NFL予想記事。プログ開設当時からの連載です。Niftyの記事を保管しなかったのは残念。
SUPERBOWL XLIX展望
WILDCARD WEEKEND
DIVISIOAL PLAYOFF
CONFERENCE CHAMPIONSHIP
SUPERBOWL XLIX直前予想&回顧
NFL予想記事目次 2014AFC星取表 2014NFC星取表 2014PLAYOFF
SUPERBOWL XLIX展望
NFL2014 スーパーボウル優勝オッズ(2014/7/25現在)
◎ シアトル・シーホークス 7.0
デンバー・ブロンコス 8.0
サンフランシスコ・49ナース 8.0
△ ニューイングランド・ペイトリオッツ 11.0
グリーンベイ・パッカーズ 15.0
▲ ニューオーリンズ・セインツ 21.0
フィラデルフィア・イーグルス 21.0
キャロライナ・パンサーズ 26.0
シンシナティ・ベンガルス 26.0
インディアナポリス・コルツ 26.0
O ピッツバーグ・スティーラーズ 26.0
気が付いたら、もうNFL開幕が目前に迫っている。1年の経つのが、本当に早くなった。この勢いで定年まであと3年、すっ飛ばして過ぎてくれれば言うことはないのだけれど。今シーズンもよろしくお付き合いください。
さて、数年前にはAFCチームが上位を占めていたスーパーボウルのオッズが様変わりしている。辛うじてブレイディとマニングの両チームが残ってはいるものの、あとはNFCのチームである。特に西地区のシーホークスと49ナースがトップ2となつている。やはり何年か前には、NFC西地区は全チーム負け越しということさえあったのに。
これまでの情報によると、シーホークス、49ナースともに昨年の出来を維持しているらしい。ただし、シーホークスはRBマショーン・リンチが契約更改未済、49ナースはLBアルドン・スミスが不祥事で少なくとも前半戦は出られない。とはいえ、両者ともチーム全体としての戦術で躍進してきたチームなので、メンバー変更が小規模にとどまるのであればそれほど心配はないのかもしれない。
むしろ心配なのは、ラッセル・ウィルソンにせよキャパニックにせよ、本当のエリートQBというには一歩足りないのではないかと思わせるところである。対戦チームも対策は立ててくるだろうし、ランの比重が大きいだけにケガの不安は隣り合わせである。両チームとも、ディフェンスよりオフェンスに課題があるといえそうだ。
とはいえ本命はシーホークスで動かしがたい。ホームゲームは圧倒的に強いし、昨シーズンスーパーボウルの圧勝も記憶に残る。唯一懸念されたのは冬場の東海岸を苦手としていたことだったのだが、スーパーボウルのメットライフ・スタジアムで強かったのだから心配は半減した。もっともジャイアンツとやったらどうか分からないが、シード順位が下になるとは考えにくい。
対抗はAFCからスティーラーズ。ここ数年主力選手の引退やトレードでプレイオフを逃してきたが、そろそろ復活しそうな気配である。ポラマルもロスリスバーガーもそろそろキャリアの最盛期を過ぎて、再びスーパーボウルに向けて気合は入るだろう。ただし、冬場に調子を上げるチームなので、前半戦で差が付くと厳しいかもしれない。
穴候補はNFCでセインツ、AFCでペイトリオッツ。ともに絶対的なQBがいて、ディフェンスの強化が図られている。ただし、セインツはアウェイに弱いのでシード順位が上がらないと厳しいし、ペイトリオッツはレシーバーの駒不足が足かせとなりそうだ。とはいえ、両チームとも全勝に近い星を上げるだけの底力のあるチームである。
[Aug 1, 2014]
WILDCARD WEEKEND
年が明けると、いよいよNFLはスーパーボウルに向けてのポストシーズンとなる。現在残っているのは12チーム。これが最後の2チームとなるのは2月第一週である。
第1シードはAがペイトリオッツ、Nがシーホークスといずれも開幕前から高評価を得ていたチーム。果たしてこのまま両チームがスーパーボウルまで勝ち残るのだろうか。ちなみに、昨シーズンは第1シードがそのままスーパーボウルに進んだが、これはここ10年で初めてのことであった。
レギュラーシーズンの予想成績は42勝43敗と惜しくも5割に届かなかった。今年は特にパッカーズとの相性が良くなくて、最終週もパッカーズにやられてパーフェクトと年間勝ち越しを逃してしまった。勝ち予想をするとハンデ負けばかり、負け予想をするときっちり大差勝ちで、パッカーズ絡みの予想は1勝5敗である。どちらに予想しても逆に来るので、プレイオフが心配だ。
