2007ラスベガス修行記 (ポーカーの奥深い世界第46話) [Aug 1, 2007]
さて今回のラスベガス、WSOPは夕食前にゲームオーバーとなってしまったため、結果的に各カシノホテルのポーカートーナメントをはしごすることができた。せっかくの機会だったので、振り返ってみることにしたい。全体傾向としてはほとんど手がこなくて、その分の上位10%ハンドが先週土曜日のスト杯ミニ(リミット!)の1ラウンド20分の間に10ハンド以上来てしまったのは悲しいことでした。
ベネチアンホテルはストリップの東側、フォーコーナーの北よりにあり、南にハラース、ストリップの向かい側には「ミステア」のTIがある。マカオ通の方には、いまコタイ地区に建設中のベネチアンと同じ建物というとすぐ分かる。ポーカールームへは、正面玄関(タクシー乗り場)からはロビーとカシノを突っ切っていくが、ストリップ(ハラーズ)からショッピングモール経由だと階段を下りてすぐ。受付はカシノ側と階段側の2ヵ所あって、階段側がトーナメントの受付になる。テーブルは30~40くらい。
トーナメントの申し込みにはプレイヤーズカードが必要だが、なければすぐ横のデスクで入会申し込みすることができる。今回参加したのは午後8時スタートのデイリートーナメントで日-木開催。だが、現在特別大会の開催中でその関係でやっている日といない日があるようだ。参加費は$110+15バイイン+1リバイ+$5スタッフボーナス(チップ1000)となっているが、基本的に申し込み時には$130払ってトーメントチップを2500点もらう。
リバイは$50で最初からアドオンしても、飛んでからリバイしてもよく、テーブルで現金払いすると2000点くれる。アドオン・リバイとも3R(休憩)までの1時間半で、どちらか1回しか行うことができない。だから、どの時点で$50の権利を使うのかが大事なポイントとなる。私の場合は周りが開始時点でみんなアドオンしていたのでつられて最初に使ってしまったが、序盤で冒険して引きに行ったりできるように、リバイまで取っておけばよかったとちょっと後悔した(べつにアドオンでも、1時間半いつでもいいのだから)。
ともあれ2000点アドオンしての4500点スタート。ちなみにこのトーナメントはLV到着日でWSOPの前日。予行演習のつもりで、堅く堅く進めるつもりだった。しかし、いいハンドが来ない。1ラウンド(25-50)、2ラウンド(50-100)、3ラウンド(100-200)までの各30分ずつで、上位10%ハンドは3手のみ。99を下り、AT・AQ1回ずつはスチールとなり遠征初ポットを獲得した。ただ休憩を終わって3500点位までチップが減少する。本番だったら、もう1000点しか残ってないなあと思ったのを覚えている。
4ラウンドからはアンティが発生して、アンティ25の100-200。すでにショートスタックなので、ポジションが悪いと入りにくいし、ポジションがいい時には必ず誰かがレイズしてくる。AKoをレイズするが、コールされてフロップで何も落ちない。再び99が来るけれどもコールで入るという中途半端なことをしてしまって、これもノーヒットで下り。5ラウンド(アンティ25、200-400)、もうゆっくりしていられない。残り2500点余り、ショートスタックのオールインをAKoで受ける。相手はQJo、よし勝ったと思った。
リバーまで何も絵札が落ちずAハイで勝ちだなと思っていたら、なぜかチップは相手方へ。よく見ると、スーツが4枚同じでフラッシュを作られてしまっていたのであった。その次の手をJ6でやけくそオールインしたら、こういう時に限ってフロップJ2枚にリバーで6のフル。それで6ラウンド(アンティ50、300-600)まで粘ったものの、最後はBBで64の自然死でした。
今回の反省点は、リバイ権利を残して序盤でもう少し冒険すべきだったということだが、翌日の予行演習もあったのだからこれは仕方がない。そして早い段階からアンティがあると、じっくり手を選んではいられないということが教訓だった。それを受けて次からのトーナメントでは早仕掛けをすることになるのだが、その結果は改めて。
