NFL予想記事。プログ開設当時からの連載です。Niftyの記事を保管しなかったのは残念。
SUPERBOWL LIV展望    2019シーズン中盤展望    2019シーズン後半展望
2019シーズン終盤展望   WILDCARD WEEKEND   DIVISIOAL PLAYOFF
CONFERENCE CHAMPIONSHIP    SUPERBOWL LIV直前予想&回顧

NFL予想記事目次  2019AFC星取表  2019NFC星取表  2019PLAYOFF


SUPERBOWL LIV展望

SUPERBOWL LIVオッズ上位10チーム(2019/07/15現在)
  ニューイングランド・ペイトリオッツ 8.0
◎カンザスシティ・チーフス 9.0
Oロサンゼルス・ラムズ 9.0
△ニューオーリンズ・セインツ 11.0
  クリーブランド・ブラウンズ 15.0
  インディアナポリス・コルツ 15.0
▲フィラデルフィア・イーグルス 17.0
  グリーンベイ・パッカーズ 17.0
  ロサンゼルス・チャージャース 17.0
  シカゴ・ベアーズ 17.0

今年もNFLの季節がやってきたというよりは、この間SUPERBOWL 50だったのにもうLIVである。月日の経つのがこんなに早くていいのかと思う一方で、とにかく無事に(生きて)今シーズンを迎えることができて何よりと、ありがたく思う今日この頃である。

今年のSUPERBOWLオッズを見て、驚くことが2つある。1つは例年と比べて上位オッズの倍率が高いことで、ペイトリオッツはさすがに厳しいとして、チーフス、ラムズ、イーグルスあたりがこれほどいいオッズになるのは予想外であった。

もう1つは、100倍の常連ブラウンズが、5番人気に推されていることである。確かにここ数年ドラフト順位がよく、FAでオデル・ベッカムを補充するなど選手層は厚くなっているものの、昨年ようやく勝率5割に届いたチームである。コーチ陣の信頼度もそれほど高いとはいえない。

ブラウンズの評価は地区展望で再び触れるとして、今年のSUPERBOWLの鍵となるのは3人のQBだと思っている。ウェンツとゴフ、そしてマホームズである。

ブレイディやブリーズ、ロスリスバーガー、ロジャースが年齢的にキャリア晩年にあり、シーズン中に故障でもすれば即引退の危機にあることは否定しようがない。イーライやリヴァースも同様である。

本来彼らをキャッチアップすべきマット・ライアンやジョー・フラッコ、スタッフォード、ラッセル・ウィルソンあたりまで、引退間際のベテランに追いつく前にピークを過ぎてしまった。となると、前述のビッグネームに対抗するのはデビュー間もない若手ということになる。

中でも、一昨年のMVPウェンツと昨年のMVPマホームズ、SUPERBOWL LIIIまで残ったゴフの3人の存在感は別格で、ケガさえなければこの3チームがSUPERBOWLへの最短距離にいるものと思っている。

3人の中で、最も期待できるのはマホームズだろう。左手で投げたりしてケレン味のあるプレイスタイルはあまり好きではないが、動きがシャープで視野が広く、肩も強い。得点力もこう着を打開する意外性もある。加えて、アンディ・リードの采配という後ろ盾がある。

NFLのスカウティング能力はすごいから、1年経って研究されてどうなのかという懸念材料はあるけれど、策士アンディ・リードが新しいプレイを加えてくるだろうし、同地区3チームも強調材料に乏しい。今年はSUPERBOWLまで進むとみる。

対するNFCからは、ウェンツのイーグルス、ゴフのラムズが有力。ただ、イーグルスはウェンツに危ないプレーをコールしたりして不安だし、ラムズはSUPERBOWL LIIIの負け方がよくなかった。プレイオフには進むとしても、どこかに負ける場面を想像してしまうのは悲しいところである。

人気上位組でもう1チームあげるとすればセインツ。昨年、一昨年といずれもプレイオフで運のない負け方をしている間に、ブリーズがどんどん歳をとっている。おそらく今年も、ブリーズが一歩引いてランを使うものとみられるが、3年目の正直といくかどうか。

ペイトリオッツはさすがに今年は戦力ダウンしているし、ブレイディも42歳。40歳のパッキャオががんばっているのだから可能性がないということはないが、一番人気は買われ過ぎだろう。

コルツとチャージャースは人気ほど勝てないような気がする。ベアーズは引き続きディフェンスでゲームを作るけれども、昨年よりもスケジュールがきついのがどう響くか。

SUPERBOWL LIVオッズ下位22チーム(7/15現在)
21.0 ダラス・カウボーイズ、△ミネソタ・ヴァイキングス
29.0 ▲ピッッバーグ・スティーラーズ、△シアトル・シーホークス、サンフランシスコ・49ナース
34.0 ヒューストン・テキサンズ、ボルティモア・レイヴンス、アトランタ・ファルコンズ
41.0 △ジャクソンビル・ジャガーズ、△キャロライナ・パンサーズ
51.0 テネシー・タイタンズ、タンパベイ・バッカニアーズ
67.0 注デンバー・ブロンコス、ニューヨーク・ジェッツ、オークランド・レイダース
81.0 ニューヨーク・ジャイアンツ、デトロイト・ライオンズ、アリゾナ・カーディナルス
101.0 バッファロー・ビルズ、ワシントン・レッドスキンズ、シンシナティ・ベンガルズ
151.0 マイアミ・ドルフィンズ

今年は上位チームの力が上と思うのでSUPERBOWLまでは分からないが、オッズ下位の中にも注目されるチームがいくつかある。

中でもスティーラーズは、チャンピオンシップあたりまで進んでおかしくない。少なくとも、開幕前オッズがブラウンズより下というのは評価が低すぎで、私は地区優勝有力とみている。昨年地区2位のため、KCとの対戦がないのも有利だ。キラービーズの2人が抜けたのは大きいものの、ブラウン、ベルなしで戦ったゲームも多い。

地区優勝まで期待できると思っているのがジャガーズ。昨年の8番人気21.0倍から大きく評価を下げたが、足を引っ張ったボートルズが替わり、昨年よりチーム力は間違いなく上。問題はフォールズがシーズン通して働けるかどうか。昨年4位のためスケジュールも楽で、巻き返しは十分可能。

地区内ライバルが強力だが、プレイオフが有望なのはシーホークスとパンサーズ。ともに、ライバルが停滞する要素もあり、地区優勝もありうる。シーホークスはディフェンスの中心選手が世代交代しているが、若手が育っておりそれほどの戦力低下はなさそう。パンサーズはニュートンが安定して動ければまだ老け込む歳ではないはずだ。

大穴で注目したいのはブロンコス。マニング以降、QBが足を引っ張って成績が伸びないが、今年はフラッコが加入した。どこまで信用できるかという懸念もあるが、オズワイラー以下の面々とは格が違う。もともとディフェンスで勝ち進んだチームであり、オフェンスがミスをしなければ復活は十分ありえる。少なくとも、NYJ、OAKと同じオッズということはないだろう。

あとはオッズと実力がほぼ見合っていると思われる。21倍のカウボーイズ、ヴァイキングスはプレイオフ圏内とは思うけれども、タイトなスケジュールがネックで、地区優勝までは厳しいか。31倍のテキサンズ、レイヴンス、ファルコンズはこのところプレイオフ常連ではあるものの、いずれも強い時に比べると戦力ダウンの印象がある。

50倍以上100倍までの各チームでは、ジェッツとカーディナルスは新戦力への期待込みのオッズ。100倍以上の各チームよりも勝てるとは思われない。逆に実力以上にオッズが大きいのはライオンズとベンガルズ。ともに地区内ライバルが強力なのがネックだが、昨年101倍で地区優勝したベアーズの例もある。ともにQBはブレイオフ水準にある。

100倍以上の常連であったブラウンズが今年は人気なので、代わってドルフィンズ、レッドスキンズが最低人気である。レッドスキンズはアレックス・スミスのケガで仕方のないところだが、ドルフィンズはオッズほど弱くはない。

タネヒルを放出したが、フィッツパトリックと昨年の全体10位ローズンというQBは魅力。昨年のドラフト上位QBは今年2年目で何人かブレイクしてもおかしくない。少なくとも3勝4勝止まりということはないのではなかろうか。

[Aug 7, 2019]


2022シーズン中盤展望

2019年のNFLシーズンもはじまって、早くも6週間が過ぎた。毎年のことながら、あっという間である。一昨年まで十数年間、週ごとに予想記事を上げていたけれども、最近オンラインカジノや広告サイトからのメールやコメントが増えたのでやめることにした。代わりに考えたのが、このシーズン途中の展望記事である。

中継は昨年からDAZNで、CSのG+やGAORAより安い上に、ラグビーやボクシングも見ることができる。画質も思ったより悪くない。stick TVを使って、大画面で毎週「レッドゾーン」を見るのが楽しみである。

そして、今年もあっという間にシーズンが進み、すでにレギュラーシーズンの3分の1が終わった。今週からここまでの各チームの戦いぶりと今後の展開予想を行ってみたい。まずはチャンピオンのいるAFCから。

