カシノゲーム解説・代表的なカシノゲームと思い出。

大 小    カリビアンスタッド    ブラックジャック    バカラ
三公百家楽    ルーレット    牌九(パイガオ)

大  小

「だいしょう」と読むのか「タイサイ」と読むのかはともかく、ダイスゲームとしては最高に洗練されたゲームである。はっきり言ってルーレットより面白い。

大小は3つのダイス(サイコロ)を専用のケースの中で振って、出た目を当てるゲームである。振る時点ではケースは黒いカバーをかぶされていて、「ノーモアベット」の声とともに開かれる。百発百中で当てる人がいないことからみて、やはり透視能力というのは絵空事のようだ(ただし、瞬間的に透視能力を持つ場合がある。いわゆる「次の目が見える」状態)。

ルーレットと同様に賭け方はいろいろあるが、基本的には「小」(4~10)か「大」(11~17)に賭ける。ルーレットでは赤黒にそれほど人気がないのと対照的である。3つのダイスがすべて同じ数字となった場合には、「大・小」のベットは親の総取りになる。したがって、ハウス・エッジは6/216=1/36=3%弱で、バカラより大きいがルーレット(アメリカンスタイル)よりかなり小さい。

中国人が大小を好むのは、彼らのツラ好きに起因しているといっていい。大(小でもいい)が3回も続くと、大への張りがどんどん増えてくる。ルーレットと違ってチップの色が違わないから、自分の賭け金をどこに置いたかは自分で覚えてないといけない。ただでさえ、卓の周りは立ってる人で一杯なのに、ツラが7回も8回も続くとその人垣が2重3重になる。枠じゅうチップで一杯になる。チップに替えないで、現金をそのまま賭ける人も出てくる。このあたりが几帳面な日本人には好まれないところかもしれない。

普通の数字賭けや、ゾロ目賭け、偶数奇数、3つのうち1つだけ当たればいいものなどいろいろあるが、起死回生を狙うなら4・5や16・17を狙う数字賭け(4と17は60倍、確率は1/72)とゾロ目賭けである。ただし狙うだけで、起死回生となることはほとんどない。あと、カニとかエビとか模様を賭けるのもあるが、このあたりはよく分からない。個人的には、足が疲れることはあるのだが、「見」がしやすいので時間つぶしには最適であると思っている。カバーを外した時の、ディーラーのつぶやくような読み上げ(「イー、サム、ロック」とか)もいい。

なお、沢木耕太郎の「深夜特急」で、マカオではツラで誘導して賭けが大きくなったところでゾロ目にする云々という記載があるが、今ではそんなことはやっていないはずである。

[Apr 6,2005]

カリビアンスタッド

テニアンではパシフィックポーカーという。バミューダポーカーというところもあるようだ。

元来プレーヤー同士の相対勝負であるポーカーを、ハウス(カシノ)対プレーヤーの形に工夫したものという。ゲームとそれに付随したジャックポットのそれぞれの賭けにより構成されている。

プレーヤーはミニマムベット以上のアンティを支払うことによりゲームに参加する。ディーラーは、1組のカード(ジョーカーを含まない52枚)をシャッフルした後、ゲームに参加するそれぞれのプレーヤーに5枚ずつ、自分に5枚、カードを配る。ディーラーに配られる最後の1枚のみ表にして、あとはすべて裏返しである。

プレーヤーは、自分に配られたカードを見て、勝負するかどうかを決める。下りる場合は、カードを裏返したままディーラーに返す。この場合アンティ分の負けになる。勝負する場合は、アンティの2倍のチップをベットする。

すべてのプレーヤーが意思表示を終えると、ディーラーは自分の持ち札をオープンする。ディーラーの手がエースキング(ペアがなく、最も大きな数字がエース、キング各1枚)にならない場合、ディーラーは勝負しない。この場合、ベットしているプレーヤーに対し<アンティの分だけ>同額で配当して、ゲームは終了する。

その際、実際にプレーヤーの手がどうであったかは全く関係ない。エースキング以上の場合、ディーラーとプレイヤーの勝負となる。ディーラーが勝てば、アンティとベットはもちろん没収される。プレイヤーが勝てば、アンティに対し同額の、ベットに対して所定の倍率の配当がなされる。所定の倍率は通常、エースキングとワンペアがベットと同額、ツーペアがベットの2倍、スリーカードがベットの3倍、ストレートがベットの4倍、フラッシュがベットの5倍である(それ以上は覚える必要がない)。

