養老温泉    大島温泉    さわらびの湯    成田温泉    岩婦温泉(爆)
白壁の湯    和楽の湯    七里川温泉    道の駅保田    筑波山温泉


養老温泉 [Jan 4, 2006]

さて、役所と同様29日から昨日まで6日しか休みがない。ばたばたしているうちにあっという間に時間が経ってしまう。今回の冬休みにしたことといえば、休み初日の29日にドライブしたのと、年末年始にかけてレギュラーシーズンの最終週となったNFLをチェックしたり、オンラインポーカーサイトを覗いたりしたくらいであるが、それでも、つかの間の「リゾ+カジ気分」を味わうことができた。

ドライブは、混むところには行きたくないので、東京方面ではなく房総方面に向かった。行ったのは養老渓谷の先にある日帰り温泉施設「ごりやくの湯」。最近できたばかりの真新しい建物である。木造の建物を湿気から守るため、外気をそのまま吹き抜けさせている構造になっていて、入るときえらく寒いが、入ってしまうと体は温かく頭は冷えるので非常に具合がいい。いつまででも入っていられそうな気持ちがする。

房総の温泉の多くは低い温度で湧出するため加熱しているが、ここもそうである。泉質は炭酸泉。かなり酸性の刺激がある温泉で、長く入っていると肌がぴりぴりして真っ赤になってしまうが、出てしばらくしていると効いてくる。天然のピーリング効果である。露天風呂につかりながら、何分かごとに成田から離陸した飛行機が山の向こうからやってきて通過していくのを見るのも楽しい。

温泉から出ると、別棟になっている食事処でお昼にする。ほりごたつ形式になっていて足は楽なのだが、それではあきたらず横になってしまってもノープロブレムである。ここは昔からある旅館の系列なので、おそらく板前さんもそこから来ているのであろう。天丼や釜飯、ゆばとこんにゃくの刺身、ざる豆腐などを食べたのだが、とてもおいしかった。

帰りは、いったん外房に出て海を見ながら帰る。一度に、山の景色と海の景色を楽しめるのが房総のいいところである。九十九里の網元料理店で、いかやさざえを焼いたり、えび、かにのみそ汁、はまぐりの潮汁を味わう。食べてばかりである。今年もできるだけこういう休日を送れたらいいな、と思ったのでありました。

[Jan 4,2006]

大島温泉 [Jan 25,2006]

若い頃から、未知のいろいろな場所に行くというよりも、なじみのところにあきずに何度でも行く、という傾向がある。最近ではもちろんマカオということであるが、ちょっと前では北海道、京都、さらに遡れば伊豆大島ということになるのかもしれない。

伊豆大島は最初に一人旅をしたところである。高校1年の時に、伊豆大島に行った。当時は当然ジェット船などないから、竹芝桟橋から夜行で出て翌朝に島に上陸するというコースが普通だった。その後も、ひとりで、あるいは友達と、あるいは家族と、合計すると5回以上行っているのであるが、大島で最も印象深い宿というと、「大島温泉ホテル」ということになる。

伊豆大島の宿というと、その大部分は東海汽船が就航している元町港(風の具合によっては、島の北側にある岡田港から発着することもある)の近くにある。そして大型旅館としては大島小桶園があり、ここは大島唯一のゴルフコースに隣接して作られているのだが、大島温泉ホテルはそのいずれとも離れて三原山の中腹、外輪山の近くにぽつんと一軒だけある。もちろん、これは温泉の噴出し口ということなのであろう。

だから、このホテルに行くときには三原山と元町を往復している路線バスに、「大島温泉ホテルに寄ってください」といわなければならなかった(いまは知りません)。そうすると、バスはいつものルートを外れて、ホテルの前まで連れて行ってくれるのである。

ホテルからみる三原山山頂付近の景観(この付近を表砂漠という)はなんともいえない荒涼たる雰囲気である。そして、何といってもこのホテルを有名にしたのは、昭和61年の噴火の際、まさにこの表砂漠、温泉ホテルからすぐのあたりに火口が開き溶岩が噴出したことである。

