NFL予想記事。プログ開設当時からの連載です。Niftyの記事を保管しなかったのは残念。
SUPERBOWL LVII展望    2022シーズン中盤展望    2022シーズン後半展望
2022シーズン終盤展望   WILDCARD WEEKEND   DIVISIOAL PLAYOFF
CONFERENCE CHAMPIONSHIP    SUPERBOWL LVII直前予想&回顧

NFL予想記事目次  2022AFC星取表  2022NFC星取表  2022PLAYOFF

SUPERBOWL LVII展望

昨シーズンのSUPERBOWLは、単勝万馬券のベンガルズが試合終了直前までリードするというたいへんな展開だった。今年はそういうチームが出るだろうか。

ラッセル・ウィルソン、マット・ライアン、デショーン・ワトソンなどスターQBが次々と移籍して注目されるチームはいくつかあるが、個人的にはベンガルズと共通した要素のチームに期待している。

SUPERBOWL LVII オッズ上位(2022/07/15現在)
A▲バッファロー・ビルズ 7.5
△タンパベイ・バッカニアーズ 9.0
Oカンザスシティ・チーフス 10.0
△グリーンベイ・パッカーズ 11.0
N▲ロサンゼルス・ラムズ 12.0
 ロサンゼルス・チャージャース 13.0
 サンフランシスコ・49ナース 17.0
 デンバー・ブロンコス 19.0
 ダラス・カウボーイズ 19.0
 ボルティモア・レイヴンス 21.0
△シンシナティ・ベンガルズ 21.0
 インディアナポリス・コルツ 23.0
△クリーブランド・ブラウンズ 26.0

SUPERBOWLにしばらく出ていないビルズが7.5倍で一番人気。ディフェンスがいいしQBアレンも安定しているし、地区内で負ける要素はあまりないように思われる。かといって、AFCを勝ち抜けるかというと、どこかにやられるような気もする。AFC2番手に評価。

2番人気バッカニアーズは9.0倍。4年前までのペイトリオッツと同じでブレイディがいる以上SUPERBOWLまで行く可能性は十分。問題はもちろんブレイディの年齢で、昔ならフル出場するとは誰も思わない。攻守とも有力プレーヤーが抜けたのも気になる。

3番人気は10倍でチーフス。主力レシーバーのヒルが抜けたのが評価が下がった要因だが、私はオフェンスにはそれほど影響は出ないと予想しているので、AFC最有力とみる。むしろ問題はディフェンスで、プレイオフの一発勝負では守りの差が結果に直結する。

4番人気パッカーズは11倍。ここ数年ずっとオッズ上位に支持されているが、もう十年間SUPERBOWLに届いていない。ただ、北地区首位をおびやかすチームは出てこないだろうし、ロジャースがケガしない限りプレイオフまでは堅そうだ。

昨年の覇者ラムズは5番人気、NFCでも三番手に甘んじている。スタッフォードはまだまだやれる年齢だし、ディフェンスのキープレイヤーも残留した。オッズよりは可能性が高そうだ。NFC2番手に評価。

オッズ10倍台の6~10番人気は、いずれもオッズほどの期待値はないとみている。チャージャースとブロンコスは地区内にチーフスがいるのが難点。49ナースもラムズがいるし、カウボーイズはいつも人気先行だ。レイヴンスも、ラマー・ジャクソンひとりに頼っているようでは厳しい。

10番人気タイのベンガルズは、4Q終了直前までリードしていたのを逆転された。SUPERBOWLでこういう負け方をすると翌年は厳しいというのが通例だが、バロー&チェイスのホットラインは健在。今期はスティーラーズが苦しそうなのでチャンスは十分ある。

コルツは昨年ウェンツで痛い目をみたので、今期はマット・ライアンを補強した。とはいえ、ライアンもSUPERBOWLで大量リードを守れなかったQBであり、あまり期待するのも酷か。ブラウンズはワトソンを獲得したものの、いつから出られるか未知数である。

上位チームに「◎」がないということは、私の狙っているチームはオッズ下位にいるということである。来週の後編をお楽しみに。

昨シーズンはマホームズの神がかり的なプレイの前にSUPERBOWLの夢を絶たれたビルズが一番人気。今年こそという思いは強いだろう。


SUPERBOWL LVII オッズ下位(2022/07/15現在)
29.0 フィラデルフィア・イーグルス
31.0 △テネシー・タイタンズ
36.0 ◎アリゾナ・カーディナルス、マイアミ・ドルフィンズ、△ニューイングランド・ペイトリオッツ、ニューオーリンズ・セインツ
41.0 ミネソタ・ヴァイキングス、ラスベガス・レイダース
67.0 ワシントン・コマンダース
76.0 ピッツバーグ・スティーラーズ
91.0 シアトル・シーホークス
101.0 キャロライナ・パンサーズ、シカゴ・ベアーズ、ジャクソンビル・ジャガース、ニューヨーク・ジャイアンツ、デトロイト・ライオンズ
126.0 ニューヨーク・ジェッツ
176.0 アトランタ・ファルコンズ
226.0 ヒューストン・テキサンズ

オッズ下位チームの中で、50倍以内のチームは上位チームとそん色ない存在とみていいのではないかと思う。

特に、本命に推したカーディナルスと、△印をつけたタイタンズ、ペイトリオッツは昨年のプレイオフに残っているし、イーグルス、レイダースも同様。ロスリスバーガーの抜けたスティーラーズは苦しそうだが、オッズよりも可能性はありそうだ。

もし今年ダメなら、おそらく今後当分チャンスがないだろうという意味で狙いたいのはカーディナルス。昨年もプレイオフに残ったが、ディアンドレ・ホプキンスも欠場しカイラー・マリーにやる気がなかった。