以上のアンティ、ベットとは別に、最初に配られた手が非常に高い場合に支払われるジャックポットという賭けがある。ジャックポットは通常1ドル程度を支払うことにより、最初の5枚で出来ている手がロイヤルストレートフラッシュの場合プールされている全額(数千万円になる場合もある)、ストレートフラッシュの場合その10分の1などの定められた配当を手にすることができる。

保険の原則(事象が起こった場合の損失が非常に大きく、保険料がわずかな場合、保険をかける方が経済的に合理性がある。余談だが、だから生命保険は掛け捨てが正解である)によりジャックポットは必ず賭けておくべきである。

さて、配られた手で勝つか負けるかの確率は正確に2分の1であるが、すべての手で勝負すると、仮に5勝5敗であったとしても最悪の場合アンティの10倍の損失が発生する。ディーラーは勝負しない場合アンティにだけ配当すればいいが、プレーヤーはアンティ+アンティの2倍ベットで3倍を没収されるからである。勝敗が偏ればなおさらである。だから、プレーヤーの戦略としては、すべての手で勝負せず、弱い手のときには下りるということが必要となってくる。

その弱い手の基準であるが、「AKに達しない場合」「ペアがない場合」「ディーラーのアップカード以上のペアがない場合」「Jペア以下の手しかない場合」等いろいろな考え方がある。いずれの場合においても、1ゲームあたりアンティの2分の1ないし3分の1は確実に目減りしていくはずである。例外は、デカい手がきた時だけである。したがって、カリビアンスタッドを行う際には、短期決戦で浮いたところでうまく引き上げるか、理論値程度の負けは許容して大きい手を楽しみににのんびりやるか、しかない。

ちなみに、最初の5枚でロイヤルとなる確率は、年末ジャンボ宝くじの高額当選確率並みだそうである。

[Mar 13, 2005]

ブラックジャック

別名、BJ。各プレーヤーに2枚、ディーラーに1枚ないし2枚のカードが配られ、ディーラーのカードのうち一枚が表にされる(アップカード)。プレーヤーは自分に配られた2枚のカードとディーラーのアップカード、参考として他の人に配られたカードをみて、もう一枚を引くか(ヒット)、引かないか(スタンド)を意思決定する。カードの合計(絵札はすべて10と数える)が21を超えるとその時点で負け(バスト)。すべてのプレーヤーが意思決定を終えるとディーラーが2枚目を開く(または引く)。ディーラーの意思決定方法はあらかじめ定められており、それに従って各プレーヤーとの勝敗が決まる。

プレーヤーのとるべき最適の戦略は統計的に確立しており、これをベイシック・ストラテジー(BS)と呼ぶ。すべてのプレーヤーがBSに従うのであれば、基本的にバカラをしているのと同じである。バカラとの最大の違いは、プレーヤーが必ずしもBSを選択するとは限らないこと、これにより、自分に来るカードが左右されてしまうことが一つ。もう一つはダブルダウン、スプリットという賭け金増額のチャンスがあることである。

ダブルダウンは、2枚のカードの合計数とディーラーのアップカードを比較して、勝てる確率が高いと思われる場合にあと1枚しか引かないという条件で賭け金を倍増させることである。自分のカードが10とか11で、ディーラーが5とか6という場合に用いられる。スプリットは自分に来たカードが同じ数であった場合、それを1枚ずつにして新たな手を作る(それぞれに同額の賭け金を置く必要があるので、必然的に賭け金は倍増することになる)もので、Aが2枚の場合は攻めの意味で、8が2枚の場合は守りの意味で、用いられることが多い。

勝った場合、同額の配当がつけられるが、ブラックジャック(Aと10又は絵札)の場合1.5倍の配当となる。ただし、Aをスプリットした場合は、これに10とか絵札が付いてもただの21である。ディーラーのアップカードがAの場合、プレーヤーはディーラーのブラックジャックに賭けることができる(インシュランス)。インシュランスには、掛金の2倍の配当がつけられる。

さて、BJの特性としてゲームの流れが早いので、勝っても負けても波が大きくなるということがあげられるのではないか。プレーヤーの勝率はBSを選択した場合49%前後といわれているが、1時間にプレーヤーが一人の場合100ゲーム以上進行するし、複数プレーヤーがいても7~80ゲームは進行する。仮に80ゲームを同額ベット(1とする)で行った場合、平均値は大体-2、標準偏差は約9となる。

