ノーリスク・ノーグローリー  (ポーカーの奥深い世界第70話) [Aug 19, 2008]

2週間ぶりのポーカーである。ここ数日ようやく先が見えてきて、ちょっとだけ気持ちが軽い。うまくいけば、週一ポーカーに復活できる日も近いかもしれない。とりあえず、スト杯ミニである。

今年のミニは、1月からほとんどフル出場しているにもかかわらず、全く調子が上がらない。昨年はミニはそこそこ調子がよくメインは全くダメだったので、その逆である。この日のゲームはセブンスタッドハイロー。ホールデムよりベッティング・ラウンドが多く、行くか行かないかの判断が難しい。

ハイローゲームで私が負けるパターンは、勝負に行って高い役ができた時に限って相手にローができてポットの半分しか取れず、逆に相手の勝負手ではスクープされるという展開である。だからこの日はローを引きに行くのは最小限にして、ハイを中心にゲームに参加した。

3枚ストレート、3枚フラッシュでは、4枚目がラグでも歯を食いしばって付いて行くのだが、その後も手が伸びない。逆に、最初の5枚でツーペアができて打って行っても、付いてこられて最後はフルで逆転される。引かれて負けるのは仕方ないとはいっても、精神衛生上あまり好ましくない。

結局、スタートチップの3000点を一度も上回ることなく、およそ1時間10分でゲームセットとなった。まあ仕方ない。気を取り直して6時からはスト杯メインである。せりかっちがおみやげに買って来てくれたリポビタン(ありがとうございました)で気合を入れ直して、試合開始である。

指定された席はテレビの正面で、オリンピック中継を見ながらのゲームである。この日のテーマは「序盤の打ち方」、1ラウンドから積極的にポットを作っていく予定であった。初手いきなりノーハンドでレイズするが、コールされてフロップにあっさりエース。打たれて下りる。その後すぐに本家本元くがつさんが同じテーブルに来たので、いつもの後半勝負に切り替えた。

しばらくは女子レスリングや卓球を見ながら、まったり過ごす。ハンドの方も1時間に5回も49が入るように、よろしくない。「今日も四苦八苦だなあ」とため息である。そんな調子で一時は4000点を切ってへこんだが、くがつさんのオールイン、3人コールのときにA7がフルになってなんとか原点復帰。後半に望みをつなぐことができた。

テーブル整理になって、前後に知らない人が入ってきた。下家に来たショートスタックの女性は、見ているとレイズに特徴的なパターンがある。第5ラウンドの150-300、BBのときにその下家からメイク1200のレイズ。手がかりさえあればコールできると思って手を見ると、またしても49である。これではコールできない。

第6ラウンド、アンティ25の200-400。またしても私のBBで下家がUTGからオールイン。全員下りて私の番。ハンドはT4のスーテッド。上に600点くらいだったのでコール。出て来たのはAQ40:60、やや不利ながら十分勝負になるマッチアップなのだが、ボードにはどちらも落ちずにAハイで負ける。

このマイナスはなんとかスチールで取り戻す。そしてブラインドは上がってアンティ50の300-600。勝負どころである。ここのBBで、またしても下家がUTGからオールイン。私のブラインドを意識して狙ってきているのだとしたら、かなりのものである。同じくらいのチップ量でミドルポジションがコール。そして、ハンドを見ると、本日一番のQQである。

普段なら、当然コールである。しかしチップ量を数えてもらうと、私の方が若干少ない。トリプルアップチャンスであるが、負ければいっぺんに飛ぶ。考えどころである。そして、下家の会話が自然と耳に入ってくる。それが、「今日一番の手」とか言っているのだ。

ふざけんじゃねぇ、とコールしたい気持ちが半分、しかし、チップは向こうの方が多い。今日はオールイン対決ですでに負けている。そしてコールした後に、「いい手だって言ってるのに・・・」とか言いながらAAとかを開けられたら目も当てられない。

経験的に、相手をやっつけてやろうというような雑念が入ると、結果はよくない。QQを下りるのは痛いが、最近KKから引かれて負けたし、別にこれでゲームセットになる訳ではない。また、すでにオールイン2名なのでハンドもボードも見ることができる。

それで下りたのだけれど、下家は「今日一番の」JJ、ミドルは66。ボードには何も落ちず、参加していればトリプルアップという大失敗であった。それでティルトになってしまい、次のハンドATをオールインしてQQにコールされ、フロップでが出たのにも出て、悲しいゲームセットになってしまった。

プリフロップQQで下りるのは初めてではないし、「その日の相性が悪い相手には、なるべくぶつけない」「3人オールインは勝つと大きいが、勝ち残れる確率は低くなる」「レイズしていなければ下りるのはタダ」という自分自身のセオリーからいっても間違った選択をしたとは思っていないのだが、それはそれとしてショックは大きい

帰りの電車は、すごい雷と大雨の中を走って行った。窓に叩きつけるような雨を見ながら、こんな天気だから早く帰った方がよかったと思ったら、ちょっとだけ気が静まった。来週は遠征である。くよくよしてはいられないのだ。

[Aug 19, 2008]

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