暫定第1シード ニューイングランド・ペイトリッツ 6-0(Superbowlオッズ 8.0倍)[プレイオフ確率85%]

チャンピオンが堂々の暫定第1シード。グロンクが抜けた今シーズン、アントニオ・ブラウンが入ったりすぐ出たり、ゴストコウスキーの離脱でキッカー不安があるものの、危なげなく6連勝。Superbowlから引き続きディフェンスが安定している。

プレイオフ確率9割と言いたいところだが5%削ったのは、RBとエデルマンへのパスだけでオフェンスのバリエーションが足りるのかというところにあるが、心配するまでもないのかもしれない。もたもたしたジャイアンツ戦も結局大差をつけた。強敵が続くWeek11以降に照準を絞っているのだろう。

暫定第2シード ヒューストン・テキサンズ 4-2(Superbowlオッズ 34.0倍)[プレイオフ確率60%]

ペイトリオッツを追う3地区はすでに地区首位チームでも2敗している。暫定第2シードはテキサンズで、QBワトソンが非常に安定しているのは心強い。チーフス,セインツといった強力チームとの対戦がすでに終わっているので、Week7のコルツ戦を勝てばプレイオフ確率は一気に高まるだろう。

現時点では60%とやや低めの予想としたのは、ディフェンスからJ.J.ワットを除く主力が抜けたため、かつて鉄壁を誇ったディフェンスにやや不安があることだ。

暫定第3シード カンザスシティ・チーフス 4-2(Superbowlオッズ 9.0倍)[プレイオフ確率70%]

チーフスも全勝でペイトリオッツを追いかけているはずだったが、コルツ、テキサンズに不覚をとった。まだ序盤戦なので、こういうことがあっても心配するにはあたらないとは思うが、Week7のブロンコス戦を落とすとかなり暗雲が漂うかもしれない。

マホームズに昨シーズンのような爆発的キレがないように思われるものの、それでもレイティングは110点台、14TD1INTでリーディングパサー。むしろ、カリーム・ハント離脱の穴を現時点では埋め切れていないようだ。ランオフェンスが機能しないと、マホームズの負担も大きくなるのでそのあたりが課題。

暫定第4シード ボルティモア・レイヴンス 4-2(Superbowlオッズ 34.0倍)[プレイオフ確率65%]

レイヴンスが意外と堅実なゲームを続けている。ラマー・ジャクソンが開幕戦で5TDパスを投げて面目一新かと思いきや、その後はラン主体で昨シーズンと似た展開が続いている。予想通りというべきかブラウンズが伸び悩んでいるのと、ロスリスバーガーのシーズンアウトで地区内に強敵はいない。プレイオフ確率はテキサンズより上かもしれない。

暫定第5シード バッファロー・ビルズ 4-1(Superbowlオッズ 101.0倍)[プレイオフ確率50%]

Superbowlオッズ101倍のビルズが、なんとプレイオフ圏内にいる。しかも、現時点の勝率は地区首位を上回る。残り試合の相手から9勝以上あげてプレイオフに残る確率は50%が見込まれ、シーズン前の予想をくつがえす大健闘である。

ただ、よく考えてみれば一昨年にはプレイオフに進出しており当時のメンバーが残っているので、それほど不思議なことではない。オフェンスに決定力が不足しているのは致し方ないが、ディフェンスは安定している。もう一つ強調できるのは、AFCのプレイオフハードルが低くなりそうなことだ。

暫定第6シード オークランド・レイダース 3-2(Superbowlオッズ 67.0倍)[プレイオフ確率40%]

AFCの各チームは苦戦しているところが多く、現時点で勝ち越していればプレイオフ圏内である。今週ゲームのなかったレイダースが暫定第6シードに入った。

コルツ、ベアーズに勝っているので開幕前の評価ほど弱くはないということだが、だからといってチーフスに対抗しうるかというと首をひねる。Week7以降のパッカーズ、テキサンズ、ライオンズの3連戦で急ブレーキということになると、やっぱり昨シーズンと同じということになる可能性も十分ある。プレイオフ確率は40%とやや低めにみている。

In The Hunt 1ゲーム以内 インディアナポリス・コルツ 3-2(15.0倍/40%)

コルツのSuperbowlオッズ15倍はアンドリュー・ラックの引退表明前なので、現時点でここまでがんばっているのは大健闘である。Week7のテキサンズ戦が大一番で、ここを勝てれば地区首位に躍り出る。ホームゲームなので、何とかしたいところだ。

とはいえ、ジャガーズ、タイタンズ相手でも絶対有利とはいえないところが難点で、プレイオフ確率は40%程度か。QBプリセットで中盤戦以降を乗り切れるかどうか。ちょっと厳しいかもしれない。

In The Hunt 2ゲーム以内 クリーブランド・ブラウンズ 2-4(15.0倍/40%)、ジャクソンビル・ジャガース 2-4(41.0倍/30%)、デンバー・ブロンコス 2-4(67.0倍/30%)、ピッツバーグ・スティーラーズ(29.0倍/30%)、ロサンゼルス・チャージャース 2-4(17.0倍/30%)、テネシー・タイタンズ 2-4(51.0倍/30%)

2勝4敗には6チームが並ぶ。前評判の高かったブラウンズはメイフィールドが低調で、ここまで5TD11INTと先発降格クラスの出来である。ただ、ディフェンスは機能しておりチームの地力はついてきたので、巻き返しがあっておかしくない。

他の5チームは横並びでプレイオフ確率30%と評価したが、シーズン前に期待したスティーラーズやブロンコス、ジャガースが含まれている。ロスリスバーガーが離脱したスティーラーズは、ディフェンスとランオフェンスという昔のパターンに戻って楽しみが少し出てきた。ブロンコスもWeek7にチーフス戦ホームゲームがあるので、ここは注目。

On the hunt 3ゲーム以上のNYジェッツ、ドルフィンズ、ベンガルズはeliminatedに近い。もちろん可能性はゼロではないものの、現実的にはプレイオフ戦線まで浮上するのはきわめて困難であろう。



10年ほど前までは、NFCの勝率はAFCよりかなり低くて、シーホークスが勝率5割で地区優勝した年があったくらいである。ところがここ数年はNFCの方が勝率で上回るようになり、今年も半数以上のチームが勝率5割以上である。プレイオフのハードルもAFCより高くなりそうだ。Week7までの途中経過は以下のとおり。

暫定第1シード サンフランシスコ・49ナース 6-0(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 60%]

49ナーズが無傷の6連勝でNFCをリードしている。序盤戦の相手が楽だったので開幕ダッシュには驚かないが、ラムズをアウェイで圧倒したのは本物だ。ディフェンスが安定して、ランオフェンスでペースを握っている。

とはいえ、同地区のシーホークス戦2試合があり、ラムズ戦ももう一試合残っている。中盤以降にパッカーズ、セインツ、レイヴンスという3連戦もあり、急ブレーキの懸念もある。プレイオフまで進めるかどうかはまだこれから。

暫定第2シード グリーンベイ・パッカーズ 6-1(Superbowlオッズ 17.0倍)[プレイオフ確率 70%]

アーロン・ロジャースがいるので毎年人気を集めるチームなのだが、昨年・一昨年と2年続けてプレイオフを逸した。今年が去年より格段によくなったという気はしないのだが、ともかくロジャースが全開で地区首位を走っている。

すでに地区内で3勝0敗とリードしていて、地区優勝は最短距離。とはいえ地区内ライバルは強力であり、このまますんなりプレイオフとはいかないかもしれない。ロジャースがケガなくシーズンを送れることが大前提となる。

暫定第3シード ニューオーリンズ・セインツ 6-1(Superbowlオッズ 11.0倍)[プレイオフ確率 80%]

ブリーズが手術で離脱した時は今年は危ないかと思ったが、ディフェンスの健闘とブリッジウォーターで勝ち星を伸ばしている。まるで、ブレイディ出場停止時のペイトリオッツのようだ。

ブリーズ復帰後もディフェンスが引っ張れば、このまま突っ走るかもしれない。パンサーズはニュートンが離脱、地区内の残り2チームも低調なので、地区優勝の可能性は49ナース、パッカーズより大きいだろう。

暫定第4シード ダラス・カウボーイズ 4-3(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 60%]

東地区の4チームはいずれも出遅れており、カウボーイズが今週イーグルスに勝って地区首位。アウェイでもう1ゲーム残ってはいるが、残り2チームが低迷しているので地区優勝には有利となった。

イーグルス戦の完勝は見事だったものの、DAZNを見ていたらHC更迭の噂があるらしい。人気チームなので仕方ないかもしれないが、昨シーズン地区優勝で今年も有力なチームでそういう噂が立つというのは、好ましいことではない。

暫定第5シード ミネソタ・ヴァイキングス 5-2(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 60%]

5勝2敗だとAFCでは地区首位だが、NFCではワイルドカード1番手というのが厳しい。ヴァイキングスはベアーズ、パッカーズに敗れて地区優勝争いでかなり不利だが、10勝は堅そうなのでワイルドカードは有力。

