NFL予想記事。プログ開設当時からの連載です。Niftyの記事を保管しなかったのは残念。
SUPERBOWL LII展望    WILDCARD WEEKEND   DIVISIOAL PLAYOFF
CONFERENCE CHAMPIONSHIP    SUPERBOWL LII直前予想&回顧

NFL予想記事目次  2017AFC星取表  2017NFC星取表  2017PLAYOFF

SUPERBOWL LII展望

スーパーボウルLIIオッズ(上位10チーム)
Oニューイングランド・ペイトリオッツ 5.0
△ダラス・カウボーイズ 11.0
グリーンベイ・パッカーズ 11.0
△シアトル・シーホークス 11.0
ピッツバーグ・スティーラーズ 13.0
アトランタ・ファルコンズ   15.0
△オークランド・レイダース   17.0 デンバー・ブロンコス   26.0
カンザスシティ・チーフス   26.0
ニューヨーク・ジャイアンツ   26.0

今年のオッズは、ペイトリオッツの圧倒的Favoriteである。かつてのライバルであったコルツやブロンコス、NFCのシーホークスやパッカーズを引き離して、ただ1チーム一桁オッズである。対抗できる新勢力といえばカウボーイズくらいだが、さてどうなるか。上位チームの中に◎(本命)と▲(単穴)がいないが、これは下位チームの中にいるということである。

まずペイトリオッツの評価だが、昨シーズン終盤、TEグロンコウスキーを欠いたままスーパーボウルを勝ってしまった底力は認めない訳にはいかない。20年近く正QBを張っているブレイディの衰えは気になるところだが、マニングのように急速に肩が弱くなるのか、それともファーヴのようにいつまでたっても強肩が健在なのか。

こればっかりはシーズン始まってみないと分からないのだが、どうもブレイディはファーヴに近いような気がしている。どちらかというと、より若いロスリスバーガーやロジャースの方に疲れが出て来るような「感じ」がする。だから、ペイトリオッツは今年も強いだろう。それでも気に入らないのはこのオッズ。本命にはあげたくないチームである。

スーパーボウルでまさかの逆転負けを喫したファルコンズ。スーパーボウルでああいう逆転負けをしたチームなので今シーズン反動がきておかしくないし、スケジュール的にもダラス、シアトルと当たるので南地区の中ではたいへん不利である。ダン・クインHCなのでディフェンスは強化してくると思うが、マット・ライアンの勝ち運のなさがどうなのだろう。

AFCではスティーラーズの評価が高いが、昨シーズンプレイオフにみられたようにオフェンスの主力が揃ってケガなくシーズンを送れるのかどうか。特にビッグ・ベンは若い時のようにオートバイに乗ってどこかに激突しても大丈夫な鉄人ではなくなっている。評価ほどには推せないチームだと思っている。

上位チームの中からは、AFCでレイダース、NFCでシーホークスとカウボーイズを推してみたい。レイダースは頼みの綱であるQBカーの負傷でポストシーズンいいところがなかったが、さすがに今年は期すところがあるだろう。西地区ではブロンコスの力が落ちてきているので、今年こそ地区優勝を狙いたい。デルリオHCなので、ディフェンスの強化も期待したい。

シーホークスは昨シーズン終盤、一時期ほどのディフェンスの力がなく、またラッセル・ウィルソンのプレイにも精彩がなかった。それと、同地区ラムズをあんなに苦にするとは意外である。カーディナルスとは力の差があるし、以前ほど東海岸を苦にしないようなのは強みだ。

カウボーイズはプレスコットとエリオットが2年目を迎えてどうなのかが最大のポイント。開幕戦でいきなりジャイアンツ、続いてアウェイでブロンコスとカーディナルスと厳しいスケジュールだが、ここを乗り切れば昨年同様快進撃ということになるだろう。同地区の相手が強力なので、波に乗れないと意外に苦戦が続くケースもありうる。

