2007WSOP遠征記  (ポーカーの奥深い世界第45話) [Jul 4, 2007]

今年の4月に、50歳になった。50というと半世紀、それなりに長く生きてきたことは間違いないのだが、実感としては、30代前半からの約20年間は本当にあっという間だった。だから時々、自分が30代半ばのような気がすることがある。それでも髪の毛は確実に少なく細くなりつつあり、酒量もかなり減ってしまった。血圧はともかく糖尿病と高脂血症はちっとも良くならない。

いずれにしても100まで生きているという訳にもいかないだろうから、せっかくの50歳を記念して何かしようと思った。そこで思いついたのがWSOP(ポーカー世界選手権)シニアへの挑戦である。とにかく世界選手権というくらいで、勝てば世界チャンピオンである。そしてチャンスは、万一ではなく千一くらいはある。宝くじやサッカーのBIGと違って、かなり現実的な数字である。

日程的に月曜日スタートなので1週間の連続休暇をとる必要があるが、この際仕方がない。休暇を申請しエアとホテルを押さえて、予定どおり開催前日の2007年6月24日夕刻、無事ラスベガス、エクスカリバーホテル&カシノにチェックインしたのである。

もちろん最終目標は世界チャンピオンであるが、とにかくWSOPに出るのは初めて。LVでポーカーをした経験もほとんどない。なにしろ、前回デラホーヤvsホプキンスを見に来たときにリゾカジオフ会に出て、それからポーカーを本格的に始めたくらいなのである。だから、現実的にはいくつか目標を設定して、それをなんとか達成していこうと思った、その一部が前日にコメント欄に記入した、第一目標から第七目標である。再掲すると、

> 第一目標 無事にエントリーする。
> 第二目標 用意したコスチュームでテーブルに着く。
> 第三目標 お前はシニアかID見せろと言われる。
> 第四目標 1周無事にプレイする。
> 第五目標 テーブル移動というのをやられる。
> 第六目標 「レイズ」と言ってみる。
> 第七目標 チョップでもいいからポット獲得。

以下、第五十目標くらいまでクリアすると最終日ヘッズアップまで到達することになっていたのだが、もちろん序盤早々にAAとかKKが来てバッドビートで飛んでしまうことも十分ありえると思っていた。

大会前日の6月24日午後11時過ぎ、会場のリオ・オールスイートホテル到着。"Poker Tournament Side"とタクシーで指定したら、駐車場をぐるっと回ってコンベンション・センターの入口に付けてくれた。入口を入って左に行くと本館カシノ、右手がWSOP会場である。真夜中近いのにまだまだたくさんの人が歩いている。しばらく直進すると、トータル・リワード・カードの登録窓口がある。

親切なことに、「WSOPの参加にはトータル・リワード・カードの登録が必要です」と書いてある。このカードはリオのほかにもハラースとかシーザースパレスも共通で使えるので、さっそく登録。窓口のおばさんにWSOPの参加申し込みはどうするのか聞くと、左に折れて最初の入口を入ったところと教えてくれた。

教えられた登録窓口は実際のトーナメント会場と同じところにある。かなり混んでいるとの情報だったが、時間が時間だけに結構すいていて、並んでいたのは2人だけだった(翌日午前中に行くと廊下までずらっと並んでいたので、真夜中に行くのが正解)。窓口はいくつかあるが、左のいくつかは“Pre-Registration"と書いてあったので、おそらく事前に送金等で参加費を納入した人の専用窓口と思われた。当日申し込みは私が見た時間では3つだけで、これでは1イベント千人以上を捌くのは大変だろう。

"Event#41,Senior."と言うと早速、"Oh,You look so young."と言われる。参加費$1000をAMEXのTCで払ったら、真夜中のせいか認証に時間がかかったのは意外だったが、それ以外は問題なくスムーズに手続きは終わった。これですでに第一目標は達成した。指定された席はテーブル77のシート1、ということはディーラーの隣である。