従ってほぼ2/3の確率で-11から+7の範囲に入るはずなのだが、体験的にはこのような穏やかな勝ち負けになることはあまり多くない。負けるときは-20くらいまで行くのに10分とかからないし、勝つときは+15くらいには楽に伸びる(そしてベットを増やして結果的には負ける)。一番いいのは最初に勝ちの波に乗って、手持ちチップを増やした状態で悪い波をなんとか打たれ越すことだが、実際にはそういう望ましい流れにはなかなかならない。いい波、悪い波をなんとかやりすごせば、大抵の場合少なくとも4~5時間に一回はビッグウェーブが来る。それまで持ちこたえるか、それとも手持ちチップを使い切ってお帰りとなるかが、このゲームの分かれ目といえそうだ。

カシノでブラックジャックをプレーする場合の注意点として、2つをあげておきたい。一つは自分の選択の結果が他人に回るカードを左右すること、もう一つはカードカウントといわれる勝率を上げるための手段である。

自分の選択が他人のカードを左右するといっても、その結果が偶然であることは明らかであり、余分な1カードを引くことにより他人にいいカードがいくこともあれば、そうでないこともある。とはいえ、命の次に大事なおカネが賭けられている以上、他のプレーヤーの常識外れのヒットの結果負けてしまったような場合には非常に腹が立つ。カシノの根本は社交であり、社交とは人とのつき合いである以上、他人と不必要な摩擦を起こすことは避けることが望ましい。

従って、それなりに場数をこなしているベテランプレーヤーであるか、あるいは自分の平均ベットがテーブルの他のプレーヤーより明らかに大きい、という場合を除いては、サードベース(最後のプレーヤー)には座らない方がいい。直接、ディーラーに行くカードを左右することになるからである。また、サードベース以外であっても、自分より一桁大きいベットをしている人と一緒になったら、さりげなく席を立つか、BSに忠実なプレーを心がけるのが無難だろう。遊びに行っているのに喧嘩になったらつまらないからである。

また、ディーラーのアップカードが7以上の場合、ヒットでもステイでもその人のスタイルとみられる傾向があるが、4~6の場合、12以上でヒットすると非常に嫌がられる。BSに基づかないというだけでなく、カードの流れが乱れると思われるからだ。同様の理由で、ディーラー一人勝ちの状況以外では、ボックスの開閉(賭けたり賭けなかったり、2手3手同時に賭けたりすること)は避けた方がいい。シューの途中でゲームに参加する場合も、プレーヤーに聞いてからにするのがマナーだ。

本当は、BJはもっとでたらめにラフにやった方が楽しいのではないかという気がするが、ディーラーとサシの勝負の時以外は、そうすることが身のためになるようである。

もう一つのカードカウントだが、映画「レインマン」で有名になったこの必勝法は、簡単に言うと場に出たカードを記憶しておき勝率が上がった時だけ大きく勝負する、というものである。この方法は数学的に裏付けられており、カシノの側も非常に嫌がっている。このため、BJ卓でバカラのように罫線をつけることは許されていないはずである(やってみたことはないが)。

とはいえ、統計的に勝率が49%から51%に伸びる程度の違いだから、かなり組織的・継続的にやらないと「必ず勝つ」とはいえない。年に数回カシノに行く程度のギャンブラーが、カウントがいいからといって大勝負してもいい結果に結びつくとは限らないし、第一数えるのは大層な集中力を要する。「ディーラーがバストしているから(カウントのいい時にそうなりがち)大きめに賭けてみよう」程度にしておくのが、リゾート&カシノプレイヤーにとってベターであるといえるのではないだろうか。

[May 18, 2005]

バカラ

「それでもバカラは永遠に不滅です」(ちょっと違うか)と言ったのは狛江市長でありながら数十億円の財産を身ぐるみはがれてしまった石井三雄(いしい・さんゆう)氏だが、やっぱりバカラは面白い。

カシノというとルーレットというのが決まり文句と思う方が多いだろうが、マカオのサンズやギリシャ神話カジノの一面のバカラ卓をみると、まさに壮観。ヨーロッパ貴族の退屈しのぎとして始まったゲームだが、ブラックジャックが主としてカードカウンター対策の点から後退を余儀なくされているのに対し、カードゲームの王者として、さらにカシノ全体の中心的ゲームとして、今後世界中でその比重を高めていくものと思われる。