スーパーボウルLIIオッズ(下位22チーム)
29.0 △アリゾナ・カーディナルス、◎キャロライナ・パンサーズ、ミネソタ・ヴァイキングス
34.0 △ヒューストン・テキサンズ、インディアナポリス・コルツ、テネシー・タイタンズ
41.0 ボルティモア・レイヴンス、タンパベイ・バッカニアーズ
51.0 ▲シンシナティ・ベンガルズ、△ニューオーリンズ・セインツ、△フィラデルフィア・イーグルス
67.0 デトロイト・ライオンズ、ジャクソンビル・ジャガース、ロサンゼルス・チャージャース、マイアミ・ドルフィンズ、ワシントン・レッドスキンズ
81.0 バッファロー・ビルズ
126.0 シカゴ・ベアーズ
151.0 ロサンゼルス・ラムズ
201.0 ニューヨーク・ジェッツ、サンフランシスコ・49ナース
251.0 クリーブランド・ブラウンズ

実は私は、今シーズンはオッズ下位のチームがスーパーボウルに駒を進めるような気がするのである。昨シーズンだって、カウボーイズのシーズン前オッズはロモがいるからそこそこ人気になっていたのであり、ルーキーQBとルーキーRBが中心のチームと最初から分かっていればオッズは50倍見当だったはずだ。

本命にあげたいのはパンサーズ。一昨年快進撃でスーパーボウルまで進んだものの、昨年は地区最下位に沈んだ。とはいっても、HCリベラもQBニュートンも一昨年と同じで、戦力的にはほとんど変わらない。チーム内不協和音の要因となっていたGMをシーズン直前に解雇し、再浮上を図る。注目すべきはスケジュールで、昨年と違ってたいへん楽だ。3連勝スタートで波に乗りたい。

AFCからはベンガルズ。長期政権のマービン・ルイスも、今年結果を出せないとそろそろ交替という雰囲気が高まりそうだ。こちらも注目すべきはスケジュールで、同地区スティーラーズを除けば、昨年プレイオフに残った対戦相手はテキサンズとパッカーズ、ライオンズくらいしかいない。いずれも歯が立たない訳ではなさそうで、ドールトン、A.J.グリーンに大量補強したドラフト組が噛み合えばかなり面白いチームだ。

カーディナルスはそれなりに人気となっているが、だんだん耐久力がなくなるパーマーがどこまでがんばれるか。フィッツジェラルドもそろそろラストイヤーだけにがんばってほしいのだが、同地区シーホークスには一歩譲るのではなかろうか。

AFC南ではテキサンズ。前評判ではマリオタのタイタンズと変わらない評価であるが、実力ではこちらが安定しているだろう。昨年ほとんど全休だったJ.J.ワットが回復してくれば、ディフェンスはリーグ上位。問題は帯に短し襷に長しのQB陣とスケジュール的にかなり厳しいことで、ライバルチームが対戦しないペイトリオッツ、チーフスと当たるのは厳しい。

人気薄の中からはイーグルス。同地区チームが強力なだけにどこまでできるか未知数だが、2年目のQBウェンツがきっちり準備してくるので、それほどひどいことにはならない。チップ・ケリー後遺症からそろそろ回復して、手堅い攻守をみせてほしいところだ。

イーグルスと同じオッズはセインツ。手を入れるべきはディフェンスのような気もするが、ヴァイキングスからAPを補強してまたもやオフェンスを強化した。ただ、いくら点を取ってもその分取られてしまっては仕方ないし、同地区にファルコンズとパンサーズがいるのでどうかといったところ。

昨年のプレイオフチームではライオンズとドルフィンズの人気が低いが、昨年より強調できる材料があまりないのも確か。両チームとも、ジャガースほど弱いのかと言われるとそこまで弱くはないと思うけれど、じゃあペイトリオッツやパッカーズを押さえられるかと言われると、それもまた厳しいようである。