マリーのリーダーシップには首をひねるところだが、マリーにとってオクラホマ大学以来のターゲットであるマーキス・ブラウンが加入した今年に注目したい。ベンガルズのバロー&チェイスに続けるかどうか。ラッセル・ウィルソンの抜けたシーホークスから勝ち星が見込めそうなのも大きい。

タイタンズの人気がなく、同地区のコルツよりも大きなオッズとなっている。ウェンツが足を引っ張ったのは確かだが、マット・ライアンなら大丈夫かというと心もとない。むしろ、タイタンズのディフェンスの方を買いたい。

フリオ・ジョーンズは抜けたが、もともとチームにフィットしていなかった。ともかく、このチームのオフェンスはデリック・ヘンリー。タネヒルはミスなくゲームを作れれば十分。地区優勝は有力だし、プレイオフでも勝ち進んでおかしくない。

ペイトリオッツはマック・ジョーンズでプレイオフに戻ってきた。さすがにビルズの壁は厚かったが、昨年よりQBの差は縮まるはずだ。あとはディフェンス。ビルズに一歩劣るのはそこで、それでもドルフィンズとジェッツには引けは取らない。

そのドルフィンズが意外と人気になっているのは、タイリーク・ヒルの加入によるものだろうか。しかし残念ながら、マホームズとタゴヴァイロアでは比較にならない。ヒルのパフォーマンスは、昨年までよりかなり落ちるだろう。

ヴァイキングスとコマンダースがそこそこのオッズなのは、地区内に弱小チームが2つあるので、プレイオフには残るかもしれないという評価だろう。とはいえ、戦力的にプレイオフを勝ち進むとは考えにくい。

100倍以上のオッズの中から、昨年のベンガルズのようなチームが出てくる可能性は今年はほとんどないだろう。

本命に狙いたいのはカーディナルス。マーキス・ブラウンはカイラー・マリーにとってオクラホマ大以来のフェイバリット・ターゲット。昨シーズンのジョー・バロー&ジャマール・チェイスの再現なるか。


[Aug 3, 2022]


2022シーズン中盤展望

2022年のNFLも、開幕から6週間が経過した。早くもバイウィークのチームが出てきて、いよいよこれから中盤戦である。

序盤戦の大きな話題はレフェリーだった。開幕早々、タゴヴァイロアはじめハードヒットを受けたQBの故障が目立ち、やむを得ないところもあるのだが、Week5のラフィング・ザ・パサーのコールにはゲームの興趣が殺がれた。

ブレイディが地面に叩きつけられたプレイは、まあGOATだし40過ぎのプレイヤーにUnnessesaryだよねと分からないでもないが、結果としてあれでゲームが終わってしまった。

だが、マンデーナイトのクリス・ジョーンズのデレク・カーへのサック&ファンブルリカバーを反則にとるのはいただけない。あの場面、サックの時点では「不必要な」ラフプレーではないし、ファンブルしたのでボールを奪いに行っただけである。ポケットにいたからQBは保護されるというのなら、ポケットでのサックはすべてラフプレーになる。

そして、マホームズとかアレン、ラマー・ジャクソンがポケットから出るのを待っていたら手遅れである。だったら、ディフェンスが触ったらすぐ笛を吹いてサックにしなければ筋がとおらないだろう(タッチフットボールだ)。

さて、中盤戦展望はまずNFCから。[ ]内はCBS算出のプレイオフ進出確率。

暫定第1シード フィラデルフィア・イーグルス(6-0) [99%]

驚くべきことに、東地区の3チームが突っ走っている。2年前の2020シーズンは4チーム合わせて年間23勝、7勝9敗のワシントンが地区優勝したのに、今シーズンはすでに17勝。地区内対決はどちらかが勝つから、すでに一昨年の勝ち星を上回ることが確定した。

イーグルスは開幕6連勝。地区内対決が楽勝とはいえないのが例年と違う所だが、シカゴやヒューストンが残っているのでプレイオフはほぼ当確だろう。こうなってみると、ウェンツを見限ったチームの選択は正しかったということである。

暫定第2シード ミネソタ・ヴァイキングス(5-1) [94%]

北地区はヴァイキングスが順調に勝ち星を積み上げている。すでにパッカーズに1勝しているので、実質2.5ゲーム差をつけて地区首位で、かなり有望だ。先週のドルフィンズ戦もディフェンスが健闘して強い時のヴァイキングスが戻ってきた。

長らく続いたマイク・ジマー体制から、オコネルHC、フィリップスDCの若いコーチ陣に代わった。オコネルはペイトリオッツでブレイディの控えを1年、昨年はラムズのOCを務めた。フィリップスDCはあのウェイド・フィリップスの息子。いかにも何かやりそうな組合せだ。

暫定第3シード タンパベイ・バッカニアーズ(3-3) [93%]

3勝3敗とあまりいいスタートとはいえないが、ファルコンズに「ラフィング・ザ・パサー判定」で辛くも逃げ切ったバッカニアーズが暫定第3シード。

先週のピッツバーグ相手の負けはいただけないがアウェイだったし、あとの2敗はグリーンベイとKCだから悲観する必要はなさそうだ。ベテランが多いのでこれから調子を上げてくるだろう。

暫定第4シード サンフランスコ・49ナース(3-3) [82%]

西地区は3チームが同率で並んでいるが、地区内成績で49ナースが暫定第4シード。主戦QBはトレイ・ランスの予定だったが、故障して今年はガロポロのまま。慣れているのでかえって安定しているように見える。