カズンズのパスも徐々に調子が出てきたし、ディフェンスは相変わらず強力。Week9のKC戦にマホームズが出てこなさそうなのは恵まれた。Week16のパッカーズとの直接対決まで、差を開かれないで食いついていきたいところ。

暫定第6シード シアトル・シーホークス 5-2(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 60%]

シーホークスもヴァイキングスと同じく5勝2敗。先週のレイヴンス戦は、インターセプトとファンブルで自滅し不安を残すゲームであったが、今週からファルコンズ、バッカニアーズ戦という組み合わせには恵まれた。

すでにラムズに勝ち、49ナース戦も2戦残しているので、自力優勝のチャンスは十分。心配があるとすれば、かつてのホームゲームの圧倒的強さが影をひそめていることか。

In the hunt 1ゲーム以内 キャロライナ・パンサーズ 4-2(41.0倍、40%)、ロサンゼルス・ラムズ 4-3(9.0倍、50%)

パンサーズとラムズが1ゲーム以内。パンサーズはニュートンが離脱したのは大きなマイナス材料だが、2年目QBのカイル・アレンが健闘して4連勝。今週の49ナース戦が大一番となる。

ラムズはオフェンス変調で出遅れたが、実力的には地区上位2チームよりむしろ上であるので、バイウィークをはさんでのベンガルズ、スティーラーズ連戦で勝ち星を上乗せしたい。まだ挽回の余地は十分ある。

In the hunt 2ゲーム以内 シカゴ・ベアーズ  3-3(17.0倍、30%)、アリゾナ・カーディナルス 3-3-1(81.0倍、20%)、フィラデルフィア・イーグルス 3-4(17.0倍、40%)、デトロイト・ライオンズ 2-3-1(81.0倍、30%)

2ゲーム以内には4チーム。この中に西地区4位のカーディナルスと北地区3、4位のベアーズ、ライオンズが含まれる。ベアーズは昨シーズンの勢いがなく、イーグルスは一昨年チャンピオンの強さがみられない。むしろ健闘しているのがライオンズ、カーディナルスで、ともに強豪ぞろいの地区の中で波乱の目となるかもしれない。

イーグルスは数字的にはまだ苦しい訳ではないが、カウボーイズ戦は攻守とも元気がなかった。地区下位2チームには勝てるだろうが、まだペイトリオッツ戦、シーホークス戦を残している。Week16のカウボーイズ戦まで1ゲーム差を維持しないと逆転は難しくなる。

NFCはプレイオフのハードルが高くなりそうなので、これ以上差を付けられているNYジャイアンツ、バッカニアーズ、ファルコンズ、レッドスキンズはやや厳しい。ファルコンズは先週マット・ライアンが故障。NYジャイアンツもルーキーQBジョーンズが健闘しているものの、なかなか勝ち星が伸びない。

[Oct 23, 2019]


2022シーズン後半展望

毎年同じことを書くのは気が引けるのだが、それでも言いたくなるのはNFLを見ていると時間の経つのが早いということである。ようやくレギュラーシーズンが始まったと思ったら、すでに半分終わっている。きっと、Superbowlもすぐにやってくるだろう。その間に大晦日と正月があるが、無事に年が越せるだろうか。

暫定第1シード ニューイングランド・ペイトリオッツ 8-1(Superbowlオッズ 8.0倍、プレイオフ進出確率 90%)

Week9にレイヴンスに敗れたが、ちょうどいいところでバイウィークとなった。前回の展望でオフェンスの攻め手の少なさを指摘したが、案の定WRが手薄となり、ファルコンズからサヌーを補強した。ただ、サヌーも元来二番手・三番手WRなので、どこまで頼れるかは不透明。

レイヴンス戦でディフェンスが大量点を奪われたが、もともと鉄壁ディフェンスというチームではなく、オフェンスが取った点数以内で抑えるというチームなのでこんなものだろう。マホームズやワトソンはともかく、ウェンツやプレスコットに大量失点はしないはず。あと2勝でプレイオフ当確か。

暫定第2シード ボルティモア・レイヴンス 7-2(Superbowlオッズ 34.0倍、プレイオフ進出確率 85%)

ラマー・ジャクソンの大ブレイクで、一躍AFCの台風の目となっている。こうなるとブラウンズになぜ大敗したのか分からないが、そのブラウンズにもう一度落とさなければプレイオフはほぼ確実で、第1シードも狙える位置にある。

課題があるとすれば、オフェンスがラン主体なので大量リードされた時に手段が少ないこと。だが、ディフェンスの堅さがこのチームの売りなので、その心配は少ない。Week11以降テキサンズ、ラムズ、49ナーズ、ビルズとプレイオフ圏内のチームが続くので、ここで五分以上ならSuperbowlも視野に入る。

暫定第3シード ヒューストン・テキサンズ 6-3(Superbowlオッズ 34.0倍、プレイオフ進出確率 70%)

コルツがプリセット欠場で連敗、現状ではテキサンズが第3シードとなる。ただしレイヴンス戦とペイトリオッツ戦を残しており、このまま地区首位を突っ走る訳にはいかないようだ。

ワトソンはリーディングパサー争いにも顔を出しているくらいで、いまやゴフ、ウェンツ以上に安定しているように思える。懸念材料はJ.J.ワットのケガだが、ここ数年ほとんどフルシーズン出たことがないので、あまり影響ないかもしれない。Week12の直接対決でコルツに勝てば地区優勝かなり有力。

暫定第4シード カンザスシティ・チーフス 6-4(Superbowlオッズ 9.0倍、プレイオフ進出確率 70%)

マホームズの負傷で、Superbowl最有力から評価が下がるのはやむを得ないところ。ただ、2週欠場でマホームズが戻ってきたので、地区優勝はなんとかなりそうだ。

マホームズ欠場時は驚異的ながんばりを見せたディフェンスが、復帰後は元の木阿弥となってタイタンズ戦を落とした。マホームズも本調子まで復調していないので、これからの仕上がり具合によって評価も変わってくる。レイヴンスには一度勝っているが、プレイオフでもう一度勝つのは厳しそうだ。

暫定第5シード バッファロー・ビルズ 6-3 (Superbowlオッズ 101.0倍、プレイオフ確率50%)

地区優勝争いチーム並みの勝率で、ビルズがワイルドカード争いの首位に立っている。ドルフィンズ、ジェッツの同地区下位チームとブロンコス戦が残っているのと、ペイトリオッツのもう一戦がおそらく優勝決定後のWeek16になりそうなのも有利。

ディフェンスで止めてランで手堅く攻めるという方式は、一昨年のプレイオフ出場時とよく似ている。ただ、ここまで勝ってきた6勝の相手が、タイタンズを除いてすべて2勝以下の低迷チームという組み合わせに恵まれたことも確か。

問題はWeek13以降のカウボーイズ、レイヴンス、スティーラーズ3連戦で、いずれもプレイオフ圏内チームで3連敗もありうる。そうなるとプレイオフには1つも落とせないということになるので、確率的には半々以上にはならないとみるのが妥当。

暫定第6シード ピッツバーグ・スティーラーズ 5-4 (Superbowlオッズ 29.0倍、プレイオフ確率45%)

ベルとブラウンを放出、開幕直後にロスリスバーガーがシーズンアウトとなったスティーラーズが、さすがの地力を発揮してプレイオフ圏内に上昇してきた。オフェンスは頼りないがディフェンスでゲームを作っていて、ロスリスバーガー以前のチームのようだ。

とはいえ、レイヴンスは当たるべからざる勢いで、現状の2ゲーム差と直接対決1敗からみて地区優勝は非常に厳しい。あとはワイルドカードだが、レイヴンス戦のアウェイとビルズ戦を残している。Week11と13のブラウンズ戦はMust Win だ。

In the hunt 1ゲーム以内 オークランド・レイダース 5-4(67.0倍/45%)、インディアナポリス・コルツ 5-4(15.0倍/45%)、テネシー・タイタンズ 5-5(51.0倍/30%)、ジャクソンビル・ジャガース 4-5(41.0倍/25%)

暫定第6シードのスティーラーズにゲーム差なしで2チーム、1ゲーム差以内で2チームが追っている。この中でコルツ、タイタンズ、ジャガースは南地区なので、つぶし合うのか星が偏るのかによって今後の展開が変わってくる。

残り試合の相手に恵まれたのはレイダースで、Week11にベンガルズ、Week12にジェッツと低迷チームとの対戦である。まずここを取りこぼさないことだ。ルーキーRBジェイコブスが活躍して、QBカーの負担が軽くなってきている。Week13チーフス戦が大一番。

南地区3チームはWeek11から13に総当たりとなる。コルツはプリセットが戻らないと厳しい。タイタンズはチーフスに勝った1勝が大きく、タネヒルに大崩れがないのが魅力。一気の連勝があるとすればジャガースで、ミンシューが予想以上の活躍でフォールズの復帰も近い。

In the hunt 2ゲーム以内 ロサンゼルス・チャージャース 4-6(17.0倍/20%)、デンバー・ブロンコス 3-6(67.0倍/10%)、クリーブランド・ブラウンズ 3-6(15.0倍/15%)

