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亀田興毅世界初挑戦 |
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亀田興毅世界戦展望 WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ(8/2、横浜) 史上最強と持ち上げられたかと思えば、一転して弱い相手ばかりと戦ってカネでタイトルマッチを持ってきたと批判されている亀田。まあ態度が悪いのはともかく、彼が世界戦に登場してくるだけの実績を積み上げてきていることは確かである。東洋タイトルを獲り、元世界王者を倒し、前哨戦2戦でともに世界ランカーをKOしたという実績は、具志堅の初めての世界戦時よりあきらかに上である(具志堅も亀田を批判する一人である)。あの頃はジュニアフライ級ができたばかりで選手の絶対数が少なく、地域タイトルでもそんなクラスはないので世界ランク上位は日本と中南米の一部の国に限られていたからだ。 しかし、亀田の現在の実力が図抜けているかというとそんなことはない。そもそも、フライ級でポンサクレックかパーラに挑戦しなかったことで、それは証明されている。それでも運が強いのは間違いない。WBAのこのクラスの前チャンピオン、ロベルト・バスケスの減量苦によるタイトル返上により、王者決定戦が回ってきた。相手はもともとミニマム級のランダエダ。これもまた恵まれている。 ランダエダはミニマム級では圧倒的なKO率を誇ったが、世界クラスと戦うとノエル・アランブレッドに負け、チャナ・ポーパオインと引き分け、新井田豊に負けということだから、まあそれほどの選手ではない。スタイルもやや攻撃的なボクサー・ファイターだから亀田にはやりやすいはず。そして何より、もともとフライ級の亀田とは体が違う。格闘技において体の違いはかなり決定的な要因で、それは先週のガッティ敗戦にもあらわれている。 亀田が負けるとすれば初めてのライトフライ級への減量が予想外に苦しくて手が出なくなってしまう場合と、左右フックを振り回してがら空きのアゴにカウンターを食った場合、つまり自滅する場合しか考えられない。その危険性が少なからずあるというのが残念なところであるが。 [Jul 27, 2006]
亀田興毅世界タイトル獲得 〜また出た協栄判定? WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ(8/2、横浜) 先週予想した亀田の自滅パターン、がら空きのアゴと減量から来ると思われる手数の少なさがもろに出た試合。私の採点はジャッジの一人と同じく115−112でランダエタだが、2−1のスプリット・デシジョンで亀田がタイトル獲得に成功した。判定が出た瞬間、解説で登場していた鬼塚の露骨な判定勝利を思い出したが、今夜の試合は鬼塚のときよりひどくはなかった。見方によっては、2ラウンドから9ラウンドまでは(4ラウンドを除き)亀田が取っているとみることは可能であろう。 それにしても、1ラウンドのダウンからなんとか立ち直ったのはさすが。これにより亀田の勝ちパターンである右ジャブから左フックという展開がほとんどなかったにもかかわらず、打たれたら打ち返してかなりいいパンチを入れていた。やはり体の差はかなり有利に働いたと思う。そうなると、今回の最大の功労者はランダエタとマッチメークしたジョー小泉ということになる。ただし、どんな弱い選手を連れてきても日曜日の越本のようにKOされてしまえばどうにもならないから、11R以降必死に耐えた亀田の底力はそれなりに評価してあげるべきだろう。 いまさら言っても仕方がないが、亀田興毅の才能は辰吉丈一郎以来最高といって差し支えないにもかかわらず、きちんとしたトレーナーについていないため伸びが止まってしまった。今日の試合も相変わらず足を踏ん張っての強打狙いで、ランダエタだから接戦になったが普通のチャンピオンとやったらKO負けである。それは本人の調子とかではなく、トレーナー(親父)がきちんとしたボクシングを教えていないからだ。でも、それでいいと本人が言っているのだから、それでいいんだろう。 むしろ問題なのは、こうした露骨な判定(協栄判定)で折角盛り上がりつつあるボクシング人気が冷えることである。普通に見ていれば、今日の試合はランダエタの勝ちというのはほとんどの人が感じるところだろうから、こんなことが続けばみんなが試合場に足を運んだりテレビを見たりするだろうか。具志堅以降そうやってボクシング人気を落としてきた協栄ジムがまた同じ轍を踏むのかどうかは亀田の次の試合以降にかかっている。まあ、減量も2回目となれば今回のようなことはないだろうとは思う。くれぐれも、イーグル京和などとは戦わないことである。 [Aug 3, 2006]
亀田興毅とTBS もう1日亀田関連の話題をご勘弁いただきたい。おとといの亀田のテレビ中継をみていて本筋とは全然違うのだけれど思い出したのは、今年はじめの書評でもお届けしたリチャード・ドーキンスの著作の中に出てくる「ミーム」という概念である。分かりやすい言葉でいうと文化的遺伝子ということになるのだが、人間の集団においてあたかも遺伝子のような働きで文化が継承されていくという考え方で、何をいいたいのかというとTBSにおける亀田兄弟の売り方と、もう40年も前の沢村忠の売り方がよく似ているなあ、ということである。 沢村忠といってもご存知ない方が多いかもしれないが、「キックの鬼」の異名を持つ格闘家である。この沢村忠を中心にその昔TBSはキックボクシングを売り出し、それこそゴールデンタイムで毎週中継をやっていた。月に1、2試合、キャリアとしておそらく4、500試合は戦ったはずで、それだけでも「まっとうではない」感じだが(本気で試合すればケガもするし、そんなに多く試合できるはずもない)、とにかく得意技の「空中飛び膝蹴り」で東洋ライト級チャンピオンを名乗っていた。そんな胡散臭い売り方をしていたのではあるが、実は沢村は空手の専門家で、それなりにきちんとした選手であった。 当時、同様にキックボクシング中継を持っていたのが日本テレビであるが、こちらは本家本元のムエタイ(タイ式ボクシング)からそこそこの選手を連れてきて、TBSに比べればまともなことをやっていたのだが、TBSはルンピニー、ラジャダムナンといったタイの本場に所属しない、つまりあまり強くない選手を連れてきて、沢村に負けさせることにより興行を成り立たせていた。あれから40年、直接の担当者がダブっているはずもないのだが、TBSによる亀田の売り出し方は沢村のときと本当によく似ている。 格闘技の楽しみ方として、本当の本物同士のレベルの高い駆け引きを見たいという楽しみ方と、とにかくスカッとするKOシーンでひいきの選手が勝てばいいという楽しみ方がある。これは、前者の方がレベルが高いとかそういうことではなくて、観客としては平等に時間(+おカネ)を消費している以上どちらもありだと思う。だからTBSのやり方がいけないということではないのだが、そうなると選手の本来持っているキャパシティが十分発揮されなくなることは考慮しなければならない。 ボクサー(格闘家)は彼らそれぞれが持っている才能によって評価されるべきだし、その才能を最大に伸ばすように育てられるべきだ。カネになるからといって、テレビ局の思惑に乗って踊らされることは彼らのためにはならない。テレビ局にとって彼らは商品に過ぎないが、彼ら自身にとって一生は一度しかないのである。その意味で、日本テレビはボクシングでもそれなりに見識を持った売り方をしている。おとといの試合が亀田の勝ちなら西岡はとっくの昔に世界チャンピオンだし、佐竹だって世界タイトル挑戦くらいできていたはずだ。 ちなみに、上に述べた沢村忠の全盛期に、地方での試合の前座に歌謡ショーが行われることが多かった。その時、沢村の前座で歌っていたのが五木ひろしである。これは嘘のような本当の話である。 [Aug 4, 2006] |
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