とはいえ、勝ち星はまだ五分だから、連敗すれば一気に圏外まで脱落する。今週からの相手はKC、ラムズ、チャージャース。暫定順位が高いのも今週までではないかという心配があり、CBSのプレイオフ82%は買被りだろう。

暫定第5シード ニューヨーク・ジャイアンツ(5-1) [80%]

ジャイアンツが久々に勝ち越している。テネシーに勝ったのはたまたまかと思ったら、ロンドンでグリーンベイを下し、レイヴンスを4Qに逆転した。ダニエル・ジョーンズに目途が立ったのは大きい。

残り試合にテキサンズ、ジャガース、ライオンズが含まれるので、地区内ライバルに大きく負け越さなければイーライ以来久々のプレイオフにたどり着けそうだ。ただ、地区優勝まではちょっと厳しいかもしれない。

暫定第6シード ダラス・カウボーイズ(4-2) [92%]

カウボーイズも4勝2敗でプレイオフ圏内にいる。このチームの場合、開幕早々プレスコットがケガで欠場、控えQBのクーパー・ラッシュでこの成績というのは大したものである。

プレスコットが戻れば2年連続地区優勝も望めるが、このままだとプレイオフは微妙。ただし、同地区他チームと同様、テキサンズ、ジャガーズ、ライオンズ、ベアーズを残すスケジュールは恵まれている。

暫定第7シード ロサンゼルス・ラムズ(3-3) [33%]

地区首位の2チームの他に、3勝3敗が4チームいる。現時点で第7シードになるのはSuperbowl Championのラムズである。

スタッフォードが昨シーズンほどの冴えがみられないのは、年齢による衰えもあるかもしれない。それより心配なのはディフェンスで、ボン・ミラーがいなくなってアーロン・ドナルドへのマークがきつくなったことだ。

In the hunt 0ゲーム グリーンベイ・パッカーズ(3-3)[53%]、アトランタ・ファルコンズ(3-3)[12%]、シアトル・シーホークス(3-3)[22%]

ラムズと同率で3チーム。この中には北地区で首位独走かと思われたパッカーズが含まれている。ジャイアンツにロンドンで負けたのはともかく、ジェッツに完敗したのは変調。ロジャースのことだから巻き返してくるだろうが。

マリオタのファルコンズ、ジーノ・スミスのシーホークスがどこまでこの位置を確保できるかは微妙。正直なところ、オッズどおり単勝万馬券のチームだとは思う。

In the hunt 1ゲーム ワシントン・コマンダース(2-4)[3%]、シカゴ・ベアーズ(2-4)[2%]、ニューオーリンズ・セインツ(2-4)[12%]、アリゾナ・カーディナルス(2-4)[17%]

2勝4敗といまひとつのスタートを切ったのは4チーム。この中には、開幕前にSuperbowlまで期待したカーディナルスが含まれている。立ち遅れの原因はDホプキンスの出場停止で、彼が戻るWeek7以降の巻き返しに期待したい。

コマンダース、ベアーズ、セインツは予想されたとおりのスタート。コマンダースはただでさえ頼りないウェンツが指を骨折してしまった。セインツもドールトンでブリーズの代わりは務まらない。

Almost Eliminated デトロイト・ライオンズ(1-4) [3%]、キャロライナ・パンサーズ(1-5) [1%]

現時点ですでに出遅れているのはライオンズとパンサーズ。パンサーズは早くも指揮官が更迭されてしまった上に、オフェンスを一人で支えていたマキャフリーを49ナースにトレード、早くも今年はあきらめモードである。

イーグルスが6連勝で暫定トップをひた走る。同じ東地区のジャイアンツ、カウボーイズも好調で、2年前に全チームが負け越したことを思うと、短期間にチームが改善されたのを感じる。


今シーズンを見ていてちょっと驚いたのは、サーズデイナイトに有力チームが次々と出てきたことである。

これまでは、ジャガースとかベアーズとか、サンデーナイトやマンデーナイトではお呼びがかからないようなチームばかりだったのが、今年はAFC王者ベンガルズ、チーフス、好調ドルフィンズなどが登場している。

先週はセインツ@カーディナルス、今週はレイヴンス@バッカニアーズというこれまでならマンデーナイトでやるようなカードである。

きっと、一部のチームから、スケジュールに有利不利があるとクレームがあって、強豪チームでも人気チームでもサーズデイナイトの中3日を組むようにしたのだろう。見る方は面白いが、プレイする方は大変である。(ロンドンにも、人気チームが行っているし)

さて、今週はAFCの中盤戦展望。[ ]内はCBS算出のプレイオフ進出確率。

暫定第1シード バッファロー・ビルズ(5-1) [99%]

今週バイウィークのバッファローだけが1敗で、カンファレンス首位。同地区他チームよりスケジュールがきつかったKC、テネシー、ラムズをすべて勝って切り抜け、地区優勝は主力に故障がなければ間違いなさそうだ。

悲願のSuperbowlに向けて、まず目標は第1シード。ここでもKC、テネシーに勝っているのは物を言いそうだ。ただでさえ鉄壁のディフェンスにボン・ミラーが加わって、彼がチームにフィットしてくればますます盤石になる。

暫定第2シード カンザスシティ・チーフス(5-2) [98%]

序盤でもたつくのはこのところ例年の傾向。コルツに逆転負けはいただけないが、それほど状態が悪い訳ではない。

タイリーク・ヒルの移籍は大きかったが、スミス・シュスターとバルデス・スキャンドリックがフィットしてくればある程度カバーできそうだ。このチームの場合、Week11からチャージャース、ラムズ、シンシナティとスケジュールがきつくなる。このあたりが正念場になりそうだ。