これらのチームはもう1敗もできない状況でたいへん苦しい。まさに今週、チャージャースはチーフス、プロンコスはヴァイキングス、ブラウンズはスティーラーズという厳しいゲームが待っている。それを乗り切ったとしても、プレイオフ圏内チームとの対戦が多く残っているので、首の皮一枚という評価だろうか。

チャージャースは昨年ほどの勢いがなく、ブラウンズは開幕前の評価ほど強くなかった。ブロンコスはフラッコが期待外れだったのが最も大きな要因だが、エルウェイのチーム作りに欠けている点があるように思える。



レギュラーシーズンも残すところあと6週。NFCはAFCよりもプレイオフのハードルが高く、ワイルドカードのチームが東地区優勝チームの勝率を上回ることも十分ありうる情勢である。

9年前の2010年シーズン、西地区で優勝したシーホークスが7勝9敗、ワイルドカードに届かなかったジャイアンツとバッカニアーズが10勝6敗というシーズンがあったが、そういうことになるのだろうか。その時は、プレイオフ方式の変更が検討されたものだが。

暫定第1シード サンフランシスコ・49ナース 9-1(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 80%]

引き続き49ナーズがNFCをリードしている。だが、シーホークス戦、カーディナルス戦のミスが多すぎる内容はいただけない。特にガロポロはインターセプトが続出したが、もっとあっておかしくない出来だった。これでは、ロジャースやブリーズに対抗することは難しい。 今週から、パッカーズ、セインツ、レイヴンスという3連戦がある。残りゲームで、カーディナルスより楽に勝てる相手はいない。これからまだまだ、ひと山ふた山ありそうである。

暫定第2シード グリーンベイ・パッカーズ 8-2(Superbowlオッズ 17.0倍)[プレイオフ確率 85%]

バッカーズは引き続き順調。今週49ナースとの大一番、その後ジャイアンツ、レッドスキンズと続くので、10勝まで伸ばすのはほぼ確実。地区優勝は同地区対決の結果如何だが、プレイオフ確率は49ナースより高そうだ。

ロジャースは久々に絶好調だが、WR、RB陣にそこまで強調材料はなく、ディフェンスに至ってはファルコンズと喪失ヤード数がたいして変わらない。とはいえ、一発勝負になるとロジャースのスーパープレイが出るので、Superbowlの有力候補であることは確か。

暫定第3シード ニューオーリンズ・セインツ 8-2(Superbowlオッズ 11.0倍)[プレイオフ確率 85%]

1勝7敗だったファルコンズにホームで完敗したが、マット・ライアンとフリオ・ジョーンズが戻ってきたファルコンズが強かった。ファルコンズはパンサーズも相手にせず連勝。7敗もしていなければプレイオフに絡んでおかしくなかった。パンサーズの負けで、地区優勝はほぼ確実となった。

ブリーズが年齢的なものか、数年前のような破壊力がなくなってきたけれども、ディフェンスがリーグ上位でがんばっている。あとは、2シーズン続いたプレイオフの不運な負け方が後を引かないかどうか。2度あることは3度あるともいう。

暫定第4シード ダラス・カウボーイズ 6-4(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 60%]

カウボーイズが引き続き東地区首位。とはいえイーグルスとは1ゲーム差で、直接対決がもう1ゲーム残っているので情勢はまだ楽観できない。

プレスコットは安定してきたものの、エリオットのランがそれほど圧倒的ではなくなってきた。ディフェンスのケガ人がいまのところ少ないので昨シーズンより安心して見ていられるが、さてどうなるか。

暫定第5シード シアトル・シーホークス 8-2(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 85%]

シーホークスが西地区首位に1ゲーム差の8勝2敗。今後、49ナースのスケジュールがたいへん厳しいので、途中経過で逆転する可能性はかなり高い。49ナース、ラムズに1勝しているので、タイブレイクでも有利だ。

とはいえシーホークスの相手も、イーグルス、ヴァイキングス、ラムズと難敵が続く。特に今週の@フィラデルフィアは、苦手としている東海岸冬場のゲームだ。絶好調ラッセル・ウィルソンの活躍に期待。

暫定第6シード ミネソタ・ヴァイキングス 8-3(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 80%]

ヴァイキングスが8勝まで星を伸ばして、プレイオフ目前。残す同地区対決がすべてホームゲームで、ベアーズ、ライオンズの調子が下向きという有利な要因もあるが、スケジュール的にはパッカーズの方がもっと有利なので、逆転地区優勝まではどうか。

ブロンコス戦の大逆転を見ているとカズンズのパスも調子が出てきたし、ディフェンスは相変わらず強力。ただ、WRシーレンが戻ってこないと、プレイオフで上位チームと戦うにはちょっと足りないかもしれない。

In the hunt 2ゲーム以内 ロサンゼルス・ラムズ 6-4(9.0倍、50%)

ヴァイキングスから1.5ゲーム差でラムズが追っている。同地区ライバルが強力だが、逆に言うと直接対決が残っているので、まだチャンスは残されている。

ゴフもガーリーも昨シーズンの出来になく、ドナルド、マシューズなどディフェンスが頼り。ウェイド・フィリップスは49ナース、シーホークス対策をとってくるはずだが、オフェンスで点が取れないと苦しい戦いになる。

In the hunt 3ゲーム以内 キャロライナ・パンサーズ 5-5(41.0倍、30%)、フィラデルフィア・イーグルス 5-5(17.0倍、40%)

ベアーズ、カーディナルス、ライオンズが脱落して残るは2チーム。 パンサーズはファルコンズ戦が痛かったが、前の週にセインツも負けているので条件は一緒。シーホークス戦も残しているが、今週のセインツ戦を落とすとたいへん苦しい。QBアレンではやはり難しかったようで、ニュートンが戻れないようだと今シーズンはギブアップか。

イーグルスは1勝でもタイブレイクでもカウボーイズを上回ればよく、まだまだ可能性がある。今週のシーホークスとWeek16の直接対決を除けば、レッドスキンズ2戦とジャイアンツ、ドルフィンズと相手が楽。少なくとも直接対決まで望みをつなぎたい。

[Nov 19, 2019]


2022シーズン終盤展望

先週DAZNのサンクスギビングゲームの中継を見ていたのだが、セインツatアトランタで、とうとう最初から最後まで「これを勝てば地区優勝」という話をしなかった。現地テロップには"3rd concecutive NFC South"と出ているのに。

DAZNはほとんどの重要ゲームを中継してくれて大変ありがたいのだけれど、有馬さん以外なら現地音声のまま流してほしいと思う。音声切り替えできないのに、NFLやアメフトにあまり詳しくない人の実況を聞くのは苦痛である。

Week13まで終わって、AFC東・北・西地区はほぼ大勢が決した。混戦となっているのは南地区だが、Week17までもつれ込むかどうかはタイタンズの出来次第。タイタンズが踏ん張れば、Week17のナイトゲーム"Win or Go Home"はタイタンズ@ヒューストンになる。

暫定第1シード ボルティモア・レイヴンス 10-2(Superbowlオッズ 34.0倍、プレイオフ進出確率 95%)

いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで、何しろオフェンスのスピード感が尋常でない。ラマー・ジャクソンはヴィックのラン記録に迫り、今後数十年語り草になるような活躍である。Superbowlも現実味を帯びてきた。

49ナース戦ではパスが通らず走ればファンブルで苦戦したが、それでも勝つところが強い。Week16でブラウンズに借りを返さなければならないが、Homefield Advantageは確実。Divisional Roundはチーフスかテキサンズ。チーフスが出てくればWeek3の借りを返す戦いになる。

暫定第2シード ニューイングランド・ペイトリオッツ 10-2(Superbowlオッズ 8.0倍、プレイオフ進出確率 95%)

10勝2敗の成績だけみれば常勝軍団の面目躍如だが、戦い方には翳りが出ている。以前の展望で触れたようにターゲットがエデルマンとRBだけでは引き出しが少なすぎる。ベンガルズ、ドルフィンズが残っているので連続地区優勝は逃さないだろうが、そろそろブレイディ以降のチームを考える時期に来ている。

ゴストコウスキーのケガでキッカーに不安があるのも、戦術が限定される一因。長い距離で4thダウンギャンプルしなければならないようでは、ここ一番で影響が出るかもしれない。

暫定第3シード ヒューストン・テキサンズ 8-4(Superbowlオッズ 34.0倍、プレイオフ進出確率 85%)

テキサンズはチーフスとの直接対決で勝っているので、同じ星の場合は上位に来る。ただし、地区優勝争いのタイタンズと2戦残っているので、進出確率はチーフスよりやや低いとみる。

レイヴンス戦で粉砕されたようにディフェンスにはやや懸念があるので、ワトソンとホプキンスに頼る部分がどうしても大きくなる。勢いに乗っていればそのままだが、昨年プレイオフのコルツ戦のようなこともあり、波が大きすぎるのが難点。デンバー、タンパ戦を確実に取れば、プレイオフには残れそうだ。

暫定第4シード カンザスシティ・チーフス 8-4(Superbowlオッズ 9.0倍、プレイオフ進出確率 90%)

