戦闘準備は今ひとつ (ポーカーの奥深い世界第35話) [Feb 22, 2007]
2007年に入ってから2ヵ月。昨年と比べると出場するトーナメントが少なくなっていることは確かだけれど、まだ未勝利である。ずっと昔ネクストシネマという馬がいて、最近はハルウララが有名だけれど、未勝利で有名になるより勝った方がいいに決まっている。ヘッズアップまで持っていったのは2回、先週の土曜日も4着2回となかなか突き抜けない。特にコーナーポケットのベガスカップ2回戦は今年を象徴するような一戦だった。
3テーブルで開始されたこの夜、チップが黒(100点)に変わってブラインドは100-200。残る人数は4人で、チップ量は全員6~8枚。まさに勝負はこれからだが、レイズをする方もされる方もその時点で命がけとなる。ベガスカップは2着でポイントがつくので、1着をとりたいのはもちろんだが3着以下にはなりたくないという気持ちの方がむしろ強い。オールイン対決があって一人減るはずがボードでストレートができてチョップとなった後、私のBBが回ってきた。
ハンドは2c3c。チップに余裕があればともかく、こういうシチュエーションで来てほしくない手である。SBはCさん、ちょっと考えてコール。一瞬オールインも考えたが、最悪ここを失ってもまだ1周あれば挽回は不可能ではない。それよりもなんとか2着がほしいこの場で23に命を懸けたくなかったので、オプションチェック。フロップはAcJc4d。さて困った。望みが出てきてしまった。
Cさんやはり一瞬考えてオールイン。チップ量は私と同じで上に4枚、合計6枚である。さてどうするか。CさんのハンドはAヒットかJヒットが有力だが、ここはあまり考えても仕方がない。仮に何も当たっていなくても、こちらに役ができなければボードより上になることはありえないのである。その場合フラッシュドローと5待ちのストレートドローで9+4-1=12アウツ。
予想通りCさんにワンペアができていれば、クラブが4枚出ない限りフラッシュのハイカードで負けることはないだろうが、Cさんが私と同じくノーヒットのフラッシュドローでオールインしてくることだって、考えられなくはないのである。その場合、フラッシュの9アウツ(実質7アウツ)はなくなるが、逆に2と3が当たれば逆転だから6アウツが復活する。
いろいろ考えたが、おそらくリスクをとるだけの勝ち目はあるはずだ。しかし、結局あきらめてフォールドした。理由は二つ。一つは迷った時に行っていい結果になることはあまりないということ、もう一つはプリフロップでオールインされたとしたら多分下りたはずで、現時点で勝っていない以上違った判断にする必要はないということである。もし私が勝てるゲームなら、フロップでA45とか223とか出ていると思ったのである。
結局この後のオールインシチュエーションで来たのはA5。Cさんに22、MさんにAKで合わせられ、5が出なければ勝てないケースになってしまい、もちろん出なかった。だったらさっきの23で勝負した方がまだ少しは可能性があった訳だが、このあたり度重なる負け癖がかなりの部分影響している。AKvsTTのようなケースで、私がAKを持つとAもKもまず落ちないし、私がTTを持つとほぼ確実にAかKが落ちるかTと一緒にJQも落ちる。それでもどちらかというとTTを持った時に勝てることがあるので、まくりに行くことがほとんどできなくなってしまった。
そんな具合で、今週末に迫ったテニアン・トーナメントの戦闘準備は今ひとつである。このまま本番を迎えるのも不安なので、火曜日は上野STEPSへ。6ラウンド1時間半のリバイラウンドがあることから、テニアンの準備にはもってこいの一戦である。しかもこの日は2テーブル18人の盛況、ブラインドの回りがゆっくりなので私向きの展開と思われた。
2000点スタートでじっくり構えていたら、周りがどんどんオールインからリバイとなってしまいあっという間にショートスタックへ。最初のオールインシチュエーションは88
。プリフロで足りなくなってしまい、あちらの方ではサイドポットの争いとなっている。フロップ出たのは88x、珍しくクワッド(4カード)であるが、オールインしているので何もアクションできない。もちろんここはメインポットを手にしたのだが、ちょうどせりかっちが入って来た時で見せられなかったのは残念であった。その後30分以上手がこない。ブラインドやリンプインで何度かフロップは見れたのだが、打たれると下りるだけだから参加したという実感は全くない。じりじりとチップは減っていくけれども、最初のビッグポットが幸いしてリバイ水域(2000点以下)にはまだまだ。そんな時にミドルポジションでQQが来た。ちょっと考えてコールしたら、チップリーダーにオールイン要求される。BBもオールインしてきたので2人が相手だが、ちょっと下りれないのでコール。二人ともA持ちで、なんとか事なきを得る。
結局リバイラウンドに勝負したのはこの2ハンドだけ。アドオン分を入れて約17000点で第7ラウンドに入る。人数が多いのでここから10分1ラウンド、ブラインドがどんどん上がる。1周目はブラインドを払っただけで終了して2周目、1500-3000のミドルポジションでとうとうAA様降臨(!)である。リバイラウンド中盤から打ちまくりでチップを増やしてきたせりかっちがアーリーポジションから9000点レイズ。オールインしたくはないのだが、コールでは迫力ないので仕方がない。するとBBまでオールインしてきた。
せりかっちはAT、BBはA5のダイヤスーツ。この相手にAAはかなり有利だが、Aが出切っているので一抹の不安が残る。フロップでT、しかも2枚がダイヤ、不安が増大する。ターンはラグ。しかしリバーで無情のダイヤ、4万数千点のポットは目の前から遠くに行ってしまった。残っているのはサイドポットの2000点のみ。しかし、ここから普段の私からは信じられないようなしぶとい展開となった。次のハンドはJTで半分あきらめのオールインをかけたところ2つとも当たってトリプルアップ。次もオールインでダブルアップ。その次もAが見えたのでオールインしたらみんな下りてくれて3ハンドで元の点数に戻ってしまった。
そしてさらにすごかったのはUTGの時で、ちょうど隣のテーブルで飛びが出てテーブル合体となりファイナル。席を決め直すとボタン。このブラインドの大きい時に払わないで通過してもらうほどうれしいことはない。回ってくる間に何人か飛んでくれて、そうこうしている間にBB。6000-12000だから、ブラインドを払うとほとんど残らない。ここでハンドは64。前でnっちともう一人オールインしている。まあ一度捨てた命だからと上に乗せてオールインしたら、フロップで出てきたのは64x。思わずにっこりである。
終盤はブラインドが10000-20000になって下りるのも難しくなってしまい、”カリフォルニアスタイル”bert師匠にヘッズアップで惜しくも敗れてしまったが、最後のオールインも勝率のいいところで受けられたし(1ヒットされフラッシュでとどめを刺されたが)、そこそこいいゲームでテニアン直前の追い切りができた。依然として今年未勝利ではあるが、南の島ではがんばってきたいと思う。
[Feb 22, 2007]