暫定第3シード テネシー・タイタンズ(4-2) [83%]

連敗スタートでどうなるかと思われたが、予想通り地区内に突っ走るチームはなく、順当に地区首位を確保している。コルツに2戦2勝、ジャガースとテキサンズに2試合ずつ残しているから地区優勝はほぼ決まり。

シード順位争いでは、KCに1敗しているのが効きそうで、第1シードは厳しい。それ以上に、A.J.ブラウンをイーグルスに出した後のレシーバー陣の立て直しがなるかどうかがポストシーズンに向けての課題になりそうだ。

暫定第4シード ボルティモア・レイヴンス(4-3) [90%]

ベンガルズと同率ながら、地区成績でレイヴンスが有利。負けた3敗はいずれも1TD以内の差で競り負けており、チームの状態はそれほど悪くはなさそうだ。

ラマー・ジャクソンの破壊力が年を追うごとに衰えているのが気になるが、それでも出てこないと昨シーズン終盤のように連敗モードに突入する。プレイオフ進出の確率は高いが、Superbowlまで勝ち残るのは容易ではなさそうだ。

暫定第5シード ニューヨーク・ジェッツ(5-2) [62%]

暫定5位は驚きのジェッツ。ジャイアンツとともにニューヨーク旋風を巻き起こしている。ここまで5勝はすでに昨年・一昨年の勝ち星を上回っている。

ただし、序盤戦のスケジュールが比較的楽だったことも確かで、今週からの同地区対決が正念場。CBSも62%と控えめなプレイオフ確率で、ザック・ウィルソンとフラッコでこの先勝ち抜けるかというと厳しいかもしれない。

暫定第6シード ロサンゼルス・チャージャース(4-3) [46%]

暫定6位からは4勝3敗組となる。いまのところカンファレンス成績が上なのはチャージャース。だが、先週シーホークスに大敗したように、決して安定している訳ではない。

QBハーバートのオフェンスはまずまずだが、ボサが故障してディフェンスが急降下している。KCはじめドルフィンズやタイタンズ、ラムズ、カーディナルスを相手に、いまのディフェンスではもたないかもしれない。CBSのプレイオフ確率もかなり辛めである。

暫定第7シード マイアミ・ドルフィンズ(4-3) [48%]

タイリーク・ヒルが加わって破壊力が増したと思ったとたん、タゴヴァイロアが故障離脱。先週復帰してさあこれからというところ。 このチームの場合、week13から残り6週のスケジュールがたいへん厳しく、そこまでの相手には1つも落としたくない。Week10のブラウンズにまだワトソンはいないので、順当に行けば8勝3敗で終盤戦に臨めるはずだ。

暫定第8シード シンシナティ・ベンガルズ(4-3) [70%]

AFCチャンピオンのベンガルスが序盤早々3敗してしまったが、同地区他チームも出遅れているので現状第8シード。このままではプレイオフ圏外だが、CBSではチャージャース、ドルフィンズより確率は上とみており、バローとチェイスのいるオフェンスは強力。

とはいえ、地区内ですでに2敗しており、残り試合にビルズ、KC、テネシーが含まれる。これ以上余計な負けを増やすようだと、ギリギリのところでプレイオフを逃す可能性もなくはない。

In the hunt 1ゲーム以内 インディアナポリス・コルツ(3-3-1) [37%]、ニューイングランド・ペイトリオッツ(3-4) [30%]

プレイオフ圏内から1ゲーム差で、コルツとペイトリオッツが追っている。ただ、両チームともチーム状態はいいとはいえず、上位8チームとの比較では厳しい現状である。

コルツはマット・ライアンに見切りをつけたようで、2年目アーリンガーの先発起用が伝えられている。タイタンズにすでに2敗して地区優勝は厳しく、今期好調のNFC東との4ゲームが残っている。

同じく2年目のペイトリオッツQBジョーンズはケガから復帰したばかりでどこまで回復できるか。今期の同地区は好調で、現在地区4位。Week8と11のジェッツ2戦は落とせない。

In the hunt 2ゲーム以内 ラスベガス・レイダース(2-4) [21%]、ピッツバーグ・スティーラーズ(2-5) [6%]、クリーブランド・ブラウンズ(2-5) [9%]、ジャクソンビル・ジャガース(2-5) [8%]、デンバー・ブロンコス(2-5) [3%]

以下のチームはCBSの進出確率にみられるように相当厳しい。レイダースだけが可能性のある数字になっているが、2勝5敗の4チームはEliminatedまであと1歩である。

ブロンコスはラッセル・ウィルソンが加入してもオフェンスが改善しない。スティーラーズはロスリスバーガー引退で仕方がないし、ジャガースはよくならない。ブラウンズはワトソンが出てくるまでに今期はあきらめになっている可能性が大。

Almost Eliminated ヒューストン・テキサンズ(1-4-1) [2%]

テキサンズは今年も厳しい。2010年代に6度の地区優勝を果たした強豪チームだったが、再び創設当時の弱小チームに戻ってしまった。ディフェンスはラビー・スミスがいるのでそこまでひどくはないが、何といってもワトソンとホプキンスの抜けたオフェンスが弱い。

残り試合の相手で、勝てそうなのはジャガースとワシントンくらい。昨シーズンの4勝を下回る3勝1分けの可能性もある。

今週バイウィークのビルズだけが1敗。スケジュール上不利になる昨年優勝チームとの対戦を、すべて勝って切り抜けた。今年の同地区はあなどれないが、視界は良好といえそうだ。


[Oct 29, 2022] 