NFC Saturday
アリゾナ・カーディナルス(ワイルドカード)
Oキャロライナ・パンサーズ(南地区優勝) -5
終盤4連勝で逆転地区優勝を果たしたパンサーズ。好調の要因は4試合平均で11点しか許していないディフェンスだ。優勝決定戦となったアウェイのファルコンズ戦では、マット・ライアンから2つのインターセプト、ランも63ヤードに押さえるなど完璧だった。ここはディフェンス合戦となるが、QBの差が出そうだ。
カーディナルスは真っ先にプレイオフを決めながら、QBが相次いでケガでシーズンアウトとなり苦しいプレイオフとなった。49ナース戦では善戦したものの、上り調子のパンサーズ相手ではちょっと厳しい。
AFC Saturday
Oボルティモア・レイヴンス(ワイルドカード)
ピッツバーグ・スティーラーズ(北地区優勝) -3
チャージャースが敗れてプレイオフが転がり込んできたレイヴンス。今年はレイ・ライスのサスペンドで苦しいスタートとなったが、代役のRBフォーセットが1200ヤード走ってつじつまを合わせた。ご存じのとおりQBフラッコはポストシーズンに強い。同地区スティーラーズとは1勝1敗で結着戦となる。
スティーラーズは最終週にベンガルズを破って地区優勝を果たしたが、RBレベオン・ベルのケガという大きな代償を払わなければならなかった。仮に出てきても万全という訳にはいかないだろうし、WRアントニオ・ブラウンが活躍できるのもランの脅威があるから。このゲームはちょっと厳しいのではないか。
AFC Sunday
シンシナティ・ベンガルズ(ワイルドカード)
Oインディアナポリス・コルツ(南地区優勝) -4
終盤に来て急激に調子を落としているアンドリュー・ラックだが、昨年のプレイオフでチーフスに大逆転勝ちしたようにポストシーズンは悪くない。ここはホームゲームだし、結果を出したいところ。ただし、勝てばいずれにしても次は寒い屋外での試合となる。
ベンガルズはロースコアゲームに持ち込めればチャンスはあるが、先週のゲームをみるとパスディフェンスに課題がありそうだ。4戦連続プレイオフは大したものだが、過去3年緒戦で姿を消しているようにドールトンは勝負強さに欠ける。さらに頼みのA.J.グリーンがWeek16のケガの影響で、先週は精彩がなかった。
NFC Sunday
Oデトロイト・ライオンズ(ワイルドカード)
ダラス・カウボーイズ(東地区優勝) -7
今週登場するNFCのチームはインドアスタジアムのチームが多い。この試合でダラスが勝つと2位シードのパッカーズと寒いランボースタジアムで戦わなければならないが、それはともかく12月に失速するはずのロモが好調を維持している。4試合すべてレイティング100以上で、今年はインターセプトも少ない。有利は有利だが、ハンデほど差があるようにも思えない。
ライオンズが勝てば相手はシーホークス。先週のパッカーズ戦は差が開いてしまったが、中盤までは悪くはなかった。オフェンスはカルビン・ジョンソンの一発に賭ける。ディフェンスがマレーのランを止めることができれば、いい試合になるだろう。
[COMMENT from ビートルさん]
今季のNFLもポストシーズンに突入。今年もスーパーボウル制覇を目指した戦いが始まります。
願望抜きに両カンファレンスの優勝チームを予想すると、NFCはシーホークスの連覇、AFCはペイトリオッツが優勝するのではないかと考えます。
まず、NFCですがシーホークスの戦力の充実ぶりはやはり群を抜いている感があり、全体のホームフィールドアドバンテージも握っていることからも有利は明らかでしょう。対抗するチームがあるとすればパッカーズだと思います。
次にAFC。昨年優勝のブロンコスですが、マニングがやや体調が悪いとも聞いていることや、決勝でペイトリオッツと戦う場合は敵地になることから、連覇はかなり苦しいと見ます。これに対し、ペイトリオッツには経験も力もあり、大崩れすることは考えにくく、高い確率でカンファレンス優勝を果たすのではないでしょうか。対抗馬はレイブンズを推します。フラッコのここ一番での底力、安定した守備力はどこと戦っても勝負になるでしょう。
もしスーパーボウルがシーホークス対ペイトリオッツという組み合わせになれば、シーホークスのピート・キャロルヘッドコーチにとっては古巣との対決になります(かつてペイトリオッツのヘッドコーチでした)。今はキャロル時代を知る選手はほぼいないでしょうが、一つの話題になるでしょう。
