NFL予想記事。プログ開設当時からの連載です。Niftyの記事を保管しなかったのは残念。
SUPERBOWL LVI展望
2021シーズン中盤展望
2021シーズン後半展望
2021シーズン終盤展望
WILDCARD WEEKEND
DIVISIOAL PLAYOFF
CONFERENCE CHAMPIONSHIP
SUPERBOWL LVI直前予想&回顧
NFL予想記事目次 2021AFC星取表 2021NFC星取表 2021PLAYOFF
SUPERBOWL LVI展望
米国では、コロナ感染爆発の東京でやっているオリンピックから、ペイトン・マニングの殿堂入りセレモニーが行われたNFLに注目が移っている。当ブログも、そろそろ今シーズンに焦点を合わせなければならない。
SUPERBOWL LVI オッズ上位(2021/08/05現在)
▲カンザスシティ・チーフス 6.0
◎タンパベイ・バッカニアーズ 7.5
バッファロー・ビルズ 13.0
ロサンゼルス・ラムズ 15.0
サンフランシスコ・49ナース 15.0
Oボルティモア・レイヴンス 15.0
グリーンベイ・パッカーズ 15.0
△クリーブランド・ブラウンズ 17.0
△シアトル・シーホークス 26.0
△テネシー・タイタンズ 26.0
コロナの影響がまったくなくなった訳ではないが、昨シーズンに比べると不確定要素は少なくなっており、各チームの準備も昨年に比べると順調のようにみえる。
昨年の両カンファレンスチャンピオン、バッカニアーズとチーフスが人気を集めている。チーフスがやや上なのは、ブレイディとマホームズの年齢を比較すればやむを得ないところだろう。
とはいえ、プレイオフで全く精彩がなかったマホームズが、手術で完治するかといわれると疑問符が残るのも確かで、80%元に戻るとしても、20%の不確定要因は残る。少なくとも、フル出場できないリスクは想定すべきだろう。
そこでAFCからはレイヴンスを評価してみたい。
ラマー・ジャクソンもマホームズと同様プレイオフでケガの影響があり、プレイスタイルからみても全幅の信頼は置きづらい。ただ、昨年同時期に7.5倍のオッズだったことを考えると、15.0倍はお得。Superbowlを勝てる可能性が半分になったとは思えない。
私が本命に推すのはバッカニアーズ。昨年とほとんど同じメンバーで戦えることを考えれば評価は下げられない。今年はワイルドカードではなく、南地区優勝からプレイオフに向かうはずなので、Superbowlまで残る可能性は32チーム中もっとも高いと考える。
人気上位のオッズをみると、昨年チャンピオンシップまで残ったビルズはともかくとして、ラムズと49ナースの評価が高すぎないかと思っている。
49ナースは昨年の10.0倍からやや人気を落としたものの、それでも4番人気タイ。ジミーGがそこまで信頼できないだろうと思うのと、同ディビジョンを勝ち抜くだけでも容易ではなく、このオッズはかぶりすぎだろう。
ラムズはスタッフォード加入で評価を上げているが、ゴフと比べてそんなに優れているかというと、年齢も加味するとそんなに違わないというのが私の評価。13年目の選手に、主戦QBと1巡指名権2つというのはやりすぎのような気がする。
上位人気の中でオッズに見合った活躍が期待されるのが、ブラウンズ、シーホークスとタイタンズ。ブラウンズは、昨年久々のプレイオフであと一歩というところまでがんばった。メイフィールドはそこまで信用できないが、ガロポロよりは上だろう。
シーホークスは昨年、開幕快進撃から息切れした。ラッセル・ウィルソンとロケット、メトカーフのWR陣は強力で、懸念材料のOLも改善の気配がみえた。同地区の競争がし烈だが、26倍のオッズほど低い評価はできない。
タイタンズはデリック・ヘンリーのランが計算できるのに加え、タネヒルのターゲットにフリオ・ジョーンズが加わった。南地区で独走しかねない勢いで、オッズ以上に評価できると思っている。
SUPERBOWL LVI オッズ下位(2021/08/05現在)
31.0倍 △ダラス・カウボーイズ、ニューオーリンズ・セインツ、マイアミ・ドルフィンズ、ニューイングランド・ペイトリオッツ、ロサンゼルス・チャージャース
36.0倍 インディアナポリス・コルツ
41.0倍 △アリゾナ・カーディナルス、△ピッツバーグ・スティーラーズ、デンバー・ブロンコス、ミネソタ・ヴァイキングス
51.0倍 シカゴ・ベアーズ、ワシントン・フットボールチーム
61.0倍 アトランタ・ファルコンズ
81.0倍 キャロライナ・パンサーズ、ラスベガス・レイダース、ニューヨーク・ジャイアンツ、フィラデルフィア・イーグルス
101.0倍 シンシナティ・ベンガルズ、ジャクソンビル・ジャガース、ニューヨーク・ジェッツ
201.0倍 デトロイト・ライオンズ
251.0倍 ヒューストン・テキサンズ
オッズ下位チームの中で、少なくともプレイオフに残るだろうと思われるのはカウボーイズである。昨年はプレスコットのケガで不本意なシーズンとなってしまったが、今年はフルメンバー。開幕週にバッカニアーズと当たってしまったが、Week3あたりから相手が楽で、前半から飛ばしそうだ。
セインツが意外と人気を落とさないが、ブリーズ引退の穴はそう簡単に埋まらないとみている。同地区バッカニアーズにも昨年の借りを返されそうで、地区優勝は相当難しい。
ドルフィンズはタゴヴァイロアの期待値込みのオッズで、ビルズとは少し差がありそうだ。そして、実績あるペイトリオッツはともかく、ブロンコスがこの位置にいるのも驚きで、勝てない方のオッズがあれば賭けたいくらいである。
チャージャースのハーバートは昨年オフェンス新人王の活躍を見せたが、いまひとつ勝ち運に恵まれないのが懸念材料。同期のジョー・バロー(ベンガルズ)と比べると、WRの層が薄いのも気になる。それでも、チーフスのライバルとなるのはこのチームだろう。ブロンコスの評価は正直なところよく分からない。
40倍前後に低迷しているのが、昨年地区優勝のスティーラーズと最優秀プレー賞のカーディナルス。スティーラーズはKiller B'sが抜けてオフェンスの戦力ダウンが気になるし、同地区ライバルが強力。カーディナルスも同様に同地区で勝つのに一苦労しそうだ。ただ、この両チームはプレイオフに残って不思議はない。
以下のチームでは、Superbowlはおろかプレイオフに残れたらたいしたものである。ファルコンズはSuperbowlのときとQBライアンは変わらないが、フリオ・ジョーンズがいないで大丈夫だろうか。イーグルスも3年でここまで落ちてしまった。
逆の意味で注目したいのが、ブービー人気のライオンズとブビーメーカーのテキサンズ。ライオンズはスタッフォードのトレードで望みが消えたという評価だが、本当の課題はOLとランオフェンスにあるような気がしている。
テキサンズはワトソンのゴタゴタで仕方ないところだが、ディフェンスではまだまだ地区内で引けを取らないだろう。このオッズで快進撃したら逆に面白いし、ジェッツやジャガーズより弱いとは思えない。
[Aug 18, 2021]
2022シーズン中盤展望
毎年同じことを書いて20年近くになってしまうが、NFLを見ていると一年が本当にあっと言う間である。開幕したと思ったらWeek5まで進み、レギュラーシーズンの4分の1は終わってしまった。
昨年は無観客ないし少数の観客だったが、今年は満員のスタジアムで開催している。もちろんワクチン証明が必須なのだろうけれど、日本とはえらい差である。上半身に入れ墨を入れまくっている連中が、おとなしくワクチンを2回打つというのはすごい。
今年からプレシーズンが3ゲームに縮小、レギュラーシーズンが1試合増えた影響で、これまで以上に主力の調整が遅れ気味のように見える。オッズ上位でも出遅れているチームもあり、このままの展開で最後まで進むことはなさそうだ。
そのあたりも含んで、今週・来週は両カンファレンスの中盤戦展望をお送りしたい。まず、今週マンデーナイトのチームがなかったNFCから。([ ]内のパーセンテージは、10/11時点のCBSによるプレイオフ進出確率)
暫定第1シード アリゾナ・カーディナルス(5-0)[96.4%]
アリゾナが見事な開幕ダッシュで、高レベル混戦の西地区で首位に立っている。A.J,グリーンの参加は大きく、ホプキンスだけをマークすればよかった昨年よりオフェンスの破壊力が増している。カイラー・マリーはそれほど上出来とは思えないのだが。
ディフェンスも地味ながら堅実で、スタッフォードを抑えたゲーム、ランスの突進をエンドゾーン直前で止めたゲームなど、数字以上に堅い印象である。やたらと画面に映る99番(J.J.ワット)がいるせいだろうか。
ただし、これからの相手にブラウンズ、パッカーズがいて、地区内にも安心できる相手はいないので、どこまで首位を維持できる厳しいところもある。ホームゲームで落とさなければプレイオフには届く計算だが、昨年も惜しい所で負けている。
暫定第2シード ダラス・カウボーイズ(4-1)[84.5%]
プレスコットが復帰して、昨年とは打って変わって安定したゲームが続いている。RBエリオットも徐々に調子を上げてきて、オフェンスに関しては安心して見ていられる。加えて、ターンオーバーを量産するディフェンスも脅威で、地区優勝は相当有力。