その夜は1時前にホテルに戻り、7時までぐっすり眠る。朝食のバフェ($12)もしっかり食べて、準備は整った。いよいよWSOP初陣へ、ご一緒するのはAJPCシニア優勝者であり、WSOPシニアでファイナル4位という大変な実績をお持ちのAkiさんである。




WSOP♯41のエントリーシート。後ろは毎日発行のWSOP Today。

大会当日の6月25日。Akiさんのアドバイスで試合開始の約2時間前に会場に入り、売店やトイレの位置を確認。実際、始まってみると休憩時間が限られているのでどのトイレにも行列ができてしまい、結局カシノ入口まで戻ってしまうことになったので、この偵察は役に立った。空いた時間に$25ミニマムの牌九があったのでこれでウォーミングアップ。ちょっとだけプラスになったところで時間になったので、売店でミネラルウォーターを買ってから会場へ(もっとも、テーブルには200mlのミネラルウォーターが置いてあったのだが)。

スタート約5分前にテーブルに着くことが許可される。テーブル77は通路側の席で、入りやすく出やすい。WSOP会場は通路でいくつかのスペースに分かれていて、その一区切りに6行10列くらいのテーブルが並んでいる。テーブルの上には照明がつるされていて、そこにテーブル番号を書いた札が吊るされている。だから会場の様子は、ちょっと見ると照明器具の見本市のようだ。

そして会場の壁一面には、過去のメインイベント優勝者の顔写真が印刷された大きなシートが掲げられている。まるで国技館の優勝力士の額縁のようである。実はこの後テーブル移動まで生き延びて移動した席が壁寄りだったのだが、ここの壁に飾ってあったのがドイル・ブロンソンの顔写真だった。

席についてしばらくするとスタート予定時刻の正午となり、セレモニーが始まる。ゲストの紹介やよく分からなかったけれど全員起立でお祈りをするような場面が続いて、いよいよ"Shuffle up & deal."の声がかかる。これで第二目標も達成したことになる。本当は「猫魂」のTシャツで参加するつもりだったのだが、前日に参加したVenetianのトーナメントで会場はかなり寒いということが分かったので、猫魂は止めて長袖のシャツにした。それでもこの日のために用意したチャージャースのCapとレイバンのサングラス度数調整済を着用しての参加である。

スタートチップは2000点でラウンド1は25-50。最初の1周、迷うようなハンドが来たら嫌だなと思っていたら、最近の調子を反映してJ5とか92とか下りやすい手ばかりである。ブラインドもレイズされて下り、75点減って1周回った。これで第四目標も達成である。

しかし全く手がこない。60分ラウンドでディーラーシャッフルなので40ハンド位来るのだが(カシノによってはシャッフルマシンがあり、これだともう少し早い)、1ラウンドはとうとう上位10%が1手も来なかった。ただSBでAxが来た時に、たまたまボタンまで全員下りて、メイク100でレイズしたらBBが下りて初ポットを獲得した。これで第六目標と第七目標を達成した。

その直後、第2ラウンド50-100になって間もなく、テーブルブレイクとなった。結局このテーブルで1時間以上プレイしたが、1ハンドも行ける手が来なかったのである。移動したのはテーブル19のシート8、会場のかなり奥まったところであった。番号からみて、このテーブルがブレイクするのはかなり先のことになりそうだ。それまで生きていられるかどうかはかなり危なっかしいが。

着席して早々、ディーラーに「ホントにシニアか?」と言われる。隣の人からも、「今からでも遅くないから、間違いでしたと言ってrefundして来い」と言われる。”Just fifty.”と答えると、”Oh,me too.”と言う。とてもそうは見えないので怪訝な顔をしていると、”sixteen years ago.”と続けた。その後も何人かのディーラーから、”Young!”といわれたので、ここまでで第三目標と第五目標を達成。つまり、すべての公約を果たしてしまったのであった。

「なんだよ、目標全部達成しちまったよ。でも、全然手が来ないよなあ」と思っていたら、2ラウンド残り30分でAJoが来る。とうとう上位10%ハンドの到着である。前にレイズが入っていたので冷静に下り。同じ周回に続けてATが来るが、UTGだったので躊躇なくフォールドした。ちょっと後にA8sが来る。これはレイズするとそのままスティールになった。

