グランドリスボアのポーカー  ~ポーカーの奥深い世界第88話 [Apr 15, 2010]

何かと忙しい日が続き、落ち着いてポーカーをする機会が激しく減少している。気がついてみると、このシリーズもおよそ半年振りの記事になる。

リアルでポーカーをする機会が減ると、なぜかオンラインでもやる気が起きなくて、AJPCのオンライン予選も1度参加したきりである。それで今回のマカオ遠征では、拡大したグランドリスボアのポーカールームを見るのが目的の一つであった。3月21日・日曜日の夕方、宿をとった金龍(ゴールデンドラゴン)から歩いてグランドリスボアへ。

入口近くの案内員にポーカールームの場所を尋ねると、セカンドフロアーだが、ずっと上にあるとのこと。確かに、エスカレーターを上がっても中二階みたいなことが書いてあって、セカンドフロアーがあったのは日本式にいうと4階だったと思う。3階に、以前kopaさんに教えていただいた麺屋があった。

このポーカールームは、PokerStarsとグランドリスボアの共同経営のようで、テーブルはざっと4~50ある立派なものである。ただし、この日開いていたのは7つか8つで、まだまだラスベガス並みとは行かないようである。ライブゲーム、トーナメントの他に、APPTの予選がウィークリースケジュールに入っている。

着いたのが午後6時前、ちょうどAPPT予選Phase 1が始まるところである。勝ち上がったとしても本戦に来られるかどうか分からないが、バイインHK$220は他のゲームのミニマムベットなのでエントリーしてみる。これで1時間楽しめるとしたら儲けものである。ちなみに、午後4時からのトーナメントにTeshiさんがいらしたそうで、すれ違いになってしまったのは残念であった。

すぐに時間となり、数えたら9人参加のようである。次段階のPhase 2はHK$950バイインなので、勝ち抜けが1人なのか2人なのかは微妙だが、ともかく入賞は2位ということであろう。チップを数えると1500点、25-50から始まって1ラウンド15分なので、多分1時間経つあたりで200-400くらいの勝負どころになるだろうと目安をつけた。

顔ぶれは、中国系と欧米系がほぼ半々。女性も2人いる。そして、25-50から、いきなりオールイン合戦が始まったのには驚いた。レイズが入ってポットができると、フロップ開いたらもうオールインである。勝負どころはまだまだ先なのに、30分経つ頃にはもうすでに残りメンバーは半分になっていた。

私はというと、せいぜいAxではほとんど参加できず、それもレイズが入るとすぐ下りである。とはいえ、25-50や50-100では下りていてもほとんど減らないので、1000点以上を維持したまま残り4人。最初から撃ち合いが続いたため、2人がチップを集め、私は当然4位である。

200-400の終盤、BBでハンドはAJ。1人コールにSBのチップリがレイズ、私はショート・オールインである。もう一人は下りてオープン。チップリは33。若干不利だが、まずまずの勝負。そしてフロップでAが2枚落ちたのだが、もう一枚が無情にも3。AorJ、3以外のターン、リバー同じカードで逆転だけれど、そううまくは行かない。そのままゲームセットとなった。

まあ、それでも約一時間、久しぶりに生のカードに触れたのでよしとしよう。階下の麺屋でスーラータンスープ+刀削麺の夕食をとった後、八百伴まで歩いて現地の調味料を仕入れ、一日を終えたのでした。





グランドリスボアのエントランスに鎮座まします、カシノ王スタンレー・ホーの胸像。観光名所化していて、ここは写真撮影可でした。

翌日は午後8時スタートのKOバウンティー・トーナメント。バイインはHK$500なので、これも他のゲームならワンベットの金額である。マカオでのポーカーは非常に割安感がある。

さて、KOバウンティーとはどのようなものかよく分からないが、チップを数えると2000点と、金額の書いてない白いチップがある。これが1000点チップで合計3000点なのか、バウンティーの目印なのかよく分からないので最初の頃はおとなしくしていた。結論は後者で、誰かを飛ばすとその人の白チップを獲得でき、HK$100のバウンティー賞がもらえるということであった。