中盤戦は他地区相手が続き、ミネソタ、デンバー、アトランタといった地区上位でないチーム相手でも簡単に勝てるとは限らない。地区内対決はWeek14以降に集中しているので、そこまで現在のゲーム差を保つことができれば、早々に地区優勝を決められそうだ。
暫定第3シード タンパベイ・バッカニアーズ(4-1)[94.1%]
ラムズにいいところなく敗れ、ペイトリオッツ戦では危ういところを拾っているが、Week5を終わって単独の地区首位に躍り出た。恐ろしいことに、このままシーズンが進めばブレイディがMVP候補になるかもしれない。
グロンクが負傷欠場しても、ブラウン、エバンス、ゴッドウィンでTDを量産できるオフェンスは破壊的。Week8のセインツ戦を通過すれば、Week14のビルズまで対戦相手は比較的楽で、地区トップを独走しそうだ。
暫定第4シード グリーンベイ・パッカーズ(4-1)[78.8%]
開幕戦でホームグラウンドの使えないセインツ相手に、ロジャースを引っ込めざるを得ない大敗をした時はどうなるかと思ったが、Week2から4連勝で地区首位に躍り出ている。ロジャースのパス成績は平凡だが、シーズン前の移籍騒ぎと関係あるのだろうか。
プレイオフには進めるだろうが、ベンガルズ戦で危なかったように安定しているとはいえそうもない。Week8から続く、カーディナルス、チーフス、シーホークス、ヴァイキングスの4連戦の結果次第では、地区内が混戦となる可能性も残っている。
暫定第5シード ロサンゼルス・ラムズ(4-1)[98.7%]
QBスタッフォードの加入でオフェンスがよくなっている。もともとディフェンスはアーロン・ドナルド中心にまとまっているので、現状地区2位ではあるがプレイオフに最も近いチームといえるかもしれない。CBSの予測でも、現時点ですでにトップである。
バッカニアーズを寄せ付けなかったのに、ホームでカーディナルスに大敗している点をどう評価すべきか迷っているが、Week6からジャイアンツ、ライオンズ、テキサンズとこれ以上望みようのない楽なスケジュールである。Week8あたりで地区首位に立っている可能性がある。
暫定第6シード シカゴ・ベアーズ(3-2)[23.1%]
3勝2敗は3チーム。この時点のタイブレイクはあまり気にする必要がないので、3チーム同条件とみてよさそうだ。ベアーズが敵地でレイダースに勝って上位に食い込んでいる。
とはいえ、カリル・マックはじめディフェンスは強力だが、QBの安定しないオフェンスはあまりあてにならない。今週グリーンベイ、来週タンパベイ、以降もSF、ピッツバーグと簡単ではない相手が続く。五分の星で付いていければ上々かもしれない。
暫定第7シード キャロライナ・パンサーズ(3-2)[50.1%]
開幕ダッシュに成功したパンサーズだが、連敗してバッカニアーズに交わされてしまった。ジェッツから移ってきたダーノルドが健闘しているもののやはり不安定で、マキャフリーがいないと途端に得点力が落ちる。
中盤戦の相手にきついところはないが、かといって楽勝できるかというと心もとない。バッカニアーズ戦が残り3週までないので食い下がれれば面白いのだが、再浮上と圏外と可能性は半々。
暫定第8シード ニューオーリンズ・セインツ(3-2)[32.7%]
パッカーズに勝って好発進したものの、ジャイアンツに金星を進呈して急ブレーキがかかってしまった。Week8のバッカニアーズ戦が地区優勝を懸けた同地区対決なのだが、現状では旗色の悪さは否めない。
バッカニアーズ以外でも、中盤戦の相手がシアトル、テネシーなど骨っぽいところで、その後にはビルズ、カウボーイズといった地区首位のチームとの顔合わせもある。このあたりで連敗しないことが重要になるだろう。
In the Hunt 1ゲーム差 ワシントン・フットボールチーム(2-3)[19.8%]、フィラデルフィア・イーグルス(2-3)[14.2%]、ミネソタ・ヴァイキングス(2-3)[24.4%]、アトランタ・ファルコンズ(2-3)[7.8%]、シアトル・シーホークス(2-3)[22.7%]、サンフランシスコ・49ナース(2-3)[47.0%]
2勝3敗の6チームはまだまだ数字的には挽回の可能性が十分残されているが、CBSの予測では49ナースこそ評価しているものの、シーホークスとヴァイキングスはかなり辛い評価で、他チームはこのまま圏外とみている。
49ナースはガロポロ、トレイ・ランスを併用すれば、ブリーズ、ヒルを使い分けたセインツのようなオフェンスが期待できたのだが、ガロポロがいつものように故障欠場してしまった。アリゾナに3ゲーム、ラムズに2ゲーム差つけられて、地区内ではもう1つも負けられない。
同地区シアトルは49ナースに1勝しているにもかかわらず評価が低いが、これはラッセル・ウィルソンの数週間の離脱を見込んだ数字と思われる。TV画面で見ると指を骨折していると思われ、復帰にはしばらくかかりそうだ。Week7のセインツ戦はジーノ・スミス対ダーノルド、ジェッツを首になったQB同士の対決となる。
意外と浮上する可能性があるのはヴァイキングスで、昨年も後半戦で連勝して勢いに乗った。ただ、中盤戦でキャロライナ、ボルチモア、LAチャージャースのアウェイ戦がある。ドームスタジアムで屋外では割引なのと、なにせカズンズが接戦に弱い。
東地区2チームはカウボーイズが止まらない限り可能性はないだろう。
2ゲーム差以上 ニューヨーク・ジャイアンツ(1-4)[6.0%]、デトロイト・ライオンズ(0-5)[<1.0%]
現状で2ゲーム差以上ついているチームは、単に開幕直後で出遅れているというよりも実力的にどうかというチームなので、まだ4分の3残っているが巻き返しは厳しい。
ジャイアンツはWeek5のカウボーイズ戦で、QBダニエル・ジョーンズ、RBバークリーというオフェンス主力を負傷させてしまった。ジョーンズは脳しんとうなので1~2週で済むだろうが、バークリーはどうなるか。いずれにしても頼みの地区内で0勝2敗なので、巻き返すのは厳しい。
ライオンズはQBがゴフに代わっても惜しい負けが続いている。ラムズに移ったスタッフォードがあれだけ活躍しているのを見ると、チームとして何かが足りないということになる。ドラフト上位でスタッフォードやメガトロン、スーを獲得しているのに、みんな移籍か引退。チーム力の底上げができなかったようだ。
今週はAFC。何といっても大本命チーフスが出遅れているのが気になる。すでにチャージャースとのホーム戦を落としているので、これ以上差を開かれるのは厳しいのに加え、チャージャースがテキサス、ミネソタ相手なのにテネシー、グリーンベイと戦わなければならない。
今週、ビルズvsタイタンズ、レイヴンスvsチャージャースのプレイオフ前哨戦があったが、東地区、南地区はこのまま首位チームが独走しそうだ。混戦となる可能性があるのは北地区と西地区。ともにハイレベルの戦いで、ワイルドカードの3チームは北と西から出るだろう。[ ]内は10/19現在のCBSによるプレイオフ進出確率。
暫定第1シード ボルティモア・レイヴンス(5-1)[98.4%]
Week5マンデーナイトのコルツ戦逆転勝利は衝撃的だった。4Q残り12分の時点で16点差、この点差で負けたことのないコルツに2TDと2点コンバージョンを決め、コルツのFG失敗で延長戦、パスを続けざまに通して22点連取で大逆転に成功した。
ああいうゲームを見ると、ラマー・ジャクソンは「持っている」と思う。ドラフト同期のメイフィールドやアレンには届かないところで、ロジャースやブレイディ、マホームズに匹敵すると言っていいかもしれない。それがMVPということなのだろう。
暫定第2シード ロサンゼルス・チャージャース(4-2)[79.0%]
チーフスの出遅れに乗じて、チャージャースが地区首位をキープ。昨年のオフェンス新人王・ハーバート、兄弟でディフェンス新人王のボサ兄を中心に攻守ともチームがまとまっている。レイヴンスには完敗したが、いいところでバイウィークが入った。
長期におよんだリヴァース、アントニオ・ゲイツのチームからスムーズに世代交代ができたようだ。中盤戦に強敵はおらず、終盤の同地区対決までリードを保ちたい。チーフス、レイダースにすでに1勝ずつしているのも大きい。
暫定第3シード テネシー・タイタンズ(4-2)[68.0%]
デリック・ヘンリーがいつもどおりの突進力を見せて指定席の地区首位である。同地区ライバルが弱すぎるので1つ2つ取りこぼしても全く問題にならず、ブレイベルHCも安心していられるだろう。ビルズ戦を勝ち切ったのも大きい。
Week8のコルツ戦に勝てばコルツ戦はスクープとなり、テキサンズとジャガーズは問題外なので、Week15あたりに地区優勝を決めそうだ。まだシーズンは長いので、早くタネヒルがフリオ・ジョーンズと息を合わせれば鬼に金棒だ。
暫定第4シード バッファロー・ビルズ(4-2)[99.9%]
NFCのラムズと同じ意味で、プレイオフ進出の可能性がもっとも高いのはビルズで、CBSもそう評価している。ジョシュ・アレンは波があるので信頼しづらいが、ディフェンスが堅いので大崩れしない。今シーズンすでに2回のシャットアウト勝ちを記録している。
今週のタイタンズ戦は、勝負にこだわれば負けなかったゲームで、あまり尾を引くことはないだろう。バイウィークの後はマイアミ、ジャガース、ジェッツと首位固めしそうなスケジュール。もう一つくらいシャットアウト勝ちがあるか。
