祝!AJPC第10回記念大会 東京予選 (ポーカーの奥深い世界第105話) [Sep 20, 2016]
第1回の前から関わりのある全日本ポーカー選手権(AJPC)が、とうとう10回目を迎えた。まことにもって、おめでとうございます。
羽田のセガで行われた時代から、新宿になり、国際展示場になり、昨年は浅草で予選会が行われた。今回は予選が平和島、本大会が横浜である。そしてメインテーブルは改めて原宿で行われ、インターネットでの生中継がある。まさに今昔の感がある。リゾカジマスターをはじめとする運営の方々には、いろいろご苦労もあったことと思います。お疲れ様でした。
さて、今年は個人的にいろいろばたばたしていたし、春は伊豆半島に単身赴任していたので、AJPCの参加はあきらめていた。そして会社を辞め。退職後の手続きも一段落してメールをチェックしていると、「東京予選申込締切間近!」というお便りが入っている。不思議に思って久しぶりにAJPCのホームページを開いてみると、なんと今年の大会は春ではなく秋に開催されるのでした。
おお、春に開かれたとばかり思っていたのに、これなら参加することができる。あわててスケジュールを確認したところ、9月10日土曜日の席が空いている。さっそく登録した。目標はとりあえず原宿だが、過去9回の大会でメインイベントで1度、シニアで2度、ファイナル圏内のベスト9、ベスト3に残っている。可能性がない訳ではなかろう。
改めて開催要綱を確認する。勝ち上がりとかストラクチャーには大きな変更はないようだが、1着賞金100万円というのは今回が初めてのようだ。おそらく、これでWSOPメインに出てくださいということだろう。他に、来年のフィリピンAPTの出場権が付いている。まあ、ほとんどが$275の出場権であり、これはAPTからのプレゼントの可能性が大きい(このあたりの仕組みについては、森巣博先生の作品に詳しい)。
東京予選は、昨年と同様スーパーサテライトまたはS&Gのどちらかに参加できる。昨年スーパーサテライトに参加して、おそらく残り10人か20人というところで敗退したのだが、あと何テーブル残っているのか分からないのが自分としては不満だったので、今回はS&Gにした。5テーブルであればブラインドの進み具合とテーブルの人数をみれば、ほぼ見当がつく。
作戦については、ブランクはあるけれどもいつもどおり自然体で。ポーカーは最終的には運の要素が大きいので、最善の手を打っても100%勝てるとは限らない。限らないけれども、45%のプレイヤーと55%のプレイヤーとでは、長く戦えば10%の差は必ず出て来る。後は戦略。これは何百回何千回と戦って、自分なりに練り上げていく他はない。
さて、9月10日土曜日、めざすは平和島Big Funである。平和島ボートには何度も行ったことがあり、おそらく競艇場の向かいのビルだろう。だとすれば歩けばすぐに競艇場だ。ついうっかりそちらに入り込んで、長居しないよう気を付けないといけない。と思っていたのに、会場に着いて受付をするとトーナメントD、開始は2時頃とのことである。
まだ12時なので、2時間も待ちがある。仕方がないから競艇場へ。ちょうど1レースが始まるところだった。しかし、この日は一般開催の準決である。一般開催なので準決出場者も早いレースに出て来るが、スタートで目いっぱい行く訳がない。これは荒れるぞと思っていたら案の定荒れた。4レースまですべて「見」、ここで運を使う訳にはいかない。
2時少し前に会場に戻る。一回りして奥まで進むと、PRESSでTeshiさんがいらっしゃったのでご挨拶。「退職されたんですね」と言われてびっくりした。ありがたいことに、このBlogを見ていただいているとのことである。間もなく、トーナメントDの招集がかかる。あまりというよりも、全く知った顔がいないのは残念なことである。
今年は平和島Big Funで開催されたAJPC東京予選。会場の雰囲気がLas Vegasっぽくてよかった。
さて、今年の東京予選、私の成績はどうだったのかというと、50人中7位。つまりあと2人というところで予選落ちしてしまったのだった。前にも書いたように、ファイナルテーブルまで残ったら後は腕の要素が大きい。反省しなくてはならない。
ラストハンドはAKvsQQ、何も落ちずにゲームセットとなった。しかしこの時点で、私が持っていたチップは22,000点。残り7人だからちょうど平均チップである。見ていたteshiさんから、「あそこは下りでしょう」と言われてしまった。確かに、下りた方が望みがあったようである。
しかし、すでにアンティ500の1000-2000、1周で6500点減る。つまり、あと3周しか持たない。周りをみるとショートスタックが2人いて、この時点で私は4位。黙って回していたら1周すると当落線上である。すでにオールインが入っていてハンドはAKスーテッド。まず五分五分のじゃんけんにはなる。受けても半々、下りても半々、なら受けようということで受けたのだが、結果的にはショートスタックを喜ばせることになってしまった。
でも、帰り道でこれ以上に反省したのが、同じく残り7人、AAでJKオールインを受けてしまったことであった。確かにプリフロでは85:15で絶対有利だが、フロップでKが落ち、ターンでJが落ちた。この直前の手でオールイン対決を勝って、続くハンドがAAだったのでノータイムコールだったのだが、さて、この判断がどうだったか。
伏線はその前のハンドで、A7vsKKの不利なオールイン対決で、2345と落ちて逆転してしまったのである。ここをあっさりエースなら別の展開もあったと思うのだが(なぜか、KKを見ても負ける気がしなかった)、ターンでまくって冷静な判断ができなくなってしまった。修行が足りないとしか言いようがない。
もちろん、これを受けるかどうかは議論のあるところで、勢いに乗って一気に決めてしまうという考え方も当然ありうる(なんたってAAである)。一方で、すでにこの時点でチップ量は4万点を超えているので、全体のチップ量が15万点だからほぼ安全圏。余計なリスクは負わないという選択肢もあった。いずれにしても問題は、よく考えないで受けたということである。
予選の場合は上位5人に入ることが重要で、トップで通過しようがチップ1枚しか残らなかろうが関係ない。本場のトーナメントであれば、より高い賞金にチャレンジすることは意味があるが、ここでリスクを取る必要があったのかどうか。確かに、85%の確率で「当確」から「当選」になるけれども、15%の確率で「当確」から「当落線上」になるのだ。
常々書いているように、起こってほしくない25%は半々の確率で実際に起こる。15%だって、実にしばしば起こるのを見てきた。少なくとも、チップを数えて熟考してから受けるべきであり、ノータイムで受けることはなかった。
それともうひとつ、十分なチップを持っているにもかかわらず、もっと欲しいと思うのは、人間がいやしいからではないかと大変落ち込んだのである。ことはポーカーの巧拙にとどまるものではなく、普段自分でも批判している「カネがすべて」という考え方、「強欲」という人間のいやしさを自分も持っているのではないのか。
何のためにポーカーを戦っているのかというと、狭義にはゲームに勝つため、広義には人生を豊かにする=楽しむためである。今回はあと2人に勝ち抜けばよかったのに不必要なリスクをとり、結果的に最後の最後で楽しむことができなかった。猛省するとともに、二度とこうしたことをしないようにしなければならない。ポーカーにおいても、人生においても。
考えてみると、十数年戦ってきた中で、プリフロのAAを下りたことはなかった(フロップ以降はもちろんある)。今回がその初めての機会だったかもしれないし、それを身に染みて教訓とできたことが、今年の収穫と思ってあきらめることにしよう。
[Sep 20, 2016]