バカラの基本は非常に単純で、先攻(プレイヤー)と後攻(バンカー)のどちらがより9に近い数字を作るかというそれだけのゲームである。ディーラーがプレイヤー、バンカーの順に2枚ずつ配ったカードのうち、まずプレイヤーの2枚が開かれる[1回表]

次にバンカーの2枚が開かれる[1回裏]。ここまでで勝負がつく場合もある。勝負がつかなかった場合、プレイヤーに3枚目のカードが配られ、それが開かれる[2回表]。ある条件では2回表は行われない。それでも勝負がつかなかった場合、バンカーに3枚目が配られ、それが開かれる[2回裏]。最長ここまでで勝負が決まる。合計が10以上になったら0に戻る(1の桁のみ数える)。

バカラを面白くしているのは、その2回表、2回裏に入るルールが非常に良くできているからである。1回表裏は、2回に進まずに勝つために合計8か9になることを目指す。2回表のプレイヤーは、2回裏に進まずに勝つか、進んだとしても負けないような手を狙う。2回裏のバンカーは、勝っていれば逃げ切りを、負けていれば逆転を狙う。よく初心者向けの解説ではこのあたりは覚えなくていいという記載もあるが、これを知らないとバカラの面白さはほとんど分からない、と言っていい。

さらにバカラの醍醐味であるのは、プレイヤー、バンカーを代表してカードを開くのは、それぞれのサイドに賭けた人のうち賭け金が最大である人ということである。8や9を目指すとか狙うとか言っても、実際にはカードは配られているし、次に配られるカードも決まっている。それでも、自らが希望するカードを念じて、出すのである。それ以外の人も、自らの望む目が出るよう、声を出して、あるいは息を吹きかけて応援する。勝負卓には賭け金を媒介として年齢、性別、人種を超えた一体感が生じるのである。その意味で、ディーラーがカードを開くミニバカラではバカラの醍醐味は味わうことができない。

カード(トランプ)をお持ちの方は、カードを表にし、その上に厚紙を置いてみてほしい。これを、カードの長辺と平行に少しずつずらしていく。まずカードの種類と数が出てくるか(ハートの6とか)、これは指でつかむところだから見えない。次に見えるのは枠である。これはフレームといい、そのカードは絵札(広東語でコン)である。絵札は10と数えるのでこれは実質0ということになる。

次に見えるのは数字を示すマークであるが、それが2つ(同じくリャンピン)ならばそのカードは4か5、3つ(サンピン)ならば6か7か8、4つ(セイピン)ならば9か10である。縦一列のマーク(モーピン)の場合1か2か3である。実際にはカードを少しずつ折り曲げながら開いて行くが、応援する者は「リャンピン!」「サンピン!」などと声をかけるし、逆側に賭けている者は「コン!」と叫ぶ。

また、例えば9が欲しいときに配られたカードがセイピン(9か10)であるとする。9は最高、0は最低であるから、応援する側は4点ずつのマークの内側が1点であってほしい。そこで、「チョイヤー(点よ消えろ)!」と声をかけ、あるいは点が飛んでいくよう息を吹きかける。逆側に賭けている者は点が付いてほしいので「テンガー(点よ付け)!」と叫ぶ。ああ、書いているうちにまたやりたくなってきた。でも、日本国内ではおカネを賭けてバカラをやってはいけないことになっているからなあ。困ったもんだ。

[Mar 18,2005]

三公百家楽

きっと正しくは、「サームコン・パッカッロッ」と発音するのであろう。マカオにしかないバカラのローカル版である。

1卓のテーブルには、最大で14人のプレイヤー+ディーラーが並ぶ。カードはジョーカーを含まない1組。各自に3枚ずつのカードが配られる。この3枚のカードの和(絵札は10、10になったら0に戻るところはバカラと同じ)が9に近い方が強いのだが、一つだけ例外がある。9より強いのが、絵札3枚イコール三公の0なのである。

また、同じ数字であっても、絵札の数が多い方が強い。したがって、2+3+4の9より、J+Q+9の9の方が強い。このルールにより、普通のバカラより引き分け(和)が起こりにくくなっている(全く起こらないという訳ではない)。各プレイヤーとディーラーの相対関係のみの勝負であるので、隣の人との強弱は関わりがない。

カードがすべてのプレイヤーに配られて、ディーラーが開けていいというまで、カードに触れてはいけない。カードはスクイーズしてはダメで、BJのように少しずつずらして見る形になる。開いたカードは目の前のカード3枚分の枠に置いて、ディーラーのオープンを待つ。ディーラーに勝てば5%のコミッションを差し引いた額が配当され、ディーラーが勝てば賭け金は没収である。自分の勝ち負け、和だけでなく、ディーラーの出目を賭ける枠もある。