時間になって開いたのは2テーブル。後から参加することもできて結局21人のトーナメントとなった。イン・ザ・マネーは5着からで、ほぼ4人に1人だからずいぶんと率がいい。中国式なら1着総取りでもおかしくないが、やっぱり入賞しないと面白くないから、こうやってポーカー人口を増やそうとしているのだろう。

序盤戦は前日同様に手が入らない。そして、前日同様に25-50レベルからオールイン合戦が始まる。これは見ているだけでファイナルテーブルには残れるのではなかろうかと思っていたら、まさにその通りとなった。最初の1時間で参加したのは1回だけ。BBでKKが入り、レイズが入っていたのでリレイズしたら下りられた。ほぼ原点でファイナルテーブルへ。

1時間過ぎたところで、ちゃんと休憩タイムが入った。そして21人しか参加していないトーナメントでも、壁に埋め込みのディスプレイに残り時間などのトーナメント情報が表示されている。このあたりはラスベガス並みの気合いか、すでにオンラインで出来合いのシステムがあったのか、いずれにしても参加者には親切な仕組みである。かつてのマカオでは考えられないところである。

さて、いつまでも下りていては勝負にならない。300-600のボタンで、前が全員下りてハンドはA7。1000点上乗せしてメイク1600でレイズしたところ、下家の女性(SB)にオールインを食う。ここで下りてしまうと何百点しか残らないのでオールイン・コールすると、出てきたのはAK。ところがこの25%、フロップで奇跡的にが落ち、ダブルアップに成功。

残り6人になったところで膠着状態に陥る。ここまで残った顔ぶれをみると、明らかな中国系は1人だけであとは欧米系であった。やはりポーカーのような長時間の耐久ゲームは、中国系には向かないのだろうか(もっとも、イン・ザ・マネーでIDを求められた時、私以外は全員カードIDだったので、香港・マカオ在住ということである)。

2周・3周と誰かがレイズしてスチールする展開が続く。対面がずっとチップショートで、みんなその人が飛ぶのを待っている状況だったが、2度のダブルアップで平均くらいに戻してしまった。さすがに、このあたりまで残る面子はそれなりに渋太い。BBの時、SBコールでチェックチェックで回り、A7のAが落ちて勝った。ここまで私が開いたハンドは2度のA7だけである。

見ていると打ち方が甘いのは下家の女性で、私の時のようにA+ハイカードをほとんどレイズ/リレイズしてくるので、参加率が高い。ここで行かなくてもいいのにという状況で参加するので、トップ近かったはずがいつの間にかショートスタックとなってしまった。結局この女性が、ローペア持ちのチップリにリレイズされて、ハイカードが落ちずにゲームセット、無念のバブルとなった。つまり、私のイン・ザ・マネー確定である。

イン・ザ・マネーしてしまったら、後は気楽である。600-1200のBBで、この遠征初めてのAA到着。SBコールに対しミニマムレイズしたところが、SBはAQを見せてフォールド。仕方なくAAを見せると、「それはyour mistakeだ。チェックしなければならない」と言われてしまった。そりゃ相手がAQだと分かっていたらチェックだけれど、こんなブラインドの大きいところですんなりフロップを見せたくないのである。

結局最後はAJvsA8の75%から、が落ちて4着でのゲームセット。もともと25%から生き残ったのだから、75%を勝てないのは仕方ない。4着賞金HK$880をキャッシャーで受け取りながら、ポーカーでいただく賞金は何でこんなにうれしいんだろうと思った。500を3秒で1000にするよりも、500を3時間で880にする方がずっとうれしいのは、本当に不思議だと思う。

[Apr 15, 2010]




記事とは直接関係ないですが、新しい海立方と古色蒼然の回力。朝なのでひと気がありませんが、夕方もこんなもんです。

ページ先頭へ    ポーカー世界87←    →ポーカー世界89    ポーカー世界目次