そんな具合で手が来ないなりに2000スタートの1700~1800でがまんしてきたのだが、このラウンド終盤のBBでA5oをチェック回りで、フロップA24。Aペア&ストレートドローである。200点ベットすると、ボタンからメイク500点のレイズ。Aヒットでハイキッカーを主張するのなら、プリフロップコールで回ってきたのはおかしいと思った。300点は持ちチップからすると苦しいが、コール。

ターンで3出ろ!と念じたのだが、出たのはrag。チェックで回すと、今度は500点打たれる。これをコールした時点で残りは1000点を下回る。ちょっと考えたが、A5で今大会終わりたくなかったので、フォールド。相手はA4のツーペアを見せてくれたので、多分こちらがAとハイカードで迷っていたとみたのだろう。

直後に、ラウンド終了となり20分の休憩に入る。休憩まで残ること自体、第10目標くらいにはなるので、すでに自分としては十分にがんばっている。とはいえ、2ラウンド何もしなければ1200点くらいにはなるなあと試合前に予想したとおり、1200点での2ラウンド通過である。

さっきのように負けても、参加していればそれなりに面白い。でも、試合時間の3/4以上は下りてばかりなのである。これはストレスがたまる。何をしにわざわざここまで来ているのかと思う。いずれにせよこのままでは次のラウンドまでで終了してしまうだろう。何とか勝負できる手がこないかなあ、とトイレまでの長い往復で考えていた。会場に戻るとき時計を見ると、すでに2時半になろうとしていた。




会場の写真。両側の電話ボックスのようなものの中では、ニセのお札が回っています。

第3ラウンドはブラインド100-200、1周で300点減る。何しろ1200点しかチップがないから、何もしないとこのラウンドの40ハンドでちょうどチップがなくなる計算である。すでに目標は第10くらいまでクリアしている。ただ、このまま終わってしまうと参加しただけということになるなあ、とも思っていた。何とか、ここを勝てばいいところまで行ったのに、と言える勝負がしたい。それには、なんとか勝負できるハンドが欲しいのだが・・・。

そして開始10分ほどたったところ、ポジションはカットオフ1つ前、待ちに待ったAA様のご降臨である。これさえ来ればなんとかなる。そしてUTGから500点のレイズが入っている。ばたばたと下りて私の番。”All in!”ちょっと声がかすれてしまった。SB、BB下りてUTG。チップは十分あるので、そのままコール。ハンドはと見ると、AKである。勝率85%、しかしAJPCで致命傷となったマッチアップである。

フロップで、ターンでが出て極めて悪い予感が頭をかすめるが、何とかリバーragで逃げ切る。ついに、とうとう、WSOPの舞台でじゃんけんに勝った。2時間以上がまんして、ようやく到着したAAでの勝負である。世界中どこでも、やっていることは同じポーカーであるということが実感できたうれしい一瞬であった。そして、本日初めてスタートチップを上回る2400点。これで、第11・12目標(約)の達成である。

その約1周回後、ブラインドを通過しチップは若干減少して2200点、カットオフでハンドはKQo。前がばたばたと下りて私の番、ちょっと大きいと思ったが半分残しても仕方がないような気がしてオールインスチール(いま考えると2000打つ必要は全くない)。ボタン、SBは下りたがBBはあまり考えずにコール。

このBBはさっき私がAAでチップを倍増した相手である。先ほどより差は縮まっているが、まだチップ量は向こうの方が多い。それでも、ここを失うとショートスタックになるので、かなりの自信作であることは間違いないと思われた。案の定開いたのはAA。さっきは私がAA、今度はあちらがAAである。チャンスはAKよりKQの方がかなり大きいが、それでも絶対不利の組合せである。