暫定第5シード シンシナティ・ベンガルス(4-2)[44.7%]
昨シーズン怪我で途中退場を余儀なくされたジョー・バローが、2年目の今年生き生きとプレイしている。カレッジからのコンビであるWRチェイスがドラフト1巡で加入したことも心強く、Week5のパッカーズ戦は負けたとはいえあと一歩まで追い詰めた。
中盤戦はジェッツ戦を挟んで、レイヴンス、ブラウンズとの同地区対決がある。相手が強いとはいえ、地区優勝・プレイオフをめざすには避けて通れない。目指すは1990年以来31年振りのプレイオフ1勝だ。
暫定第6シード ラスベガス・レイダース(4-2)[59.6%]
せっかくロケットスタートを切ったのに連敗、グルーデンHCの差別発言による辞任も重なって中盤戦以降に暗雲が漂っている。同地区ブロンコスを下してプレイオフ圏内ではあるものの、チーフスと2戦残しておりこれからが正念場。
そのチーフス戦前のイーグルス、ジャイアンツは不振のチームとはいえ落とすと後が厳しくなる。スケジュールはシーズンが進めば進むほど厳しい。カーはロングパスが好調だが、好不調の波が大きい。
暫定第7シード ピッツバーグ・スティーラーズ(3-3)[34.5%]
3勝3敗は4チームで、いまのところスティーラーズがカンファレンス成績上位でプレイオフ圏内。中盤戦の対戦相手はブラウンズ、ベアーズ、ライオンズと調子を落としている相手で、スケジュール的には恵まれた。
T.J.ワットはじめディフェンスはいいけれど、オフェンスの新旧交代が進まない。いつの間にかロスリスバーガーの同期はみんな引退してしまった。ブラウンとベルも他チームで活躍している状態で、昨年の再現は難しそうだ。
In the Hunt 0ゲーム差 デンバー・ブロンコス(3-3)[31.3%]、カンザスシティ・チーフス(3-3)[60.7%]、クリーブランド・ブラウンズ(3-3)[34.8%]
3勝3敗のチームは、まだまだ自力でプレイオフ圏内に入ることが可能。チーフスの出遅れは気がかりだが、ぎこちなかったマホームズの動きが徐々に戻ってきているように見える。レイダース2戦は、逆転地区優勝を狙うには負けられない。
ブロンコスはチーフスに比べるとやや力が足りない。好発進したものの、相手にも恵まれた。ブラウンズはメイフィールドが依然としてしっかりしない。カーディナルス戦では前半早々ゲームをぶち壊してしまった。ギャレットがディフェンスMVPを窺う勢いで活躍しているのに、QBが足を引っ張っている。
1ゲーム差以内 ニューイングランド・ペイトリオッツ(2-4)[27.8%]、インディアナポリス・コルツ(2-4)[57.7%]
2勝4敗のチームはワイルドカードまで1ゲーム差。かつてプレイオフの常連だった両チームが、この状況というのはちょっと寂しい。
ペイトリオッツは新旧交代のさ中。ニュートンからジョーンズへのQB交代はよかったが、成績に結びつくのは来年以降だろう。コルツのウェンツは今シーズンに結果が欲しいが、やや厳しいスタート。CBSの評価が高いのは地区2位が堅いからだろうが、Wee8のタイタンズ戦を落とすとかなり難しくなる。
1.5ゲーム差以上 ニューヨーク・ジェッツ(1-4)[<1%]、マイアミ・ドルフィンズ(1-5)[2.5%]、ヒューストン・テキサンズ(1-5)[<1%]、ジャクソンビル・ジャガース(1-5)[<1%]
以下の4チームは、出遅れてしまった。タゴヴァイロアが復帰したドルフィンズにわずかに浮上のチャンスがあるが、あとの3チームは抜本的な立て直しが必要で、今シーズンどうこうという話ではなさそうだ。ジャガースとジェッツはドラフト上位でQBを指名したものの、勝ち星に結びついていない。
特にジャガースは、いまタンパベイで大活躍のフォーネットをドラフト1巡指名の後リリース。その時の下位指名にマホームズとかデショーン・ワトソン、マキャフリーがいた時点でスカウティングに問題ありだろう。テキサンズは、そのワトソンに振り回されて今期はギブアップ。今週のカーディナルス戦はホプキンスとJ.J.ワットが相手チームで、ホームゲームだったら大変だったろう。
[Oct 20, 2021]
2022シーズン後半展望
パッカーズが快調に突っ走っているが、昨年のチャンピオンであるバッカニアーズがシーズン後半以降急激に調子をあげたことを忘れてはならない。ただでさえ、今期は1週シーズンが長くなっているのだ。
今週はNFC。比較的実力差が顕著な地区が多いが、後半戦に巻き返してくるチームはあるだろうか。[ ]内はCBS算出のプレイオフ進出確率。
暫定第1シード グリーンベイ・パッカーズ(8-2)[99.5%]
アーロン・ロジャースのコロナ欠場で2敗目を喫したが、地区内で差をつけているのでほとんど問題とならなかった。
今週の@ミネソタに勝てば地区優勝はほとんど決まり。むしろ集中すべきはWeek11のラムズ戦だろう。相手のスタッフォードはランボーフィールドに慣れているし、今週のRBアーロン・ジョーンズのケガも心配だ。ここに勝てば第1シードも確実となる。
暫定第2シード アリゾナ・カーディナルス(8-2)[99.9%]
序盤の快進撃から急ブレーキがかかっているが、何とか西地区トップを確保している。とはいえ、カイラー・マリーとディアンドレ・ホプキンスが戻らないことには、展望は開けない。
デトロイト戦が残っているのでワイルドカードは何とかなりそうだが、ラムズに対抗し続けるのは厳しい。とりあえず、今週のシアトル戦が大事で、ここを敗れるとずるずる後退することもありそうだ。
暫定第3シード ダラス・カウボーイズ(7-2)[97.9%]
プレスコットが復帰して、東地区トップを独走しているものの、今年の地区内3チームはQBが安定して油断ならない相手になりつつある。デンバーに負けたようなゲームを続けていると、足元をすくわれる可能性もある。
まずは、今週からのKC、LV、セインツと続く他地区上位陣との戦いを五分以上で切り抜けることが重要だ。数字上は第1シードまで望める位置にあるが、そこまでの抜けた力はない。
暫定第4シード タンパベイ・バッカニアーズ(6-3)[94.6%]
シーミアン、ハイニキと負けそうにないQB相手に連敗したバッカニアーズ。ブレーキの大きな要因はオフェンスで、グロンク、アントニオ・ブラウンの欠場が響いている。とはいえ、もともとバッカニアーズにいたエバンス、ゴッドウィンは残っているので、ブレイディに何とかしてほしいところだ。
同地区セインツもパンサーズもQBが安定しておらず、本来なら独走しておかしくないが、キャリア20年のブレイディにいつまでも往年の活躍を期待する方が間違っているかもしれない。バイウィークは残っていないので、がまんの数週間となりそうだ。
暫定第5シード ロサンゼルス・ラムズ(7-3)[99.9%]
NFC第1シードを争うのはパッカーズとラムズで、Week12に直接対決がある。現状2位の西地区はもうすぐトップに立てるだろう。
ディフェンスにボン・ミラー、オフェンスにオデル・ベッカムJr,と大型補強を果たし、開幕前のスタッフォードと加えると当分ドラフト上位で指名できそうにない。だからこそ今年はSuperbowlまで進みたいところで、その可能性は相当高いといえるだろう。
暫定第6シード ニューオーリンズ・セインツ(5-4)[60.9%]
上位5チームはプレイオフへの進出がほぼ確実なのに対し、ワイルドカードの残り2つの椅子は混戦である。現状ではセインツが一歩リードしているが、ウィンストン欠場の影響は大きく、キャロライナ、アトランタに1敗していることで地区内も安心できる状況でない。
ブロンコスにブリッジウォーターのトレードを打診したと言われるが、向こうも地区優勝に望みがあるだけに受けてくれない。元デンバーのシーミアンとワイルドキャット要員のテイサム・ヒルではさすがにシーズンは乗り切れないかもしれない。
暫定第7シード キャロライナ・パンサーズ(5-5)[22.6%]
RBマキャフリーが戻ってきて、パンサーズが暫定第7シードに浮上してきた。呼び戻したキャム・ニュートンがどこまで使えるか定かでないが、台風の目であることは間違いなさそうだ。
今週のワシントン戦は、Superbowlに進んだときのHCロン・リベラとの対決となる。ここを敗れると対東地区4戦4敗となり、タイブレイクになった際にたいへん不利になる。
In the Hunt1ゲーム差以内 ミネソタ・ヴァイキングス(4-5)[34.9%]、アトランタ・ファルコンズ(4-5)[8.6%]、サンフランシスコ・49ナース(4-5)[32.0%]、フィラデルフィア・イーグルス(4-6)[24.4%]
4チームが、パンサーズと1ゲーム差以内でワイルドカードを争っている。2ゲーム差以内の4チームも含めて直接対決が多く残っているので、どのチームにもチャンスが残されている。
残り試合の相手とタイブレイク条件を勘案すると浮上してきそうなのはヴァイキングス。今週チャージャースに競り勝ったのが大きく、パンサーズとの直接対決に勝っている。パッカーズ2戦のうち1つでも勝ちたい。
ファルコンズは同地区内での順位が4位になりそうなのが厳しい。イーグルスは逆に、東地区で2位を確保できればチャンスがある。49ナースは、マリー抜きのアリゾナに負けたり、ラムズに楽勝したり、よく分からない。
