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ビタリ・クリチコ引退 |
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本当は先週末に行われていたはずのWBCヘビー級チャンピオン、ビタリ・クリチコの防衛戦がクリチコのひざの負傷によりキャンセルされ、なんと驚くべきことにこのまま引退することが発表された。防衛戦の相手である暫定チャンピオン、ハシム・ラクマンが正王者に昇格し、2度目のWBCチャンピオンとなった。 世界戦統括団体が4団体あってそれぞれがチャンピオンをもっていることから、ボクシング界における世界最強が誰であるかというのが非常に分かりづらい状況となっているが、80年代後半から90年代初めはマイク・タイソンであり、その後イベンダー・ホリフィールド、レノックス・ルイスの時代があって、現在はビタリ・クリチコというのが衆目の一致するところであろう。その意味で、ビタリの引退というのは非常にエポックメーキングな出来事である。 ビタリは以前にも、試合中に肩を痛めて試合放棄したことがあり(2000年4月、クリス・バード戦)、弟のウラディミールと比べて体が堅く故障がちであるという側面があったが、その分パンチにも威力があり、なによりファイティング・スピリットに優れていた。左目上のカットでTKO負けとはなったが、2003年4月のレノックス・ルイス戦は彼のペスト・マッチといっていい試合で、逆にいうとそれ以外の試合は実力差がありすぎて試合になっていなかった感がある(負けはこの2試合だけ)。 まだ34歳とヘビー級選手としてはまだまだ活躍が可能な年齢であり、引退してもウラディミールのセコンドは当然続けるだろうから、ウラディミールが不甲斐ない試合を続けるようだと引退撤回ということも十分に考えられる。ファンとしてはそういう事態も少しは期待したいところである。 一方で、これで誰がヘビー級最強なのか全く分からなくなった。WBAジョン・ルイス、WBCハシム・ラクマン、IBFクリス・バードの3チャンピオンはいずれもアピールするものがなくしかも峠を越えた選手である。WBOブリュースターはチャンピオンの中では一番強いが、調子に波がありすぎる。現時点での最強はハートの弱さはあるがウラディミール・クリチコ、サイズは小さいがジェームス・トニーのいずれか。これにニコライ・ワルーエフ、サミュエル・ピーターといったところがどう食い込んでいくかといったところか。この決着にはかなり時間がかかりそうだ。 [Nov 15, 2005] |
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