地区2位のレイダースに連勝したので、地区優勝が濃厚になった。ただ、今週のペイトリオッツ戦に勝ってもまだ1ゲーム差あるため、First Round Byeは難しい。いずれにしてもプレイオフでもう一度レイヴンスと当たる可能性大。

マホームズがヒザのケガで休んで以来、パスの精度が落ちたように思うのは気のせいだろうか。今シーズンレイヴンスに勝っているのはブラウンズとチーフスだけで、現状レイヴンスを止められるのはチーフスだけだろう。

暫定第5シード バッファロー・ビルズ 9-3 (Superbowlオッズ 101.0倍、プレイオフ確率80%)

ビルズが連勝し、9勝ラインに達した。残り全敗でもタイブレイクには持ち込めそうだが、あと1勝でプレイオフを確実にしたい。今週の相手はレイヴンス、若手QB同士のフレッシュな戦いだ。現状では少し足りないかもしれないが、どこまで食い下がれるか。

若手のオフェンス陣がスピード感ある攻撃を繰り出すところは魅力的で、レイヴンスに共通するところがある。ベテランのゴア+若いシングレタリーのRB陣と、ディフェンスの踏ん張りでプレイオフ1勝をめざしたい。

暫定第6シード ピッツバーグ・スティーラーズ 7-5(Superbowlオッズ 29.0倍、プレイオフ確率35%)

開幕週にロスリスバーガーがシーズンアウトとなり、ルドルフも使えずホッジスがQBを勤めるスティーラーズがこのままいけばワイルドカードというのには正直驚く。現状では残りどの試合も絶対有利とはいえず、この順位を守れる確率は3分の1。

ただ、これを機会に2000年に入ってからしばらく続いてきたビッグ・ベンの時代から、スムーズに世代交代が図れればしめたものである。ディフェンスが堅くランで勝負するのは古くからのチームカラーであり、きっちり準備できれば来年は楽しみである。

In the hunt 1ゲーム以内 テネシー・タイタンズ 7-5(51.0倍、40%)、オークランド・レイダース 6-6(67.0倍/30%)、インディアナポリス・コルツ 6-6(15.0倍/30%)

タイタンズが0ゲーム差で、レイダースとコルツが1ゲーム差でワイルドカードを狙う。今週、タイタンズ@オークランドがあり、負けた方は厳しくなる。

タイタンズは残り4試合いずれもきつい相手だが、4連勝すれば地区優勝である。マリオタを下げてQBをタネヒルにしてからオフェンスが安定したが、これはシーズン前から予想されたことであった。毎試合"Win or Go Home"状態だが、その分チャンスもある。

レイダースはジェッツに大敗したのがどうにも痛かった。タイタンズ戦を乗り切れば後は負け越しの相手だが、同地区のアウェイなのでジェッツ戦の二の舞になるおそれがある。伝統的に反則で自滅するチームで、このところそういう試合が多い。

コルツはここぞという時にブリセットが欠場したりT.Y.ヒルトンが欠場したりする。残り4試合のうち3試合がNFC南地区相手で、ライバルを直接倒す機会がないところがつらい。

In the hunt 2ゲーム以内 クリーブランド・ブラウンズ 5-7(15.0倍/20%)

数字的にはプレイオフの目が残されてチームはあるが、現実的に可能性があるのはブラウンズまでだろう。ブラウンズはビルズに勝っているので、全勝すれば第5シードまで可能性がある。 シーズン前には躍進が期待されたが、メイフィールドがぱっとせず、ギャレットも無期出場停止になってしまった。同地区のレイヴンスは来年以降も強そうだし、スティーラーズも世代交代が進めば、再び長期低迷になりかねない。ただ、優勝決定しているだろうWeek16のレイヴンス戦を除けば、負ける相手ではない。 パンサーズのロン・リベラHCがシーズン途中にもかかわらず解任された。昨シーズンはパッカーズのマッカーシーHCが同じ目に遭ったので驚くことではないが、数字上はプレイオフの可能性が残っているのに、きびしいことである。

成績が上がらないのはニュートンのケガが大きな原因になっているので、ちょっと気の毒なような気がするが、あるいはニュートン後を見据えているのかもしれない。とはいえ、ノーブ・ターナーがアシスタントHC格になるようでは、あまり期待できないような気もする。



Week14が終わって残すところあと3週。NFCはハイレベルの争いが続いており、プレイオフに残る面々は見えてきたけれども、その中でどこが第一シードになるのか、ワイルドカードになるのか、はっきりしない。東地区優勝より勝率が上なのにプレイオフに残れないチームがでる可能性だけは、大きくなりつつある。

暫定第1シード サンフランシスコ・49ナース 11-2(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 95%]

いったんシーホークスに並ばれたが、再びリードして暫定第1シードを確保した。今週ファルコンズに勝つと、プレイオフ以上が確定する。その後はラムズ、シーホークスと続く地区優勝争いになるので、その前に決めておきたい。

序盤戦は相手が弱いだけと思っていたが、レイヴンスと接戦し、セインツを破った強さは本物。個人的にはガロポロは今一つ信頼できないが、ディフェンスが堅くランオフェンスが安定しているのが強み。あとは大一番で、普段の力が出せるのかということだけ。

暫定第2シード グリーンベイ・パッカーズ 10-3(Superbowlオッズ 17.0倍)[プレイオフ確率 95%]

今週ベアーズ、来週ヴァイキングスと続く同地区対決が正念場。連勝で地区優勝とFirst Round Byeを確実にしたいが、連敗するとワイルドカードも厳しくなる可能性がある。

先週のレッドスキンズ戦もそうだったが、ロジャースがいるから圧倒的に強いかというとそうでもない。よく考えるとイーグルスやチャージャースに敗れているので、それほど強いゲームをしてきた訳ではない。Superbowlまで進みそうな雰囲気はあまり感じられない。

暫定第3シード ニューオーリンズ・セインツ 10-3(Superbowlオッズ 11.0倍)[プレイオフ決定]

地区ライバルが伸びなかったので早々に地区優勝を決めたセインツだが、49ナースに競り負けてFirst Round Bye圏内から外れてしまった。星一つの差なのでまだチャンスは十分あるが、昨年、一昨年とプレイオフで運がなかったので、今年もちょっと心配。

残り試合はコルツ、タイタンズ、パンサーズなので3連勝が期待されるが、先行する2チーム次第では3連勝しても第3シードの可能性がある。ブリーズは調子が出てきたが今度はカマラが今一つなのと、ディフェンスがよかったりよくなかったり。

暫定第4シード ダラス・カウボーイズ 6-7(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 60%]

カウボーイズが3連敗で負け越したが、それでも地区首位である。10年ほど前にシーホークスが7勝9敗で西地区優勝したことがあったが、同様の結末が現実味を帯びてきた。当時は、プレイオフ方式の見直しが検討された。

地区優勝争いをしているチームのHC更迭論がかまびすしいのはよくないと前回書いたが、その騒ぎも大きくなる一方である。私が思うに、Superbowlに進めないのはギャレットHCのせいではなく、プレスコット、エリオット以降の若手が伸びていないからだ。

暫定第5シード シアトル・シーホークス 10-3(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 95%]

いったん地区首位に浮上したが、ラムズに敗れて暫定第5シードに後退した。ただ、ここでパンサーズ、カーディナルスと続くスケジュールはたいへん恵まれていて、ワイルドカードはほぼ確実だろう。

1ゲーム差を維持すればWeek17の49ナース戦は勝ったチームが地区優勝、負けてもワイルドカードということになりそうだ。"Win or Go Home"にはならないが、ナイトゲームの最有力候補。

暫定第6シード ミネソタ・ヴァイキングス 9-4(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 80%]

ヴァイキングスが星を伸ばして、暫定第6シード。とはいえ、Week16、17の同地区対決はどう転ぶか分からないので、Week15のチャージャース戦はMust Win。もしここを落とすようだと、ラムズ、ベアーズとのワイルドカード争いは混沌としてくる。

ここまでNFCのプレイオフ争いがハイレベルだと、序盤早々にパッカーズ、ベアーズに落とした同地区対決の2敗はたいへん大きかった。かつてのような圧倒的なディフェンスがみられないので、カズンスとレシーバー陣に頼るところが大きい。

In the hunt  ロサンゼルス・ラムズ 8-5(9.0倍、25%)、シカゴ・ベアーズ 7-6(17.0倍、10%)、フィラデルフィア・イーグルス 6-7(17.0倍、40%)

プレイオフに滑り込む可能性のあるチームは3チームに限られた。ラムズとベアーズはワイルドカード、イーグルスは東地区優勝の可能性がある。

ラムズはエンジンがかかるのが遅かった。シーホークス戦は攻守に隙がなく、なぜレイヴンスにあれだけやられたか分からなかった。現時点で自力プレイオフはなく、全勝しても上位チームが負けないとシーズンエンドとなる。

ベアーズは3連勝で再浮上してきたが、残り3試合がパッカーズ、チーフス、ヴァイキングスである。2つ勝ってヴァイキングスが足踏みすればWeek17に"Win or Go Home"の可能性がなくはないが、1つでも負ければアウト。状況はきわめて厳しい。