In the Hunt 1.5ゲーム差 ワシントン・フットポールチーム(3-6)[3.7%]、ニューヨーク・ジャイアンツ(3-6)[4.0%]、シアトル・シーホークス(3-6)[10.9%]、シカゴ・ベアーズ(3-6)[<1.0%]
ワシントン以下の3勝6敗チームはキャロライナまで1.5ゲーム差。第7シードは10勝か、あるいは9勝タイブレイクの可能性もあり、これらのチームは2つ負けると崖っぷちになる。
実力的にここにいるのがおかしいのがシーホークスだが、ウィルソン骨折の影響は大きかった。まず今週のアリゾナを下せるかどうか。ワシントンも昨年の再現には、今週のキャロライナとの直接対決を何とかしないといけない。
Eliminated デトロイト・ライオンズ(0-8-1)[0.0%]
1チームだけ、まったくプレイオフの望みがないのがライオンズ。何しろ、ここまで1勝もあげていないのだから仕方がない。ということは、このチームで何勝かしていたスタッフォードはたいしたものだったということになる。前にも書いたけれど、これまでもドラフト上位で有力選手を指名してこれだから、当分浮上は難しいだろう。
パッカーズが定位置ともいえる暫定第1シードに上がってきた。Week11の@ヴァイキングスが地区優勝を、Week12のvsラムズが第1シードを争う重要なゲームとなる。
パッカーズが定位置ともいえる暫定第1シードに上がってきた。Week11の@ヴァイキングスが地区優勝を、Week12のvsラムズが第1シードを争う重要なゲームとなる。
今週はAFC。前回展望時の地区首位にいずれも急ブレーキがかかっている。
ヘンリーのいないタイタンズ、ラマー・ジャクソン体調不良のレイヴンスが勝てないのは仕方ないが、ビルズがジャガースやコルツに敗れ、チャージャースがいつものように接戦を勝てないようになったのは、潮目が変わったのを感じる。
逆に言えば、まだまだ第1シードを含めてどこが抜け出すか分からない大混戦となっている。出遅れたチャンピオン・チーフスにしても、これから巻き返すことが可能な位置にある。
暫定第1シード テネシー・タイタンズ(8-3)[96.6%]
中盤戦を怒涛の6連勝で星を伸ばしたタイタンズが暫定第1シード。とはいえ、プレイオフ前後までデリック・ヘンリー抜きでは頼りなく、ホームでテキサンズに敗れたようにタネヒルもそこまで信頼することはできない。
コルツに2勝しているので地区優勝は大丈夫だろうが、第1シードを守れるかどうかは微妙。まず今週のペイトリオッツ戦。ブレイベルHCの古巣ペイトリオッツとの対戦だが、お互いに落としたくない大きな一戦となる。
暫定第2シード ボルティモア・レイヴンス(7-3)[81.4%]
大黒柱ラマー・ジャクソンの体調不良が何とも心配。先週のベアーズ戦は辛くも逆転したが、危うく元同地区のドールトンにやられるところだった。
残りは地区内5戦とパッカーズ、ラムズで楽な相手はひとつもない。ジャクソンが万全ならともかく、そうでなければワイルドカードも危ないかもしれない。ディフェンスが改善しつつあるのだけが強調できる点か。
暫定第3シード ニューイングランド・ペイトリオッツ(7-4)[92.1%]
ビルズがもたついている間に、5連勝で地区首位に浮上した。ビルズと2戦残しているので、地区優勝にはハードルが高いが、いまの勢いであればプレイオフ復帰はかなり有望。
何といっても功績大なのは、QBジョーンズの活躍である。派手さはないが正確にパスを通し、攻撃部門のルーキーオブザイヤーに最短距離。ブレイディ離脱後2年で、ペイトリオッツはフランチャイズQBを手に入れた。
暫定第4シード カンザスシティ・チーフス(7-4)[74.3%]
チーフスが指定席ともいえる地区首位を奪回したけれども、マホームズのプレイ振りは昨年までの精彩がない。やはり、昨シーズン傷めた足の故障が響いていて、フットワークは重いしサックされることも多くなった。
ヒルとケルシーがいて、エドワーズイーレアも戻ってきたので、チーム全体としてはこれから登り坂になるだろう。今週はバイウィーク、明けて同地区対決が3戦続くので、ここで復調すれば地区6連覇が見えてくる。
暫定第5シード シンシナティ・ベンガルズ(6-4)[41.4%]
ベンガルズがワイルドカード1番手にいる。ジョー・バローが少しずつよくなってきて、カレッジからの相棒チェイスとのコンビネーションもいい。RBミクソンも破壊力十分。
問題はスケジュールで、これから後の相手はプレイオフ戦線に名を連ねているチームばかりである。勝ち抜けば地区優勝の可能性もある一方で、失速すれば一気にプレイオフ圏外の可能性もある。
暫定第6シード ロサンゼルス・チャージャース(6-4)[70.6%]
チャージャースが地区首位を譲って、現状ワイルドカード2番手である。先週のスティーラーズ戦、3Qまで17点差あったのに一時は逆転された。運の悪いターンオーバーもあったが、自陣30ヤードで不必要な4thダウンギャンブルを失敗するなど、ゲーム運びが粗い。
ジャイアンツとテキサンズが残っているので、スケジュール的には最も恵まれているが、とはいえ絶対に落とさないのかと言われると首をひねらざるを得ない。今週のブロンコス戦が注目で、戦いぶりをみて今後を判断したい。
暫定第7シード バッファロー・ビルズ(6-4)[90.9%]
ビルズがまさかの大ブレーキで地区首位をペイトリオッツに奪われてしまった。とはいえ、CBSのプレイオフ確率は90%でほぼ確実と予想されており、ペイトリオッツ2戦を勝てば自力で地区首位に再浮上する。
このところ低調な原因は、コルツに200ヤード走られたように、ディフェンスに綻びがみえることである。ペイトリオッツの堅守が目立つだけに余計そう感じる。ジョシュ・アレンの浮き沈みが激しいのは相変わらずで、とにかくWeek13のペイトリオッツ戦が大事。
In the Hunt 0.5ゲーム差 ピッツバーグ・スティーラーズ(5-4-1)[34.4%]、インディアナポリス・コルツ(6-5)[69.2%]、クリーブランド・ブラウンズ(6-5)[22.8%]
この3チームは暫定第5シードのベンガルズまで0.5ゲーム差なので、まだまだチャンスは十分。勢いはコルツで、テキサンズ、ジャガーズと残しているのも有利。
スティーラーズはライオンズと引き分けてしまったのが最後にきて響くかもしれない。今週ベンガルズ、来週レイヴンスとライバルとの直接対決、その後もヴァイキングス、タイタンズ、チーフスときつい相手がずっと続く。
ブラウンズはここへきて、QBがメイフィールドでいいのかという話題が出るようになった。自分で動こうとするしパスは不正確だし、ディフェンスの堅さを生かせるQBでないことは確かだ。レイヴンス2戦はお互いに生き残りを賭けた戦いとなる。
In the Hunt 1ゲーム差 ラスベガス・レイダース(5-5)[10.4%]、デンバー・ブロンコス(5-5)[14.8%]
レイダース、ブロンコスは5割を確保しているのでまだワイルドカード争いは十分の星勘定ではあるが、地区内の星のつぶし合いが見込まれるのでかなり厳しいというのが実際のところだろう。
レイダースはスタートダッシュこそよかったものの、チーム内のごたごたも響いてここへきて失速、ホームでベンガルスに敗れたゲームも精彩がなかった。プロンコスもチーフスとチャージャースに2戦ずつ残しており、不利は否めない。ボン・ミラーをトレードしたことからみても、来期以降の補強が既定路線かもしれない。
In the Hunt 2.5ゲーム差 マイアミ・ドルフィンズ(4-7)[1.1%]
ゲーム差こそ開いているが、意外と追い上げそうなのがドルフィンズ。これから先とても敵わないという相手はいないので、Week17まで5連勝して、最終週にペイトリオッツとワイルドカード残り1つを争うということもありうる。
ただし、そのためには1つも落とすことができない。まず今週のパンサーズ、来週のジャイアンツに勝って勢いに乗りたいところ。
Eliminated ヒューストン・テキサンズ(2-8)[0.0%]、ジャクソンビル・ジャガース(2-8)[<1.0%]、ニューヨーク・ジェッツ(2-8)[0.0%]
2勝8敗の3チームは実質的に今シーズン終了。なぜかこの3チームの直接対決が残り試合に組まれているので、お互いにドラフト順位との兼ね合いで難しい試合が多くなりそうだ。
テキサンズはワトソンをトレードすれば1巡指名権は手に入るだろうから、もっとも気楽な立場。ジャガースとジェッツは結局今期のドラフト上位があまり役に立たず、長期的な戦略見直しが必要だろう。
ブレイディと一緒にプレイしていたブレイベルHCのタイタンズがAFC暫定首位。デリック・ヘンリーの復帰がプレイオフ前後になりそうだが、そこまで粘れるかどうか。バッカニアーズとのSuperbowlというのも面白そうだが。
[Nov 24, 2021]
2022シーズン終盤展望
いよいよ12月、NFL2021シーズンも終盤戦に入った。
今シーズンは、どのチームもベストメンバーでシーズン通してゲームできなかった。最大の要因は言うまでもなくコロナで、検査で陽性反応が出て休まざるを得ない選手やコーチが続出した。
だから、今回お届けするNFCの上位チームも、コロナとかケガでベストメンバーを組めずに戦ってきたところがほとんどである。中には、主戦QBやレシーバーが出られないのに何とかやりくりしてきたチームもあり、それだけ選手層の厚さが重要になった。