もともと、大島三原山はハワイのキラウェア火山等と同様に溶岩にねばり気が少なく、したがってマグマのエネルギーを極限まで蓄えて一気に爆発するというのではなくて、どろどろと外輪山の内側に溶岩が出てくるタイプの火山だと言われていた。だから、観測するには比較的安全な火山であるとされていたのだが、実際はそんなに甘くはなくて従来の火口とは全く離れた所に溶岩が噴出してしまったのである。

このとき、大島全島の住民が1日のうちに避難した。夜になって、真っ赤に燃える溶岩が山の上から町めがけて流れてくるように見えた(実際には固まってしまって町には来なかった)のは、まさに現地でいう「御神火(ごじんか=神様の火)」の言葉どおりの光景であった。

ところで、当ホテルの名物は、昔も今も「椿油フォンデュ」である。大島特産の椿の実を搾った油は昔は日本髪を整える髪油として使われたものだというが、この高価な油を使って天ぷらをやろうというのがこの料理である。えびやイカなどの海の幸、定番の野菜もおいしいのだが、なんといってもおすすめは「あしたば」。大島特産の菜っ葉で、おひたしとかで普通に食べるとちょっとえぐいが、フォンデュ(天ぷら)にすると最高に旨い。ホテルでなくても島の食堂なら大抵のところで出すはずなので、おすすめする。

[Jan 25,2006]

さわらびの湯 [Jul 28, 2015]

さて、今回行った棒ノ折山からはいくつかの下山口があるのだが、埼玉側を選んだのはさわらびの湯に入りたいと思ったことが大きい。ただ、ちょっと予想外だったのは有間ダム近くの登山口から歩いてここまで来ると30分近くかかってしまうので、やっぱり車で来る人向きに作ってあるのだなあと思ったことであった。

有間ダムから舗装道路を下って行くと、通り沿いに「さわらびの湯」バス停がある。そのいちばん近くにある建物がそうだと思って近づいてみると、そこは売店であった。奥にある建物かと思って疲れた足を引きずっていくと今度は食堂で、さわらびの湯はさらに奥、バス停から歩くと5分近くも奥まったところにある建物であった。

入口で3時間800円の入場券を買って中に入る。中は結構広い。突き当りに休憩室がある。右奥にも座敷の休憩室があったから数十人は入れそうだ。ただ、食堂・レストランはなく、売店と自動販売機のみである。

受付に貴重品ロッカーがあるが、脱衣所にも鍵付きロッカーがあるので安心である。ともに、100円入れて開けると返ってくる方式である。大きなリュックは下駄箱のところの有料ロッカーに入れるよう注意書きがあったが、日帰り用の小さなリュックなら脱衣所のロッカーに入る。他に、例の風呂用篭も置いてあるので、タオルとか着替えはそちらに置くことができる。

掲示してある分析書をみると、フッ素、メタケイ酸泉で、湧出温度は15度ほどなので、鉱泉を沸かしたお湯ということである。浴室に入るとかなり広い。十数人は一度に入れる内湯と、外には露天風呂がある。洗い場も広くて、シャワー付きカランが十いくつか。沸かし湯だけあってお湯は勢いよく出る。

昨年来、山梨方面の温泉に行くことが多かったが、そちらにいくたびに思うのが浴室が狭いということであった。特に洗い場が狭いと、のんびり体を洗ってもいられない。その点、ここの浴室はとても広くて開放感がある。もっとも、この日は平日だったので、休みに来ると混雑してそれどころではないのかもしれないが。

メタケイ酸泉なので肌には刺激が少なく、色は無色、においもない。この日は下りの白谷沢で冷や汗をかいてしまったので、歩いた後の温泉はまた格別であった。ひと風呂浴びて着替えたのでリフレッシュして帰路につくことができた。