イーグルスは残す3戦がすべて同地区。ということはすべて負け越しチームということで、スケジュール的にはきわめて楽である。ともあれ、カウボーイズに勝たないと何も始まらない。今度の直接対決はホームゲームでWeek16だ。

[Dec 10, 2019]


WILDCARD WEEKEND

Week17のナイトゲームは、SF@SEAのN西地区優勝決定戦。前半はシーホークスが勝てそうにないゲームだったが、最後は接戦になった。インチ届かなかったけれども、ビーストのTDもあり面白かった。最後まで決まらなかったAFCの残り1枠は、テキサンズの主力温存に助けられたタイタンズが確保して、2シーズンぶりのプレイオフ登場を果たした。

さて、今週からいよいよプレイオフ。ワイルドカードは今年から日程が変わって、土曜日にAFC、日曜日にNFCが行われる。

Saturday Evening
  バッファロー・ビルズ(ワイルドカード)
Oヒューストン・テキサンズ(南地区優勝) -2.5

ともにプレイオフは決定してFirst Round Byeがなかったので。先週は主力を温存した。昨年の対戦はテキサンズが、'15シーズンはビルズが勝っている。ワトソンは'17ドラフト、アレンは'18ドラフトと、ともに若いQBの対決である。

テキサンズは2011年からの9年間で6度目の地区優勝。2000年代のコルツに代わって南地区の盟主の座を確立しつつあるが、プレイオフでの実績がほとんどないのが悩み。ワトソンになって初白星を目指す。-2.5のオッズは恵まれた。

ビルズは久々にプレイオフ登場した一昨年と同様ディフェンスが堅い。Week14にレイヴンスに24点しか与えなかったが、Week9以降でラマール・ジャクソンを30点未満に押さえたのは49ナースとビルズだけ。ただ、21点以上取られると厳しいだろう。

Saturday Night
  テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oニューイングランド・ペイトリオッツ(東地区優勝) -5.5

昨年のレギュラーシーズンはタイタンズが、一昨年プレイオフではペイトリオッツが勝っている。元コーチングスタッフとの対決は珍しくもないが、元所属選手がHCになって対決するというのも、ベリチックの時代がそれだけ長いということだろう。

ドルフィンズにゲーム・ウイニングTDを決められて第3シードに転落したペイトリオッツだが、残念ながらいまのチーム力からすると仕方がない。シーズン初めの展望で、エデルマンとRBしかパスを投げられる相手がいないと書いたが、事態は改善していない。

とはいえ、タイタンズも強調できない。今シーズン9勝のうち、勝率5割以上だったのはチーフスとテキサンズだけ。チーフスはマホームズが休み明けで、先週のテキサンズは主力を温存している。順当にいけばペイトリオッツだろう。

タイタンズの突破口としては、リーディングラッシャーとなったデリック・ヘンリーが大爆発するしかない。ペイトリオッツのオフェンスにかつてのような決定力がないので、ロースコアでランを生かせるゲーム展開に持ち込みたい。

Sunday Afternoon
  ミネソタ・ヴァイキングス(ワイルドカード)
Oニューオーリンズ・セインツ(南地区優勝) -7.5

49ナース、パッカーズと同じ13勝ながら、カンファレンス内の勝率で下回るセインツが第3シードになった。ファルコンズに負けた一戦が効いてしまった。

とはいえ、史上最多TD記録を更新したブリーズの勢いは年齢を感じさせないもので、序盤戦の欠場がかえってよかったのではないかと思うほどである。カマラも徐々に調子を戻しつつあるので、オッズどおり圧勝を期待したい。

ヴァイキングスはホームで連敗してレギュラーシーズンを終えた。主力を温存したWeek17はともかく、1stダウン7回のWeek16はひどかった。プライムタイムに全く勝てないカズンズは頼れない。ディフェンスのビッグプレイが連発できないと厳しい。

Sunday Evening
  シアトル・シーホークス(ワイルドカード) -1.5
Oフィラデルフィア・イーグルス(東地区優勝)

Week12の対戦では、同じイーグルスホームでシーホークスが17-9で勝っている。しかし、季節が進んで真冬となり、イーグルスが4連勝中でシーホークスが2連敗中である。Underdogのイーグルスを狙いたい。

イーグルスが苦戦したのは、ウェンツがいま一つだったのと、RB陣に精彩がなかったのが大きな要因である。シーズン終盤にはレッドスキンズ、ジャイアンツに苦戦したがとにかく勝ち、一発勝負ともなれば分からない。

先週のシーホークスは惜しかったが、仮にあのインチが届いていたとしても第3シードで、今週も出なければならなかった。問題は苦手である冬場の東海岸で、このオッズは見込まれすぎ。

レイダースのサヨナライベントに出ていたリンチと先週契約したのに、いきなりダイビングTDを決めたのは盛り上がった。最後はあと数インチまで迫ったのだから、ケガ人続出で戦力不足と決めつけることはできない。

[Jan 2, 2020]


DIVISIOAL PLAYOFF

先週のWildcard Weekendはワイルドカード勢が大爆発、OTで辛くも逆転したテキサンズ以外はすべてホームチームがお帰りとなった。

第6シードが勝つと次に当たるのは第1シードで、ここを抜けるのは容易でない。記憶に残るのは2005年シーズンのスティーラーズで、大本命コルツを破ってSuperbowlまで制覇したが、その時はロスリスバーガーがいて、ポラマルがいて、ジェローム・ベティスもいた。今年のタイタンズとヴァイキングスにそこまでの仕事ができるかどうか。ちょっと難しいかもしれない。

大ベテランのブレイディとブリーズがともに敗れた。インターセプトとファンブルロストのブリーズはミス負けたが、ブレイディはシーズン中からの課題がとうとう解決されなかった。シーズン後に引退が話題となるかもしれない。

NFC Saturday
  ミネソタ・ヴァイキングス(ワイルドカード)
Oサンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7.5

ヴァイキングスはレギュラーシーズン最後の2戦を捨てただけあって、万全の準備でプレイオフに臨んだ好ゲームだった。とはいえ、こういうケースでは連勝が難しいことも確かである。'18シーズンに24-16でヴァイキングスが勝っているが、あまり参考にならないだろう。

49ナースのランディフェンスはセインツとは一味違うので、ワイルドカードのようにランは出せないだろう。また、ボサを始めとするパスラッシュもきびしいので、カズンズが突破口を切り開くのも難しい。

ブリーズを苦しめたパスラッシュはジミーGにも有効と思われるが、RBはモスタート、コールマン、ブリーダを使い分けるので、カマラ一人のセインツのように押さえられるとは限らない。

ワイルドカードと同様、ディフェンスのビッグプレイが望みの綱だが、49ナースも同様にディフェンスが強いのでビッグプレイがあるのはお互い様である。

AFC Saturday
  テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oボルティモア・レイヴンス(北地区優勝) -9.5

タイタンズは後半ブレイディを完全に押さえ込んで無失点だが、最後のインターセプトリターンTDは余計だった(その場でダウンしてゲームセットにするのが本当)。'17シーズンにタイタンズが23-20で勝っているが、ジャクソン加入前なので全く参考にならない。

オールプロ選出、MVPも濃厚なラマール・ジャクソンに懸念があるとすれば、昨年いいところがなかったプレイオフの舞台で普段通りのゲームができるかどうかということだけ。パスには紛れはあるが、ランに紛れはないので、イングラムともどもランでゲームを支配したい。

タイタンズはタネヒルがプレイオフ初登場初勝利をあげたが、勝利の立役者は182ヤード走ったデレク・ヘンリー。シーズン中はランディフェンスがよかったペイトリオッツが全く止めることができなかった。ヘンリーがレイブンス・ディフェンスを崩せば面白くなる。

ヘンリーとマリオタのタイタンズ、ジャクソン、イングラム、RGⅢのレイヴンスとハイズマントロフィーが集結する対決だが、人数が多い分レイヴンスに分がありそうだ。

AFC Sunday
  ヒューストン・テキサンズ(南地区優勝)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -9.5

Week6のアローヘッドスタジアムでは、31-24でテキサンズが勝っている。その結果からみるとチーフスに-9.5のオッズは見込まれすぎのような気がするが、秋口と冬場では違う。テキサンズは気候にも苦しめられそうだ。

テキサンズはビルズに16点先行された。とても追いつけそうな展開ではなかったが、第3Q後半になってようやくワトソンに調子が出て、ホプキンスへのマークが甘くなったこともあってオーバータイムで競り勝った。

とはいえ、第4Qラスト2ミニッツ、4thダウンギャンブルしたのはプレイオフの戦い方ではなかった。あの場面はFGか、難しいと思えばパントすべきところで、本来OT以前に逃げ切れたゲームである。オブライエンの采配に疑問が残るところである。

チーフスは今期のレイヴンスに勝っている数少ないチームなので、ここを確実に勝ってチャンピオンシップに臨みたい。マホームズは寒さには慣れているので、ワトソンよりは影響は少ないと思われる。昔、マニングがジレット・スタジアムで苦しんだゲームのようになるのではないか。