これからプレイオフに向けても、シーズン中どれだけ強かったかより、プレイオフの一発勝負にどれだけ調子を上げて臨めるか、主力が欠場しないで戦えるかという要素が大きいように思う。
昨年のバッカニアーズがワイルドカードから勝ち上がったように、プレイオフに残りさえすれば、どのチームにもチャンスがあると言っていいかもしれない。
暫定第1シード グリーンベイ・パッカーズ(10-3)[99.9%]
アーロン・ロジャースの足の負傷が伝えられるが、プレイを見る限りほとんど影響は感じられない。今週ホームのレイヴンス戦に勝てば地区優勝決定。
ロジャースが出ると出ないとでは全然違うので、プレイオフに向けて休ませるのか第1シードを狙うのか難しい。気になるのは、ここ3戦失点が多くなっていることで、プレイオフはディフェンスの出来で左右されることが多い。昨年も、第1シードだったのにバッカニアーズに大事なところで点を取られた。
暫定第2シード タンパベイ・バッカニアーズ(10-3)[99.9%]
今週のビルズ戦、前半24-3のリードがあったのに追いつかれてオーバータイム。先攻ビルズの攻撃を止めてブレイディがパス一発、帳尻を合わせたのはさすが。今週セインツに勝つと地区優勝決定。
アントニオ・ブラウンが戻ってこれるか微妙なので、このままプレイオフに向かうのだろう。QBが44歳、スキルポジションにもベテランが多く、第1シードを狙うよりも終盤戦は主力を休ませる可能性が大きいかもしれない。
暫定第3シード アリゾナ・カーディナルス(10-3)[99.9%]
マンデーナイトでラムズに敗れて1ゲーム差に迫られた。念願の地区優勝には1つも負けられないが、とりあえず今週のライオンズ戦に勝てばプレイオフが決まる。
ディフェンスはさほど巨漢はいないものの、運動量と俊敏性でカバーして失点が少ない。だからプレイオフ向きのチームではあるのだが、カイラー・マリーはあまり信頼できない。レシーバーも同様に波がありすぎて、大量得点もするけれどミスも多い点は不安材料。
暫定第4シード ダラス・カウボーイズ(9-4)[99.7%]
ダラスもマジック2で、早ければ今週にも地区優勝が決まる。先週ワシントンを寄せ付けなかったように、地区内では力が違う。シード順はもう少し上にできるかもしれない。
プレスコットは復帰後安定しており、今年のカムバック賞は決まりか。半面、同期のエリオットが年々鋭さがなくなっており、ディフェンスもルーキーLBパーソンズが目立っているものの失点が多い。ジョーンズオーナー念願のSuperbowlまでの道のりは険しい。
暫定第5シード ロサンゼルス・ラムズ(9-4)[99.9%]
敵地でカーディナルスを破って1ゲーム差に接近したが、49ナースに負けているため勝率が同じになるとタイブレイクで不利。地区優勝するには今週のシーホークス戦も負けられない。
ただ、プレイオフはほぼ当確の9勝をあげており、地区優勝よりSuperbowlをめざすなら、主力に無理をさせない可能性もある。先週のゲームを見ると、ボン・ミラーやオデル・ベッカムJr.の新戦力もチームに慣れてきているが、スタッフォードも含めてベテランなのであまり無理がきかない。
暫定第6シード サンフランシスコ・49ナース(7-6)[80.9%]
ここ5戦で4勝1敗、ジミーGも戻ってワイルドカード圏内を確保している。残りホーム2戦のファルコンズ、テキサンズに勝てば2年ぶりのプレイオフ復帰となる。今年はホーム戦であまり勝てないので、そこがネックかもしれない。
ただ、一昨年と違うのはディフェンスで失点が多いのと、ランオフェンスが今一つであること。ランとディフェンスが甘くてアウェイのプレイオフを勝ち抜けるかというと、厳しいかもしれない。
暫定第7シード ワシントン・フットボールチーム(6-7)[19.5%]
中盤戦怒涛の4連勝でワイルドカード圏内に入ったワシントン。今週ダラスに完敗したのは痛かったが、シアトルとアトランタに勝っているのでタイブレイクになれば有利かもしれない。
問題はあと2戦残っているイーグルスで、ゲーム差0なので負ければすぐに順位が逆転する。まずは今週のアウェイ戦で、勝敗の鍵はディフェンスになるだろう。
In the Hunt ゲーム差なし ミネソタ・ヴァイキングス(6-7)[21.2%]、アトランタ・ファルコンズ(6-7)[10.6%]、フィラデルフィア・イーグルス(6-7)[41.1%]、ニューオーリンズ・セインツ(6-7)[24.6%]
6勝7敗には暫定第7シードのワシントンを含めて5チームがひしめく。お互いの対戦も残っているので、最後まで混戦が続きそうだ。
もっともスケジュールが恵まれているのはヴァイキングスだが、ライオンズに負けるのだから相手どうこうではないかもしれない。セインツとファルコンズが勝ち続ければWeek18に決定戦になるが、ともにプレイオフ圏内のチームが残っている。イーグルスは目の上のワシントンを引きずり降ろさないと話にならない。
In the Hunt 1ゲーム差 シアトル・シーホークス(5-8)[2.2%]、キャロライナ・パンサーズ(5-8)[<1.0%]
ワイルドカード3枚目は大混戦で、ボーダーラインは9勝タイブレイクになると思われるので、5勝の両チームも4連勝でわずかにチャンスが残されている。
望みがあるとすればウィルソンの戻ったシーホークスだが、相手がきついことは確か。まず今週のラムズを何とかしなければならない。パンサーズはマキャフリー離脱の穴を埋めるのは容易ではなく、バッカニアーズとも2戦残っている。
Eliminated シカゴ・ベアーズ(4-9)[<1.0%]、ニューヨーク・ジャイアンツ(4-9)[<1.0%]、デトロイト・ライオンズ(1-11-1)[0.0%]
圏外は残りの3チーム。いずれもこれから先プレイオフ圏内のチームが続くので、厳しい戦いとなりそうだ。
グリーンベイが3年連続地区優勝、2年連続第1シードに向けて頭ひとつ抜けだしている。伝えられるロジャースの足のケガを改善するため休ませるのか、第1シードを取りに行くのか、ラフルアーHCも思案のしどころかもしれない。
今週はAFC。今週始まるまではベイトリオッツとタイタンズにプレイオフ決定の可能性があったが、結局両チームとも決まらず。残り3週で1チームもプレイオフ進出が決まらないという近年にない大混戦となっている。
この原因の第一にあげられるのは、本命チーフスがらしくないゲームを続けていることにある。地区優勝はほぼ決まりだろうが、チャージャースがなぜかFGを蹴らずに点差が広がらなかったのに恵まれた。本来負けているゲームで、絶対とはいえない。
ヘンリーが出ないタイタンズ、ラマー・ジャクソンのいないレイヴンスは仕方ないが、対抗格のビルズも現状地区2位。最終週サンデーナイト"Win or Go Home"の候補となりそうなのは、ペイトリオッツ@マイアミ、スティーラーズ@ボルチモア、ベンガルズ@クリーブランドあたりか。
暫定第1シード カンザスシティ・チーフス(10-4)[99.9%]
10勝目をあげて2ゲーム差で地区首位、指定席ともいえる暫定第1シードに上昇してきたものの、試合運びは盤石とはほど遠い。マホームズは足が動かないだけでなくパスも正確性を欠き、先週のチャージャース戦はがら空きのレシーバーに投げミスした。
残り3戦、いずれもプレイオフ当落線上の油断ならない相手で、3連敗の可能性もなくはない。今週のスティーラーズ戦を何とか切り抜けて、とりあえずプレイオフを決めておきたい。ディフェンスは序盤戦よりよくなっている。
暫定第2シード ニューイングランド・ペイトリオッツ(9-5)[99.9%]
コルツ戦は完敗で、今週ビルズとの第2戦。ジャガース戦が残っているのと、カンファレンス成績がいいので有利だが、地区3位になるとドルフィンズの後になるのが響くかもしれない。CBSは99.9%としているが、それほど確実とはいえない。
とはいえ、マック・ジョーンズはよくやっていて、昨シーズンの成績を考えればここまで復活してきたのはさすが名門チーム。来シーズンに向けて、オフェンスもディフェンスも選手層は厚いとはいえず、補強し甲斐はありそうだ。
暫定第3シード テネシー・タイタンズ(9-5)[96.7%]
デリック・ヘンリー抜きでがんばってきたものの、ここへ来て故障者が相次ぎ、地区でもコルツに追い上げられている。49ナース、ドルフィンズとプレイオフを射程圏に入れるチームとの対戦が続くのも不運で、ゲーム差はあってないようなもの。
タネヒルは自分でゲームを作れるほどのQBではないので、ヘンリーが戻るまでディフェンスでがんばるしかない。そのディフェンスも少し疲れてきたようで、先行きは明るくない。序盤でコルツに連勝しているので、タイブレイクでは有利だが。
暫定第4シード シンシナティ・ベンガルズ(8-6)[58.2%]
レイヴンスが急ブレーキの合間をぬって、地区首位に躍り出た。今週そのレイヴンスとホームゲーム。勝てば自力で地区優勝可能だが、残りゲームがチーフスとブラウンズなので最後まで息が抜けない戦いが続く。
ジョー・バローがシーズン通して動けたのは収穫で、来年はさらによくなるだろう。プレイオフに出られれば6年ぶり、勝てば31年ぶり。マービン・ルイスHCがパーマー、ドルトンでできなかったプレイオフ1勝をバローで果たせるか。