[Jul 31, 2017]


WILDCARD WEEKEND

Week17は土壇場でG+の中継がなくなってしまい、DAZNも年末で休止してしまったのでCBS SportsのWEBを見ながらLive気分を味わっていた。これは予定調和だなあと思っていた第4Qラスト2ミニッツで、まずTBがNOを逆転。これはシード順が違っただけで済んだが、今度はCINが4thダウンギャンブルでBALを再逆転、プレイオフに出て来るメンバーが替わってしまった。

4チームが9勝7敗で並んだ結果、まずカンファレンス内成績でTENが抜け出しLACが脱落、次のタイブレイクは勝った相手の勝率で、ここでBUFがBALを上回った。BALの弱みは9勝中2勝が全敗のCLEというところで、まさかこんなところで効いてくるとはハーボーも思わなかっただろう。

レギュラーシーズンの予想成績は31勝47敗7引分けと、2006年から始めたWEB予想の中では最悪の成績となってしまった。原因はおそらく、GAORAが中継せずG+も2試合しかやらなかったため、情報の絶対量が足りなかったのである。来季はこんなことがないようがんばります。

AFC Saturday
  テネシー・タイタンズ(9-7)
Oカンザスシティ・チーフス(10-6) - 8

第5シードに残ったタイタンズだが、最終戦はすでにプレイオフが決まっているジャガーズだった。そして、9勝中プレイオフに残った相手の勝利はジャガーズだけで、第6シードのビルズが勝っているKC、ATLと比べると見劣りする。マリオタは13TD15INTと伸び悩み、強調できるとすればラン喪失平均88ヤードというルボーのディフェンスくらい。ちょっと荷が重いか。

チーフスは開幕から好ダッシュ、中盤連敗し終盤戦でOAK、LACとの直接対決を制してなんとか地区優勝した。開幕2戦で破った相手が両カンファレンスの第1シードだから、強いことは間違いない。ディフェンスのスタッツはNE並みに良くないが、要所でターンオーバーを奪うことができる。RBハントはリーディングラッシャーで、QBスミスは相変わらずミスが少ない。

NFC Saturday
  アトランタ・ファルコンズ(10-6)
Oロサンゼルス・ラムズ(11-5) -6

今年はビルズ、ジャガーズなど久々のプレイオフ組が目立つが、ラムズも2004年以来となる。平均得点は31.0点でリーグトップ。これはゴフがブレイクしたこと、ガーリーのランが安定していること、キッキングゲームで優位にあること等の要因が寄与している。先週主力を休ませたのは今週に備えて当然の決断で、31歳HCマクベイのお手並み拝見。

ファルコンズは結果的には負けてもプレイオフだったが、先週のMust Winのゲームは手堅いゲームを見せた。オフェンスに昨年の破壊力がないのはたいへん気になるが、ディフェンスがプレイオフモードに入り気合いが入っていた。アウトドアでも暖かいLAなら大丈夫だろうが、心配はまたもやケガ人が出てしまったことで、フリオ・ジョーンズが大爆発しないと厳しそうだ。

AFC Sunday
Oバッファロー・ビルズ(9-7)
  ジャクソンビル・ジャガーズ(10-6) - 7.5

ビルズが1999年以来のプレイオフに滑り込んだ。CINの逆転がなければもちろん次点でシーズン終了だったので、試合終了後のロッカールームは大騒ぎだったろう。シーズン途中にQBテイラーを引っ込めるなどオフェンスは安定しなかったが、持ち味はレスリー・フレイジャーDCのディフェンス。NE、NO、LACの4戦を除く平均失点は16.0点とトップクラスだ。

ジャガーズも2007年以来久々のプレイオフ。今シーズンはボートルズがブレイクしたのと、こちらもディフェンスが堅く平均失点は16.8点。ロースコアゲームが必至で、マッコイとファーネットのラン、ディフェンスのがんばりが勝敗のカギとなる。とはいえ、ここまで16戦のスケジュールのきつさ(ゆるさ)からみて、ジャガーズをそこまで強く推せないような気がする。

