全日本ポーカー選手権 (ポーカーの奥深い世界第43話) [Jun 5, 2007]
全日本ポーカー選手権(AJPC)の本大会である6月2日、あえなく予選落ちした私は上野のストラドル杯に登場していた。実行委員会や協賛企業の推薦選手を向こうに回して、我中難民ポーカーチームとこのブログにもよくコメントをいただく全裸の会会長さんが健闘しているという情報が入ってくる。GONティーと岡山のローディーはあと一歩のところでゲームオーバーとなり、翌3日のファイナルに残った6人の中に、会長、Lupinさん、まるさん、そしてkopa兄ちゃん、DUKEとかで会うわたるさんが残ったという速報に、上野でも一喜一憂の声が上がる。なにしろ、セガからの転戦組が10人以上いたのである。
kopa兄がベガスカップ同様に勝負服と必勝ハチマキ、チャンピオンベルトで参戦したとか、全裸の会会長はインタビューで「全裸さん」と呼ばれるんだろうかとか、関連ネタで盛り上がる中、ただいま77連敗中の私はなんとか浮上のきっかけをつかめないか必死の戦いを続けていた。44vs77vsJJ
という絶体絶命の三者オールインのフロップで4が落ちるという、本当に久々に勝負どころのUnderdogで勝ち残って、かなり運気は良くなって来ているようだが、ファイナル直前にせりかっちのAKに討ち取られてしまった。ただ、家に帰ってもまだ決着はついていなかったから、本番の体調のことを考えれば、いい追い切りだったと思うことにした。さて、いよいよAJPC最終日。レディースは10時スタートだが、シニアは午後1時、メインのファイナルは午後2時からである。とにかくメインが始まるまで1時間は持ちこたえなければならない。幸いにというか、全く手は入らない。下りまくりながらメインの実況に聞き入る。開始直後からオールイン合戦になっている。これはしょうがない。チッブリのバックギャモンの金子さん(麻雀の金子さんでも、バカラの金子さんでもない)がチップの2/3位を独占していて、それ以外の人はすべてオールインシチュエーションといっていいからである。
メインが始まるが、なんとか原点を維持しつつファイナルに残る。こちらの休憩時間までにわたるさん、Lupinさん、まるさんが飛んで残りは3人。バックギャモンの金子さんが大分削られ、kopa兄ちゃんが見ている間に40000点を100000点近くまで挽回している。しかし、それから二転三転して兄ちゃんは3位でゲームセットとなり、私が見学に回った時にはすでに全裸の会会長と金子さんのヘッズアップ。2手ほど小競り合いがあって、チップ量はほぼ互角で双方約35万点、しかし千点単位で会長リード。ブラインド18000-36000、アンティ4000のボタン(=SB)から、会長メイク15万点のレイズ。それに対し金子さん、1万数千点だけ残してリレイズ(メイク約34万点)。ここで会長長考。
見えなかったのだが金子さんが何かのパフォーマンスをしたのに対し、会長、懐からパスポートを取り出しLVはもらったとばかりに気合を入れてコール。お互いにほとんどのチップを入れているのでここで勝負が決まるのだが、どちらもオールインしていないのでカードオープンにはならない。フロップ459。ここで金子さんオールイン、会長もちろんコール。金子さんが開いたのはなんとKK。ここへきていいハンドが入るものである。対する会長はA3。Aヒットと2のストレートドローのまくり目がある。7アウトあるが、会長かなり分が悪い。
ターンで会場から「2」の呼び込みが入る中、出たのはT。なにしろ会場内はポーカーファンばかりである。テーブルの近くはみんな立ち上がり、後方は椅子の上に立ってチーフディーラーXこと山ちゃんのディールを待つが「エース!」「1か2!」「モーピンヌキ!!」と一斉の呼び込みである。いくらチップが残るとはいっても、70万点対数千点ではさすがに勝負にならない。なんとかまくってほしい。そしてディーラーXの起こしたカードは、なんとモーピンヌキヌキのエース!AペアvsKペアで、会長の逆転優勝決定である。Aが開かれた瞬間の会場の大歓声、盛り上がりはまさにすごかった。そして会長は、大阪予選からの10倍×70倍の勝ち上がり、1日ベースで2万点対40数万点からの逆転、そしてリバーで大逆転のエースである。
このブログの愛読者でもある全裸の会会長の勝利は、自分のことのようにうれしいです。会長、「初代日本一」おめでとうございます。なんとかスケジュールをやりくりして、LVもやっつけちゃってください。本当に本当におめでとうございました。
さて、私が出場するシニアは招待選手3人を含む2テーブル14人でのスタート。このくらいの人数なら、なんとかならないかとわずかな望みをもって参加したが、まあいつものようにハンドは来ない。「ポーカーは手じゃない」と多くの上級者に言われるのだけれど、それは程度問題だと思っている。
例えばこの日ファイナルまでの約2時間、上位10%の手が来たのは一度だけ、それも99である。相当ゆっくりした展開とはいえ70手くらいは配られたはずだから、期待値的に上位10%の手は平均7手来る。これが1手以下しか来ない確率は、なんと0.7%である。140人中1位の運の悪さで動いたところで、結果が良くなる可能性は多くはないと思っている。
それでもなんとか3000点のスタートチップを持っていられたのは、たぶん下りまくったからだろう。参加したハンドはその99がフルハウスになったのと、QTs(これくらいしかいける手がない)がフラッシュになったのと、あとはBBでたまたま当たったのとスチールが1回くらい。ドローも引きに行かずSBも下りて、ひたすら波が来るのを待つ。
ファイナルテーブルになってブラインドが300-600、右隣のご婦人がオールインとなったときにハンドがAQ。本日2度目の上位10%である。このヘッズアップでQが2枚出てなんとか息が出来る状態になった。しばらくして次の上位10%はUTGでAJ、これは下り。それでもなんとかがんばってチップが6000点位になったときに事件は起きた。
UTGからはたらくさんオールイン。チップ量は4000点位。コールしてもいっぺんには飛ばない。ハンドを見ると、AA様降臨である。これ以上望みようがないシチュエーション、参加者を増やしたくないのでこちらもオールイン。計画通りヘッズアップになって、はたらくさんが開いたカードはAK。AAが最も望む相手、勝率は約9割である。
しかし、運のないときは何をやってもうまくいかない。フロップでTJと出てQのまくり目発生。ターンはかわしたものの、リバーで当然のようにQが出る。ストレート完成で逆転負け。この瞬間、私のAJPCシニアはほぼ終わってしまった。あとはブラインド的に飛び込んでなんとかするしかなく、最後は55で優勝したakiさんのAJからJヒットにつかまってしまったのは仕方がないことであった。
結局14人参加の7位。かなり徹底してリスクを避けたつもりなのだが、入賞戦線に残ることさえできなかった。まさかあの場面でAAを下りる訳にも行かないし、どうしたら良かったのか正直言ってよく分からない。何回かのミスプレーはあったのだけれど、あのハンドの弱さで平均チップ量を維持して勝負どころを待つことができたのだから、プレーとしてはよくやったと言えると思う。
それでも、これで公式戦の連敗記録は79。この中には、徹底して暴れまくったこともあるし、自然死状態まで粘りまくったこともあるが、半年間何をやっても良くない。4~6月に目標としてきたすべてのゲームが不本意な成績に終わり、月末に予定しているLVも止めた方がいいのではないかと思い始めていたりして。
p.s.景気の悪い話ですみません。かなり落ち込んでまして、明日のブログはお休みします。(話は違いますが、WSOP緒戦でmotoさんもAAでやられたらしい)
[Jun 5, 2007]