脱衣所から出て階段を上がったところが広くなっており、テーブルが置いてある。この日は時間がなくて寄らなかったが、奥に座敷もあるようだ。ちょうど自動販売機が置かれていたので、下りで飲めなかった分も水分を補給した。ちょっと残念だったのはバス停までちょっと遠いので、その分休憩時間が短くなってしまったことだが、それは自分の足が遅いせいである。

帰りのバスはランドセルを背負った小学生が一杯で、飯能駅まで1時間弱。山道をのんびりと街中に向かったのでした。そして、飯能から西武線特急に乗ると、バスの乗車時間より少ない時間で、終点の池袋に着いてしまったのでした。

[Jul 28, 2015]

さわらびの湯エントランス。有間ダム方向から下りると、いちばん奥にあるので、登山口からは30分ほど歩く。


上の写真の反対側、さわらびの湯の前から見た景色。こうしてみると、山の奥深くということが分かる。


成田温泉 [Jul 10, 2006]

家の近くに古くからある温泉というと、車で15分ほどの成田温泉「大和の湯」がある。ここが昨年全面改装してすごくきれいになったと聞いて、行ってみることにした。 ここはアブローチがちょっときびしくて、成田線に沿って下総松崎(しもうさまんざき)の手前まで進み、ここを左折して踏み切りを渡るのだが、ここの数十メートルが両側一車線、つまりすれ違いできない道なのである。そこを抜けると、何ヶ所かの広い駐車場と大和の湯が現れる。

細い道を進んできた割には立派な建物である。背後に房総風土記の丘(大規模な古墳群がある)、前面に印旛沼周辺の田園地帯を望む景色のいいところで、温泉のすぐ前は水田で青々と稲が育っている。

エントランスは2階で、1階がジムとプール(別料金)、2階と3階が風呂、3階の一角にレストランがある。内湯と露天があり、露天風呂の周りには休むところがちゃんとあって、何分かごとに出たり入ったりできる。そして露天風呂からは、田園地帯と、時折通る成田線の電車を望むことができる。ここから印旛沼の低地帯をはさんで逆側がちょうどわが家の方向になる。

温泉はナトリウム-塩化物・炭酸水素泉だから、いわゆる食塩・重曹泉である。こういう成分のお湯は大抵の場合無色透明なのだが、東京周辺によくあるように濃い茶褐色をしている。だから湯船に沈むと、足の先が見えない。ぬるぬる感はちょっとだけあるが、匂いはない。

湧出温度が低いので加温しているが、加水はしておらずかけ流しである(透明の湯船は別にある)。この茶褐色の素になっているのは、さまざまの有機物ということである。

東京・千葉の温泉(鉱泉)の多くは、上総層群といわれる地層に取り残された海水や湿地帯の淡水が地熱で温められたものである。その時の植物などが微生物に分解されてできたのが二酸化炭素やメタンで、二酸化炭素は炭酸水素ナトリウム(重曹ですね)となって温泉成分を構成し、メタンは天然ガスとなった。

だから房総半島にはメタンガスが噴出する場所がところどころにある。同様に分解されてできる物質にフミンという高分子化合物があり、これが褐色のもとになる物質だそうである(参考サイト:温泉の科学)

上がった後は3階のレストランへ。ここがまた日帰り温泉の付帯施設とは思えないほどのグレードで、寿司から天ぷら、そば、ステーキなどの肉料理などなど本格的である。厨房はレストランのど真ん中にあってガラス張りのオープン形式となっており、調理しているところを直接見ることができる。味もなかなかのもので、空港近くのホテルの和食よりおいしいくらいである。

ここのもう一つの売りは、全館禁煙ということである。いくら分煙してもタバコのにおいというのは漂ってくるものだから、われわれのような吸わない者にとってはとてもありがたい。半面、客層を絞っている訳だから不入りが続けばやっばりやめようということになりかねないので、微力ながら応援していきたいと思っているところである。

[Jul 10, 2006]