なお、願望としてはAFCはベンガルズ、NFCはライオンズに優勝してほしい(実現すれば猛獣対決スーパーボウルですね)。理由はベンガルズにはまだスーパーボウル制覇の経験がなく、AFC優勝すら四半世紀遠ざかっていること(今年の他のAFCプレーオフ出場チームは皆最近に優勝を経験している。端的に言えば新鮮味に欠ける)、プレーオフに出ても負け続けでそろそろ勝ってほしいことであり、ライオンズに至っては世界一はおろかまだNFC優勝すらないためです。正直、限りなく低い可能性ですが、頑張って番狂わせを起こしてほしいですね。
後、二例目の負け越し地区優勝チームになったパンサーズも頑張ってほしいです。
[Jan 3, 2015]
DIVISIOAL PLAYOFF
先週のWILDCARD WEEKEND、3試合は主力選手が欠場したチームが苦しいゲームを強いられた。アリゾナはいくらディフェンスががんばってチャンスを作ってもらっても、インターセプト連発ではどうしようもない。スティーラーズはランでゲームを作れなかったことで、レイヴンスディフェンスにビッグプレイを連発されてしまった。ベンガルズはA.J.グリーンが脳震盪でアウトとなり、ただでさえ決定力のないドールトンはなす術がなかった。
カウボーイズvsライオンズは唯一接戦となり、4Qでロモがウィニングドライブを決めた。これで先週の予想は全勝(ライオンズはハンデ勝ち)となったが、今週は相性の悪いパッカーズの登場である。
今週の4試合はすべてHome有利とみるが、NFCの勝ち確率が90%とすると、AFCは66%くらいで逆転の余地が十分あるとみている。またハンデが大きいので、それ以上大差がつくかどうかは難しい予想となる。特にプレイオフでは、1点差でも負ければシーズン終わりなのである。先週パンサーズがやったように、セイフティで失点したって勝つことが優先されるのである。
AFC Saturday
Oボルティモア・レイヴンス(ワイルドカード)
ニューイングランド・ペイトリオッツ(東地区優勝) -7
第1シードのペイトリオッツにとって、残り3チームのうち最もやりにくいのがレイヴンスだろう。攻めの手段がグロンコウスキーに限られる現在のブレイディは、あるいは好調時のフラッコに一歩譲るかもしれない。それでも試合運びの巧さでわずかにペイトリオッツ優位とみるものの、ハンデが実力差以上にあるように思う。
レイヴンスはスティーラーズのミスに助けられたが、ディフェンスのビッグプレイとポストシーズン仕様のフラッコはなかなか強力だった。終盤に調子を崩しているブレイディを封じ込めればチャンスは十分とみるが、ペイトリオッツはスティーラーズほどミスは多くない。
NFC Saturday
キャロライナ・パンサーズ(南地区優勝)
Oシアトル・シーホークス(西地区優勝) -11
過去3年の対戦は3戦とも7点差以内の接戦であるが、すべてBOAスタジアム。クラウドノイズには定評のあるクウェスト・フィールドで、かつ万全でないパンサーズということを考えると、今回はシーホークスがはっきりとした決着をつけるような気がする。特にQBニュートンの出来は不安で、先週のカーディナルスはスタントンが出たら危なかっただろう。
シーホークスは連覇に向けてシーズン終盤に調子を上げてきた。Week12からの6連勝では、平均失点が6.5というすさまじいディフェンスである。チャンピオンシップではどちらが出て来ても強力なQBが相手となるが、ここは押さえこむとみる。
NFC Sunday
ダラス・カウボーイズ(東地区優勝)
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝) -6
今シーズンのオールプロ、QBはアーロン・ロジャースが2度目の獲得となった。2番手はトニー・ロモなので、この対戦が今年のナンバー1、2の揃い踏みとなる。そのこともあってハンデは4戦のうちで最も小さいが、私は逆に最も差があるのがこのゲームだと思っている。何といってもパッカーズは今季ホームで全勝。天気予想は氷点下でホームの利が大きい。
それに、トニー・ロモがそれほど安定しているとはどうしても思えないのである。先週もレイティング100を超えてこれで5戦連続となるが、上げ潮のときにポカをやるのがロモである。先週も微妙な判定(パスインターフェアのコール逆転)がなければ、逆転TDまで行けたかどうか。