暫定第5シード インディアナポリス・コルツ(8-6)[83.8%]
AFCは地区2位以下のチームに8勝が4チーム、7勝が5チームいる。ここから上位3チームなので、NFCより1勝多い10勝タイブレイクがワイルドカード当落ラインになりそうだ。
暫定第5シードに上がってきたのがコルツ。チームとしても上り調子で、ジョナサン・テイラーのリーディングラッシャーは確実。ウェンツもテイラーを前面に出して堅実にプレイしており、そのあたりはフランク・ライクの手腕だろう。今週の@アリゾナが大一番。
暫定第6シード ロサンゼルス・チャージャース(8-6)[63.3%]
先週のチーフス戦、この時期1勝が大切なのに、エンドゾーン前でFGを蹴らずに延長に持ち込まれ、勝てたはずのゲームを落とした。残りゲームの相手がテキサンズ、ブロンコスとレイダースなのであと2勝は出来るだろうが、あまり感心しないゲームであった。
ハーバートは2年目になって、昨年より確実性が増した。過去の名QBに伍して2年目までの成績は最高水準だが、どうも接戦に強くない印象を受ける。ディフェンスが堅いのでプレイオフ向きのチームではあるのだが、チーフス戦のようなゲームをしていると・・・。
暫定第7シード バッファロー・ビルズ(8-6)[87.8%]
ペイトリオッツ戦では強風の悪コンディションの中、ランだけで負けてしまったビルズ。序盤の戦いぶりはAFC最強といえるものだったが、現状はワイルドカード当落線上にとどまっている。
個人的には、残り3連勝して逆転地区優勝とみるが、序盤あれだけ堅かったディフェンスがジョナサン・テイラーと当たったあたりから崩れてしまったのが気がかり。調子を取り戻せばSuperbowlに最も近いチーム。
In the Hunt1ゲーム以内 ボルティモア・レイヴンス(8-6)[47.0%]、ピッツバーグ・スティーラーズ(7-6-1)[26.7%]、ラスベガス・レイダース(7-7)[14.9%]、マイアミ・ドルフィンズ(7-7)[6.6%]、クリーブランド・ブラウンズ(7-7)[9.8%]、デンバー・ブロンコス(7-7)[5.5%]
暫定第5シードとゲーム差なしでレイヴンス、1ゲーム差以内でスティーラーズ以下の5チーム、計6チームが追う。
北地区の3チームは暫定第4シードのベンガルズも含めてCBSの推定値では差が開いているものの、4チームともほとんど差はない。レイヴンスとブラウンズの雰囲気はよくないが、残り3戦で巻き返す可能性は十分にある。
いずれにしても、これらのチームは1敗した時点で自力逆転が難しくなる。今週のブロンコス@ラスベガスは生き残り戦だし、スティーラーズはチーフス、ブラウンズはパッカーズ、ドルフィンズはセインツ相手でそれぞれ厳しいが勝ちたい。2戦連続2点コンバージョンに打って出て1点差で負けたレイヴンスも、ベンガルズに勝てば再び地区首位に復活する。
Eliminated ニューヨーク・ジェッツ(3-11)[0.0%]、ヒューストン・テキサンズ(3-11)[0.0%]、ジャクソンビル・ジャガース(2-12)[0.0%]
残り3チームはプレイオフの可能性はなく、NFCのライオンズとともにドラフト順位が話題になるだけである。現状、ジャガースが2年連続全体1位となりそうだが、今年QBを取ったので来年はエッジラッシャーか。テキサンズはワトソンをトレードに出して1巡指名権をもらえそう。ジェッツも今年に続いての高い指名順が確実だ。
指定席の暫定第1シードに戻ってきたチーフスだが、戦いぶりはぴりっとしない。残り3試合でまだ地区優勝もプレイオフも決まっていないという事実が、事態を何よりも雄弁に物語る。今週のスティーラーズ戦も確実とはいえない。
[Dec 22, 2021]
SUPER WILDCARD WEEKEND
シーズン中からDAZNを見ていたのだけれど、番宣がうるさくて仕方なかった。なぜ有料放送なのに、サッカーにも野球にも興味もない人にしつこく同じ番宣を見せるのだろう。現地CMの方がよっぽど面白い。
いちいち消音にしていたが面倒なので嫌だなと思っていたところ、AMAZON StickでGamepassも見られることが今更ながら分かり、ちょうどプレイオフ用の割引価格4,500円というのが出ていたので、何年か振りにGamepassを契約した。
実際見てみると、DAZNに比べてかなり画質が粗い。Redzoneのような二画面・三画面同時放映でなければ、iPADやパソコン画面で見た方が疲れないかもしれない。ともかく、DAZNとかG+のように番宣が入らない(マニング登場の現地CMとかになる)のが何よりである。
今年からSUPERBOWLをNHKではやらないし(オリンピックに契約料を払い過ぎた)、先だって契約したG+のWEBサービスNFLGOでもSUPERBOWLの実況はやらないらしい。いずれにしても、どこかにおカネを払わないと見られないのであった。
さて、昨年からプレイオフへの進出が14チームとなって、これまでの"Wildcard Weekend"にSUPERを付けるようになった。昨年は、土・日に3ゲームずつだったのが、若干せわしかったせいか今年は土~月3日間で行われる。
Saturday Evening
ラスベガス・レイダース(10勝7敗、ワイルドカード)
Oシンシナティ・ベンガルズ(10勝7敗、北地区優勝) -6.5
Week11に@LVで戦っており、ベンガルスが32-13で勝っている。ただし、第4Qまで7点差の接戦であり、そこまで力の差はない。
最終週にバローなど主力を休ませたベンガルスの作戦が吉と出るか凶と出るか。数年前までプレイオフに備えて主力選手を休ませるチームがほとんどだったが、最近ではかえって試合勘が鈍るケースもみられる。そして、Week17で負傷したバローが心配ないかどうか。ないという前提で、ベンガルズに1990年以来31年ぶりのプレイオフ勝利を期待する。
レイダースは勝つには勝ったが、10点差を追いつかれ、さらに15点差も追いつかれたように、リードしても確実に逃げ切る手段がない。ジェイコブスもマリオタもいるのだからランで時間をつぶすことは可能なはずだが、そうできない何かがあるのだろう。
Saturday Night
ニューイングランド・ペイトリオッツ(10勝7敗、ワイルドカード)
Oバッファロー・ビルズ(11勝6敗、東地区優勝) -4.5
レギュラーシーズンは1勝1敗。Week13の@BUFで、強風の中パス3回ラン46回という極端なオフェンスでビルズを破ったペイトリオッツの2番煎じがあるかどうか。もちろん、ビルズとしても修正してくるはずで、200ヤードも走られることはないはずだ。
ビルズに開幕当初のようなディフェンスの堅さがみられないのが不安だが、予想したとおり逆転で地区優勝も果たし、次の目標はチャンピオンシップ。終盤4連勝はすべて10点差以上つけており、地元なのに天気がどうこうなどと言ってはいられない。
Sunday Afternoon
Oフィラデルフィア・イーグルス(9勝8敗、ワイルドカード)
タンパベイ・バッカニアーズ(12勝5敗、南地区優勝) -8.5
Week6@PHIでは、28-22でバッカニアーズが勝利。スコアが示すように後半追い上げられたし、この試合で活躍したフォーネットもゴッドウィンも、アントニオ・ブラウンもいない。
Week18のパンサーズ戦でも、勝負が決まってから差が開いたものの、第4Q途中までいい勝負だった。エバンスとグロンク、新しいレシーバー陣とベルでブレイディがどこまで仕上げられるかは未知数で、少なくとも後半までそれほど差は開かないとみる。
イーグルスは主力を休ませたので、先週の結果は度外視していい。P/Sはもちろん、M/Lも+300ほど差がある訳ではない。
Sunday Evening
サンフランシスコ・49ナース(10勝7敗、ワイルドカード)
Oダラス・カウボーイズ(12勝5敗、東地区優勝) -3
今週のゲームで、この試合だけがレギュラーシーズンに対戦がなく、他はすべて再戦である。49ナースはラムズ相手に17点差を引っくり返してワイルドカードを確保した。勢いは買うけれども、シーズン中の星が示す通りダラスが1枚上のように思う。
カウボーイズはジョーンズオーナーが気合を入れたのか、地区優勝が決まっているのに主力を休ませなかった。1週前のカーディナルス戦がだらしなかったので、かえっていい調整になったはずだ。好不調の波が大きいので、勝つなら圧勝する。
Sunday Night
Oピッツバーグ・スティーラーズ(9勝8敗1引分け、ワイルドカード)
カンザスシティ・チーフス(12勝5敗、西地区優勝) -12.5
コルツがジャガースにまさかの大敗、レイダースvsチャージャースも引き分けかと思われたところ決着が付き、ビッグベンの引退試合が1試合増えた。Week16@KCでは10-36でチーフスに大敗している。
3週間前の結果がそう簡単に動くとは考えにくいが、ビッグベンが初めてSuperbowlを制した2005年シーズンとの類似が気になる。あの年もスティーラーズはワイルドカード最後の椅子(当時第6シード)で、RBベティスの引退が予定されていた。プレイオフでマニングのコルツを番狂わせで破り、Superbowlまで登りつめたのだ。
今年のKCは、当時のコルツと比べても、また昨年・一昨年のKCと比べても付け入る隙がある。みんながKCと予想している今週が狙い目だ。P/Sと、M/L(+500見当)を少額。