NFC Sunday
  キャロライナ・パンサーズ(11-5)
Oニューオーリンズ・セインツ(11-5) - 6.5

同地区なので、これが今シーズン3回目の対決となる。34-13、31-21といずれも大差でセインツが勝っているが、注目すべきはパンサーズが30点以上取られているのはこの2ゲームだけということである。ニュートンは先週のATL戦を見ても、調子に波がありすぎてどちらに転ぶか分からない。計算できるはずのディフェンスでセインツを苦手にしているようなのがマイナス。

そのセインツも、ブリーズに往年の冴えがなく、ショーン・ペイトンも太り過ぎで、今季よかったのはルーキーRBカマラと若いディフェンス陣である。ただ、ホームではペイトリオッツ戦を除いて7勝、うち6勝が10点差以上つけている。相手が絶好調のニュートンなら分からないが、現状そこまででないと思うのでここはセインツ乗り。

[Jan 4, 2018]


DIVISIOAL PLAYOFF

Wildcardは接戦が続き、結果的にみるとUnderdogを買っていればすべて的中という4試合だった。ガーリーやハント、フォーセットなど経験の浅いRBがレギュラーシーズンの力を出せなかった(ハントの場合プレイコールの問題もあるにせよ)のに対し、ライアンやブリーズといった経験豊富なQBがきっちりゲームメイクしていたのが印象に残った。

今週はDivisional。昔よく甲子園で準々決勝がいちばんおもしろいと言われたが、NFL版の準々決勝、ベスト8の激突である。かつてのPIT at IND、昨年のGB at DALなど記憶に残るUpsetが起こったのも今週であった。

なぜか両地区ともFirst Round Byeのシード組対南地区の2チームで、東地区とワイルドカード、北地区と南地区という組み合わせまで同じ。違うのは、AFCがシード組のベテランQBvs勝ち上がりの若手QBで、NFCがその逆という点である。

NFC Saturday
  アトランタ・ファルコンズ(ワイルドカード) -3
Oフィラデルフィア・イーグルス(東地区優勝)

もう13年前になる2004年シーズンのプレイオフ、全盛期のマクナブvs全盛期のヴィックでチャンピオンシップを戦った組み合わせである。あの時も、ファルコンズはラムズに大差勝ちして勝ち進んだものの、イーグルスに敗れてスーパーボウル進出はならなかった。

ファルコンズの勢いは確かにすばらしいが、Favoriteに推されるほど優勢かというとそうでもないように思う。ランを丁寧に出してフリオ・ジョーンズすら短いパスで使うという手堅い作戦がここ2戦続いているが、逆に相手チームにとって脅威が少ないという側面がある。先週西部に遠征して今週東部、続けて室外スタジアムというコンディション面もプラスではない。

イーグルスはウェンツの故障で得点力が激減しているが、プレイオフは1点差でも勝つことがすべてなので、地上戦は悪い選択肢ではないように思う。ブラントもアジャイもAFC東地区でプレイして冬の室外は慣れているし、フォールズはプレイオフの経験もある。ディフェンスは優位にあるので、先週のラムズ同様ライン戦は有利に進められるはずだ。

AFC Saturday
  テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oニューイングランド・ペイトリオッツ(東地区優勝) - 13.5

ペイトリオッツがプレイオフで南地区のチームと戦うと、大差で勝つことが多い。かつてのコルツもそうだしテキサンズもそうだ。これはペイトリオッツが強いということもあるけれども、南地区のチームにとって東海岸のアウトドアのゲームは厳しいということでもある。