AFC Sunday
Oインディアナポリス・コルツ(南地区優勝)
デンバー・ブロンコス(西地区優勝) -7
ワイルドカードでランが全く出ないコルツをみていると、ブロンコスの強力ディフェンスを突破するのは容易ではないと思うし、アンドリュー・ラックにとって過去2年間敗退している敵地でのディヴィジョナル・プレイオフである。それでも、シーズン終盤にいったん後退したチームが再び登り調子にあるように感じる。あえて狙ってみる。
ブロンコスはシーズン終盤にマニングにTDパスがなかったが、これは例によって冬場の不調によるものか、あるいはプレイオフ用にランを試していたのか。1000ヤードラッシャーがいない点ではコルツと同様だが、ランオフェンスはまだブロンコスの方が強そうだ。天候次第でいろんなケースがありそうで、大差勝ちも大差負けもあるような気がする。
[Jan 9, 2015]
CONFERENCE CHAMPIONSHIP
先週土曜日のディヴィジョナル・プレイオフまで、わがブログ予想は6連勝を続けて来たが、7戦目で相性の悪いパッカーズでまたもやハンデ負けしてしまった。
これだけ相性が悪いとむしろ敗退してもらった方がよかったけれど(予想しなくていいので)、それを言っても仕方がない。一方のカウボーイズは惜しいところで微妙な判定(デズ・ブライアントのキャッチ不成立)に泣かされたけれど、先週ライオンズ戦は微妙な判定で勝っているので、行って来いということでしょう。
マニングはやはり冬場のパフォーマンスがよくなかった。ロングパスもほとんどなかったし、精度も悪い。シーズン終盤から、気候による肩への影響があったのではないだろうか(その後の情報では、実際にどこか痛めていたらしい)。
4年前、移籍先としてブロンコスが候補に挙がった時、ブログ(当時はnifty)に「年齢を重ねたマニングがわざわざ寒いデンバーに行ってどうなるのだろう。そもそも冬は良くないのに」と書いたけれど、まさにその通りの結果となった。
チャンピオンシップは4チームとも地区優勝のチームで、近年には珍しくワイルドカードからの勝ち上がりがなかった。また、アンドリュー・ラックを除くQBはいずれもスーパーボウルを制覇している。
NFC Championship
グリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝)
Oシアトル・シーホークス(西地区優勝) -7
1st Round Byeで2週間休んだにもかかわらず、アーロン・ロジャースのケガの状態は好転していなかった。その意味では、あれ以上気温が下がらなかったのはパッカーズにとって幸運だったのかもしれない。しかしカウボーイズには通用しても、シーホークスにはどうだろうか。Week1には16-36で完敗している。
シーホークスは最終的にパンサーズに大差をつけたが、途中経過は必ずしも安泰ではなかったように思う。その理由の一つはパンサーズを少し苦手としている点があげられるが、逆にパッカーズには相性がいいようだ。先週はあまりリンチの活躍がなかったが、Week1では20回のランで110ヤード走っている。今週はビーストモード全開とみる。
AFC Championship
Oインディアナポリス・コルツ(南地区優勝)
ニューイングランド・ペイトリオッツ(東地区優勝) -7
先週に引き続き、あえてコルツを狙ってみたい。一昨年がワイルドカードでプレイオフ初戦敗退、昨年が地区優勝でディヴィジョナル敗退ときているので、その順番からいくと今年はチャンピオンシップ敗退ということになるのだが、ブロンコス戦ではチームに勢いがあり、弱点のランも出た。かつてスティーラーズやレイヴンスがスーパーボウルに進んだ時に似ている。
ペイトリオッツはレイヴンスに2度14点差をつけられたが、何もなかったかのように追いついて4点差つけて勝った。ホームの利はあるし、ブレイディはマニングと違って冬は得意としているものの、メイヨーが抜けているディフェンスはやはり堅実さに欠ける。有利は間違いないが勢いという点でコルツに一歩譲るのではないかと思う。
[COMMENT from ビートルさん]
いよいよ今シーズンのスーパーボウルに出場する両カンファレンスの優勝チームが決まりましたが、決まり方は極めて対称的でした。
