生兵法はケガのもと  (ポーカーの奥深い世界第25話) [Jun 21, 2006]

自慢ではないが、1トビ(最初にゲームオーバーとなること。つまりビリ)はほとんどしたことがない。おそらく過去1年間に参加したうちでおそらく2回しかないはずである(あった)。私のスタイルは一応「タイト・アンド・アグレッシブ・プラスアルファ」ということになっているので、勝負する数が少ないからである。それが、先週は、4回のトーナメントのうち3回は1トビである。この日はスタイルを変えてルーズに行ってみた、というのでは全くない。普段どおり、普通にやって1トビ3連発である。一気に、年間1トビ記録を倍以上にしてしまった。

第1回目は金曜日のDUKE。ファーストラウンドはリミット&ノーリミットホールデムである。開始第一局、ボタンでA6sである。ポジションベットすると、SBのMさんが付いてくる。結局最後まで行って、MさんはKK。いきなり暗雲が漂う。その後、セットを作ればストレートにやられ、ストレートを作ればフラッシュでまくられてチップはあっという間に半分以下に。

最後はせりかっちのブログに詳しいが、KcQcでレイズしたら、せりかっちが付いてくる。ターンで。まずいなと思ったらチェックレイズされる。クラブが2枚出ているし、ここで引いたらジリ貧だからオールイン。向こうはAJかなと思っていたらJJだった。こっちだって9アウツあるぞ、と期待したのだが、もちろんリバーでクラブは登場せず、一度もポットを手にしないままゲームオーバー。1トビである。

セカンドはTTOS。ここもさっぱりボードとかみ合わない。チップがどんどん減っていく。オマハでセットが出来ていたのに下りて、実は打ち合っていた3人が全部ロー狙いというゲームがあったように、読みも外れる一方である。最後はスタッドで(KT)Kで打って出る。セブンスタッドはベッティングラウンドが多いので、あっという間にオールインである。

残ったのはCさん。見えている3枚がすべてスペードである。そして、やっぱり出来上がりフラッシュであった。こちらもTが落ちてKTいずれかでまくれるところまで来たのだが、もちろん来ずにゲームセット。またもや、1トビである。これは何か悪いことが起こるのではないかと、早々に家に帰った。

そして翌日の土曜日は上野スト杯ミニ。ゲームはオマハハイローである。3000点持ちだがリバイありと聞いて、少し安心する。ここでも連敗が続く。オマハなのでとりあえずボードを見に行くのは仕方がないのだが、それにしても何も引っかからない。あっという間にリバイ危険水域に。そして、そこが運の悪いところなのだが、リバイ覚悟で突っ込んでいったらローが出来てしまって半分だけ戻る。この回も、出来上がりストレートを上目のストレートにまくられて、スクープの予定がローのみとなってしまった。

「そういう時は、マックしないと(勝っていてもカードを捨てること。持ち点ゼロになるとリバイできるから)」と前日から一緒のせりかっちに言われるが、手に悪いからそういうことはできない性分である。結局、リバイラウンドが終って、1200点しかない。よくない予感がひしひしと迫ってきた。

しばらくはフォールドが続く。このチップ量では、気軽にフロップを見に行くこともできない。行く時は勝負する時、一撃で勝負するしかない。待っていたら、AAT4という手が来た。プリフロップでレイズ、フロップでが出てベット、ターンですでに1枚出ている5が重なって、Aフル完成。ここで端数を入れてオールイン。Aフルより強いのは、4カードとストフラだけである。

残りは2人。だが、この二人が私がオールインした後も打ち合っている。よくない予感がさらに強まる。確かにローの目はあるが、2人のサイドポットでローで打ち合うとは考えにくい。勝っても半分、分け分けになったら1/4しか戻ってこないからである。だとするとハイ。このボードでハイを打てるとすれば、A5の5フルA、それ以外のセット、それとも・・・5の4カード!

リバーでもさらに打ち合いが続くのを見て覚悟した。案の定、55の登場である。まだゲーム開始から1時間ほどしかたっていないにもかかわらず、これで3戦連続の1トビである。負けたショックと、6時まで何をしたらいいだろうかという思いで、目の前が真っ暗になる。ひとまず近くのインターネット喫茶で足を伸ばす。3時間後にはスト杯メインである。

4テーブルのスタートで、最初はリミット。さすがに4戦連続は避けなければ、何を言われるか分からない。当たっても打てない状況が続く。こういう時に限って、おもしろいようにボードとマッチする。5000点チップが7000点ほどに増えたけれども、ノーリミットになってしまえば一気になくなってしまう。慎重な上にも慎重に進む。そうこうしているうちに、空いたテーブルでSさんが所在なげにしている。「お休みですか?」と聞くと「飛びました」との答え(あとから調べたら、1トビではありませんでした)。

これで肩の荷が下りた。すでに目標は達成している。後は、普段できないことをやってみよう、と積極的に争い事に参加する。オールインにコールしてやられたこともあったが、リバーで待ちに待ったAが登場して土俵際で残すこともあり、なんとか決勝テーブルまで残ることができた。チップ量にはそれほど開きはないが、順位としては上の方。つまりオールインしても一度に飛ぶことはないという状況になった。

残り8人のミドルポジションでハンドはK2。ブラインドは1000-2000だったか1500-3000だったか。これにアンティ100ずつが入るので、勝てば結構な実入りになる。UTGから上家までばたばたと下りて私の番。どこかのブログ(6/4)で、「誰もコールしていなくて、AハイかKハイがあればスティール」と書いてあったような気がする。20000点を超すチップを前に出す。「オールイン!」

SBまでみんな下りてくれたが、BBのKさんがコール。ハンドは88である。何で私が慣れないスティールをすると、上から数パーセントの強い手が行ってるんだろうと思ったが後の祭りである。もちろんKは落ちずに、一気にショートスタックに転落。次のBBでゲームオーバーとなってしまった。

この日は1トビの雰囲気だったので、思い切った手でしめくくったことに後悔はない。それでも、もう少し待つべきだったかなあとついつい考えてしまう。あとからそのブログ(bertさんの"カリフォルニアスタイル"です)をちゃんと見たらこう書いてあった。「BBの10倍あることが前提」「レイズされたら基本下りること」やっぱり、生兵法はケガのもと、でした。

[Jun 21, 2006]

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