2017AJPCシニア  (ポーカーの奥深い世界第107話) [Oct 5, 2016]

この間、自分の部屋に入る時に、テニアン・ダイナスティの客室の匂いがした。

私の部屋は2階の東側にあって、コンピュータが置いてあるので朝には必ず一度は入ることになる。デスクトップの前には重役の座るような椅子が置いてあって、それに座ってメールチェックやブログ、HPの管理をするのである。東に窓があるので、この時期は朝日がまぶしい。35℃を超えるような猛暑なので、部屋の匂いがテニアンのようになってしまったのだろうか。

ふとした機会に、もう何年も行っていない香港・マカオやテニアンのことを思い出すことがあるが、匂いで思い出すことが多いのは面白い。そういえば、そろそろAJPC、全日本ポーカー選手権の時期である。

リタイアして経済的余裕がなくなってしまったので、カシノやポーカーをどうしようか少しは考えた。海外カシノに行けないのはそれほど抵抗はないが、ポーカーから全く離れるというのはかなり抵抗がある。もちろん、プレイしていればもう一度ラスベガスに行きたいと強烈に思うこともあるだろうが、幸い、一度や二度くらい行くのは、全く絶望的という訳ではない。

それに、年に何回かはカードを触って、運不運や場の流れを感じ、自分なりに満足のいくアクションができるかどうか確かめることは、残り少ない時間とおカネを割いても惜しくない有意義な時間の使い方と思われる。ともあれ、賞金と電車賃を天秤にかければ、オッズが合うことだけは間違いないのである。

という訳でAJPCの参加申込をしたのは7月に入ってからであった。これまでの2段階登録から、入力即登録になったのは、システムを改修したのだろうか。それはともかく、若干戸惑ったのは日程である。シニアトーナメントがDay1とDay2に分かれ、Day1の1回目はなんと東京予選よりも早いのである。

以前から、メインに勝ち進むとシニアとかぶるのは気になっていた。かつて侍さんが両方プレイして、結局メインをメインにして(?)シニアをバケーションにした結果私に討ち取られたことがあったが、そういう私自身、同様にメインとシニアを同時にプレイしてシニアが不本意な結果となったことがある。

そして、シニアDay2の2回目は、まさにメイントーナメントのDay1当日なのである。ならば、シニアDay1は1回目に出るしか選択肢がない。ということで、シニアトーナメントに出てから東京予選を戦うという、これまでにないスケジュールとなったのである。

8月6日日曜日、会場は昨年の東京予選と同じ平和島である。ビルを間違えて時間がかかってしまい、受付をすませたら時間ぎりぎりになってしまった。指示されたテーブルは6-1、しかし6番テーブルはまだオープンされていなくて、受付時間ぎりぎりの人達が次々入ってくるテーブルであった。

定刻の12時、トーナメントディレクターHatterさんの”Dealers, Shuffle up and deal”の声でトーナメント開始。しかし私はまだウェイティングである。まあ、5000点持ちなので勝負はどうやっても2時間経ってから。チップが減らないので気にすることはない。

そうこうしているうちに7人集まってゲーム開始。同じテーブルにはLupinさんがいる。Lupinさんはテニアンのトーナメントも勝っているしAJPCシニアも勝っている勝負強い方である。開始早々、Lupinさんのレイズの時にKKが来た。250くらいだったのでコール、後ろのアクションでリレイズが入って550になった。

昔であればこういう時大きくレイズして勝負していたのだが、5000点スタートの序盤なので致命傷を負わないことの方が大切と思い自重した。フロップでAが落ちなければいいなと思っていたのだが、あっさりAが落ちて終了。どうやら今回もボードに恵まれない展開になりそうだ。


AJPCシニアDay1の会場は平和島。最初こちらのビルに入ってしまいましたが、正しくはもうひとつ左のビルでした。





そのLupinさん、オールイン時にディーラーのミスでめくられるカードが違っていたという不運がありゲームセット。あまり言いたくはないが、ああいうディーラーのミスというのは後味がよくない。バーンカードか何枚あるか確認するのはディーラーの初歩の初歩だし、そもそも最初のケースはTD呼んでゲームを中断するほどのことではなかった。

それはそれとして、私の方はじりじりとチップを減らす展開が続く。ボタンかブラインドでしかゲームに参加せず、レイズが入ればすぐに下りるのだから仕方がない。休憩時にSaitohさんとご挨拶。ギリヤークやNFLの話をする。matanakaさんや他にも顔見知りの方々とお会いしてなつかしかった。お名前が出てこないのは歳なので勘弁してください。

4ラウンド終わって5000点スタートが3000点、チップレースで25点が100点になって3100点になった。すでにブラインドは200-400、そろそろ下りてばかりもいられない。とはいえ、AJとかATが来るとアーリーポジションだし、ポジションがいい時は29とか36である。ブラックジャックとかバカラならナイスハンドだが、プレイしているのはポーカーなのである。

ミドルポジションで44が来たので仕方なくオールイン。QTでコーられていい勝負。ターンまで何も当たらず、リバーで4が出た。どうせならフロップで出してくれれば安心して見ていられたのに。ダブルアップでほぼ7000点、この日の最大のチップ量となった。直後にテーブルブレイク。

ちなみに、シニアDay1の参加者は70名を何人か越えたくらいで、この時点で残り5テーブル。同じ人数集まるとシニアの参加者は約150人ということになる。このくらいの人数であれば、なんとかがんばってベスト9には残りたいところである。

テーブルが替わってからも、なかなかうまく行かない。チップが増えるのはスチールばかりで、ある程度のポットになると全然ダメである。その中で、二つ三つ印象に残るゲームがあった。

ひとつはブラインド300-600、私がBBである。1800点オールインが入り、もう一人ショートでオールインとなった。ハンドを見ると45ダイヤのスーテッド、二人がA持ちなら勝つ確率は少なくないし、あと1200点追加で4000点のポットは魅力的である。まだチップには余裕があるのでコーってみたが、ボードは真っ黒、上のカードばかりの見事な空振りであった。

もうひとつは99が来た時。レイズが入っていたのでコールしてみる。フロップでハイカードが出なければオールインと思っていたのに、無情にも落ちたのはAKJ。何も三枚出さなくたってと悲しくなる。再びチップは3000点に減ってしまった。

その後、スチールで5000点まで戻して77でオールインしたけれども、KKがいて見事に討ち取られた。ラウンド8、500-1000の残り10分ほどで、残り4テーブルだったのでちょうど真ん中くらいの順位ということになる。

結局この日は、ポジションとハンド、ハンドとボードが全くといっていいほど噛み合わなかった。唯一自分としてがんばれたと思うのは、こういう状況でもそれなりに粘れたことで、約4時間プレイできれば、maosさん流に言えば「ああ、よく遊んだ」ということであろう。

その後、家に帰ったのは午後6時過ぎ。久しぶりに集中してプレイしたためか、あるいは久しぶりに長いこと電車に乗ったためか、起きていられないほど疲れてしまい、夕飯を食べてシャワーを浴びて8時には眠ってしまったのは、自分でも驚いたことでした。

[Aug 16, 2017]

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