名古屋・大阪遠征 (ポーカーの奥深い世界第24話) [Jun 15, 2006]
6月10日土曜日、いつも会社に行くのと同じ時間に家を出て9時過ぎのこだま567号に乗る。JR東海の人気商品ぶらっとこだまである。こだまに乗るので時間はかかるが、グリーン車に乗ってものぞみで行くより安い。バンクロールの小さい私にとって非常にありがたいプランである。おまけにこのプランには、缶ビール1本(ドリンクでもいい)がおまけで付く。あまりビジネスクラスに乗れない私にとって、がらがらのグリーン車でつかの間のゴージャス気分を楽しむ。
昼過ぎに名古屋に着く。きしめんを食べていく時間くらいあるはずだったが、ホテルに荷物を置いたらもう1時近い。きしめんは省略して地下鉄を乗り継ぎ会場へ。会場は地下鉄名城公園を下りてすぐの愛知県スポーツ会館である。部屋に入ると、こちらの主催者であるLさん、Bさんに加え、Sさん、Iさんといった東京の面々、確か京都が本拠地のはずのZさん、そして驚いたことにわがビッグ師匠の登場である。
実は今回の名古屋・大阪遠征では、普段顔を合わせない人たちと戦うことによって、それぞれの打ち方を観察しそれにどう対応すればいいのか考えようということと、逆に私の打ち方も知られていないわけだからいろいろ試してみようということがあったのだが、まあ仕方がない。特にビッグ師匠がいるとあまり暴れられないけれども、とりあえずいつもの”タイト・アンド・アグレッシブ”で行くことにする。午後の部のPoker in Nagoyaはあまり得意ではないオマハハイローである。
オマハハイローで何が苦手かといって、ナッツと思って打って行ってもまくり目満載で、行くか行かないかの決断が非常に難しいということがある。たとえばホールデムで66と持っていてポードに6が出ればかなり有望だが、オマハでこの程度のペアでは当然上がいると思わなければならない。A2を持っていて678とフロップで出たら安心かというと、ターン、リバーでAか2が出てしまえばたちまち逆転の目が出てくる。だったら手を絞るしかない。けれども今回はTTOSでもHORSEでもないオマハハイローのみのトーナメントなのであった。
案の定開始早々ボードにKが2枚出ていたので、AKで打っていったらKフルの人がいてあっさり負けた。そして、そのときになってやっと気がついた。10人テーブルでオマハをやればほとんどのカードが配られるので、残り1枚はどこかにあると考えなければならないのである。その後一生懸命粘ったのだが、あと入賞点まで一人というところでBBの2倍を切ってしまった。手はAKT5。A5でローはきついが、ないよりましなのでオールイン。ビック師匠がハイのJJ、LさんがAから5まで4枚でコール、AかKが出ればというところだったが結局出なくて、無念の5着でのゲームセットとなった。優勝は私からチップを取っていったビッグ師匠である。
Poker in Nagoya会場の愛知県スポーツ会館。少年剣道のにぎやかな声が聞こえます。
夕方の部はリミット&ノーリミットホールデム。ここでは名古屋の重鎮であるHさんが開始早々大暴れである。なるほどこういう打ち方もあるのだなあと大変参考になった。しかし結局そのチップはLさんに吸収され、Lさん断然のチップリーダーで終盤戦へ。しかしこの回は手が良くなかった。それでもHさんが暴れていた時にはまだATとかA9程度は来ていたのだがその時は下りまくりであり、アンティありになってからはペアは44か55、Aほとんど来ず、たまの絵札は2か3を連れて来るという状況に陥った。
結局、手といえるのはほぼ強制オールインのBBでのAJo。しかしこれも、AQに合わされたうえQが出てゲームセット。この回もバブルの5着での終了となった。優勝は一時は私よりチップが少なかったはずのBさんが、ダントツチップリのLさんをまくっての勝利。このヘッズアップも大変見ごたえがあり勉強になった。終了後は9ワイルド・オマハハイローのライブゲームで大騒ぎしたあと、駅の近くに戻って食事。名古屋の夜は大盛り上がりのうちに更けていくのでありました。