2022シーズン後半展望

今期のNFLの特徴は、ベテランQBの多くが苦戦を余儀なくされているということである。

特にNFCでそれが顕著で、ロジャース(2005年デビュー)のパッカーズ、スタッフォード(2009年)のラムズが地区優勝をほぼ絶望的にしているのに加え、ブレイディ(2000年!)のバッカニアーズもぱっとしない。

AFCに移籍したマット・ライアン(2008年)とラッセル・ウィルソン(2012年)も含めると、ベテラン勢受難の年といってもよさそうだが、ウィルソンはともかく、他の連中が長持ちしすぎたのである。

ベテラン勢で好調といえるのは、ヴァイキングスのカーク・カズンズ(2012年)とシーホークスのジーノ・スミス(2013年)だが、よく考えると彼らがかつてのぎりぎりの年齢で、40近くになって(あるいは過ぎて)正QBで毎週出場するなどということは、少し前まで考えにくかった。

さて、後半戦展望はまずNFCから。[ ]内はCBS算出のプレイオフ進出確率。

暫定第1シード フィラデルフィア・イーグルス(9-1)[99%]

イーグルスが引き続き暫定第1シードだが、先々週ワシントンに敗れ、先週のコルツ戦も終了直前に何とか逆転した。調子が下向いているように見えるし、同地区対決がこれからなので地区優勝は分からない。ただし、プレイオフは大丈夫そうだ。

QBハーツはテンポ良く攻めている時は強いが、うまく進めない時が課題。ワシントン戦ではタイム・オブ・ポゼッションが相手の半分ほどしかなかった。今週からパッカーズ、タイタンズ、@ジャイアンツと続くので、ここが正念場。

暫定第2シード ミネソタ・ヴァイキングス(8-2)[99%]

ヴァイキングスが北地区をリードしている。パッカーズとの5ゲーム差はほぼ安全圏で、ビルズを敵地で破ったのは大したものだが、カウボーイズに地元で完敗したのはいただけない。

同地区デトロイトがなぜか調子を上げているし、これから先も油断できない相手が続く。イーグルスに直接対決で敗れているのでタイブレイクも不利。地区優勝はともかくプレイオフを勝ち抜くにはもう一段階パワーアップが必要かもしれない。

暫定第3シード サンフランシスコ・49ナース(6-4)[91%]

メキシコゲームで勝って、49ナースが地区首位に浮上した。何といっても、マキャフリーの加入が大きい。ディフェンスが堅くランが進めば、Superbowlに進んだ3年前とよく似た展開となる。

スケジュール的には、Week13のマイアミ、14のタンパベイが難関。ここを通過すればあとの相手は比較的楽で、地区優勝はかなり有力。シアトルには地区内、カンファレンス内の勝敗で上回り、すでに1勝しているのでタイブレイクになれば優位だ。

暫定第4シード タンパベイ・バッカニアーズ(5-5)[89%]

3勝5敗から連勝して五分の星に戻したバッカニアーズが南地区トップ。ミュンヘンのゲームではようやくオフェンスの動きが戻ってきたが、グロンクが抜けた分をカバーできていない。

セインツ、パンサーズ相手のホームゲームを確実に勝てれば、最終週の@アトランタ前に地区優勝を決めるだろうが、シード上位は望み薄。ブレイディがロジャースより衰えていないのが頼みの綱だが。

暫定第5シード ダラス・カウボーイズ(7-3)[99%]

暫定第5、第6シードには東地区の2チームが7勝3敗で続いている。ともにイーグルス戦を残しているので地区優勝も圏内だし、プレイオフはほぼ当確といえる状況である。

特にカウボーイズは、テキサンズとジャガースという安全牌との対戦を残しているのが強み。地区優勝できれば、ヴァイキングスを破った今週のゲームがタイブレイクに効いて第1シードの可能性もある。2人のRBがよく機能している。

暫定第6シード ニューヨーク・ジャイアンツ(7-3)[67%]

ジャイアンツがジェッツと並んでニューヨーク旋風を起こしているが、今週ライオンズに敗れたように調子は下向いている。QBダニエル・ジョーンズもRBバークリーも、調子の波が大きすぎるようだ。

残り7戦のうち2勝でプレイオフ有力だが、同地区対決を5戦残しているので大きく負け越すようだと地区4位になる可能性もある。それ以外の相手もヴァイキングスとコルツで、そうそう楽に勝たせてはもらえない。

暫定第7シード シアトル・シーホークス(6-4)[88%]

シーホークスがこの季節までブレイオフ争いに残れたのは予想外で、ジーノ・スミスでよければジェッツは何をいままで低迷していたんだということになる。

ただし、シーホークスが強いというよりも、ラムズが完全に脱落、カーディナルスも低迷してしまったのが大きい。そのラムズと2戦残しており、1つでも勝てればプレイオフが現実味を帯びてくる。

In the hunt 0.5ゲーム ワシントン・コマンダース(6-5)[34%]

東地区4位のワシントンも6勝をあげワイルドカード圏内である。今週のファルコンズ、来週のジャイアンツがワイルドカードのライバル相手の直接対決で、この勝敗が今シーズンの帰趨を決めそうだ。

ウェンツが骨折離脱後、QBハイニッキの連勝で調子づいている。来年ウェンツがチームに残れることはなさそうだ。

In the hunt 1.5ゲーム アトランタ・ファルコンズ(5-6)[11%]

暫定第7シードと1.5ゲーム差で、ファルコンズが続く。地区内3敗は厳しいものの、地区優勝の可能性もわずかながら残されている。

バイウィーク前のワシントン、スティーラーズ戦を連勝できれば一気に展望が開けるが、マリオタにそこまで期待できるかどうか。ディフェンスがよくないので、どこと戦ってもハイスコアのクロスゲームとなる。

