2008 WSOPシニア  (ポーカーの奥深い世界第65話) [Jul 2, 2008]

2008年のWSOP(ポーカー世界選手権)シニアは、6月22日から3日間のイベントである。

12時試合開始のしばらく前に会場であるリオに着くと、かずさんとNさん(AJPCメインの今年の優勝者)の姿が見えたのでまずご挨拶。はたらくさんもいるはずなのだが、人数が多すぎるせいか見つけることができない。なにせ、今年もシニアは大盛況で参加者は2218人、廊下中にじいさんがあふれている(私もそのひとりだ)。

ノースウェストのディレイでベガスに入るのが7時間遅れたせいで、体調はよくない。開始10分前に指定されたブラジリア・ルーム60番テーブルに着くが、妙に気が高ぶる上に集中力が足りないような気がする。シャッフル&ディールがかかって試合が始まると、チップを全部前に出したい欲望にかられる。思わずiPODのボリュームを上げてゲームから気をそらす。

意外だったのは、テーブルに配られていたスタートチップが3000点だったことで(2000点かと思っていた)、それで長期戦で行こうと決めたようなものである。前日までは2000点だから開始早々行ってしまおうと思っていたのだが。

だから、最初のAJレイズがノーヒットだったときも、あっさりチェックして打たれて下りた。次のレイズも下りて、あっという間にチップは2500点になってしまう。気をそらすため席を立って戻ってきたら、今度はブラインドが終わってしまっていた。前途多難である。

相変わらず手は入らないが、2ラウンドから逆襲開始。BBの36から3ヒットで初ポットを獲得、続いてATレイズからフロップをキャッチして少しずつ戻す。その後もAK88をそれぞれスチールして、2ラウンド後の休憩までにはなんとか原点に戻すことができた。

このあたりで、早くもテーブル整理となった。メインのアマゾンルームへの移動は、いったんチップをポリ袋に入れてディーラーに預ける。”Amazon 40”と言われたので行ってみたらアマゾンには4色あってちょっとまごまごするが、順番に探してOrangeの40番になんとかたどり着く。

3ラウンド100-200くらいから、少しずつオールインが目立ってくる。このラウンド、ATのレイズをショートスタックにオールインされて受ける。相手はA2で、ボードが出て確率どおり逃げ切る。スチールも何回か決めて、ダブルアップの6000点に。

しかしそううまくは行かない。このあたりではショートスタックに飛び込まれるのは仕方ないのだが、99で受けると相手から出て来たのは44。よしよし、これでまたチップが増えるぞと思っていたら、最後のリバーでを引かれてしまい、チップは4500点に逆戻りしてしまった。





WSOPシニア開始直前のブラジリア・ルーム。


5ラウンドはアンティ25の150-300。プリフロのポットは700点。4500点しか持っていないのだから、これは大きい。

相変わらず、ハイペアは来ない。AJあたりだと、ポジションが悪いと行きにくいし、行ってもリレイズされたらほとんど下りることになってしまう。60分ラウンドだと大体4周ブラインドが回ってくるから、1ラウンドに4回はスチールしないとチップ量が維持できない。AQあたりは何とか安心してレイズできるが、A7はちょっと寒く、QTだとかなり寒いが、なんとかがんばって5ラウンドを終えた。

この時点で点数は4500点、次の第6ラウンドはアンティ50の200-400。ディスプレイの表示をみると残り人数は1070人と半分を切っている。おそろしいほど、昨年と全く同じ状況である。昨年はここから3周ハンドを待って結局来なくて、最後は仕方なしのオールインに追い込まれた。今年はたとえ負けるにしても同じことはしたくない。

3人コールで回ってきたBBのKQで、まずオールインである。ボタンはかなり考えていたが、結局下りてくれた。少しチップが増えたけれども、45sとかでリンプインしていたらまた元に戻ってしまった。

次はミドルポジションでJTo。AJPCメインで、危ないところを2度にわたって助けてくれたハンドである。前の4人がそろって下りたので、メイク1800点のレイズ。オールインではないが、簡単にコールできないはずである。そして予定どおり、続く3人は下りたのだが、ボタンがリレイズオールインである。チップ量は私よりかなり多い。

下りる選択肢もあるのだが、残りのチップ量から考えてちょっと苦しい。そしてもう一つ、ここまでTT以上のハイペアは全く入らず、99は負けているのである。この先待ったとしても来るのがせいぜいAK程度だとすれば、JTと大して変わらない。そもそも最初にレイズした時点で、コールされたらフロップではエニーハンド・オールインだと思っていたのだ。

あまり時間をかけずにコール。しかし相手から出て来たのはKKこれでは85:15、考えられるうちの最悪のケースである。しかし、こちらがレイズしたときにAA、KKを持たれているのはある意味運が悪すぎる。JTvsKKで勝てる確率以上に、残り人数にプレミアムハンドを持たれている確率は小さいのである。

フロップが開く。QJ8である。Jヒットでアウツが増えた上に、薄いストレート目が残って確率は80:20くらいにアップ。この際出ちまえと思ったのだが、ターンはラグ。5アウツあったリバーも結局ラグで、ここまでで今年のWSOPシニアはゲームセットとなった。

結局、昨年と同じ第6ラウンドでの終了となってしまったが、今年は昨年以上に手が入らなかった中で、そこそこがんばれたと自分では思っている。昨年はAAでダブルアップしたし、KQvsAAをアップセットできたのに対し、今年はTT以上のペアは入らず、アップセットもなく、絶対有利な99vs44を負けた。にもかかわらずゲームセットの直前まで落ち着いてゲームできたのは、それなりに収穫である。

それでも、ゲームを終えて宿のエクスカリバーに帰る途中は、何でせっかく長い時間かけて来ているのにいいハンドが入らないのだろうと、相当気が滅入ってしまった。そしてそれは、翌日のシーザースのメガスタックトーナメント前にはいったん治まったのだが、次の日はこの日以上に手が入らないということをこの時点では知る由もなかったのである。

[Jul 2, 2008]

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