#2 シーザースパレス・ポーカールーム
シーザースパレスはフォーコーナーの北西の角にある。北側にはショッピングモールをはさんでミラージュがあり、フラミンゴ通りを挟んで南側にはベラッジオ、ストリップを挟んで東側にフラミンゴ、フォーコーナーの反対側はバリーズとパリスという、文字通りラスベガスの中心であり、24時間人通りが途絶えることはない。
シーザースパレス自体がいくつかの棟により構成された巨大ホテルである上、ショッピングモールともつながっていてカシノ内でも迷ってしまうほどである。その中でポーカールームを探す目印となるのはスポーツブックである。競馬や野球、その他いろいろなスポーツを中継している大画面スクリーンを持つスポーツブックは非常に目立つので、そこを目印に行くとポーカールームの入口に到達する。なぜかポーカールームとスポーツブックの近いカシノに今回は縁があって、MGMもミラージュもそうだった。
ここのポーカールームは今回行った中で最も過ごしやすいところで、まず広い。ライブゲームのテーブルが30くらいある上に、トーナメントテーブルはそれとは別に、奥の部屋にさらに30くらいある。トーナメント中もひっきりなしにカクテルおばさん(ガールとは言い難い)が注文を取りに来てくれる。
大画面テレビでスポーツ実況やトーナメント状況を映してくれるのもいい。そしてデイリートーナメントを昼の12時、夜7時、夜11時の1日3回開催している。私の参加したのはWSOPの翌日の12時スタートの回で、参加費は$200、4500点スタートでリバイ・アドオンなし、ブラインドは40分である。平日の昼間だというのに、20テーブル以上のスタート。スタートチップも大きいのでちょっと粘ると4、5時間は残れるのではないかと思われた。
しかしこのトーナメントでは、前々日のベネチアン、前日のWSOPの反省から、あまり手を選ばずに序盤からどんどん攻勢に出てみようと思っていた。そして、1ラウンド(25-50)から、なぜか前日までほとんど来なかった上位10%ハンドが入るのである。QQでスチール、AKでスチールと好調だったが、なぜかポットが大きくならない。3度目のレイズはAJだったが、コールされてしまう。フロップ何も落ちずに打たれて下ろされてしまう。ちょっと嫌な雰囲気である。
2ラウンド(50-100)、ミドルポジションAdTdでレイズしたが、ショートのBBにコールされる。フロップはスモールカードでダイヤが2枚、ここでBBがオールインである。こちらはほぼ原点、BBは2000点くらいだからたとえ負けても半分残る。Aとダイヤだから待ちは広いと判断してコール。BBのハンドはQQ。思ったとおり12アウツあったのだが、ターン、リバーともAorダイヤが出ずにチップをざっくり減らして1回目の休憩。
3ラウンドから早くもアンティ25で100-200。持ち点からいって、もうゆっくりしてはいられない。カットオフで前に誰も入っておらずハンドはQhTd。スチール気味にメイク800点レイズしたら、ボタンにあっさりコールされる。あと残りは1000点余りだから、ほとんど選択の余地がない。フロップKJ8で2枚ダイヤ、ノータイムでオールインするが、相手もあっさりコール。ハンドはとみると、AhQdである。Tが出たら負けで、フラッシュができても負ける。まくり目はオープンエンドのAと9だけである。
結局ターン、リバーともragで、結局私のシーザースパレスはわずか2時間で終了となってしまった。なんだかゆっくりやっても速攻を仕掛けてもダメで、ホテルに帰って不貞寝する。でもとても居心地のいいポーカールームなので、次に来る時はなんとか長期戦を挑みたいものである。
3.ラクソー・ポーカールーム
日本語表記では「ルクソール」と書くことが多いのだが、これだと通じないので「ラクソー」とすべきである、というのがラスベガス大全の主張であるので、ここではそれに従うことにする。ご存じ、ピラミッドとスフィンクスの宿である。