In the hunt 2ゲーム デトロイト・ライオンズ(4-6)[7%]、ニューオーリンズ・セインツ(4-7)[6%]、グリーンベイ・パッカーズ(4-7)[3%]

今年の第7シード争いはどうやら9勝8敗タイブレイクになりそうなので、現在4勝のチームにもチャンスが残されている。パッカーズより上にライオンズがいることは驚きだ。

パッカーズはレシーバーが不足しているし、ロジャースの衰えが目立ってきた。今週のイーグルス戦で負けるとシーズン終了。セインツは地区内ライバルの星が伸びないので連勝できればチャンスあり。

Almost Eliminated アリゾナ・カーディナルス(4-7)[1%]、ロサンゼルス・ラムズ(3-7)[<1%]、シカゴ・ベアーズ(3-8)[<1%]、キャロライナ・パンサーズ(3-8)[<1%]

NFCはすべてのチームが3勝以上をあげているので、数字上はすべてのチームにプレイオフの可能性があるが、上記4チームはほとんど望みがないと言って差し支えなさそうだ。

カーディナルスはカイラー・マリーが、ラムズはスタッフォードが故障離脱だが、それ以前に不調でどうしようもなかった。ベアーズはQBフィールズが空陸で奮闘するが、惜しい負けが続いている。パンサーズもマキャフリーを放出してしまっては無理だ。

パッカーズがもたつく間に、大差で地区首位を独走するヴァイキングス。地区制覇なれば5年ぶりとなる。


ベテランQBが苦戦しているNFCに比べると、マホームズとアレンというMVP候補がいるAFCは安心して見ていられる。ジョー・バローやラマー・ジャクソン、ハーバートまで含めると、かつてのNFLの代表的年齢層のQBということができそうだ。

さて、今週はAFCの後半戦展望。[   ]内は例によってCBS算出のプレイオフ進出確率。

暫定第1シード カンザスシティ・チーフス(9-2) [99%] 

序盤戦でややもたつくのは例年通り。このところ11月12月はほとんど負けておらず、スケジュール的にも残る強敵は今週のベンガルズくらい。3年ぶりの第1シード奪還に向けて、視界は良好である。

タイリーク・ヒルの抜けたレシーバー陣は物足りないが、スミス・シュスターやバルデス・スキャンドリック、若手レシーバー陣が成長してきた。かつてマニングも、マービン・ハリソンからレジー・ウェインへの世代交代を成功させた。マホームズならできるだろう。

暫定第2シード マイアミ・ドルフィンズ(8-3) [83%] 

東地区は8勝3敗で並んでいるが直接対決の勝利でドルフィンズが暫定第2シード。ただし、CBSはビルズ97%に対しドルフィンズ83%とかなり低めに評価している。

今週から始まる49ナース、チャージャース、ビルズの3連戦が山場で、地区優勝するにはここで3連勝したい。2つ勝てればプレイオフは当確。ただ、タゴヴァイロアをそこまで信用できるかというと、少々不安が残る。

暫定第3シード テネシー・タイタンズ(7-4) [94%] 

開幕の連敗スタートが効いて、タイタンズは現在第3シードである。もっとも、南地区のライバル3チームが勝ち越すのは至難の技なので、Week14のジャガーズ戦で地区優勝を決めるかもしれない。

デリック・ヘンリーの突破力に衰えはないが、A.J.ブラウン抜きのレシーバー陣はやはり手薄。ヘンリーのランとタネヒルのプレイアクションしか作戦がないので、ディフェンスが耐えられないとどうしようもなくなる。

暫定第4シード ボルティモア・レイヴンス(7-4) [92%] 

先週ジャガーズにまさかの逆転負け。ラマー・ジャクソンのラン・パスに数年前の切れ味がないので、スケジュールは楽だが地区優勝間違いなしとはいえない。スティーラーズとの2戦も、必ず勝てるとはいえそうもない。

ベンガルズにすでに1勝して地区内成績も上回りそうなので、かなり有利であることは確か。それでも、MVPを獲った時のラマー・ジャクソンなら、CBSの評価も92%ではなく99%だっただろう。

暫定第5シード バッファロー・ビルズ(8-3) [97%] 

ヴァイキングス戦の負けは、ミスもあったけれど采配に問題があった。ゴール前1ヤードからなぜプレイする必要があったのだろう。セーフティでフリーキックにすれば、オンサイドキック並みの確率でしか逆転されなかったはずだ。

あの負けで、第1シード確実から地区優勝も微妙になってしまった。今週からのペイトリオッツ、ジェッツ戦はMust Win。もし負けると、それらのチームも地区優勝争いに絡んでくることになる。

暫定第6シード シンシナティ・ベンガルズ(7-4) [58%] 

ワイルドカード圏内まで戻してきたベンガルズだが、今後のスケジュールがかなりきつい。まずタイタンズ、チーフスと地区首位との連戦。さらにビルズ、レイヴンス、バッカニアーズとプレイオフ確実なチームとの対戦が続く。ブラウンズ戦も、ワトソンが出てくるだろう。

ワイルドカードを争うペイトリオッツ戦がWeek16だが、悪くするとここまでに差を開かれてしまう心配がある。ただ、バローとチェイスのコンビはさらに安定してきた。

暫定第7シード ニューヨーク・ジェッツ(7-4) [59%] 

ベンガルスと同じ星でジェッツが健闘している。スケジュールの強みは、ライオンズ、ジャガーズを残していることで、シーホークス戦もジーノ・スミスなので手の内は分かっている。この3戦を勝てれば10勝で当確。