さっきの仇をとられてしまったなと思ったが、まだチャンスはある。とにかくKかQ!と念じたら、ディーラーがフロップを開くとき表にが見えたので少し安心。そして3枚開くとそこにはがあった。逆転である。あとはそのままでいいのだが、ターンが、そしてリバーがである。もちろんKフルQで私の勝ちなのだが、ここまで出るとかえって出すぎではないかという気がした。それでもとにかくダブルアップに成功して持ちチップは4000点を超えた。原点から倍増したのはもちろん初めてである。これで第15目標(約)も達成した。

そして、これだけチップが増えれば思い切ったことができる。その次の第4ラウンドからはアンティが発生し、アンティ25のブラインドはそのままで100-200。このラウンドは全くぶつからずに、チップ量的に気軽にできるようになったスチールに4回ほど成功する。一方でSBでコールしたりフロップを見にいった回もあって、持ちチップはちょっと減り3700点ほどで2回目の休憩時間になった。

休憩時間にはテーブルにいることができないので、逆に空いているテーブルを数えると残り人数が分かる。第1回目の休憩後に、今回のシニア世界選手権の参加者は大会レコードの1800人となったという発表があった。そしてイン・ザ・マネーは大体150位くらいである。目の子で残りテーブルを数えると、64ほど確認することができた。すると残り人数は600人を若干上回るくらいで、平均チップ約6000点というのは実際に周りを見ていて大体そんなもんだろうという気がした。

とすれば、現在のチップ量は平均より少ないけれど、勝負にならないレベルではない。次の第5ラウンドはアンティ25のブラインド150-300、ということは1周で700点減っていく。4周黙って見ていれば1000点を切ってほとんど勝負権がなくなるが、逆に早い段階でダブルアップできて、持ちチップが8000点を超えればいよいよイン・ザ・マネー争いが見えてくる。

それには、1周目とはいわないが少なくとも2周目くらいには勝負をかけなければならない。2周目までに上位10%のハンドが来る確率はおよそ90%。少なくともそこまで、チップ量でいうと3000点を目標に、来たハンドで行ってしまおうと固く決意して、第5ラウンド開始のテーブルに着いたのであった。




今回大会用に用意したチャージャースのcap。NFL公認である。結構行く先々で、”Chargers!”と声をかけられた。

第5ラウンドが始まった。アンティ25の150-300である。私が考えたのと同じようなことをみんな考えたようで、結構このあたりからオールイン対決が増える。私と2度にわたるオールイン対決をしたおじさんも、結局このラウンド始まって間もなくゲームオーバーとなった。飛び込むチャンスは増えたが、逆にポジションの悪い時にスチール気味に仕掛けたら痛い目をみそうな展開である。

ペアなら下の方でも行く気満々だったのだが、まったく来る気配がない。上位10%どころか、スモールペアもコネクトスーツも絵札2枚すら来ない。A2とかA3なら来るが、それすらポジションの悪い時に限って来る。2周がまんして、2500点を切ってしまった。3000点切ったら行くつもりだったのに、来るのは92とか7442といった手ばかり。せいぜいT5ではどうしても飛び込む気にならない。

3周目にKQsが来た。しかしここではすでにレイズが入っていたのと、さっきAA相手に九死に一生を得たのを思い出して、迷った末捨てた。6枚あった500点チップがどんどんなくなる。3周目を終わってとうとう2000点も切ってしまった。せっかくオールイン2回で倍増したチップが原点に逆戻りである。ツキが来ればダブルアップ2回やトリプルアップはできるのだからと自分を勇気づけるが、とにかくハンドは全く来ない。

4周目も回って、第5ラウンド残り1分となったところでBBとなった。アンティ25と300点を払って、残りは1125点。次の第6ラウンドはアンティ50の200-400だから、ここを下りたら1周しか持たない。ノールックオールインかなあと思いながら、もしかしたらみんな下りてくれることも期待する。カットオフまで全員下りて、ボタンはコール。SBもコールして、私の番。もちろんボタンもSBもチップは私より大分と多い。おもむろにハンドを見るとKc8c。これでも第5ラウンドに入って何番目かの好ハンドである。