ピラミッドの底は正方形なので、このホテルは方向感覚がつかみづらいのだが、それほど広くはないので歩き回っていればポーカールームは見つかる。大まかな目安は、ホテルのフロントと逆側で真ん中よりもややエクスカリバー寄り。十数テーブルとじんまりしたポーカールームである。
1日に5~6回トーナメントをやっている。そして規模も他のカシノに比べるとさほど大きい訳ではないので、どちらかというと「ミニトー」という雰囲気である。私の出た夜8時半の回も参加者は11人で結局1テーブルとこじんまりしたものとなった。だから逆に、規模の大きなトーナメントでは難しい少人数、ショートハンドのゲームが修行できるのはうれしい。
トーナメントフィーは$62。なんか半端だなあと思っていたら、テーブルについたときにディーラーチップとしてあと$3徴収されるので合計$65になる。渡されたチップを数えると1000点。まさしくミニトーである。ブラインドは15分ごとで、25-50、50-100、100-200、200-500。なるほどこれなら1日に何回もできるはずだと納得。
1000点しかなくてほぼ1周ごとにブラインドが上がる計算だから、序盤からかけひきなしのぶつかり合いになる。1ラウンドで早くも2人飛ぶ。とりあえず1ラウンドは様子見。2ラウンド終盤、QQ到着。雰囲気的にコールしてもらえそうだったのでオールインすると、ショートスタックとチップリの2人がコール。ショートはTT、チップリはAKとルーズな場だったのにこういう時に限ってみんないいハンドである。
フロップはすべてスモールカード、ターンもrag。よし、これでチップリと思う間もなく、リバーで出たのはTである。ああ、やっぱりうまくいかない。サイドポットはとれたのだが、原点を割り込んでショートスタックになってしまう。
その後、3ラウンドはなんとか生き延びたのだが、4ラウンドのBB、残り6人というところで強制オールイン。2人にコーられ、しかもサイドポットはフラッシュで決まっている。日本式(?)にカードを開けないで待っていたのだが、最後に開けてみたらAQでしかもQがヒットしていた。もちろん負けているのだが、最初から見ていたらちょっとくやしいボードだっただろう。
その足で裏のチケット売場へ行き、”Fantacy”(9:30開演)のチケットを買って走ったらちょうど始まるところだったので、ゲーム時間は1時間弱だったということになる。ちなみにショーのチケットもトーナメントフィーと同様$60くらいでした。
#4 MGMグランド・ポーカールーム
巨大ホテルMGMグランドは方角を間違えると結構長い距離を歩かなければならない。このホテルのポーカールームはストリップ沿いにあるので、歩いていく分には間違えることはほとんどないが、タクシーでアリーナの方に行ってしまうと大変かもしれない。
私の場合はエクスカリバー泊だったので、新フォーコーナーをNYNYにまず渡り、さらにMGMグランドに渡り、冷房のきいた館内に入ってカシノを目指して進むとすぐに見えた。隣はスポーツブックの大画面なので、すごく分かりやすい。
テーブル数は30くらい。トーナメントとライブと受付が2ヶ所あり、トーナメントは手前側(ストリップからみて)。ウィークデイは午前11時と午後6時にデイリートーナメントがあり、受付はそれぞれ1時間半前から。私が参加したのは水曜日の午前の部。受付してからスポーツブックの隣にあるカフェで、スープとサンドイッチの朝食をとりながら待つ。早くも東海岸の競馬中継が始まっていた。
トーナメントフィーは$65で2000点のトーナメントチップ。ブラインドは30分で3ラウンドからアンティ。4ラウンドまで飛んだ人は”alternate”できると書いてある。どうやらこれは日本でいうところの「ゾンビ」のことらしいのだが、やらなかったので違うかもしれない。誰かが飛んで席が開くと、”Aiternate #5,please.”とかスタッフが言うと、その人たちが入ってくるのである。