このゲームの良さは、ゲームの進行がゆっくりしていて、しかもそれほど熱くならずに勝負できることから、時間をつぶすのに最適ということである。ただし、卓はリスボアとサンズくらいにしかない。席もたいていは空いている。ミニマムはリスボアで200HK$、サンズで300HK$。

実は私はこのゲームが結構好きでよくやるのだが、あと1時間で帰らなくてはならないといったタイミングなら、ミニマムの10倍の資金があれば十分楽しめる(BJなどはこの資金量だと厳しい)。他のゲームと同様、流れが偏ることがあるので、そのときはいったん席を立てば良い。うれしいのは、2とか3で勝ったり、絵札の差で勝てたとき。おもしろいのは、普通のバカラであれほど出現する三公が、このゲームではほとんど出ないことである。

[Apr 13,2005]

ルーレット

ルーレットほど割に合わないカシノゲームはない。例えば、赤黒に賭けるとする。0と00は親の総取りとなるので、当たる確率は18/38=47.37%。配当は1:1だから期待値は0.947。ルーレット盤が回って玉が1回入るごとに約5.3%がハウスの取り分となる。これは大小の2.8%、バカラの2.5%と比較してほぼ2倍のハウスエッジなのである。

赤黒賭けのほかにも、1点賭け、2点賭け、3点賭け、4点賭け、6点賭けなどがあるが、いずれも36を的中する目の数で割ったものがオッズになるため、赤黒と同様約5.3%のハウスエッジとなる(36の約数が多いから結構オッズ計算の簡便化に役立っている。ちなみに、0,00,1,2,3の5点賭けはややハウスエッジが高い)。

バカラやBJ、ポーカーと比べてもゲーム自体の面白みはない。ともかく、盤が回って玉が入るだけなのである。玉がくるくる回るのをみて恍惚感にひたるという人もいるのかもしれないが、あくまで少数派であろう。それではなぜルーレットが好まれるのか?私なりの解釈では、それは賭ける目をいい加減に決めることが出来るからなのではないか。

ルーレット発祥の地であるヨーロッパはともかく、ダイスないしカードを使うゲームが多いのが現代のカシノである。いずれのゲームも、真剣に次の手を推理する。勝とうと思えば、ここぞという場面でビックベットを叩き込む(それが地獄への近道だったりするが)。対してルーレットでは、賭人は考えなしに、見方によってはいい加減に、升目の中にチップをばらまいていく。1点賭けをとったとしても、推理した結果などということはあまりない。

当たるのも外れるのも、あくまで偶然のなせる技である。だから真剣に悩まずに、飲みながら、あるいは語り合いながらカシノを楽しむ事ができる。いうなれば社交としてのカシノゲームである。真剣に大か小か、バンカーかプレイヤーか推理するのもいいが、こういうゲームもあっていいことは確かである。逆にいえば、真剣に打つゲームとしてはハウスエッジが大きすぎるということでもある。

以前、何かの企画で、全財産を赤か黒かに賭けるというものがあったように記憶しているが、どう考えても、どうせやるならバカラである。

[Jul 28, 2005]

牌九(パイガオ)

牌九は天九牌といわれるタイルを使って行われるカシノゲームである。天九牌は絵柄的には2つのダイス(サイコロ)を組み合わせた形となっており、6-6の12がティーン(天)、1-1の2がデイ(地)と呼ばれるランクの高い牌である。しかし、ペアとなった場合これらよりも強いのが1-2と2-4の2つの牌で、単独では一番弱いが(ただし3と6の都合のよい方に数えることができる)、ペアになった場合最強となる。そのためこの牌は至尊(ジジュン、supreme)と呼ばれる。

16組32枚の牌をディーラーがかき混ぜて、定められた形に積み上げる。ハウスが親の場合はハウス・ウェイと呼ばれる一番簡単な方法で、賭人が親を取った場合には親が指定した牌形に組み上げる。4つのダイスを振って出た目のところから牌が4枚ずつ配られる。賭人はそれを高手・低手の2枚ずつに分けて、そのそれぞれが親に勝てば勝ち、両方負ければ負け、1勝1敗の場合引き分けとなる。勝った場合は、賭金の5%がコミッションとして差し引かれる。