タイタンズが勝たないまでも接戦に持ち込めるケースはないかどうか考えてみたけれども、マリオタが神がかり的にツイていたということ以外にはなかなか考え付かない。先週のチーフス戦も、3-21から逆転できたのはチーフスのプレイコールがぎこちなかったことと、ボールがマリオタに向かって飛んできたツキによるもので、ペイトリオッツとベリチック相手では厳しかろう。

ペイトリオッツも絶対かというとそうでもない。有馬さんがブレイディは冬場の堅いボールが苦手で、コントロールがうまくないから空気を抜いたと話していたが、もう40歳、そうした要素があっておかしくない。11月以降のゲームでINTが多くなっているので、DCルボーがそこに付け込めるかどうか。とはいえ、やはりジレットスタジアムではペイトリオッツだろう。

AFC Sunday
  ジャクソンビル・ジャガーズ(南地区優勝)
Oピッツバーグ・スティーラーズ(北地区優勝)-7

先週のビルズ戦をみると、ジャガーズが勝てる展開というのがどうしても想定できないのだが、その割にハンデが小さい。これはWeek 5、場所も同じハインツ・フィールドでジャガーズが30-9で勝っているからである。

Week5のスティーラーズは、ロスリスバーガーが5INT、2つのリターンタッチダウンを献上してゲームをぶちこわしてしまった。その後のゲームを見ると、調子をくずしているとかそういうことではなくて、思ったように得点できないのであせったという精神的なもののようだ。アントニオ・ブラウンもリフレッシュして、ここは借りを返しそうだ。

ジャガーズはWeek5同様、ベルのランを最小限に止めてロスリスバーガーのミスを誘う展開を狙いたいが、先週のボートルズをみていると、ディフェンスが抑えていてもオフェンスが機能しないおそれが大。タイタンズ同様、南地区のチームが寒い室外で戦うのも有利ではない。

NFC Sunday
Oニューオーリンズ・セインツ(南地区優勝)
  ミネソタ・ヴァイキングス(北地区優勝) -4

セインツvsヴァイキングスのプレイオフといえば、思い出すのは2009年シーズンのチャンピオンシップ。28-28でオーバータイムとなり、コイントスで勝ったセインツがFGを決めてスーパーボウルに進んだ。この試合が契機となってOTのルール改正が行われることとなったのである。当時のQBはセインツが今と同じくブリーズ、ヴァイキングスは移籍してきたファーヴだった。

ヴァイキングスはこのまま勝ち進めば、ホームでスーパーボウルという千載一遇のチャンスである。もしイーグルスが相手だと次は冬の室外という厳しい条件になるが、ファルコンズが勝てばこのままずっとホームで戦える。自慢はディフェンスだが、後半戦できつい相手と戦っていないのが気がかりだ。キーナムは新人ではないものの、経験が浅いのは確か。

セインツは開幕戦19-29で敗れているが、当時は調整途上であり、APをどう使うかなど不安定な要素もあった。Wildcardでボートルズやテイラー、マリオタ、ゴフあたりのQBを見た後では、やっぱりブリーズは違うと思わざるを得なかった。今回もランは難しいだろうが、WRトーマスとテッド・ギンの新旧Ohio Stateコンビが先週のように活躍すると面白い。幸い、インドアだ。

[Jan 12, 2018]


CONFERENCE CHAMPIONSHIP

Wildcardではマリオタの自分で自分にTDパスという珍プレイが飛び出したが、Divisonalではヴァイキングスのラストプレイの逆転TDが衝撃的だった。あのプレイはセインツのSウィリアムスがインバウンズでタックルすれば、タイムアウトが残っていなかったのだからfinalになっていたと思われるのに、ヒットしに行って空振り、そのまま独走させて逆転TDを許してしまった。

ああいうゲームをみると、スティーラーズの土俵の割り方はあっさりしすぎていた。残り1分でFGからオンサイドキックも可能だったし、2ミニッツ前のオンサイドは別に深く蹴ってもよかった(ドライブ更新されればいずれにせよ負け。3点取られなければ最後に同点だった)。そもそも前半レッドゾーンでの4thダウンギャンブルをFGにしておけば勝敗は逆だったかもしれない。