QBがザック・ウィルソンからホワイトに代わって不安定だが、ディフェンスは計算が立ちつつある。HCロバート・サラーがチームをうまく立て直しているようだ。

In the hunt 1ゲーム ニューイングランド・ペイトリオッツ(6-5) [52%] 、ロサンゼルス・チャージャース(6-5) [45%]

ワイルドカード争いは、暫定6、7位のベンガルズ、ジェッツとこの2チームに絞られた。ボーダーラインは10勝で、ジェッツとペイトリオッツが同地区なのでベンガルズとチャージャースが有利と思われる。CBSはそうみていないようだが。

ペイトリオッツが10勝するためには、2戦残しているビルズに少なくとも1勝1敗しないと苦しい。他にもドルフィンズ、ベンガルズ、ヴァイキングスとプレイオフを争うチームとの対戦が続く。チャージャースは同地区下位の2チームと、コルツ、ラムズに勝てば10勝だ。

Almost Eliminated ラスベガス・レイダース(4-7) [2%]、クリーブランド・ブラウンズ(4-7) [4%]、ピッツバーグ・スティーラーズ(4-7) [2%]、インディアナポリス・コルツ(4-7-1) [2%]、ジャクソンビル・ジャガース(4-7) [6%]、デンバー・ブロンコス(3-8) [<1%]、 ヒューストン・テキサンズ(1-9-1) [<1%]

4勝チームには数字上逆転の可能性は残されているが、ほぼシーズンエンドといっていい状況である。残り全勝するとすればブラウンズだが、2年のブランクのあるワトソンがそこまで復活するとも考えにくい。

この中には、マット・ライアン加入のコルツとラッセル・ウィルソン加入のブロンコスが含まれている。実績あるQBだからといって、みんながマニングやブレイディ、ファーヴやブリーズと同じことができる訳ではないようだ。

ジャガースで2021全体1位のローレンスがようやく動けてきた。先週は北地区トップのレイヴンスを逆転したし、同期のマック・ジョーンズやジャスティン・フィールズに負けてはいられない。

序盤もたついたチーフスだが、ビルズが取りこぼす間に勝って暫定第1シードに上がってきた。プレイオフまで、若いレシーバーをもう少し育てたい。


[Dec 3, 2022]


2022シーズン終盤展望

いつもの年と同様、今年も始まったと思ったらすぐに終盤戦となったNFL、レギュラーシーズンも残すところあと3週である。

シーズン前のSuperbowlオッズで29倍のイーグルスと17倍の49ナースがまずプレイオフを決め、史上最大33点差を逆転した41倍のヴァイキングス、19倍のカウボーイズが続いた。

一方で、上位人気のバッカニアーズは青息吐息、パッカーズは首の皮一枚、ラムズはシーズン終了である。[ ]内はCBSのプレイオフ確率。CBSの番組内では、大々的に採り上げている数字である。

暫定第1シード フィラデルフィア・イーグルス(13-1)[プレイオフ決定]

ワシントンに敗れて全勝はストップしたが、立ち直って暫定1位を維持している。今週のカウボーイズ戦に勝てば、地区優勝と第1シードが決まる。

QBジェイレン・ハーツは故障しがちなプレイで、肩のねん挫で今週は欠場の発表である。3連敗しなければ地区優勝だが、そんなに簡単にいくだろうか。

暫定第2シード ミネソタ・ヴァイキングス(11-3)[地区優勝決定]

先週のコルツ戦ではNFL史上最大33点差を逆転勝ちしたが、コルツのミスが多かったし、何しろ逆転負けのマット・ライアン相手である。波に乗っていると評価するのは早計だろう。だいいち、強いチームはあそこまで差を開かれない。

現在のプレイオフシステムは第1シードしかbyeがないので、イーグルスがあと1つ勝てば無理をする必要はない。とはいえ、休ませたからフレッシュになるというチームではないかもしれない。QB時代ブレイディの控えだったオコネルHCは最優秀コーチ候補。受賞すれば、昨年のヴレイベルに続くペイトリオッツ選手OBの受賞となる。

暫定第3シード サンフランシスコ・49ナース(10-4)[地区優勝決定]

現在7連勝中で、ほとんどのゲームを大差勝ちしている。地区優勝も決め、なんでこのチームがシカゴやデンバー、アトランタに負けたのか不思議である。いま一番強いチームかもしれない。

トレイ・ランスに続きジミーGも故障したが、ルーキーQBパーディーが堅実なプレイで負けない。シーズン終盤に出てきて新人王は無理だろうが、候補として名前だけは上がってきている。残り3ゲームも相手が楽なので、メンバーを落としても勝てそうだ。

暫定第4シード タンパベイ・バッカニアーズ(6-8)[74%]

6勝8敗とブレイディにとって初めての負け越しシーズンが目前に迫っている。それなのに1ゲーム差で地区首位というのは、同地区ライバルが弱すぎるということである。

今週のカーディナルス、来週のパンサーズに連勝すれば地区優勝なので、連勝してWeek18はベテランの多い主力を休ませたいが、そううまくいくかどうか。しかし、パンサーズ戦を負けると自力優勝がなくなる。CBSの74%は高すぎだろう。

暫定第5シード ダラス・カウボーイズ(10-4)[プレイオフ決定]

10勝で並ぶ可能性のあるチームをタイブレイクで上回るので、プレイオフ以上が確定した。今週のイーグルス戦に勝って地区優勝に望みをつなぎたいが、イーグルスの残りゲームの相手からみて少々難しそうだ。

エリオットの衰えをポラードとのRB併用でうまくカバーしているが、ここ一番でのプレスコットの頼りなさはプレイオフの戦いに不安をいだかせる。相手は十中八九バッカニアーズ。ブレイディ加入以来勝てておらず、今シーズンも1敗している。