NFC Sunday
  シアトル・シーホークス(ワイルドカード)
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝) -3.5

'17にはグリーンベイが、'18にはシアトルが勝っている。今シーズンは対戦がなく、プレイオフで初めてぶつかることになる。

シーホークスのワイルドカードはFavoriteだったが、ウェンツが前半で退場したのも大きく、その割にマッカウンにたびたび長いパスを決められるなど、安心して見ていられるゲームではなかった。(ちなみに、ウェンツ負傷はケガをさせるようなペターソンHCのコールも影響している。一昨年プレイオフに出られなかったのも、そういうブレイをコールしたからである)

カーソン負傷離脱の影響はたいへん大きく、リンチは復帰したものの何十回もボールを持たせる訳にはいかないので、それだけウィルソンの負担が大きくなる。プラス面はメトカーフがブレークしたことで、マークをきつくすればロケットが空く。

パッカーズは13勝で第2シードを確保したが、チャージャース、イーグルスに敗れるなど盤石ではない。地の利とシーホークスのRB難でパッカーズを推すけれど、今週はこのゲームが最も波乱含み。ベテランQBが苦しんでいる流れの中で、ロジャースが踏ん張れるか。

[Comment from Saitohさん]

TAIPAさん、明けましておめでとうございます。
今年もブログ読ませていただきたまにコメントさせて頂きます。

先週の私の予想は2勝2敗でした。
シーホークス以外が上位陣が手厚いと思ったのですが
プレーオフに滑り込んだタイタンズ相手ならべりチックが
何とかするのではないかと思ったのと
セインツはミスが多かったですね。
2QのFG失敗が最後まで響いた気がします。

NFC Saturday
ミネソタ・ヴァイキングス(ワイルドカード)
Oサンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7.5
ここは難しい、セインツ戦みたいに戦えれば-7.5のハンデは
大きいが第1シードを信用して49ナーズ載り。

AFC Saturday
テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oボルティモア・レイヴンス(北地区優勝) -9.5
今のラマージャクソンをタイタンズが止めるイメージが湧きません。
そしてあまり注目されていませんがレイヴンズのDFは強そうなのでレイヴンズ載り。

AFC Sunday
ヒューストン・テキサンズ(南地区優勝)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -9.5
week6は参考にしないものの今年のチーフスは反則が多く
ドロップも結構見られる。昨年ほど強くはないのではないか
と思っていますので-9.5のハンデに乗じてテキサンズ載り。

NFC Sunday
シアトル・シーホークス(ワイルドカード)
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝) -3.5
第2シードでありながら反則も多くドロップもよく見かける
パッカーズ。(ブリーズとのベテランQB対決が見たかったです。)
何故13勝出来たかと言えばA.ジョーンズを巧く使った攻撃と
ロジャースの勝負強さだと思います。
で、プレイオフでシーホークスが何の対策も考えないとは
思えないのでここはシーホークス載りです。
-3.5のハンデがあるように思えません。

以上、私も勝手に予想してみました。
今年もよろしくお願いします。

[Jan  8, 2020]


CONFERENCE CHAMPIONSHIP

テネシー・タイタンズがSuperbowlに最も近いと思われたレイヴンスに完勝した。MLで+300を超えるチームがUpsetを起こしたのは、2012シーズンのレイヴンスがブロンコス(+8.5/+350)、ペイトリオッツ(+9.5/+350)に勝ってSuperbowlに出た時以来。

私は、レイヴンスが負けるとしたらああいう負け方、つまりリードを奪われてジャクソンがパスを投げるしかなくなり、ドロップ、バスミス、インターセプトというのが最も可能性が大きいとみていたが、それをやるのがタイタンズというのが予想外だった(チーフスだと思っていた)。

ハーボーのプレイコールも不可解で、なぜ開始早々からパスぱかりコールしたのか、やらなくてもいい4thダウンギャンブルをしたのか、よく分からなかった。HCだけがプレイオフに慣れているので、普段通りやれば勝てるという意識が強すぎたのだろうか。

有馬さんはレギュラーシーズン中は各チームともレイヴンスに特化した対策をとらなかったためと解説していたが、この試合でもジャクソンはちゃんと走っているし投げている。パスオフェンスが分断されたのはレシーバー陣の度重なる落球のせいで、それだってランを中心にすれば避けられたかもしれない。

AFC Championship
  テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -7.5

チーフスは0-24と差をつけられた時はレイヴンスの二の舞かと思ったが、怒涛の反撃で逆に大差をつけた。きっかけとなったのはテキサンズのフェイクパント失敗で、何でプレイオフで、リードしているのに自陣深くでああいうことをするのか理解に苦しむ。

その後のチーフスの勢いからいって追いつかれた可能性は大きいとしても、勝負を第4Qまで持ち込めばディフェンスが切れることもなかっただろう。「まさかと思うだろうから成功する」などというのは勝手読みというものである。

オフェンスの決定力に差があるので、チーフスの優位は明らか。Week10にタイタンズが勝っているが、これはマホームズが休み明けという要因があった。テキサンズと同様、冬場のアローヘッドはアウェイでは戦いにくい。

チーフスはDivisionalで地獄の渕を覗いたから、ここは気を引き締めてかかるだろう。ドロップなどつまらないミスをしないことだ。先週も書いたけれど、マホームズはシーズン中盤の休みがいい方に働いているように思う。

タイタンズのDivisionalはデリック・ヘンリーの大活躍はあったものの、どちらかというとレイヴンスの自滅に近い。オフェンスもディフェンスもあれ以上のパフォーマンスを出せるとは思えないので、ヘンリーのランで食らいついていく以外に方法はない。

NFC Championship
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝)
  サンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7

グリーンベイを推すのは、ひとえに+7のハンデが大きすぎると思うからである。+3から+4、せいぜい+5とみていた。タイタンズと同じようなハンデということになると、それはちょっと付けすぎと思うのである。

確かに、Week12にランボーフィールドで、8-37で戦意喪失してロジャースを下げてしまったゲームはいただけなかったが、また同じような負け方をするようならロジャースもそろそろ終わりか、ということになる。

49ナースのDivisionalはほとんど危なげがなかった。唯一どうかと思ったのは、第2Q終盤、自陣深いところでガロポロにパスさせてインターセプトを招いたところで、ランが出ているのだからリスクを冒すところではなかった。

結局はシャーマンのINTから連続ラン攻撃でTDを奪ったところで勝負あったのだが、ガロポロとロジャースの差はやはり大きいとみる。シャナハンHCが王道のランでゲームコントロールできればいいが、妙に楽勝ムードだと足元をすくわれる怖れはありそう。

もちろん、ロジャースにかつてほどのパワーがないことも確かなので、再びじりじり差を開かれる展開になると苦しい。ただ、いかに49ナースのパスラッシュが厳しくとも、何らかの対策はとってくるはずである。MLまでは自信ないがPSなら。

[Comment from Saitohさん]

先週の私の予想は1勝3敗でした。
レイブンズの慌て方、テキサンズはドタバタ、パッカーズは
勝負強かったです。

レイブンズはレギュラーシーズン4thダウンギャンブルが8/8だったので
過信したのでしょうか?
0-14になってラマージャクソンと首脳陣が冷静さをなくしたように
感じました。
それに対して不可抗力に近いとは言え0-24になってからの
マホームズは冷静で強かったですね。

>きっかけとなったのはテキサンズのフェイクパント失敗で、何でプレイオフで、リードしているのに自陣深くでああいうことをするのか理解に苦しむ。
まさにこの通りでテキサンズ自身の攻撃力を信用すれば
あんな不可解なプレイで流れを失くす必要はなかったように感じます。

AFC Championship
テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -7.5
タイタンズはヘンリーのランに注目がいきますが
実はタネヒルの冷静さがストロングポイントになっている気がします。

>チーフスはDivisionslで地獄の渕を覗いたから、ここは気を引き締めてかかるだろう。ドロップなどつまらないミスをしないことだ。
この言葉通りでマホームズ以外のプレイヤーが普段通りプレイできれば
チーフス有利は動かないでしょう。よって私もチーフス載り。
もしチーフスに反則が多く出たら勝敗はわかりません。

NFC Championship
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝)
サンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7
ここも49ナーズ有利は動かないもののロジャースにとって残り少ない
スーパーボールへのチャンス
きっと接線になることの期待を含めて7点ハンデのパッカーズに載ります。

[Jan 15,2020]


SUPERBOWL LIV直前予想&回顧

SUPERBOWL LIV (2020/02/02、マイアミ・ハードロック・スタジアム)
Oサンフランシスコ・49ナース(NFC) +1/+100
  カンザスシティ・チーフス(AFC) -1/-120

オフェンスvsディフェンス、ランvsパス、プレイオフ逆転勝ちvsプレイオフ楽勝、60代コーチvs40代コーチなどさまざまの対抗軸が目に付く一戦、共通なのは両チームとも西地区を制覇してプレイオフをホームゲームで勝ち上がってきたということだ。

