フォールドするのは気が楽だけど  (ポーカーの奥深い世界第47話) [Aug 15, 2007]

毎日暑くて会社に行くのが嫌になるが、ご飯を食べるためには仕方がない。ストレス解消にはなんと言っても「飲み」なのだが、そろそろ医者に行く時期なので節酒もしなければならない。というわけで(?)昨日は部室(上野ルーム)に行った。

最近出歩くのに気が進まないことが多く、ポーカーをやる機会も少なくなっている。そのせいかどうか、一時期ほど手が湿っているということもなく、確率どおりに手が入るけれども負けるという、わたし的にはいつものペースに戻ってきたのはありがたいことである。

毎ゲーム配られる2枚のカードがどのようなハンドで来るかという確率を考えると、上位10%のハンドは1/10の確率で来る(だから10%なのだ)。そして各ゲームで配られるカードは前のゲームで何が配られたかとは無関係(つまり独立した事象)であるので、10回配られた時、何回上位10%ハンドが来るかは二項分布に従う。

2、3回くらいだとなんとか計算できるがそれ以上になると計算が面倒なので、普通は多少の誤差には目をつぶって、ポワソン分布(さらに試行回数が増えると正規分布)で考えると分かりやすい。10回の試行(つまり10人テーブルで1周)で上位10%が来る回数は平均1回(0.1*10=1)だが、ポワソン分布表によれば、0回、1回、2回以上となる確率はほぼ等しい。つまり1回も来ない確率が1/3ある。

これが2周20回だと平均が2回で0回の確率はほぼ1/10になるのだが、今年の4月から6月にかけて、WSOP本番も含めて、勝負どころの2周で上位10%のハンドが来ないことなど日常茶飯事だったのである。上位10%のハンドとはAAから88くらいまでのペア、AK~AT、A9・A8・KQ・KJ・QJといったあたりのスーテッドで(ひとにより好みが若干ある)、まあ一言でいうとオールインでコールされたときそんなに恥ずかしくないカードである。

それがLVから帰国して以来、確率どおりにほぼ1周に1回はこういうハンドが入るようになった。コンスタントにこういう手が来ると、まあ場合によっては見送ろうかという気にもなるので、プレミアハンドで下りるのも平気になる。ちなみに、先週の岡山ではプリフロでAK、フロップでAAを下りた。手が来ない時は、「ここで勝負しないともうチャンスはない」と思ってしまうので手が縮こまってしまう。それと比べると精神的にすごく楽である。

テーブルにつくとすでに5ラウンド(200-400)。スタートチップ2000点ではなんとも心許ないが、SBでQQがいきなり入る。オールインで2人コールしてくれて、なんとかAが落ちずにトリプルアップ。これで安心してA9、KQは下りる。すぐに6ラウンド(300-600)、ショートオールインにAJでコール。何も落ちなかったがこれも勝つ。なんか調子いい。

リバイラウンド最後のハンドはQTs。チップは3900点なので、下りても負けても次のラウンドは約12000点スタートで変わらない。すでにオールインが入っていたので当然コール。出てきたのは77。ツーオーバーだからやや分が悪いがほぼ五分五分。しかしフロップでいきなりが出てしまう。リバイ&アドオンで12000点からリスタートである。

2テーブルなので、ファイナルまではおとなしくしようと思って、時々スチールやブラインドの時小さく打つ以外は動かなかった。その間に7ラウンド(400-800)、8ラウンド(600-1200)と時間が経過する。ハンドは入っているのだが、いまいちポットが大きくならない。もう9ラウンド(1000-2000)である。ブラインドに削られて10000点ちょっとになったあたりでようやくファイナルテーブルになった。

ファイナルは9人。あと2回でBBが来る。このラウンドのブラインドが1000+2000=3000点、次が1500+3000=4500だから、あと11ハンドの勝負である。11ハンドで上位10%が来る平均的な回数(期待値)は1.1回。だから来た時が行く時である。残念ながら3倍レイズしたとたん下りられないチップ量になるので、どうせなら最初からオールインである。

と思って、ファイナルテーブル最初の1手をみると、いきなりAKoである。AA以外のすべてのハンドと勝負になる。初志貫徹でオールインすると、ミドルポジションのNっちさんがコール。チップをかなり持っているのでここを失っても全然勝負権はある。ハンドは99。本日2度目のツーオーバー。しかしフロップで当然のようにが落ちてセット。私もゲームセットである。

ハンドが来ている時はフォールドするのに気が楽なので、ストレスはそれほどたまらない。たまらないのだが、結局負けてしまってはどうしようもない。まあ、途中経過でそれほどつらい思いをしなくなっただけよしとしなければならないのか、それともハンドが来ている時にもう少し仕掛けるべきなのか、なかなか難しいところである。

[Aug 15, 2007]

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