ここはチェックで入る。というのは、プリフロップでオールインするとチップ量的にコールされてしまう可能性が高く(ポットはすでに1100点、私の残りは1125点で、33%の勝率が見込まれればオッズコールされてしまう)、それよりはボードが開いてからどこかでオールインした方が下りてくれる可能性が高いと思ったからである。

フロップQQ7のクラブ2枚。SBチェック、私チェックにボタン600点ベット。SB下りて私の番、もちろんオールインである。ボタンが打つ可能性としては、Q持ち、7持ち、あるいはポジションベットである。仮にQを持っていないとしたら、7持ちであろうが、ポジションベットであろうが、私のチェックレイズにコールできないだろうと思った(たとえ上乗せ600点弱だったとしても)。

そしてQ持ちか、あるいは確認しに来たとしても、こちらはフラッシュドローである。もちろんこちらと同様Axクラブのフラッシュドローの可能性はあるが、だとしてもKのまくり目は残る。つまり相手がどのような理由で打ったとしても、QQ、Q7、77以外すべてまくり目がある(正確には77の場合、K2枚、Q2枚などまくり目はあるが、現実的には薄い)。そして現実的に可能性が大きいまくり目フラッシュドローのみの場合、9アウツあるのでオッズは合う。うまく行けば下りてくれる。さて・・・。

しかしボタンは全く考えずにコールしてを開いた。もう1枚はなので出来上がりフルはない。こちらがフラッシュドローを開くと、周りから”Oh...”と声がもれる。Q持ち相手にそこそこ勝負になっているからだろう。ポットは約3300点、ここを押さえれば、ちょっと欠けるがラウンド開始時点に戻ることになる。なんとかクラブが出てくれれば。確率は約1/3である。

しかしターンで出たのは(ここでヒットしても意味がない・・)、そしてリバーもragで、私のWSOPは第5ラウンド終了とともにゲームオーバーとなった。両隣の人と握手して会場を出ると、ちょうど6時になるところだった。このラウンドの飛び具合から見て、450~500位といった最終成績だったのではないかと思われた。ちなみに、ご一緒したAkiさんはみごとイン・ザ・マネーである。おめでとうございました。

こうして終わってしまったWSOPであるが、あれだけハンドが来ない中で、最後まで粘ってそこそこ勝負になるやりとりができたことには、かなり満足している。5ラウンドで推定約200ハンド。上位10%のハンドは平均20手来るはずなのだが、実際に来たのはAA1回、AQ2回、AJ・AT・A9s・A8sがそれぞれ1回、KQ2回の合計9回である。この確率を計算すると約0.3%、つまり1800人参加して運の悪い方5人に入るという、大変な数字なのである。(ちなみに、ペアはAAの他にはKK~44までなくて、33と22が2回ずつ、これでスチールしたのだから・・・)

それと、WSOPシニアに出て最高に良かったと思うことがある。それは、武運つたなく飛んでしまった人に対して、“See you next year!”という声がかけられることである。この言葉には、もちろん「来年も会おう」「また来いよ」という普通一般の儀礼的な意味もあるし、ここがギャンブルの街であることを考えると、「来年まで破産するなよ」「この大会に出るくらいの、旅費と参加費くらいは用意できるようでいろよ」という意味もあるだろう。

しかし、おそらくそれよりも、「病気したり歩けなくなったりするなよ」「来年まで生きてろよ」という意味がこめられているんだろうと思う。勝つものも負けるものもシニアである。そして、いずれ遠からず例外なくここにいるみんながいなくなってしまうのである。昨年まで日本からこの大会に出場していたDufferさんも、この会場でお会いすることはできなかった。

その意味で、この言葉には一種戦友に対するような、深い友情と思いやりが込められているんだろう。この言葉を聞いただけで、私は今回のWSOPシニアに出ることができてよかったと思う。願わくば来年もこの大会に参加して、戦友たちと一年ぶりの再会を果たしたいものである。(完)

[Jul 4, 2007]




WSOP出場者には、リオの飲食施設の$10割引券が配られる。これはゲームオーバー後にスポーツバー(Sportsbookの脇にある)で注文したシーザースサラダ、クラムチャウダーとビール。

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