しかしMINのゲーム、最終ハンデが- 5.5なのにPATしなくていいのだろうか。MINのP/Sに賭けた客が怒り狂いそうな気がするが。

AFC Championship
Oジャクソンビル・ジャガーズ(南地区優勝)
  ニューイングランド・ペイトリオッツ(東地区優勝) -9

大きなハンデが付いているが、レギュラーシーズンにおける両チームの実績には大きな差がある。ジャガーズの10勝のうち半分は、ラックのいないコルツ、ワトソンのいないテキサンズ、全敗のブラウンズからあげたもので、プレイオフに残ったチームに勝ったのはPITだけである。そのスティーラーズに勝ってチャンピオンシップに駒を進めてきた。

一方のペイトリオッツは13勝。プレイオフ組ではビルズに2勝、スティーラーズ、ファルコンズ、セインツに勝ち、ワトソンのいたテキサンズにも勝っている。プレイオフに残ったチームでは、レギュラーシーズンに負けたKCとCAR、大苦戦したPIT、昨年の相手ATLが強敵と思われたが、すべて先週までに敗れてスーパーボウル連覇への道が開けてきた。

こうしたことを考慮するとペイトリオッツ有利は動かないという気もするけれども、私が気になるのは、ペイトリオッツはトム・コフリンのチームに番狂わせを起こされるということである。10年前の2007年シーズン、レギュラーシーズン全勝で臨んだスーパーボウルで圧倒的Favoriteなのに敗れた。その時のジャイアンツ同様、ジャガーズはディフェンスのチームである。

そのジャガーズ。ディフェンスのスタッツがいいのはレギュラーシーズンの相手が弱かったからだと思っていて、Divisionalでは案の定42点取られたのに45点取って振り切った。ビルズ相手に10点しか取れないチームとどっちが本物かということだが、今週は点の取り合いにはしたくないところ。ディフェンスが奮起して、ブレイディが苦戦するパターンに持ち込みたい。

NFC Championship
  ミネソタ・ヴァイキングス(北地区優勝)- 3.5
Oフィラデルフィア・イーグルス(東地区優勝)

1st Round Byeの両チームが順当に勝ち上がったとはとてもいえないDivisionalのゲームだった。イーグルスはレッドゾーンでのフリオ・ジョーンズのキャッチミス(今季よくあるケース)に救われたし、ヴァイキングスはラストプレイで逆転TDを決めた。結果的に開幕時セカンドQBだった両者の戦い、しかもこの二人は2015年に同じラムズに在籍している。

2015年当時、開幕スターターはニック・フォールズであり、フォールズの故障でキーナムが繰り上がった。今年はブラッドフォードが開幕直後に故障してキーナムが繰り上がり、プレイオフ寸前でウェンツが故障してフォールズが繰り上がった。現状どちらが上ともいえないような状況である。

私が気になるのは、Divisioalでのヴァイキングスがやたらキーナムにパスを投げさせていたことである。その結果ブリーズに時間を与えて、前半で大量リードしていたにもかかわらず逆転されたし、その原因の一つがキーナムのINTであった。またぞろキーナムに40回もパスを投げさせればどこかでボロが出るのは避けられず、Favoriteは評価しすぎだと思っている。

一方のイーグルス。ホームなのにほとんどオフェンスが進まず、Divisionalでは最もぱっとしない勝ち方だったが、Wildcardで最もぱっとしない勝ち方のジャガーズがDivisioalでは派手に勝っている。先週も書いたようにイーグルスは地上戦で行く方がいいと思っているが、フォールズも何試合かこなしてゲームに慣れてきた。ただし、先週のようにターンオーバーを量産したらダメだ。

[Jan 19, 2018]