NFC優勝決定戦は波乱万丈の展開。残り約2分でパッカーズが19対7でリードし、4年ぶりの優勝は決定的かに思われましたが、そこからシーホークスがたったの44秒で大逆転、しかし、パッカーズも挫けずフィールドゴールで追いついて延長戦に突入。最後はシーホークスがタッチダウンパスでけりをつけ、見事2年連続3回目のNFC優勝を飾りました。終始有利に試合を進めていたのはパッカーズだったので驚きです(最後のオンサイドキックを押さえていれば勝てていただろう)。
一方、AFC優勝決定戦はペイトリオッツがコルツを圧倒。45対7の大差で3年ぶり8回目のAFC優勝を決めました。こっちはほとんどドラマもなく終了。第3クォーターの終盤にはもう事実上決着がついてしまうという内容でした。正直なところ、力の差は歴然としていたように思います。
これで今年のスーパーボウルの組み合わせは連覇を狙うシーホークスと10年ぶりの世界一を目指すペイトリオッツというカードになり、双方第一シード同士の対決になりました(予想通りと言えばそうですが)。シーホークスのキャロルヘッドコーチにとってはかつて指揮したチームとの対戦になります。
今季の開幕前にはシーホークスの連覇は固いという見方が強かったですが、今の状況ではどっちが有利かは分かりません。力のシーホークス、技のペイトリオッツという感じがしますが、ペイトリオッツは「自分からこける」ことはまずないチームなので、昨年のブロンコスのように総崩れになることは考えにくい。好ゲームを期待してよいと思います。
余談ですが、両カンファレンスの優勝トロフィー(NFCのジョージ・ハラス杯、AFCのラマー・ハント杯)が今は非常に簡素なものになってしまい(形まで同じ)、かつてのトロフィーの形を知っている者としては寂しい限りです。昔はスーパーボウルのヴィンス・ロンバルディトロフィーと比べても遜色ない味のあるデザインだったのですが。こっちにも独自の伝統があるのですから、元に戻してほしいです。
[Jan 16, 2015]
SUPERBOWL XLIX直前予想&回顧
SUPERBOWL XLIX(2015/2/1、アリゾナ州フェニックス)
ニューイングランド・ペイトリオッツ(AFC) -1
Oシアトル・シーホークス(NFC)
書いていて思ったのだが、来年は50回、SUPERBOWL Lになるんですね。一文字になるのはSUPERBOWL X以来40年振り。
オープニングオッズでは両チームスクラッチ(-110)だったのだが、1週間経って多くのカシノでペイトリオッツFavoriteとなっている。とはいえ、-120対+100なのでほぼ互角であることには変わりはない。当ブログとしては、シーホークスに乗りたい。
何と言っても、チャンピオンシップで必敗の状況から逆転勝ちしたチームである。OTのプレイが最初からできていれば苦戦すらしなかったのだが、それは置くとして、10%の成功率とされるオンサイドキック、一か八かにしか見えない2ポイントコンバージョンなど、神がかりというものがあるとすれば、まさにそういうチームとなっているように思う。
そして、逆転のベースとなったのは、前半全く進まないオフェンス、ウィルソンの度重なるインターセプトにも切れなかったディフェンスであることは指摘すべきであろう。シーホークス以外のチームであれば前半で28-0になっているはずで、残り5分31-7だったらいかにシーホークスでも逆転のしようがなかったのである。
一方のペイトリオッツはコルツを粉砕してAFCチャンピオンとなった。コルツの軽量ディフェンスがペイトリオッツのランを止められなかったことで大差がついたものの、シーホークスのディフェンス相手にランが進むとは思えないので、やはりブレイディのパスがつなげられるかというところに最大の焦点があるだろう。
その意味では、CBシャーマンがどの程度回復して出てくるかということが重要である。ブレイディのパスターゲットは7割方グロンコウスキーとエデルマンで、シャーマンがマークするであろうアメンドーラやラフェルの比重は大きくはないけれど、ターゲットが少なくなればそれだけブレイディへのプレッシャーがかかりやすくなる。ランが出ないとなればなおさらであろう。
一方、ウィルソンの出来はチャンピオンシップよりも確実に上がってくるはずである。もともと、前半から飛ばすタイプのQBではないものの、マショーン・リンチやウィルソン自身のランを使い、ポケットから出てパスをうまく散らすことで、相手ディフェンスの体力を奪ってゲーム後半に優勢を確保しようとするだろう。もちろんベリチックは対策を練ってくるだろうから、このあたりの主導権争いも面白そうだ。