始まった時すでに5テーブルある。同じトーナメントフィーなのに、前日参加したラクソーよりずいぶん本格的である。そしてここのポーカールームは他と比べてスペースにゆとりがある。テーブル間隔は今回行った中で一番広かった。建物自体も大きいので、すごく開放感があって私のような肥満体の人間にはありがたいポーカールームである。
さて、ゲームの方は1ラウンドが25-50、2ラウンドが50-100とここまでは前哨戦。しかし先ほど述べた”alternate”があるせいか、結構荒っぽく、誰かがいなくなり、誰かが入ってくるという展開が続く。そんな具合だからおとなしくしていたら私だけが原点近くで、あとはみんな倍以上に増やしているという状況になってしまった。
4ラウンドまで2時間は休憩がないので、カットオフが終わったあたりで勝手にトイレ休憩にする。もう3ラウンドに入っていて、アンティ25の100-200である。この朝も全くといっていいほど手は来ないが、スチールくらいやっておかないと、すぐにオールインシチュエーションになってしまう。そろそろ仕掛けようと決心して戻ってみると、88が入っている。
700点レイズする。レイズした時点ですでに持ちチップは1000点を切っていて、引き返すのは困難な状況。ほとんど参加してない私のレイズだぞ、みんな下りてくれと思ったのだが、ポジションが悪かった。ボタンあたりのショートスタックがオールイン。たいした上乗せでもなかったので仕方なくコールすると、相手はAK。そしてフロップであっさりKが落ちて今度はこちらがショートスタックである。
結局、4ラウンドのアンティ50、200-400のBBで強制オールインに近い状況となった。それでもこちらはKJ、ヘッズアップのSBは87だったから有利だったはずなのに、フロップで5と6、リバーで無情にも9が落ちて終了。このラウンドまで”alternate”ができたようなのだが、2度オールインとなった負け方がよろしくなかったのでやめて、そのままホテルに帰って昼寝した。
そんな具合で調子がよくなかったのだが、参加費はそれほど高くないし、居心地が良かったので今度また行きたいポーカールームである。パンフレットによると、午後6時の部は$125で3000点スタートということである。
5.ミラージュ・ポーカールーム(前編)
さて、6月24日からスタートしたラスベガス修行であるが、ベネチアン、WSOP本番、シーザース、ラクソー、MGMグランドとここまで5戦いずれも入賞圏からは遠いところで終了していた。27日夕刻は再びakiさんとご一緒し午後7時のミラージュ、さらに午後11時のシーザースと連戦する予定。しかしここまで、全く「流れ」が自分の方に来ていないのを感じていた。
もちろん腕(スキル)で流れを自分の方に持ってこれれば言う事はないのだが、流れが悪い時には何をやってもうまくいかないのはこれまでの経験から身にしみて分かっている。スチールしようとした時に限ってプレミアムハンドを持ってる奴がいたり、自分有利の75%は必ず相手に引かれ、自分不利の75%は絶対に引けない。だからここまでの戦いでも、ダブルアップできたのはWSOPだけであった。
そして、流れの来ない時にどんなに粘っても、まず局面を打開することはできない。これは私に限ったことなのかもしれないが、最後の最後、自然死まで粘ったところでダメなものはダメなのである。特にアンティが入ると加速度的にジリ貧になる。だから、精神衛生上粘るのはあまりよろしくない。私にとって避けるべきなのは、負けることよりも滅入ってしまうことなのである。
そんなこんなで、ミラージュに着いた時に思っていたことは、最後の晩だし、次もあることだし、ちょっと暴れてみようかな、ということであった。あまり早く終わってしまうのはうれしくないが、幸いこの頃はスロットが好調で、2時間くらいならつぶせるような気がしていたのである。
ミラージュはシーザースパレスからショッピングモールを挟んで北側、その北にはTI(トレジャーアイランド)があって確かこの二つは路面電車みたいなので結ばれている。ストリップを挟んで向かい側はベネチアンやハラースあたりになる。あまり明るくないカシノ内を進んでいくと、やはりスポーツブックと隣り合わせにポーカールームがある。シーザースやMGMのように大画面が床から立ち上がっているという訳ではないが。