大和の湯の建物を外から。ひとの足がみえているのが休憩室。


受付を入って、休憩室入り口。昨年改装したばかりで新しい。


岩婦温泉・岩婦館(爆) [Feb 15, 2013]

この間行って来た温泉なのだが、WEB情報と実際とでかなり差があるので、早めに上げておく。結論から言うと、コアな温泉ファン以外は避けるのが賢明である。

温泉に何を求めるかはひとそれぞれだし、時代の流れもある。私自身は別府温泉保養ランドは嫌いではないが、ああいうところは受け付けないという人は当然いるだろう。ただし、ここの場合、別府温泉保養ランドと違って湧出量そのものが少なく、多くのお客さんを受け入れるキャパシティがない。

まず、ここまで行く道が狭い。高速道路の東と西から岩婦湖への道があるのだが、いずれも車のすれ違い困難な道である。対向車が来ないか用心しながら進むと、ようやく湖が見えてくる。2軒の温泉館があり、奥の方の「岩婦館」がWEBでよく紹介されている。

私と奥さんが着いた時にちょうど出てきた夫婦連れがいて、奥さんの方がひどく不機嫌な様子だったので「外れ」の予感はしたのだけれど、せっかく来たので玄関に向かうと、すぐそこにおばさんが待ち構えていた。入ってすぐに古びた応接セットが置かれていて、そこにおばさんが大音量でTVを見ている。

「おひとり900円です。」と言われ料金を支払う。スーパー銭湯並みの値段である。すぐ奥に「男湯」「女湯」と書いてあるガラス戸があるが、まるでトイレのような風情である。戸を開けて入ると、脱衣所があって、その奥が浴室。風呂は2人くらいは入れそうだが、洗い場が不釣り合いに広くカランが6ヵ所もある。

この日は山登りで大汗をかいていたため、いずれにせよ着替えなくてはならなかったので、ともかくも服を脱ぐ。成分表を探すけれども、目につくところには張っていない。ガラス戸の脇に、「この温泉は温泉ミシュランで三ツ星です」と書いてあったが、まさかあれが成分表のつもりではあるまいな。

浴室に入ると、「このお湯はボイラーで沸かしているので大事に使うように」注意書きが貼ってある。成分表はないものの、「加温」「循環」はまず間違いないということになる。その割に、カランから出てくるのも温泉である。シャンプーも置いてあるから頭もこれで洗えということなのだろうが、出が悪いうえに硫黄くさいのであまりうれしくない。

湯船はそれほど広くない岩風呂である。黒湯と俗にいわれる東京湾周辺によくある色つきの温泉だが、他の黒湯と違って硫黄がかなり匂うのが特徴である。ただし成分表がないので、これがかけ流しでも同様なのか、湯船を洗っていないので硫黄分が沈殿しているのかは不明である。

脱衣所には洗面所が付いていないため、いったん廊下に出て奥にある洗面所を使わなければならない。いまだったら山小屋にしかないような、共同の流しの洗面所である。その奥にはかつて使われていたらしい個室があるが、いずれも「使用中」の札がかけられ、料金表にはガムテープが貼ってあるところを見ると、もうメンテナンスしていないのであろう。

結局座るところは入口の応接セットしかなく、ここに座ると大音量のTVとおばさんに話しかけられるのに耐えなければならない。いまどき自動販売機もなく、ジュース類はおばさんの家庭用冷蔵庫の中に入っている。冷水器もないしお茶も水も出てこないが、自分の家だけにおばさんは一人でコーヒーか何か飲んでいる。

これで900円はかなりのぼったくりであろう。ちなみに、書いてあった星三つとは、私もよく見る「立ち寄り温泉みしゅらん」のことだと思うが、これは個人のサイトで行政も保健所も無関係である。ここのお湯をなめてみたサイトの管理人さんの勇気には敬意を表するが、素性の確かでないお湯は私には楽しめない。