Monday Night
アリゾナ・カーディナルス(11勝6敗、ワイルドカード)
Oロサンゼルス・ラムズ(12勝5敗、西地区優勝) -4.5
レギュラーシーズンは1勝1敗だが、カーディナルスが勝ったWeek4にはホプキンスもJ.J.ワットもいた。スタッフォードに開幕当時のキレがなくなったのは気になるものの、自身プレイオフ初の1勝に向け、またジョージア大も全米制覇したので気合が入るはずだ。
ボン・ミラー、オデル・ベッカムを補強してかえって弱くなったような気がするが、プレイオフはレギュラーシーズンとは違う。見違えるように強くなることも少なくない。カイラー・マリーの出来も今一つのカーディナルスなら圧倒して発進したい。
ラムズはマクベイになって5年間で4度目のプレイオフだが、スタッフォードは5年振りのプレイオフ登場。自身初のプレイオフ1勝に向けて、気合が入るはずだ。クーパー・カップのレシーブヤードがカルビン・ジョンソンを超えたと実況で言っていた。
[Jan 12, 2022]
DIVISIOAL PLAYOFF
ワイルドカード・ラウンドは、地区優勝組が5勝1敗と圧倒した。これは、2016シーズンの4戦全勝以来で、ワイルドカードが6枚になった昨年の3勝3敗からすると、ワイルドカード組がまったく振るわなかった。
特に目立ったのは一方的なゲームが多かったことで、そのためにP/Sがあるのだがそれにしても大差になってしまい興趣が削がれた。今週はスリリングなゲームを期待したい。また、ワイルドカードからただ1チーム残った49ナースが、最も安定したパッカーズの本拠地に乗り込むのも注目だ。
AFC Saturday
シンシナティ・ベンガルズ(北地区優勝)
Oテネシー・タイタンズ(南地区優勝) -3
5年間で4度目のプレイオフとなるタイタンズに対し、31年ぶりにプレイオフ1勝をあげたベンガルズ。レギュラーシーズンの対戦はない。バローになってからのベンガルズとは昨シーズン対戦し、31-20でベンガルズが勝っている。
バローがどんどんパスを通して差を開くと、ラン中心のタイタンズには苦しくなる。昨年のゲームもそうだったが、ヘンリーが100ヤード走る間にどんどん時間がなくなるので、スコアが近づいたときにはゲームは終わっているのだ。
タネヒルが自分でゲームを作ろうとするとウェンツと同じことになりそうだが、どうやらヘンリーが戻ってくるようなのでそれは好材料。-3というのは五分ということだが、レイダース戦のベンガルスは審判が間違った笛を吹いたTDがなければどうなるか分からなかった。タイタンズで。
NFC Saturday
サンフランシスコ・49ナース(ワイルドカード)
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝) - 5.5
レギュラーシーズンではパッカーズが30-28で逆転勝ちしているが、Week3なのでほとんど参考にならない。
49ナースはWeek18の勢いでカウボーイズを撃破したが、ガロポロの失投もあったし、最後はカウボーイズの判断ミスによるタイムアップで勝った。残り数秒でタイムアウトもないのに、なぜランを指示したのだろう。HCかOCか、あるいはプレスコットの判断だったのか。パスなら2回投げられたのに。
パッカーズの終盤の勢いからすると、点を取られてもロジャースがすぐに取り戻しそうだ。週末の五大湖周辺は最高気温氷点下で雪もちらつくようだから、西海岸から移動する49ナースには厳しい。-5.5のハンデは甘すぎるような気がする。
NFC Sunday
Oロサンゼルス・ラムズ(西地区優勝)
タンパベイ・バッカニアーズ(南地区優勝) -3
Week3@LAでは、ラムズが34-24で終始リードから完勝している。まだシーズン序盤だったので当時とはチーム状況が違うものの、ラムズにボン・ミラーとOBJが加わり、バッカニアーズに離脱者が多い点はどうしても気になる。
スタッフォードはプレイオフ1勝まで最も先発回数を要したQBとなったようだ。10年以上プレイオフで実績がないのに、ずっとスターターというのがすごい。いま残っている最長の該当選手はドルトンだそうだが、もはや2番手QBになってしまった。
バッカニアーズのオフェンスラインにケガ人が目立つので、ドナルドとミラーを防ぎきれるかどうか。そして、乗っているオデル・ベッカムをディフェンスバックがマークできるかどうか。双方万全ならいい勝負だが、バックスのタレントが何人も抜けている。
AFC Sunday
Oバッファロー・ビルズ(東地区優勝)
カンザスシティ・チーフス(西地区優勝) - 2.5
ともにオフェンス全開でワイルドカードを圧勝したものの、相手が強くなればああいうゲームにはならない。逆の意味で、先週の結果を度外視する必要がありそうだ。Week5@KCでは38-20でビルズが圧勝しているが、序盤のチーフスは出来が悪かったのでこれも参考にならない。
どちらかというと、スティーラーズが切れてしまって、タックルもできずレシーバーもフリーになったチーフスの方に、展開が向かなかった場合の死角が多いように思う。少なくとも、ヒルとケルシー以外にあれだけパスを通されることはないはずだ。
ジョシュ・アレンも好不調の波が大きいQBだが、先週のゲームでは意外と自分では走っていない。ここ数週間好調が続くチーフスディフェンス陣だけれど、本来はオフェンスのチームで守りはそこまで固くない。ビルズと55.5点のunder。
2008年シーズン以来の第1シードとなったタイタンズ。デリック・ヘンリーが戻れそうなのは朗報だが、序盤で差を開かれると追いつくより早くゲームが終わってしまう。
[Jan 19, 2022]
CONFERENCE CHAMPIONSHIP
49ナース@グリーンベイのゲームにはびっくりした。あの天候でパッカーズが49ナースに負けるとは思わなかった。アーロン・ロジャースが第4Qで呆然と天を仰いでいたが、ああいう場面はほとんど見たことがない(その時点でまだ勝っていたが、危ないと思った)。
Divisionalでは時々こういうことが起こり、2年前にはラマー・ジャクソンのレイヴンスがタイタンズに-9.5のハンデなのに16点差で負けたこともあった。それにしても、ホームゲームであの気候で勝てないとなると、パッカーズには当分Superbowlは難しいのではないだろうか。
日曜日の2試合はいずれも大熱戦。ブレイディは24点差を追いついて、Superbowlのファルコンズ戦を思い出させたものの、そもそもの発端はラムズの度重なるファンブル。ビルズ@チーフスもラスト2ミニッツで3本のTD、1本のFGでオーバータイムとなったが、ディフェンスがだらしなさ過ぎた。点が入った割に、緊迫したゲームではなかったように感じられた。
AFC Championship
シンシナティ・ベンガルス(北地区優勝)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -7
マホームズは1シーズンのリハビリを経て、かつての8、9割まで調子が戻っているようだ。スクランブルでもつかまらないし、変幻自在なパスも随所に出た。ビルズディフェンスが最後疲れてしまったにせよ、マホームズがすばらしかったことは間違いない。
あのゲームを勝って、3回連続Superbowlはほぼ確実に思える。NFCからどちらが勝ち上がってくるにせよディフェンスが堅いチームだが、ビルズからあれだけ点数が取れれば他のチームは恐れるに足らない。
ベンガルズは9回サックを受けて19点しかとれなかった。相手がタネヒルだから接戦をものにできたが、マホームズでは大差をつけられるだろう。食い下がれるとすればチェイスにパスを集めるしかないが、それはスパニュオーロも想定しているだろう。
-14でもチーフスではないかと思うくらいだが、プレイオフ1R、2Rとオフェンスの調子がよすぎる点がむしろ懸念材料。ピークが1週間早く来すぎたかもしれない。ケルシーはもともとドロップが多くて確実性に問題がある。チーフス押しだが、ベンガルズはターンオーバーが欲しい。
NFC Championship
サンフランシスコ・49ナース(ワイルドカード)
Oロサンゼルス・ラムズ(西地区優勝) -3
バッカニアーズとの「大乱戦」と表現するしかないゲームを辛くも制したラムズと、大本命パッカーズ相手に、敵地でこれしかないという勝ち方をした49ナース。こういう試合はどちらがより波に乗っているのか、見当がつかない。ハンデも-3とほとんど差がない。
49ナースのディフェンスとスペシャルチームはすばらしかったが、オフェンスはあまり機能しなかった。もちろん、極寒のグリーンベイというハンディキャップはあったにせよ、ガロポロも最後のドライブを除いてほとんど前進できなかった。
一方のラムズ、Week18には17点差を引っくり返され、先週は24点差を追いつかれた。それだけ差を付けるオフェンス力は認めるものの、詰めの甘さもまた折り紙付きである。
双方ともディフェンスは信頼できるが、オフェンスが心配。ガロポロよりもスタッフォードが上なのと、さすがにマクベイHCが修正してくるだろうと思うのでラムズで。
Week18は勝敗にかかわらずプレイオフだったし、最後の場面でカーディナルス劣勢のスコアが入っていたので、もしそうでなかったら逆転されることはなかったはずだ。
