Tokyo Poker Tour ~ポーカーの奥深い世界第92話 [Aug 19, 2010]
最近とんと実物にお会いしていないが、旧友尼僧のブログによるとTokyo Poker Tourというワンデー・トーナメントが開催されるということである。今年から始まった大会で、優勝者には豪華賞品が贈られるらしい。それ以上にそそられるのは、大人数の一発トーナメントということである。
ラスベガスに行けばともかく、日本国内で10テーブルを超える一発トーナメントは滅多にない。記憶をたどれば昨年のAJPC決勝以来、オンライン以外でそういう大会に出たことがないくらいである。大人数ということは残り3テーブルくらいまでは9人10人が1テーブルということだから、少人数とはまた別の戦略が必要と思っている。
そして、参加申し込みは何とチケットぴあである。インターネットで申し込みをしてセブンイレブンに取りに行く。まるでコンサートのようで、家の奥さんが驚いていたくらいである。賞金ランキングで日本100位以内はご招待なのだが、メジャー大会の実績がない私の場合は早割りで4815円の参加費となる。よく考えると上野でも3500円だったから、そんなに違わないのだけれど。
さて、チケットも用意してあとは当日を待つばかりだったところが、思わぬところから問題が降ってきた。なんと、前日の13日の金曜日、夜の夜中にシステム障害発生である。当番や応援部隊は徹夜の作業が発生し、自分も夜中まで待機した上、朝一番で仕事場へ急行しなければならなくなったのである。
開始時間の12時には間に合いそうにない。確かバケーションは3時まで。アドオン5000点があったからブラインド分は戻せるとして、3時に間に合わなければせっかくの参加費が水の泡である。そういえば、今年のAJPC予選も徹夜明けであった。どうも、今の仕事はポーカーと相性が良くない。(そもそもどんな仕事でも性に合わない)
12時まで仕事して、どうやら現場にいなくてもよさそうな様子。あとは携帯で連絡することにして、「何かあったら戻ります」と渋谷へ向かう。結局、後で何度か連絡が入り、その間バケーションにしていろいろやらなくてはならなくなったが、何とか参加できたのは何よりのことであった。
渋谷から表参道は上り坂。天気予報と違って曇りで、気温がそれほど高くならなかったのは助かった。それでも会場の東京ウィメンズプラザに着くまでには大汗をかく。このあたりのビルはみんな綺麗で、こういうところで大会が開かれるというのはちょっとうれしい。エスカレーターを降りて会場に入ると午後1時前。それほど遅れなくて何よりである。
受付は2階なので、ちょうど会場全体を展望することができる。吹き抜けの円形ホールに15テーブルほどが配置され、多くのプレイヤーがブレイしている様子は壮観である。マカオのバビロンカジノにちょっと似ている。会場内飲食・喫煙禁止なのでとても空気がいい。フロアはスーツ姿。ディーラーは赤のベスト。BGMも流れてとってもいい雰囲気で、これは参加費を払って来るだけの価値のある大会である。
会場費や備品の輸送費、ディーラーやフロアーの人件費も相当かかっているはずで、この参加費で採算がとれるのかなぁと思うけれど、それは主催者が心配することであろう。こちらはプレイで楽しませていただくだけである。会場内には知った顔もちらほら見られるが、大部分は未知のブレイヤーで、指示されたテーブルも知らない人ばかりである。
スタートチップ10000点は若干減っているが、ほとんど影響ないくらい。レベル2の100-200の残り時間少々、まだまだ先は長い。クールビズの仕事帰りスタイルは気になるが、チャージャースCapとサングラスを身に着け、プレイに集中する。
会場の東京ウィメンズプラザ。早く着いたら図書館で資料でも見せてもらおうと思っていたら、何とか間に合うという状況に陥ってしまった。完徹でないだけましだが。
この大会はもちろんリアルマネーではないし、また賞品も1位(セブンラックご招待)以外は豪華というほどではないので、いわゆるウィナー・テイク・オールである。しかもサイドイベント(飛んだ人のセカンドトーナメント)もあるので、場が荒れるのではないかと思っていたのだが、予想に反してみなさん慎重である。これはおそらく、海外でのトーナメント並みの雰囲気作りによるものではなかろうか。
私だけではないと思うが、リアルマネーのトーナメントでも、参加費を払ってしまえばマネープレッシャーはあまりない。$100の参加費だから暴れようとか$1000の参加費だから手堅くなんてことは、トーナメントが始まってしまえばそれほど考えないだろう。イン・ザ・マネーが気になるのも、私の場合はあと何人かからである。そして、ウィナー・テイク・オールなら序盤にチップを握ってしまった方が断然有利である。
だから、参加者の多くが優勝以外は早飛びも同じと考えてしまうと、序盤戦から大立合いとなって場が荒れることも十分に考えられた。それだと、正直なところ海外のトーナメントへの練習機会としてはあまりいい環境とはいえない。その意味では、主催者のご努力に敬意を表したいと思う。
さて、テーブル全般は手堅いのだが、私の上家が何度もビッグレイズしている(そういう人も当然いる)。オールインも入ったので、おそらく序盤で大きくチップを失っていると思われた。ポットが数百点しかないのに何千点のレイズとかオールインは尋常ではないが、知らない相手なのでAAやKKでないとは言い切れないところが難しいところである。