ちなみに、奥さんの入った女湯には、現地の人らしいおばあさんが、流しもせずに湯船に入ってきたので、あわてて出てきたそうである。うわ!ちなみに、車で20分ほど走ると漁師料理「かなや」に天然温泉がある。東京湾を一望する好立地で、設備も整っている。

[Feb 15, 2013]

岩婦館のエントランス。入口すぐに、おばさんが待ち構えています。


白壁の湯(ロマンの森共和国) [Feb 7, 2014]

高宕山のあたりに清和県民の森がある。平安時代の終わりに清和源氏の拠点があったことから、このあたりを清和というようだ。いまでこそ千葉県は東京に近い北西部が都会だが、時代をさかのぼると県南部が先進地だったのである。また、明治・大正時代には鋸山や石射太郎山は石材の生産が盛んであり、東京に向けて建設資材を出荷していた。

石射太郎山の山頂には森林組合の記念碑があり、組合から県に森林を譲渡したことが記されている。林業も盛んで木材も出荷されていたということだろう。その立地を引き継いだ清和県民の森の敷地は膨大で、今回歩いた丘陵地帯の他、スポーツ施設なども整備されている。そのすぐ近くにあるのが、ロマンの森共和国という宿泊・レジャー施設である。

もう二十年以上前になるが、子供がまだ小さくて、鴨川シーワールドや行川アイランドによく行っていた時には、木更津からこのあたりを通って外房に出た。その頃からこの施設はあって、県民の森のすぐ近くなので県営の施設かと思っていた。改めて行って見ると、県民の森とは運営が違って、民営のようだ。

車を止めた高宕第一トンネルからここまで、歩いた山域の外周をぐるっと回ることになるので、20分近く走らなければならない。しかしながら地理的にはすぐ近くなので、地質は同じである。この立ち寄り湯の名前になっている「白壁」とは、川沿いにそびえている石の壁を指しており、この日足下が滑って苦戦した山歩きにふさわしい立ち寄り湯である。

白壁の湯入口は、ホテルの奥になる。ホテルとはいってもバブル期に作られたものではなく、4階建てのこじんまりしたものである。昔はリゾートホテルはこういう規模であった。バブル期のリゾートホテルというと洞爺湖の山の上とかトマムのタワーが有名だが、あんなものは日本国中が遊び回らない限りやっていけない。

さて温泉である。受付に行くと、おばさんが愛想よく対応してくれる。実はこの日タオルを忘れてしまい道中で汗を拭くのに大変難儀したが、お風呂でタオルがないと体を洗えないので、ここで買う。100円だった。「これは返さなくていいんですよね。」と確認すると、「お持ち帰りいただいていいんですよ。車の掃除とかに使いやすいですよ。」とのことであった。

お風呂へは階段を下りて行く。脱衣所が広いのは、きっとホテルの宿泊客も使うからであろう。内風呂は6~8人、露天風呂は4人くらいは一緒に入れそうだが、ありがたいことにこの時間は私とあと2人くらいしかいない。しつこいようだが、房総のとある古い温泉で痛い目にあっている。そこそこ広くて清潔であるので合格である。

やや残念だったのは成分表示がなかったことである。おそらくは井戸水の沸かし湯なのではないかと思うのだが(飲用できませんと書いてあった)、それならそれできちんと書けばいいのにと思った。循環させている鉱泉よりも、かけ流しの井戸水の方がいいに決まっている。

露天風呂は、ここの売りである川岸の石壁を望む。静かである。山帰りに寄る日帰り温泉はたいてい騒がしいので、ありがたいことである。ゆっくり足をマッサージしたら、1日の疲れが飛んでいくような気がした。房総の低い山でも上り下りが結構あるのだが、幸いに筋肉痛にならなかったのはこのお湯のおかげかもしれない。

[Feb 7, 2014]

ロマンの森共和国の中にある白壁の湯。名前のとおり、露天風呂から川を挟んで対岸には、白い岩の壁がある。このあたりの山は石が露出しているので、昔は採石場として利用された。


和楽の湯(鋸南町老人福祉センター) [Mar 17, 2014]