SUPERBOWL LII直前予想

Superbowl LII(2018/2/4、ミネアポリス・USバンクスタジアム)
  フィラデルフィア・イーグルス(NFC) +4.5/+160
Oニューイングランド・ペイトリオッツ(AFC) -4.5/-180

13年前の2004年シーズンと同じ組み合わせ、ペイトリオッツとイーグルスのSuperbowlとなった。NEは13年前も今もブレイディ&ベリチックで、Superbowl連覇と4年間で3度目の制覇がかかるというところまで同じ。一方のイーグルスは当時マクナブ&アンディ・リードで、現在のHCピーダーソンはリード人脈だが、2004年当時まだイーグルスにはいなかった。

オッズはNEの-5.5/-240でスタートし、イーグルスがやや差を詰めている。それでも4.5の差は大きいというべきで、NEを買うならばP/SよりもM/Lの方が彼らのゲーム運びに合致している。もともとベリチックは3点差でも勝てばいいという考え方のHCだからだ。

ゲームの鍵を握るのは、イーグルスのDCジム・シュワルツではないかと思っている。平均喪失ヤード306.5、平均失点18.4のイーグルスディフェンスが、平均獲得ヤード394.2、平均得点28.6のペイトリオッツオフェンスをどこまで食い止められるか。思うに3TD以下に食い止めればチャンスはあるが、それ以上取られるとなかなか厳しいだろう。

ただし、プレイオフの2戦がホームゲームであったことを考えると、3TDというのは微妙なところである。ファルコンズ戦は寒冷地のアウトドアでロースコアリングゲームだったし、ヴァイキングスのQBはキーナムであった。インドアの人工芝ということになると、相手がグラウンドコンディションに苦しめられることがないだけに、先週までのようにいくかどうか。

かたやペイトリオッツ、ブレイディの左手負傷に加え、ChampionshipでグロンコウスキーがConcussionで退場、1月末現在Questionableである。体の負傷であれば無理しても出て来るだろうが、Concussionの場合はプロトコルに従って判断されるだけに予断は許さない。グロンクは、頭は打たなくても当日朝の食事は覚えていないような気がするが。

試合途中にグロンコウスキーが退場するという事態があっても3TDとFGで24点取れるのだからさすがペイトリオッツというところだが、こちらもホームであったことを忘れてはならない。足元が万全ならイーグルスのランも出るので、取った分だけ取られるペイトリオッツディフェンスの出来如何によっては、点の取り合いでイーグルスに引けを取るケースもないとはいえない。

この点でたいへん心強いのは、ジェームズ・ハリソンの存在である。PITのベンチをあたためていたシーズン序盤とは打って変わり、ランストップにパスラッシュに大活躍である。プレイオフに向けて体力を温存していたのかと思うくらいである。ハリソンといえば2008年シーズン、自軍エンドゾーンからの100yINTリターンTDが何と言っても印象に残るが、ハリソン自身あれ以来のSuperbowlとなる。

そうした諸々の要素はあるが、私がイーグルスを推さない最大の理由は、ピーダーソンHCの大局観にある。今回のSuperbowlにもしウェンツが出場できていたら、新旧QB対決でどれほど盛り上がったかと思うと、ピーダーソンHCの采配は失策以上のものである。なぜ、Must Winでもないシーホークス戦、ラムズ戦でウェンツをわざわざエンドゾーン前で走らせたのか。

その週の予想記事にも書いたが、ああいうことをしていいQBはSuperbowl級ではニュートンだけであって、MVP候補にも挙げられるパサーにああいうプレイをさせる指揮官というのは信じがたい。ラッセル・ウィルソンだって完全に裏をかいてノーマークの時しかあれはやらない。マリオタやボートルズはたいしたパサーではないからできるのだ。