テーブル数は、渡された座席表をみてみるとちょうど30テーブルある。テーブル間隔はあまり広くはない。デイリートーナメントは曜日によって参加費が違うようだが、この日は$230。スタートチップは3000点で、リバイはない。最もオーソドックスなトーナメントである。そして、ここのポーカールームはsmoke-freeなのである。しかし、喫煙者が見当たらなかったのは、いまや公共の場はno-smokingというのがマナーになっているからかもしれない(私はもともとnon-smokingなのはご承知のとおり)。(注.私の不勉強で、smoke-freeはno-smokingという意味だそうです)
そして、ここのトーナメントはちゃんとテレビ画面で残り時間や残り人数、入賞賞金などが表示されるのである。もしかしたら他のカシノでもやっていて、ちゃんと表示されるまで残れなかっただけなのかもしれないが、第1回の休憩前から始まっていたから、少なくともここの表示開始が他のポーカールームより早いということだけは間違いない。
ブラインドは25-50から、1ラウンド30分。3ラウンド、つまり1時間半ごとに1回の休憩がある。午後7時、試合開始である。
試合開始からしばらくして、トーナメント参加者が92人であることが表示された。そして入賞は9位からである。ここまでの調子からすると、かなり厳しい数字である。そしてスタートチップが3000点くらいでアンティが早くに始まるようなストラクチャーだと、そんなにゆっくりしてはいられないことも今回の遠征でよく分かった。序盤からチャンスがあれば行かないと、次のチャンスは来ないのである。
これは参加者に共通の認識のようで、1ラウンドの25-50から、レイズ・リレイズで結構オールインまで行っている。まさか自分がそうなろうとは思わなかったが。最初に来た上位10%ハンドはAK。ミドルポジションでレイズは確かメイク250点。後ろからコールされてヘッズアップ。フロップAJx。
500点ベットに対し、相手はレイズメイク1000点。AJかフロップセットを主張しているのだろうが、ちょっと疑問に思ったのは相手はここまでチップを増やしていて5000点以上持っていたことである。ブラフかもしれない。
6.ミラージュ・ポーカールーム(後編)
相手がAJなら、Kが落ちれば逆転できるが、ポケットのJJとかだとかなり厳しい。下りればもう少し粘れるけれども、フォールドしたとたんに38とか開かれたら目も当てられない。まあ、セットだったら仕方がないと開き直ってリレイズオールイン。すると相手はすんなりコールで、出てきたのはなんとAAである。
プリフロでリレイズが入らなかったし、Aは手の内に1枚、ボードに1枚あるのでJJは考えたがAAは考えなかった。まあAKの時にAAを持たれていたのは不運としかいいようがない。チャージャースのキャップを確認し、ミネラルウォーターのボトルを持ち、まさに立ち上がったその時、テーブルの人たちが大騒ぎしている。ボードを見ると、ターンでQ、リバーでTが落ちている。奇跡の逆転である。
”Sorry”と謝って再び椅子に座る。まあ、序盤だし相手もまだ原点近くチップを持っていたので、それほど罪悪感はないけれども、AJPCで私もやられた経験があるがこれはショックが大きいのである。とにかくまぐれでも何でもダブルアップである。結局その方は、2ラウンド(50-100)でオールインとなり、私がKQで受ける羽目になった。AJを持たれていたので不利だったのだが、Kがリバーで落ちてここも逆転で飛ばしてしまった。いま思っても、申し訳ないことであった。
3ラウンドは100-200にブラインドが上がる。ここでAA様到着である。アーリーポジションだったがメイク750点レイズすると、ボタンあたりがコールしてきた。フロップで絵札を含むばらばらのカード。相手の点数が3000点くらいしかなかったので、その時点で残り8000点位をオールインすると、すんなり下りられてしまった。そんなこんなで、休憩時点で4人分12000点のチップになっていた。