50年ぶりのSuperbowlとなるチーフスはDivisionalに続いての逆転勝ち。Divisionalはイージーなパスドロップが目立ったが、Championshipでは不用意な反則が目立った。マホームズの大活躍で逆転はしたものの、盤石という勝ち方ではなかった。

特に気になるのは、序盤でのミスが多く点差をつけられることである。これは、シーズン中からみられた傾向だが、一発勝負のプレイオフでこういう試合が続くのはいかにも不利である。

49ナースはハーボウル以来のSuperbowl。当時はQBをアレックス・スミスにするのかキャパニックにするのかという迷いがあったが、今年はガロポロのパスでいくかランで攻めるかという選択肢である。

Championshipでコールマンが負傷、2週間あるのでQuestionableだが、フル出場は難しいように思える。モスタート、ブリーダだけでも十分な破壊力があるものの、ここ2戦のようにランだけという訳にはいかないかもしれない。

ディフェンスは安定して強力であり、Championshipではパッカーズ相手にレギュラーシーズンと同じ勝ち方をした。ミスが起こるとすればガロポロのパスで、RBにもWRにも経験の浅い選手が多いので、Superbowlの舞台でどうかという不確定要因もある。

昨年マクベイがベリチックにやられたようにコーチの経験差も気になるが、アンディ・リードもスパニュオーロも、ベリチックほどのSuperbowl経験がある訳ではない(そんなHCはベリチックだけである)。Championshipをほとんどすべてランでプレイしたシャナハンなら、惑わされることもないだろう。

試合展開としては、49ナースがランで入ることはほぼ確実なので、チーフスがこれを止められるかが第一のポイント。スパニュオーロが対策を講じてくるだろうが、すべて止めきるのは難しいかもしれない。

そして、ランが押さえられたとして、49ナースのパスオフェンスをどう攻略するかという問題がある。キトル、サミュエル、経験豊富なエマニュエル・サンダースといったターゲットを、すべてカバーするのは大変である。

ただ、今シーズン49ナースが敗れた相手はラマー・ジャクソン、ラッセル・ウィルソン、マット・ライアンであり、マホームズなら49ナース以上に点を取れるのではないかという期待はある。(その観点からいうと、アーロン・ロジャースの力は落ちているということである)

そして、少し気になるのは、49ナースが時々よく分からない苦戦をすることである。Week7のレッドスキンズ戦やWeek11のカーディナルス戦がそうだし、Week17のシーホークス戦後半も突然の失速だった。

だからもしかすると、49ナースは先々週がピークで今週は下降線なのかもしれない。レギュラーシーズンも、Week12にパッカーズに大差勝ちした後、レイヴンスに負け、セインツと2点差、ファルコンズに負けと下降線に陥った例がある。

いずれにしても、49ナースが勝つとすればプレイオフの戦い方を続けてランでゲームコントロールする場合だろう。逆にチーフスが勝つとすればノーガードの点の取り合いにして、最後にボールを持っていたのがマホームズという展開が最も可能性がある。

チーフスはパスドロップを2、3回しないと調子が出ないようなので、予想としては49ナース乗り。ただ、チーフスが勝つとすればマホームズがMVPであることは、ほぼ確実だろうと思う。

[Comment from ビートルさん]

専門家たちの予想はAFC王者のチーフスに傾いていると聞きますが(6割強がチーフスを推している)、強固なディフェンスのNFC王者49ersは安定して力を発揮する可能性が高いので、私は五分五分とみています。
 ただ、どちらに勝ってほしいかというとチーフスです。まだリーグ統合前だった1970年以来50年ぶりの栄冠を勝ち取ってくれればうれしいです。また、マホームズの魔法のようなプレーは非常に魅力的であり、彼の輝く姿を見てみたいですね。
 確かにチーフスのプレーオフでの苦戦癖は心配ですが、逆に言えばどんな逆境も跳ね返せるという自信を有しているかもしれません。
 ちなみにこのカードはスーパーボウルでは初めてですが、1994年(93年度)に「もっとも対戦を熱望された組み合わせ」でした。あの時はチーフスに移っていたジョー・モンタナと、49ersで彼からエースQBの座を奪ったスティーブ・ヤングがスーパーボウルで激突する姿を見てみたいというファンが多かったものです。結局、どっちもカンファレンス決勝で負けてしまって幻になってしまったのですが。
 どちらが勝つにせよ好ゲームを期待します。双方が持ち味をしっかり発揮してほしいですね。

SUPERBOWL LIV (2019/02/01、マイアミ)
カンザスシティ・チーフス O 31-20 X サンフランシスコ・49ナース

今年のプレイオフは一方的なゲームや流れが行って帰ってという大味な試合が多かったので、モメンタムが行ったり来たりして最後までスリリングな展開が楽しめたSuperbowlだった。

ただ、個人的には、49ナースがあれだけガロポロに投げさせたのはどうだったかと思う。コールマンとモスタートのランが合計17回で76ヤード、一方でガロポロにパスを投げさせた回数が31回である。

かたや、デミアン・ウィリアムスのランが17回で104ヤード、マホームズが9回29ヤード。ラン回数はチーフスの方が多い。終盤までずっとワンポゼッション差なのに、これでは勝てない。

ゲーム序盤はチーフスを3アンドアウトに押さえた49ナースのペース。FGで先制してTDを返されたのは仕方がない。そこから仕切り直せばいいのに、ガロポロにパスを連投させてインターセプト、モメンタムはチーフスに移る。

ここをディフェンスががんばってFGに押さえ、ユースチェックをレシーバーにして追いついたあたりから、再び49ナースのペース。後半に入ってマホームズが2度のインターセプトを喫し、残り時間は12分で10点差、得意のランで時間を食いつぶすチャンスであった。

ところが、シャナハンはここでもガロポロにパスを投げさせる。3rdダウンロングならば仕方ないけれども、2ndダウンからパスを投げて失敗するから、時計も進まないしランも使えなくなる。

100ヤードも200ヤードも走るRBがいるのに彼らを使わないことで、プレイアクションでパスを通すのが得意なガロポロも良さが出なかった。逆転してブリッツをかけられた場面は、かつてブレイディがスパニュオーロにやられたSuperbowlを思い出した。

試合全般を通して、簡単なドロップや反則、キッキングミスが少なく、ディフェンスも相手の強力な攻撃を押さえて、締まった試合だったと思う。だから選手にはそれほど大舞台の影響はなく、ガロポロはもともとあのくらいのパフォーマンスである。

Superbowlの舞台でいつもと違ったのは、マホームズである。ベンチの作戦だったのかもしれないが、前半ロングパスをほとんど投げず、2度のインターセプトもQBの責任のように見えた。後半のロングパスがなければ、ヒルは一体どこにいたんだろうというゲームであった。(チーフスが勝てばマホームズがMVPというのは、予想通りだった)

そして、マホームズ以上によくなかったのは、シャナハンではないだろうか。前半2ミニッツでランの後タイムアウトをとらなかったのは(GMがタイムアウトのジェスチャーをしていたが、審判はもちろんとってくれない)、相手に弱気を見透かされた。

そして何よりも、2ポゼッション差の残り12分をランで攻めることができなかったのは、プレイオフを勝ち上がってきた原動力のランよりも、よくやっているディフェンスよりもガロポロを頼りにしたということで、私には順番が違うように思える。

第4Q最後の攻撃も、ランは最初のモスタートだけであった。タイムアウト3回あればランを交えて問題ないはずで、3ダウン10だってランで5ヤードずつ進めばファーストダウンである。

終盤まで緊迫したスリリングなゲームではあったが、49ナースが得意のランでがりがり行かなかったのはかなり消化不良であった。Championshipがピークでそこからやや下降していたという見方もあるが、私はHCの要因が大きいように感じた。

[Comment from ビートルさん]
すごい試合でした。
 第54回スーパーボウルはNFL100周年にふさわしい面白い試合になりました。試合の大半は49ersのペースで進み、このまま押し切るかと思われましたが、第4クオーターの半ばからチーフスが覚醒し一挙に3タッチダウンで大逆転という凄い展開でした。双方が持ち味を出した好ゲームだったと思います。
 それまではチーフスは攻守ともに押されており、頼みのマホームズが2回目のインターセプトを喫した時点で「勝負あり」という空気すら漂っていました。流れをひっくり返したのは残り7分程度でのサードダウン15ヤードで彼が決めたロングパスだったと思います。ここでパントとなるとそのまま押し切られた可能性が高かったことを思うと、まさに起死回生の一撃でした。また、それまで「やられっぱなし」という印象すらあったチーフス守備陣が最後の最後で奮起して49ersの攻撃を抑え込んだことも大きかったです。
 これでチーフスは旧AFL時代以来の50年ぶりの世界一。喜びもひとしおでしょう。どうやらNFLに新しい風が吹き始めたようです。あまりにも強すぎたペイトリオッツの時代が終わり、新時代の幕開けを告げるチーフスの優勝だったと思います。
 来季はもっと面白くなると期待しています。次はタイタンズやビルズなどが優勝するとよいなと思っています。

[Feb 4, 2020]

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