1990年代にペイトリオッツのHCだったピート・キャロルが古巣との対戦、シーホークスがペイトリオッツ以来のスーパーボウル連覇なるかどうか、シーホークスディフェンスがマニングに続きブレイディ攻略なるかどうかなどなど、見どころの多いスーパーボウルで、その意味ではグリーンベイが出てくるよりは面白い。
シーホークスのML(+100)、-7(+200)、-7から-12(+500)、-13から-18(+750)、-19から-24(+1100)あたりを組み合わせてと考えているが、去年もそうしたら35点差ついてしまったのだった。
[Jan 28, 2015]
SUPERBOWL XLIX(2/1、アリゾナ)
ニューイングランド・ペイトリオッツ 28-24 シアトル・シーホークス
ペイトリオッツのランが進まないとみてシーホークス有利としたけれども、ペイトリオッツがみごと逆転で10年振り4回目のスーパーボウル制覇を果たした。昨年とは違って、最後までスリリングでエキサイティングなゲームだった。
カースのミラクルキャッチで残り5ヤードに持ち込み、リンチのランであと1ヤード。まだ2ndダウンで、リンチでもウィルソンでも走って再逆転という場面で、なぜパスを選択したかは大きな疑問。もちろん裏をかくというのは作戦の常道だし、走ったとしてもファンブルしてターンオーバーということはありえるのだけれど、あの場面でパスはシーホークスらしくなかった。
仮に2ndダウン・3rdダウンが止められたとしても、最後までリンチに任せての力押し、もしくはウィルソンのスクランブルで力の勝負を臨むのがシーホークスらしかったと思う。それで勝てたかどうかはもちろん分からないが、裏をかくつもりが失敗というのは大きなダメージである。もし来年シーホークスが低迷するとしたら、これが原因となるかもしれない。
あるいは、ペイトリオッツがタイムアウトも取らず、あえてオフェンスに時間を使わせたということで、ランを止める自信があるのかと疑心暗鬼に陥ったのかもしれない。もし2ndダウンのランを止められてしまえば、最後のタイムアウトを取らざるを得ないから、次のプレイで時間がなくなるおそれがある。だから一つパスを混ぜるということだっただろうか。
その意味では、ペイトリオッツがよくリンチをマークして、ほとんどロングゲインを許さなかったのは大きかった。お互いにランを止め合えば、あとはブレイディとウィルソンのパス勝負。そこに持ち込めれば断然有利というのがペイトリオッツの戦略だっただろう。
もう一つ思ったのは、あの場面でランを使わずパスというのは、来期以降も見据えてピート・キャロルHCがあえて選択したのではないかということである。ウィルソンがスクランブルすれば最も成功確率が大きいが、この作戦は大ケガのリスクが常につきまとう。ウィルソンのドラフト同期RGⅢが活躍できたのは1年目だけだし、モバイルQBの多くはケガに悩まされている。
リンチのランも破壊的だが、ランニングバックがどこまでゲームメイクできるかというと疑問である。長いスパンでみて、シーホークスがリンチ中心のオフェンスをずっと続けるということは考えづらい。ここ10年のランニングバックでゲームメイクすることができたのはトムリンソンくらいで、リンチはトムリンソンの域には達していない。
HCとしてはそのあたりまで考えに入れて、パスを選択したのではないかとも思っている。実際、誰が見ても、プレイオフ以降ウィルソンのランをほとんど使っていない。チームの長期的な戦略を考えた場合、ウィルソンはもっとパスをさせるべきだし、リンチがいなくても勝負できる駒を増やさなければならないと考えたのかもしれない。
今オフでは、2年連続でスーパーボウルに進出したこともありサラリーキャップが厳しくなることが予想されるが、ああいう作戦をとるということは、あるいはリンチ放出も想定しているのかなとちょっと思った。
一方のペイトリオッツ。ブレイディが最後まで冷静でいられたのは、第1Qに自らの失投でのインターセプトがあったからで、その意味ではケガの功名ということかもしれない。そして同年代のブレイディ優勝を見て、マニングが現役続行を決意する可能性が大きくなったとしたら、何よりのことである。
ただ試合全般を振り返れば、4TDくらいはブレイディなら取れて当り前ともいえる得点であり、やはりディフェンスの頑張りで勝利を手にしたということになるだろう。