翌日は大阪へ。経費節減のため新幹線は使わず在来線で行くが、特別快速で米原まで、新快速で新大阪までとあまり時間を感じないうちに着いてしまう。KOKOプラザへは3度目、withリゾカジと合わせて4度目の大阪オフである。Aさん、Tさん、Sさん、Aちゃんはじめおなじみの方々である。そして、こちらの常連Pさんが、その朝のサテライトで300倍以上を勝ち抜いてみごとWSOPメインイベントの権利を獲得したことをお聞きした。すばらしいことである。まさにその日の朝のことで準備はこれからということであるが、ぜひ好成績を収めてほしいものである(そういうお前はいつになったら権利が取れるんだ?といわれそうですが)。
さて、トーナメントは2テーブル16名スタート。大阪の怖いところは躊躇なくオールインが飛び込んでくるところである。慎重に地雷をふまないようにゲームを進める。幸いAAとKKが来てチップを増やすが、まだリミットラウンドだったので大したリードではない。ノーリミットに入って間もなく、この日のキーポイントになるゲームとなった。ハンドはAKo。ポジションはBB。ミドルポジションからリゾポカにも来たことのあるVさんのレイズが入る。コールしてヘッズアップ。私のチップはVさんの倍。ここはできるだけ多くのチップを吐き出させたい。
その時のアクションは以下のとおりである。
フロップ Kと数字2枚 私チェック→ Vさんミニマムベット(しかも初めはミニマム以下!)→ 私コール
ターン ラグ(スト目・フラ目なし) 私チェック→ Vさんちょっとだけ大きめベット→ 私コール
リバー A! 私チェック →Vさんオールイン→ 私コール
さて、Vさんのハンドは何でしょう?(答:KK)
VさんにKペアはこう打つんだというお手本を示されてしまった結果、チップは半分に減ってしまったが、まだまだ勝負できるだけの量は残っている。ブラインドも上がって苦しい状況から、Tペア、Kペアでのオールインできわどく勝ち残り、テーブルは残り5人。向こうのテーブルが先に4人になってこのハンドまででテーブル合体というところ、BBでA9が来てしまった。
BBは250か300でここを失うとBB2回程度しか残らない。テーブル合体後のポジション決めで運悪くBBでも引いてしまったらジ・エンドである。仮にいいポジションであったとしても、これよりいい手が来るとは限らない。ミドルポジションからレイズで入ってきたのは例によってVさんである。先ほどはKKでやられたが、チップを持った時の彼は嘘つき(ブラフ王)である。現時点ではこちらの方が上ではないかと思われた。そこでオールインである。
たいしたレイズではなかったので、Vさんは当然コール。ハンドはKQ。予想した中では最も強い手であるが、それでもこちらがやや有利な組合せである。しかし、フロップでいきなりKである。この瞬間、やや有利からかなり不利に変更となる。そのままAは出ずに終わり、決勝テーブル一歩前の9着でのゲームオーバーとなった。そしてこちらでも、私のチップを持っていったVさんの優勝である。
あっさり負けてしまったのでサブトーナメントへ。10人スタートだったが、こちらは大阪らしく序盤からオールイン合戦である。5時半スタートで8時エンドの予定だったが、なんと7時前には残り2人になってしまった。こちらのトーナメントはうまいこと勝ち残り、最後は同じ東京からのDさんとのヘッズアップ。帰りの時間を気にされたDさんが最後はコールしてくれたので、なんとかここを勝ちテニアンのサテライト以来1ヵ月ぶりの優勝を飾ることができた。
成績的には、もう少しがんばりたかったというのが本音ではありますが、今回の名古屋・大阪遠征も主催者の方々はじめ多くの皆様のおかげで、楽しい時間を過ごすことができました。改めて感謝いたします。
[Jun 15, 2006]