無く、無事終了することができ、途中からまとめ役を引き受けた者として、安堵感でいっぱいです。単独行も面白いですが、仲間と登り一緒に楽しむ山も喜びが倍増し好きです。仲間に感謝!  2011.9.11.Sun.

やっと見えました、双六小屋。快調に降りていたら、
どこからか『あ〜び〜こ〜さぁ〜ん』という黄色い声!
なんと、反対側から渡邉班の4名が降りて来ているでは
ありませんか!思わず大きく手を振りました!

8月26日 
  一の沢林道終点(ヒエ平)を、うっすらと明るくなりかけた頃に
  今にも雨が降り出すのでは…という空を見上げながら歩き始めました。
  重いザックが両肩にズシリと食い込みます

8月28日 殺生ヒュッテから朝焼けの槍ヶ岳を眺めた後、
東鎌尾根経由で槍ヶ岳山荘へ。槍ヶ岳の足元を巻くように
岩場を歩きました。

8月26日〜29日
安彦

8月29日 
  今日も晴!皆でご来光を迎えた後、長ーい列を
なして下山開始。
遠くに笠ヶ岳を望み、双六池を右
に見ながら皆元気に、温泉目指して足取り軽く……。

やっと着きました!新穂高温泉『中崎山荘 奥飛騨の湯』にて、
汗と埃を洗い流し、スッキリしたところで、無事下山を祝ってカンパーイ!

『影槍』と『影小槍』。分かりますか?
 遠くに笠ヶ岳、赤い屋根は槍ヶ岳山荘です。
槍ヶ岳山頂は何度登っても素晴らしいですね。
なんてったって360度の大展望ですから。

殺生ヒュッテ6:056:40槍ヶ岳山荘(槍ヶ岳往復)7:508:20千丈乗越8:3010:45
樅沢岳11:0511:25双六小屋

大天荘5:556:20大天井ヒュッテ(牛首展望台往復)
6:508:50西岳9:009:10西岳ヒュッテ9:3010:15水俣乗越10:5012:25ヒュッテ大槍13:0013:10殺生ヒュッテ

 雨も止み、今宵の宿・大天荘が見えてきました。
ヤレヤレ、長かったね。

北アルプス未踏ルートを歩き、双六小屋で皆と会うことを念願に、しばらくぶりに重いザックを背負い、会創立35周年記念集中登山に単独パーティーとして参加しました。前半は霧と雨に悩まされ、
後半はジリジリと照りつける太陽にばて気味ながらも、大展望を全身で満喫しながら歩き通しました。


28日(日)に双六小屋で、参加者全員の元気な顔を見た時は感動的でした。

秩父沢を皆並んで渡ります。水が冷たかったよ。

双六小屋5:307:10鏡平7:208:50秩父沢9:0010:00わさび平10:1511:15新穂高温泉(中崎山荘奥飛騨の湯)

 水俣乗越で大休憩。ところが全く風が無く、暑さに
は参りました。朝用意したアルファ米は喉を通らず、
ミニトマトと水でなんとか流し込みました。

常念岳山頂は霧の中でなーんにも見えませんでした。
時々太陽が顔をかすかに覗かせるのですが、展望は
全く無し。下山途中に霧が流れ、一瞬常念小屋が見
えました!この後はずーと雨でした。

8月27日 昨日と打って変わって大快晴!心はウキウキです。
太陽がぎらぎら照りつける中、今回のルートを選んだ目的の一つ
である西岳に。槍・穂高連峰が目の前に。

やっと着きました、常念乗越。雨脚が激しくなり
常念小屋でしばらく休憩。

胸突八丁でザックを投げ出してしまいました!
その後、雨が降り出し雨具を着ましたが、蒸し
暑いのには参りました!

ヒエ平5:209:45常念乗越(常念小屋)10:2511:25常念岳
11:45
12:20常念小屋 12:3516:10大天荘