来季のことをいうと、ペイトリオッツを目の敵にするライアンHCがジェッツからビルズに移って引き続き同地区ということになるけれども、余程のことがなければ地区優勝は動かないし、コルツには大きなダメージを与えた。デンバーはマニングの去就が不透明だし、出てきたとしても年齢的に多くは望みにくい。止められるとすれば今年同様レイヴンスということになるが、来年もペイトリオッツがスーパーボウルに出てくる確率はかなり高いと考えている。
[COMMENT from ビートルさん]
第49回スーパーボウルはAFC王者のペイトリオッツがNFC王者のシーホークスを接戦の末に下し、見事に10年ぶり4回目の世界一に輝きました。昨年は凡戦になったスーパーボウルでしたが、今年は双方の力と技が真っ向からぶつかり合った好ゲームであり、歴代ベストゲームの一つに入る試合だったと思います。
試合経過は一進一退であり、前半はペイトリオッツがやや優勢でしたが、前半終了直前にシーホークスが約30秒でタッチダウンを奪って追いついてから形勢が逆転。後半の第3クォーターにはシーホークスが10点のリードを奪ったのに対して、ペイトリオッツは攻守ともに手詰まり感が漂い、このままリードを広げられて完敗かという雰囲気になっていました(私もこれではペイトリオッツは苦しいと思っていた)。
しかし、最後の第4クォーターになってペイトリオッツが攻守ともに息を吹き返し、シーホークスを無得点に抑える一方で二つのタッチダウンを奪って逆転。ブレイディのパスは素晴らしく、特に最後のドライブは彼が現役最高のQBの一人であることを再確認させられる見事なものでした。
だが、今回の試合のドラマはここからでした。押されるばかりだったシーホークスが反撃を開始し、どんどんエンドゾーン目指して進撃。特にウィルソンからカースへ通ったパスは奇跡的なものであって、もはや逆転と連覇は確実な情勢に見えました。まるで第42回、46回大会のデジャヴであり、画面に映ったブレイディはもう茫然自失と言った感じでした。私は「まだスパイゲートの天罰は有効だったか」と思ってしまいました。
もはやこれまでかと思われたペイトリオッツを救ったのはルーキーのバトラー。起死回生のインターセプトでチームに勝利をもたらしました。これまた信じられないようなプレーで、思わず拍手してしまいました。パスインターフェアの危険も恐れず(実際、場内に「パスインターフェア」という誤報が流れ、シーホークスファンが歓声をあげる一幕もあった)、思い切ったプレーで勝ち取ったインターセプトだったと思います。
まあ、シーホークスがパス攻撃を選択したことについてはいろいろと批判もあるでしょうが、結果論で責めるのも酷な話でしょう(あの局面でラン攻撃はある意味見え見えの戦法ですし)。
最後にちょっと乱闘騒ぎになってしまったのは残念でしたが、試合としてはとても見ごたえのある満足できる内容でした。
さて、来シーズンですが、もしかしたら重要なルール変更が行われるかもしれません。何とゴールポストのバーの間隔が4フィート縮められる可能性があるそうです。もしこの変更が実行されれば、ゴールが決まりにくくなるわけですから、長い距離のフィールドゴールはさらに難しくなりますし、今まで半ば「自動的に」決まっていたトライフォーポイントのキックが外れる可能性も高まります。試合の進め方も大きく変わってくるでしょう。まさに1974年にゴールポストの位置がゴールラインからエンドラインに10ヤードほど後退させられた時に匹敵する大改正になりえます。
既に今年のプロボウルでこの変更ルールは実験されています。その結果は名手ビナティエリが簡単なフィールドゴールを一本、トライフォーポイントのキックを二本外すという結果をもたらしました。まあ、チームメイトがいつもとは違う点は差し引かねばなりませんが、かなりの影響があることは見て取れます。ルール改正が実行されるかはまだ分かりませんが、果たしてどうなることだか。
来シーズンも面白い展開になってほしいですね。同じチームが勝ち続けるのはよくないので、まだスーパーボウル未制覇のチームには頑張ってほしいです。ビルズとかブラウンズとかに浮上の兆しが見えてきたのは、良い傾向です(なお、ブラウンズなどケビン・コスナー主演の映画『ドラフト・デイ』で物語の舞台になっています。そろそろツキがめぐってくるかも)。
[Feb 2, 2015]
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