表示をみると92人中この時点で残り47人。まだまだ先は長い。次のラウンドからはアンティが始まるが、これだけチップがあれば当分見ていられる。少なくとも、4人分のチップがあれば残り人数が1/4の25人くらいまでは大丈夫だろうと思ったその時から、流れは下降線に向かっていたようである。
4ラウンド(アンティ25、100-200)、5ラウンド(25、200-400)あたりからばったり手が来なくなる。チップがあるので時折スチールで1000点くらいずつ挽回して10000点から12000点の間を行ったり来たりする。そして人数が少なくなって2、3度テーブルバランスで移動させられる。移動するとしばらく慣れるまでひとのプレイを見てしまうので、その間アンティとブラインドを払うことになる。加えて苦しいのは、3ラウンドくらいにはチップ優位だったのに、このあたりまで来ると周りもかなりチップを持っていたことであった。
痛恨なのは6ラウンド(アンティ50、300-600)、すでにチップ量は10000点を切ってしまっていたところでアーリーポジションがオールインした時である。こちらのハンドはAK。相手は私よりかなりチップを持っているので、プレミアムハンドであるとは考えにくい。おそらくはローカードのポケットかATあたりのスチールだろう。悪くても五分のじゃんけん、ここで勝負をかけるべきかと考えた。
だがここで思い切れずに下りてしまった。まだ平均チップを持っているし、ブラインドも低い。あと1時間くらい粘れば、まだチャンスは来るだろうと思ったのである。その後しばらくして休憩。すでに時間は午後10時半。いまから走ってもシーザースの11時にエントリーするのは厳しそうである。残り人数は29人、ここからはショートハンドのゲームになる。なんとか残り2テーブルまで粘れば、イン・ザ・マネーが見えてくるのだが。
7ラウンド(アンティ75、400-800)、1周で2000点近く減っていく。持ちチップは10000点弱。もうのんびりしてはいられない。しかし、こういう時に限って手がこないのである。1周するとすでに8000点ほどになっている。テーブルは2人飛んで8人。このラウンド初めての10%ハンドはATsであった。だれもコールしていなかったのでメイク2500点のレイズ。
ずらずらっと下りてくれてスチールできたかと思ったのだが、BBがあまり考えずにオールイン。チップ量は私と同じくらいである。ということは、そこそこのハンド。ポケットならまだいいが、AQとかAJとか不吉な予感がして、ダウン。またもや弱気の癖が出て、いよいよ6000点くらいしかなくなり、次はオールインと覚悟を決める。
このラウンドも最後あたり、時刻はすでに11時。ミドルポジションでハンドは77。アーリーポジションからレイズが入っていたが、リレイズオールイン。BBがオールインコール、最初にレイズしたアーリーもコール。チップ量は私が最も少なく、どちらに負けてもゲームセットである。上のポケットは勘弁してくれと祈ったら、BBがAQ、アーリーがAT。なんとAがかぶっていて私が有利なじゃんけんである。
フロップは全部スモールカード、ターンもラグ。よしっっ、これでイン・ザ・マネーが見えてきたと思う間もなく、開かれたリバーはT。最後の最後に来て、勝率80%が勝ちきれなかった。テーブルで7位だから、最終順位は21位から23位の間。残り2テーブルを目の前にしてのゲームオーバーでありました。
こうして私の’07年夏のラスベガスポーカー修行は終わり、akiさんと待ち合わせたシーザースに向かったのだが、結局ご一緒したトーナメントで私の方が後まで残ったのはこのミラージュだけ、あとはWSOPシニアも含めて全敗と、スキルの差を見せつけられてしまった遠征でした。まあ、それでもかなり勉強になったことは確かで、本場でイン・ザ・マネーは次の機会に残しておいて、さらに精進したいと思っているところである。(完)
[Aug 1, 2007]