津森山・人骨山を歩いた時、車を駐めた佐久間ダムの駐車場に、「町営・和楽の湯→3km」の小さな看板があった。聞いたことのない名前だけれど、町営というからにはそれほど悲惨なことはないだろうと思って帰りに寄ってみた。佐久間ダムから鋸南富山インターに戻る途中、上佐久間集落の中に少し入ったところにある。

行って見ると鉄筋の立派な建物で、ちゃんと暖簾もかかっている。ちょっと心配だったのは入口右に書かれている「鋸南町老人福祉センター」の文字であるが、別に高齢者ご用達という訳ではなく、ハイキング帰りのお客さんも入ってくる普通の立ち寄り湯である。

受付で住所・氏名を書かされる。町民とそうでない人とでは料金が違うからである。本館は福祉センターの施設らしく、少し奥に入った別館まで案内される。本館に大きな畳敷きの休憩室があり、別館の浴室入口にも休憩スペースがある。

浴室の入口に、温泉効果のある石を使っているという表示がある(光明石だっただろうか?)ので、天然の温泉ではない。とはいえ、設備が整っていてお湯がきれいであれば、本当の温泉かどうかにはそれほどの意味はないのではないだろうか。

房総の温泉のほとんどは基本的に鉱泉(低温で湧出したものを加温している)であり、井戸水を沸かしているのと大差ない。以前、かけ流しにこだわって入れないほど熱い温泉があったことと比べると、ずいぶん顧客志向である。

浴槽はそれほど大きくなく、4~5人入ると一杯である。窓から外を見ると、遠くに山が見える。天然温泉でない割には、温まるいいお湯である。長く入りすぎてのぼせてしまったくらいである。福祉センターらしいと思ったのは、15分に一度くらい、係の人が「お湯加減はどうですか?」と見まわってきたこと。高齢者がのぼせて倒れたりするのを防ぐためだろう。

浴室の入り口に、電動マッサージ椅子が2台置いてある。しかも無料である。立ち寄り温泉には100円入れないと動かない機械が多いのだけれど、これも老人福祉センターであるせいだろうか。いずれにしてもありがたいことである。せっかくだから、制限時間の15分間使わせてもらった。

[Mar 17, 2014]

笑楽(わらく)の湯、正面入り口。右手奥に駐車場があります。「老人福祉センター」と書いてあるのでちょっと戸惑うけど、普通の立ち寄り湯です。


石尊山山麓・七里川温泉 [Apr 4, 2015]

石尊山の山麓、西側に位置するのが七里川温泉である。地図では房総の山深くになるが、車を使えば養老渓谷温泉郷から15分もあれば着いてしまう。その養老渓谷、昔はそれなりに名の通った観光地であったが、現在は大規模旅館のほとんどがクローズとなり道路沿いの廃墟となっている。やっている宿もあるにはあるが、比較的小規模であり、廃墟の方が目立つ。

一方、こちらの七里川温泉は、下の写真にあるように結構予約客が多い。宿の周りは車が一杯で、立ち寄り湯の利用客もかなりいるようだ。訪問したのは休日の夕方なのだが、玄関入ってすぐの囲炉裏スペースは満員のお客さんで、それぞれ干物やら川魚やらを焼いている。フロントに「炭代△円」と書いてあるのは、食材を持ち込んで焼くお客さんが多いためだろうか。

施設的には、決して新しくはない。温泉のあるのが2階なので、動線やバリアフリーの問題もある。畳敷きの休憩室も暖房が利きすぎていて、空調もリプレースの時期を迎えているようだ。ただ、こういう宿の難しいところは、施設改修をしてしまうとせっかく付いているお客さんが離れてしまうということだろう。