Divisionalは番狂わせがよく起きる週なのだが、49ナースがパッカーズに勝ったのには驚いた。スペシャルチームに注目が集まっているが、ロジャースにゲームをさせなかったディフェンスは殊勲。DCデメコ・ライアンズはかつてのテキサンズLB。
[Jun 26, 2022]
SUPERBOWL LVI直前予想&回顧
SUPERBOWL LVI(2022/02/13、LAソーファイスタジアム)
O ロサンゼルス・ラムズ(NFC) -4
シンシナティ・ベンガルズ(AFC)
正直なところ、あまり興味のわかないSuperbowlになってしまった。Gamepassを契約してしまったけれど、実況で見なくてもいいかなと思うくらいである。(ベンガルズが下に書いてあるのは、ラムズのホームグラウンドだが今年はAFCがホーム扱いだから)
もちろん、まだ2年目のジョー・バローが大化けして、ブレイディやマニング、あるいはロスリスバーガーくらいのQBになる可能性はあるだろうけれども、シーズン前に101倍オッズだったことから考えると、首をひねることも確かである。
オッズどおりマホームズが勝ち上がってくれば、マホームズのマジックのようなパス、ランとラムズの強力ディフェンスのどっちが強いかという興味があったのだが、やはりマホームズは本来の動きができなかった。残念である。
ベンガルズのHCザック・テイラーは2018年までラムズのコーチだったので、古巣との対決ということになる。ともにHCが若く、引退を発表したブレイディより年下である。QBコーチだったので指導していたのはゴフで、スタッフォードと直接の接点はない。
勝敗という観点からいえば、ベンガルズのオフェンスがラムズから何点取れるかという点に焦点は絞られそうだ。
この両チーム、シーズン中のスタッツもプレイオフの勝ち上がりもディフェンスに関してはよく似ていて、失点を少なく抑えて僅差で接戦をものにするというパターンが多い。
それでも、スタッフォードにクーパー・カップ、オデル・ベッカムのいるラムズの方がタレントが揃っているので、ベンガルズ相手でも28点は取れるだろう。一方でベンガルズのオフェンスはどうか。
Divisionalでタイタンズ相手にサックを連発されたようなオフェンスラインの出来だと、アーロン・ドナルド、ボン・ミラーには対抗できない。バローに時間があってチェイスが自由に動ければいいが、その余裕が与えられるかどうか。
だから、第3Qまでラムズがリードしていると思うのだが、問題はラムズの詰めの甘さである。
Week18で49ナースに14点差を逆転され、プレイオフではブレイディに24点差を同点にされてしまったことを思うと、第4Qで追いつかれてオーバータイムというケースも十分考えられる。そうなると、最後どちら転ぶかはコインの裏表が決めることになる。
Championshipの実況で、ラムズは今期にオールインだと言っていた。再来年までのドラフト1巡指名権を代償にスタッフォード、さらにオデル・ベッカム、ボン・ミラー、ソニー・ミシェルを獲得した。もし今年勝てなければ、何のための補強だということになる。
チェイスがルーキー、バローが2年目のベンガルズは、来年以降もまだチャンスがある。一方のラムズはベテランが多く確実に来年は力が落ちる。その点を考慮するとラムズだが、勝負は水物、その通りにはならないかもしれない。
[Feb 9, 2022]
ビートルさんからのコメント・いよいよスーパーボウル
今年もスーパーボウルの季節がやってきました。今季はNHKBSが長く続いた中継をやめてしまい、日本のNFL事情はますます寂しい状況になってしまいましたが、それを吹き飛ばすような熱戦を期待しています。
今回は予想外の大躍進を遂げて33年ぶり3回目のAFC優勝を成し遂げたシンシナティ・ベンガルズと、大補強が実って3年ぶりのNFC王者となったロサンゼルス・ラムズとの対戦です。このカードをシーズン前に予想できた人はあまりいなかったでしょう。ラムズはタレントぞろいであり、3年前の出場経験、本拠地開催(形式上はビジターだが)の地の利なども考慮すると、今季急上昇してきた若いベンガルズに対してかなり優勢であると思います。しかし、ベンガルズもAFC第1シードのタイタンズとカンファレンス2連覇中のチーフスを破ってきているので勢いがあります。ディフェンスが頑張って接戦に持ち込めば、勝機があると思います。
個人的にはまだスーパーボウル未制覇のベンガルズに悲願を達成してほしいです。それから昨年は大凡戦になってしまったので、今年は好ゲームを期待しています(NHKが「放送すればよかった」と思えるくらいの)。
ベンガルズがとうとうSUPERBOWLまで勝ち上がった。開幕前オッズが101倍だったので、勝てば10ドルが1000ドルになる。私ではないが。
SUPERBOWL LVI(2022/02/13、LAソーファイスタジアム)
ロサンゼルス・ラムズ O 23 - 20 X シンシナティ・ベンガルズ
Gamepassのメニュー画面に、”Japanese Broadcast”という番組が出てきた。クリックしてみると、聞き覚えのある声。なんと、NHK-BSの解説をしていた輿(こし)さんの解説である。NHKが録画でやるのかと思ったら、「この番組はNFL Networkですから」と言っているのでGamepass専属なのである。
さすがSUPERBOWL、世界各国の言語で放送していると思ったら、どうやらシーズン中からやっていたらしい。現地CMが流れないのは少し寂しいが(名場面集になる)、番宣だらけのDAZNよりかなりましだ。来シーズンはいくらで流してれるのだろう。あまり高くなければ引き続きGamepassにするだろう。
さて、せっかくの頂上決戦だが、オフィシャル(審判)の不手際でかなり興趣が削がれた。小さな反則はコールしないと申し合わせるのはいいのだが、あやうく決勝点になりそうだったオフェンスパスインターフェアの見逃しや、フォルススタート、ホールディングのノーコールは目に余るものであった。ラスト2ミニッツで急に厳しくしたのは、結果的にラムズ有利に働いた。
シーズン中のように、とりあえずフラッグ投げておいて、協議して(したふりをして本部でリプレイを見て)"There's no foul."で差し支えないはずである。TVスタッフが気づくのだから、本部が気づかないはずがない。
バローのTDパスはあれだけだったので、結果的にみるとラムズディフェンスが強かったということである。反則を見逃してもらえたのでタイタンズ戦より被サックは少なかったが、オフェンスラインは完全に劣勢だった。
MVPはクーパー・カップ。勝利に貢献したという意味では、スタッフォードが進まない何度ものドライブでベンガルズをしっかり止めたアーロン・ドナルドと甲乙つけがたいが、TDパスキャッチ以上に、残り時間5分で自陣での4thダウンギャンブルを成功させたカップの功績は大きい。MVPに文句なしである。
接戦になった大きな要因はオデル・ベッカムの負傷で、もし負けていれば最大の敗因となるところだった。ヒグビーが出ていればともかく(開幕時点と同じ)、ヒグビーもChampionshipのケガでいない。最後のドライブまでカップを温存せざるを得なかった。
その意味で、来期に改善の余地があるのはランオフェンス。ソニー・ミシェルも全然目立たなかったように、そもそもマクベイのオフェンスはランを重視しない。しかし、優勢のゲームを優勢のまま終盤に持ち込むには、ランが非常に大切である。
結果的にみると、来期以降にチャンスのあるベンガルズに残念な結果となり、ラムズは2度目の挑戦で頂点を極めた。個人的には、納まるべきところに納まったゲームという気がしている。ベンガルズが戻ってくるのは大変そうだが。
ニュースによると、ベンガルズのM/Lに日本円にして5億円をぶちこんだ小金持ちがいるらしい。P/Sにしておけば勝ちだったのに、残念なことである。とはいえ、ラスト2ミニッツで血液が逆流するほどのスリルを味わったはずだし、それで5億円の価値はあったと考えるべきであろう。
そもそも、なくなっても諦められる金額以上には、賭けてはならない。
ビートルさんからのコメント
第56回スーパーボウルは23対20でラムズがベンガルズを破り、2回目の優勝を遂げました。3度目の挑戦だったベンガルズ、33年前に続いて最後の最後に涙を呑む結果となりました。肩入れしていた方が負けてしまったのは残念でしたが、試合自体は接戦で面白かったです(ジャッジには疑問が残りましたが)。今季にかけていたラムズの執念が実った形となりました。
ベンガルズは懸念されていたオフェンスラインの弱さが最後に響いてしまいました。バローを守り抜けず攻撃のリズムが狂ったことが、守備陣にも悪影響を与えたと思います。捲土重来を図るためにはオフェンスラインの強化が必要でしょう。主力が若いのでしばらくは優勝の機会があるはずです。
来年も面白いシーズンを期待しています(ついでにNHKの放送再開も)。個人的にはジョシュ・アレン擁するビルズが初のスーパーボウル制覇を成し遂げる事を願っています。それではまた。
ラムズが、セントルイス時代以来のチャンピオンに輝いた。スタッフォードは移籍初年度で成果を出し、ライオンズ時代の苦労が実を結んだ。
[Feb 16, 2022]
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