基本的に長丁場のゲームとなるので、マカオのように立ちっぱなしではつらいものがあり、ラスベガスのように座ってやりたいゲームである。基本戦略は、役(ペア、ウォング、ゴング)ができた場合は役優先、そうでない場合は低手を高くとるということだが、もちろん例外があり、ゲームの綾もある。役でもペアは分かりやすい(同じ牌2つ)が、ウォング、ゴング、ハイ9は天(12)・地(2)と9・8・7のそれぞれの組み合わせになるため複数の選択肢がある場合が多い。

役以外ではバカラと同様、2つの牌の合計数が9に近い方が強く、10は0と数える。数字が親・子同数となった場合、よりランクの高い牌を持っている方の勝ちとなる。実際には勝ち負けが牌のランクに持ち込まれることはあまり多くないので、そこまで覚えていなくてもゲームを楽しむことができる。むしろ、チョップ牌と呼ばれる、違う牌なのにペアという4組と、ジジュンは3にも6にも数えられるという点は押さえておく必要があろう。

配牌をみる際最も期待するのはペアがあること、次いで2と12があることであり、これらがある場合はリラックスしてゲームを進めることができる。何かのペアと12と8などという牌が配られれば、ほとんど負けなしである。一方、高10、低10、11、2なんて手が来た日には最悪で、1-2としても0-3としてもほとんど負けは決定しているのだが、そんなところで結構迷ったりするところが情けないところである。

このゲームについては、何と言っても森巣博先生の一連の作品が参考になるが、マカオに行くたびに、ひと気がなくなっていくような気がする。ラスベガスでも結構多くのホテルに置かれているが、やはりやっている人は少ない。おもしろいゲームなので、何とか生き延びてほしいものである。

さまよい人さんのコメント

こんにちは。TAIPAさん。こちらの書き込みはじめてです。私は会社の週報さえもろくに提出しない程書く事が苦手で、いつも書き込みのペースの速さにはあけみんさんのBlogともども驚かされています。

ところで本題ですがマカオのパイガオプレーヤーですが、いつもパイガオ台をみると夜を除くといつもがらがらでいないように見えるんですが彼らは実はいるんです。私も最近気が付いたのですが、裏に隠れています。

誰もいないテーブルで私がプレーを始めると後から来る来る。どこからわいて来たのと言いたいくらいに。どうも彼らは誰もいない台ではやりたくない様です。流れが悪くなると蜘蛛の子を散らす様にいなくなり、又テーブルががらがらになります。TAIPAさんも一度試し見てください。

それでもマカオのパイガオプレーヤーはそれ程多くないでしょう.私はマレーシアのゲンティンではじめてパイガオをやりました。ゲンティンも座ってじっくりプレーができるスタイルです。ゲンティンにはパイガオテーブルは5台ありましたがどれも人がいっぱいで空くまでしばらくまたなければいけない状態でした。

おそらく問題はマカオのテーブルスタイルにあると思います。ゲンティンでは(おそらくベガスも同じだと思いますが)座った人間に牌を見る権利があるのでMiniベットでも一度座ったらずっとプレーができます。ところがマカオではベットの金額が多い人間に牌を見る権利があるので徐々にベットが上がりプレーする人間が増えるとMINIベットではプレーできずあぶれてしまいます。私もゲンティンでは5~6時間連続してプレーできたのですが、マカオではやって1時間が限界です。

サンズあたりにベガススタイルのパイガオができないかと期待しているのですがどうでしょうか。

TAIPAのアンサーコメント

こんにちは。さまよい人さんですね?ようこそいらっしゃいました。とてもうれしいです。

いやいや、いつもいないと思ってたら陰に隠れているんですか。実は何度か一人でできるか、と行ってみたのですが、ディーラー連中に「広東語じゃなきゃわからねぇよ!」みたいなことを言われて退散してました。しばらく待っていればカモだと思った連中が寄ってくる訳ですね。今度やってみます(って、いつ行くんだ?)。

雰囲気はLVが良かったですね。私の行ったラクソーとTIではミニマム50$だったんですけど、BJほど浮き沈みはせず結構楽しめました。

マカオでは、これからウィン、ベネチアン、リスボア別館と大型カシノ計画が目白押しですので、バカラだけではそのうちあきられると思います。ぜひLVスタイルのパイガオを期待したいですね。ではまた。

[May 12, 2005]

ティーン(天、12)のボーとデイ(地、2)のゴング。合わせてゴング・ボー(Gong Bo)。かなり強い。

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