もちろん、優れたHCが勝つのではなく勝ったから優れたHCといえるのだが、ああいうプレイを許しているHCが頂点に君臨するというのは、首をひねる以上のものがある。バックアップQBがSuperbowlに出てきた例としてここ10年ではカート・ワナー(カーディナルス在籍時)とキャパニックがいるが、彼らは正QBの不調でシーズン途中から繰り上がったので事情が違う。

(そもそも2001年のブレイディがバックアップからの昇格であるが、ブレッドソーの負傷の事情はウェンツとは違うし、若いQBが正QBの負傷で出番が早くなったというだけである。)

ペイトリオッツの連覇を応援するが、ベリチックが4点差にこだわるとは思えないのでM/L中心に。

[COMMENT from saitohさん]

今年も1年間予想を楽しませていただき
ありがとうございました。
AFCは割りと順当にペイトリオッツ。TAIPAさんのコメント
「ジャガーズに勝てるイメージがない」は
激しく同意していたらまさか45点取って勝つとは
夢にも思いませんでした。
対して波乱万丈のNFC
(結果的には第1シード勝ち抜けですが)
ラストプレイで2ヤードが取れなかったファルコンズ。
9割方勝っていた試合を落としたセインツ。
(個人的にはライアンVSブリーズを見たかった)
で、セミファイナルで予想できないほどの大差勝ちした
イーグルスが勝ち抜け。
「平均得点28.6のペイトリオッツオフェンスをどこまで食い止められるか。思うに3TD以下に食い止めればチャンスはあるが、それ以上取られるとなかなか厳しいだろう。」
この部分も激しく同意します。
イーグルスのDFが強いとは言えべりチックが無策で試合に
臨む訳はないので17~24点は取られるものと仮定します。
(ジャガーズもパスインターフェア狙いに捕まったし。)

楽しみなのはイーグルスのランパスオプションに
対してのペイトリオッツの守備。
対バイキングス戦では有効な攻撃だと思っていますが
これもベリチックが無策で臨む訳ないので
対応策を出してくるものと予想します。
イーグルスが2TD2FG取れればハンデ-4.5を入れても何とかなるので
私はイーグルス乗りです。
しかしイーグルスの攻撃が巧くいかないと意外と
大差負けしてもおかしくないと思います。
今年は会社なので家に戻ってのBSを楽しみにしています。

[COMMENT from ビートルさん]

2年連続10回目のAFC王者ペイトリオッツに対して、13年ぶり3回目のNFC優勝のイーグルス。13年前のスーパーボウルでペイトリオッツに敗れているイーグルスの雪辱なるかというのが注目点ですが、総合力を比べるとやはりペイトリオッツの優位は動かないでしょう。
イーグルスが勝つにはロースコアゲームに持ち込むのが大前提だと思います。もし、大量点を奪われてしまうと大凡戦になってしまうかもしれません。
私はイーグルスが番狂わせを起こして初優勝という展開を期待しています。正直、近年はペイトリオッツが強すぎてAFCはおろかNFL全体に閉塞感が漂っている感じがするからです。そろそろ新しい風が吹いてもいい頃でしょう。

[COMMENT from ビートルさん]

今年のスーパーボウルはイーグルスが大番狂わせでペイトリオッツに勝利。大激闘の末、悲願の初優勝となりました。「イーグルスが勝つにはロースコアの接戦に持ち込むしかない」と思っていましたが、予想を覆すオフェンスマッチが繰り広げられて驚きました。何でも双方獲得ヤードの合計がNFLの歴史上いかなる試合よりも多かったとか。

それにしても負けはしたけどペイトリオッツのブレイディはやはりすごかった。個人的には勝敗に関係なくMVPに選出しても良かったと思います。彼はやはり不世出の選手ですね。

これでNFLにも新しい風が吹くでしょう(ビルズとかジャガーズとか復活しましたし)。来年も面白いNFLを期待しています(なお、今季16連敗のブラウンズには頑張ってほしい)。

[Feb 5, 2018]

LINK