初防衛ならず (ポーカーの奥深い世界第57話) [Feb 20, 2008]
2月16日土曜日はストラドル杯。前回2月2日の大会で初優勝を果たしたため、今回の大会は初防衛戦というか、「賞金首」である。私のバウンティには特製マウスパッドの賞品がつくのであった。
この日の前半、スト杯ミニのラズでは、普段鬼のように入るはずのバカラハンド(45、36、27、A8)が全く入らない。看板がエースだとホールカードはQQとかKJとか、ゲームを間違えているのではないかというハンドが続く。やっと来たA3でベットしていったら表にもAと3が出てツーペアになる始末、最後は続けざまにブリングインとなってゲームセットとなった。まあ、後半のスト杯メインで手が来ればいいやと思ったのだが、この考えは少々甘かった。
今回も5テーブル満席である。なんといっても初防衛戦であり、無様なゲームはできないと気合を入れる。そして今回設定したテーマは、上位10%ハンドが来た時のオフェンスとディフェンスだったのだが、そんなことを考える余地もなかった。とにかく、全くハンドが来なかったのである。
来ない時の常で、上位10%どころかコネクトもスーテッドもほとんど来ない。その結果下りてばかりいるのでチップはそうそう減らない。5テーブルがブレークするまでの2時間弱で、獲得したポットはわずか4回。そのうち上位10%ハンドだったのはJJスチールの1回だけ。あとは全部ポジションがよかったので参加したら、たまたま当たってくれただけという状況であった。
アンティ25の200-400のBBを払ったところでテーブルブレイク、そして移動した先で再びBBになってしまい、ここの3ハンドで1075点減らして手元に残ったチップは3500点くらい。そして次のボタンで、本日2度目の上位10%ハンドが入る。ATダイヤのスーテッドである。そしてショートスタックのUTGが1350点のオールイン。
ばたばたと下りて私の番。ブラインドとポットで800点、オールインが1350点。正直なところ、あまり参加したくはないシチュエーションである。とはいっても、この調子ではあと2周待ってもAT以上の手が入る可能性は低い(実際、来なかった)。オッズが合うのは相手が99以下のペア、あるいはAと9以下の組み合わせとか絵札2枚の場合だが、逆にTT以上のペアやAK、AQ、AJなら合わない。
まあ、負けても半分は残るしと思ってコール。もしSB、BBからレイズが入ってもコールするつもりである。SB、BBはフォールドでこのままヘッズアップとなり、UTGが開いたカードはJJ。これではAが落ちるかダイヤがフラッシュにならなければ勝てない。「あっさりエース!」と呼び込むが、H坊ではないので当然出ない。そのまま何も起きずにJJの勝ちで終わり、逆にこちらが約2000点とショートスタックに突入してしまった。
前回も2000点を割り込んでショートスタックとなってしまったが、今回はさらに状況が悪い。すでにラウンドが進んでしまっているのである。またもやブラインドが上がってアンティ50の300-600、ということは次にブラインドが回るとほぼ自然死となってしまう。
幸いにボタンを終わったばかりだから、あと何人かいる。しかし、引続き手は来ない。先月はJ3oでオールインしたが、この日は絵札さえ来ないのである。そして、間の悪いことに上家のしださんがテーブルバランスで移動となり、UTGの予定がBBとなる。ここもレイズが入ってハンドを見ると94o、とても無理である。
アンティ50点とSB300点を払うと、手許に残ったのは1000点チップ1枚と25点が2枚である。ハンドは82o、さらに悪い。しかし、なぜか誰も参加せずにボタンまで来て、ボタンも600点だけ置いてコール。一瞬おいて、「オールイン」である。レイズがいないここはおそらく最後のチャンスである。そしてここでコールしても750点しか残らないので、フロップ後のベットにも迫力がない。下りてくれる可能性が0ではない以上(下りてくれるとは思わないが)、全部入れるしかない。
BB、ボタンともにコール。アクティブプレーヤーが2名いるので、手は開けない。フロップでJと8が出た。ターン、リバーともスモールカードである。Jを持たれていない限り勝てるかもしれない。「8ヒット」と手を開くと、「その手でオールイン?」と言われてしまう。あとの二人はA持ちで、辛くも逃げ切ってトリプルアップである。
しかし、良かったのはここまで。残り3テーブルまでがんばってはみたもののハンドは来ず、最後は残り約4000点を44のポケットペアでオールイン。H氏にKJで受けられ、ボード89T7Qとご丁寧にも7からKまでのストレートを作られてのゲームセット。私が飛んで2テーブルになったので、おそらく19位だったのではないかと思う。
1月のJ3oに続き82oという究極のオールインをしてしまい、もう怖いものはなくなったのが最大の収穫である。でも結局のところ、この夜の3時間弱のプレーで、上位10%ハンドはスチールのJJとオールインコールのATsの2手のみ。120ハンド配られたとして、この確率は0.03%。これで残れたらかえっておかしいくらいである。
そして、2月に出たホールデムのトーナメントがこれで5回目、延べプレイ時間は16時間余となるのだけれど、とうとうAAが来なかった。「AAの来ない2月・・・そういえば皇帝のいない八月という映画があったなあ(1978松竹・主演は渡瀬恒彦)」と帰りの電車でふと思ったりした。・・・3月も続いたらどうしよう。
[Feb 20, 2008]