温泉は硫黄泉のかけ流しということであるが、湧出温度が15度くらいなので少なくとも加温している。水質分析表をみると硫黄というよりも食塩泉、炭酸水素泉のウェイトも高いようだ。そしてわずかではあるが黄色味を帯びているような気がする。もっともこのあたりは東京湾の黒湯とも近いし、養老渓谷には食塩泉も炭酸水素泉もあるし、久留里の名水にはかすかに硫黄臭があるから、それらのハイブリッドであっておかしくはない。

成分はともかく、入ると気持ちいいお湯である。内湯はそれほど広くなくて同時に入れるのは3~4人ほど。浴槽脇のパイプから常に新しいお湯が供給されている。そして特色があるのは露天風呂である。いったん脱衣場に戻って、逆方向の扉から外に出る。こういう作りだと脱衣場がびしょびしょになってしまうので、このあたりも改善の余地がありそうだ。

そして、露天風呂は2つの浴槽があって、内風呂よりもかなり広い。広い分、戸外を歩く距離も長くなるが、コンクリの上を歩かなければならないのがちょっと気がかりである。湯加減は、2人用の小さい方がちょうどよく、5、6人入れる方がちょっとぬるい。せっかくの露天風呂だが足の裏がよごれてしまうので、再度内風呂に戻って洗い直しが必要となる。

いろいろと施設的な改善の余地がみられる温泉ではあるが、こういうところを今風の温泉施設にしてしまうと良さがなくなってしまうような気がするし、いまのままでは客層が限られてしまうだろう。難しいところではあるが、それなりに集客できているようであるし、家族経営に近いから当面このままでいいのかもしれない。

[Apr 4, 2015]

七里川温泉エントランス。入口を入ると、たくさんのお客さんが囲炉裏でいろんなものをあぶっています。


建物の中に入り、座敷を抜けて階段を上がると浴室入口。露天風呂はプール(?)サイドにある巨大なもの。


道の駅保田小学校・里の小湯 [Dec 19, 2018]

道の駅保田小学校は、館山道鋸南保田ICを出てすぐの場所にある。保田小学校が廃校になった後、道の駅として整備されたものである。

保田小学校が廃校になったのは2014年3月のことで、そういえば以前「鋸南町老人福祉センター・和楽の湯」に行った時、廃校を告知する広報ポスターが貼られていた。

いろいろな媒体に採り上げられて有名な道の駅である。旧体育館は生産物直売のお店になっていて、この間、リタイアした後にこちらに移住し、家庭農園を大規模化してここで販売している人のことをTVでやっていた。

日帰り入浴施設があることを知ったのは最近のことである。ホームページで見つけたのだが、旧教室を利用した宿泊施設があるので、それでお風呂がデフォルトなのであった(食事は部屋にデリバリー)。昼間も日帰り施設としてやっているのは大変ありがたい。

房総の山というと、君津市、富津市、鋸南町、南房総市あたりに多くかたまっている。特に鋸南町・南房総市エリアには、富山、伊豆ヶ岳をはじめ房総を代表する山々が揃っている。以前、JRを使って内房線が止まり、進めず戻れずひどい目に遭ったことがあるので、ここしばらく車を使っている。

そして、房総の山で苦労させられることが、駐車場がないことである。もともとそれほどの人数が来る訳ではなく観光化もされていないので、ちゃんとした駐車場のある山は少ないし、道自体が狭いので路肩に駐車するのも気が引ける。

道の駅で駐車でき、ついでにお風呂に入れるならば山歩きのベースとしては申し分ない。ということで、今回選んでみた。

道の駅の案内は館山道の中からやっていて、普通の高速のPAのように案内表示がある。高速を下りて道の駅に寄っても下りなかったのと同じ料金となるが、順方向の途中下車のみ、ETC2.0搭載などの条件がある。

もともと小学校なので、かなり規模が大きい。トイレや自販機、休憩場所があるのはデフォルトだが、もと体育館が産直施設になっている。飲食施設もあり、地元情報の発信施設もあり、体験型研修施設もある。もちろん、wifiもある。

日帰り入浴を利用するには、まず正面入り口にあるインフォメーションセンターで申込みをする。利用料金は町外利用で500円、JAF割引があるので会員証を忘れないようにしたい。名前を書かされるのは「和楽の湯」と同様である。