でもまあ違うだろうな。この頻度だとAxとかで入れているんだろうなと思っていたら、またしてもアーリーポジションから数百点のポットにオールインである。こちらのハンドをみるとJJ。カウントしてもらうと6000点余り。あと何人かにもっと上のペアがいるかもしれないけどコール。みんな下りてヘッズアップ。出てきたのはA8、予想通りである。
まあ引かれたら仕方ないと見ていたら、何も起こらず勝ち、ほっと一息つく。序盤でこのリードは大きい。実はJJがこの日のベストハンドだったので、コーらなければたいへん後悔するところであった。
その後も手が伸びて、AハイフラッシュとかAKからフロップAとかでチップを増やしたり、逆にフラドロ&ストドロを引きに行ってチップを減らしたりする。レベル4後の一回目休憩まで15000点と20000点を行ったり来たりし、ここでAA、KKが来ればスローブレイと身構えているのだが、もちろんそういうハンドは来ないのであった。
会場内の様子。最終的に参加者は110名余り。また参加させていただきたいと思いました。
休憩後にテーブルブレイクとなる。今度は1番テーブルなので、当分ブレイクはなさそうだ。
しかし、このテーブルに移ってから2時間余り、ほとんど手が入らなかった。どのくらい入らないかというと、AT以上が入らないくらいである。まあ、こんなことは珍しくもないが、改めて書くとつらいものがある。一方で、J2を下りてフロップJJなんてこともあったが、参加していたらきっとKJがいたのだと思う。
レベル5の300-600、アンティ50のボタンで、自分の前まで3人コール。3000点以上のポットをスチールできれば当分下りていられるので、約16000点をオールイン。ハンドはここには書けないくらいだが、みなさんフォールドしてくれてほっとひと息つくことができた。
レベル6の400-800、レベル7の600-1200と、このあたりで手が入ってくれないと困るのだけれど、全然入らない。手がかりになるようなJTsとか56sすら来ないのである。ただ、携帯に連絡が入ってたびたびバケーションにしたので、もしかしたらその間に手が入っていたのかもしれない。
さきほどのスチールが効いて20000点近くあるのでそれほどあせりはしないものの、次のレベルで1200-2400と一気に上がるので、そろそろ飛び込まなければならないだろう。5000点のアドオン権利を使っていないが、使ってもあまり意味がないブラインド水準になってしまった。と思っていたら、テーブル移動で下家にkurodaさんが入ってきた。
kurodaさんとの相性はあまりよくない。マジ手だと思って下りればブラフだし、ブラフだと思ってレイズするとマジ手である。勝率75%でも楽に引かれる。この日はチップ量でこちらが倍くらいあったものの、ヘッズアップで負ければ今度はこちらが半分になる。そんなkurodaさんが下で、身動きがとりにくいまま勝負どころのレベル8、1200-2400のアンティ200である。
最初のBB、一人ショートオールインでSBまで全員下り、千点ちょっとが返ってきた。しかもQ6のQが当たって、ポットも手にした。これでまた1周見ていられる。その後、カットオフの次あたりで55が入る。コールが一人入っていたので飛び込もうと思ったが、kurodaさんがエニーハンドオールイン、BBもコーるような気がしたので下りた。3人4人相手のスモールペアでは勝ち目は薄いからである。
私は下りたのだがkurodaさんはオールイン、SB、BBコールは予想通り。結果はというと、kurodaさんはTT、ブラインドのどちらかがボードのJを当てていたので、飛び込んでいたらゲームセットとなるところだった。ここでkurodaさんがいなくなってしまい、あとは未知のプレイヤーばかりである。そして2度目の休憩、次のレベルは2000-4000となる。
チップはあと15000点ほど。ブラインドが回ってきたらオールインするしかないし、だとすれば前にコールが入らなければ飛び込んでしまう方がいい(スチールできるかもしれない)。そして、休憩明け直後に、まさに全員下りで回ってきた。ハンドは6h9h。このハンドでオールインするのは初めてだが、結構ファンが多いハンドでもある。
ボタンまで下りてくれたが、SBあっさりコール。BB下りで、恥ずかしいけど、開かなければならない。SBのハンドはQQ。これはバッドラックである。それでも、ターンまで8TJと出ていい勝負にはなったが、リバーラグでゲームセット。まあ、最後は仕方ない。
ロビーに出ると侍さんも飛んだところだった。途中でのぞいた時は数万点持っていたはずなのに、2ハンドで飛んだそうだ。主催者のジャッジ金子さんにもご挨拶して、まだ明るい表参道に向かう。この大会を紹介してくれた尼僧とはお会いできなかったが、Lupinさんやめ社長ご夫妻、しださんといった方々のお顔を久々に拝見できたのはうれしかった。
先週、今週と久々にカードにさわって思うのは、相変わらず手が入らないということである。いざとなるとAx、ポケットペアはおろか、好きなハンドのJTも56も来ない。J6だとtagamanの真似だし、29は看板にゃさんの専売特許だ。何か自分専用のバナナハンドを開発する必要があるかもしれないなあ、と思ったりした。
[Aug 19, 2010]