「入浴手形」という木の札を渡されて、2階に上がる。2階には教室を改造した宿泊室、展望休憩室があり、いったん屋上に上がって入浴施設「里の小湯」入口になる。

お風呂場入口がナンバーキーになっているのは、宿泊者が夜間・早朝に利用するからであろう。中は、「和楽の湯」より少し小さいくらい。カランは3つ。その他にシャワースペースがある。

こんな昼間に利用者はいないと思ったのだが、意外にも一人先客がいた。浴室が西向きで、午後は正面から日が差してたいへん明るい。大層明るいものだから、人前で裸になっているような錯覚を覚えるほどであった。

この日は道なき道を歩いたこともあって、お風呂にゆっくり入って着替えたらたいへんリラックスできた。温泉ではないものの、山歩きの後でお湯に入る幸せは、何ともいえないものがある。

道の駅保田小学校をベースに山登りする機会は、これから増えそうである。

[Mar 6, 2019]

道の駅保田小学校は鋸南保田ICを下りて200m。廃校になった小学校を改装した施設で、かつての校庭が駐車場になっている。


「里の小湯」は旧職員室だそうで、2階のすごく陽当たりのいい場所にある。木曜日は休みなので注意。


筑波山温泉 [Mar 19, 2019]

筑波山を1日歩いて、せっかくだから汗を流していくことにした。

筑波山神社の門前には日帰り入浴可のホテルがいくつもあるし、つつじヶ丘には京成ホテルもある。いろいろ選べる中で、今回はつくば湯を選んでみた。インターネットで優待券をプリントアウトすると、1100円の入浴料が1000円になり、バスタオルも付く。

いったん神社入口の大鳥居まで戻り、つつじヶ丘方面に左折する。神社の奥に行くと、旅館とお土産屋さんで行き止まりになるのだ。山麓を走ること2~3分、カーブの右手に目指すつくば湯が見えてくる。

最初、店の前にある3~4台の駐車場だけかと思って迷ったが、神社方面から来ると死角になる曲がり角に案内表示があり、一段下りた場所に広い駐車場があった。

驚いたのは、施設がたいへん新しいことである。エントランスはあっさりしているものの、奥にある休憩所も新しいし、1階下にある浴室もたいへん新しい。しかも掃除が行き届いていて気持ちがいい。

おそらく、道路の向かいにある旅館の系列施設だと思うのだが、筑波山は日帰り圏なので宿泊需要はあまり期待できないし、研究学園都市の需要は、つくばの新しいシティホテルの方がかなり有利である。一方、日帰り入浴客はシティホテルには行かないので、研究学園都市からの集客も期待できる。目の付け所は悪くない。

実際、平日の昼間にもかかわらず、若い人達のグループが入ってきていた。家の奥さんによると、女風呂にも若い子たちが入ってきたそうである。内風呂と露天風呂、サウナと水風呂もある。カランも7~8口付いていて、必要十分な広さがある。

泉質はアルカリ性単純泉。肌触りはのめこい湯など奥多摩の温泉に近いが、ぬるぬるまではしていない。利根川を渡って成田は黒湯なので、近い距離なのにずいぶんと違うものである。

筑波山に連なる稜線を眺めながらの露天風呂は雄大である。この日の筑波山は想定していたよりかなりハードだったので、ゆっくりと足をマッサージした。サウナと水風呂も使って、リフレッシュすることができた。

難点を言えばロッカーが狭いことで、荷物が大きいと入りきらない。とはいえ、この場所には車がないと来られないので、リュックとかは車に置いておく想定なのだろう。向かいにある旅館の宿泊客がこちらに入ることもできるので、そうした使い方を想定しているのかもしれない。

[Jun 21, 2019]

つくば湯は、筑波山神社からつつじヶ丘に向かう途中にある。まだ新しい施設で、きれいなのがいい。


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