暫定第6シード ニューヨーク・ジャイアンツ(8-5-1)[87%]

コマンダースに勝って暫定6位。早ければ今週にも、遅くともWeek18のイーグルスがメンバーを落としてくるだろうから、6年ぶりのプレイオフが見えてきた。最優秀コーチは、ヴァイキングスのオコネルかジャイアンツのデイボルだろう。デイボルもコーチとしてペイトリオッツにいた。

とはいえ、ジョーンズのオフェンスはあまり進まなかったし、バークリーのランが出ているのだから終盤に同点に迫られるピンチもなくて済んだはずだ。プレイオフの相手はヴァイキングスか49ナース。いずれにしろ厳しい。

暫定第7シード ワシントン・コマンダース(7-6-1)[31%]

コマンダースがジャイアンツとの直接対決に敗れて暫定7位。タイブレイクで不利になったことに加え、ハイニッキのファンブル2つで負けてしまったのは痛い。いまさらウェンツという訳にもいかない。

今週はいま一番強い49ナースが相手。地区優勝を決めたとはいえシード順位が懸かるし、そう簡単にランが出る相手ではない。ここを負けると他チームの勝ち負け次第となる。CBSも、シーホークス、ライオンズと同評価としている。

In the hunt 0.5ゲーム シアトル・シーホークス(7-7)[34%]、デトロイト・ライオンズ(7-7)[31%]

上位2チームが負けないとチャンスはないが、0.5ゲーム差で追っているのがシーホークスとライオンズである。この2チームでは直接対決でシーホークスが勝っているのでタイブレイク有利。しかし、今週のKCが鬼門である。

ライオンズが連勝で圏内に上がってきた。ゴフがこれだけ働くのは当り前だが、ライオンズのランがここまで進むのを見るのは二十年来で初めてのことである。今年のドラフトもラムズからもらった1巡があるので、来年が楽しみである。

In the hunt 1.5ゲーム グリーンベイ・パッカーズ(6-8)[12%]

さすがアーロン・ロジャース、ほぼあきらめの状態から連勝して、辛くもワイルドカード圏内に残っている。1つも負けられない状況は変わらないが、他チームの状況によってはWeek18のライオンズ戦がプレイオフ最後の椅子を懸ける戦いとなるかもしれない。

そのためには、今週のドルフィンズ戦が最大の関門。ここを勝てれば、残り2ゲームは極寒のホームゲームで地の利がある。ロジャース最後の晴れ舞台となるかもしれない。

南地区の残り3チーム キャロライナ・パンサーズ(5-9)[16%]、ニューオーリンズ・セインツ(5-9)[5%]、アトランタ・ファルコンズ(5-9)[5%]

南地区の残り3チームは、ワイルドカードの望みはないが地区優勝すればプレイオフである。バッカニアーズとは1ゲーム差で十分射程圏内だが、それ以前にここまで負けなければ今頃地区首位だったはずだ。

シーズン中盤では1%以下の評価だったパンサーズに最もチャンスがある。Week17のバッカニアーズに勝てばタイブレイクで首位になるからだ。そのためには今週のライオンズ戦は落とせない。向こうもプレイオフ可能性がある。

Eliminated アリゾナ・カーディナルス(4-10)[0%]、ロサンゼルス・ラムズ(4-10)[0%]、シカゴ・ベアーズ(3-11)[0%]

ラスト3週でeliminatedが3チームしかいないのは、例年に比べると少ない。カーディナルスはマレーが、ラムズはスタッフォードやドナルドがシーズンアウトでどうしようもない。ラムズは来年の1巡指名権もトレードしているから、踏んだり蹴ったりである。

ベアーズはQBフィールズの記録が注目されているが、これだけ負けてヴィックやラマー・ジャクソンに並んだと主張されてもどうかと思う。チーム全体の底上げには、やはり伝統のディフェンスを固めないと難しい。

現時点のチームの上昇度からいえば、49ナースがSuperbowlの最短距離にいるといえそうだ。主戦QBの相次ぐ離脱にもかかわらず、「ドラフト最下位指名」パーディーが予想外の活躍である。


先週のサーズデイナイト、ラスト3週でジャガーズ@ジェッツが消化試合でなくなるとは、スケジュールを決めたNFLも予想しなかっただろう。現実はプレイオフを懸けた生き残り戦になった。白熱した戦いとはとても言えなかったが。

今週はAFC。あと2週でプレイオフの面々はほぼ見えてきた。マンデーナイトのビルズ@シンシナティがシード順位をめぐる最終決戦。このゲームが終われば両チームともWeek18は流すだろう。

暫定第1シード バッファロー・ビルズ(12-3)[地区優勝決定]

安定した強さをみせるビルズが暫定首位。ヴァイキングス戦の負けが余計で、今週のベンガルズに敗れると第1シードが危うくなってしまった。

ボン・ミラーの負傷離脱で、ディフェンスの圧倒的な強さが目減りしてしまった。いまの状況でバローのオフェンスを食い止められるかどうかは分からない。ジョシュ・アレンは安定してきたが、他チームの研究も進んでいて止められるケースも増えている。

暫定第2シード カンザスシティ・チーフス(12-3)[地区優勝決定]

チーフスが暫定2位。こちらも序盤のコルツ戦の負けが余計だった。マホームズは例年通りシーズンが深まるとともに調子を上げてきたが、ヒルがいない分ここ一番で決める選手がケルシーしかいないのがどう響くか。

レギュラーシーズンでビルズとベンガルズに敗れているが、それでも第2シードより下になることはなさそうだ。順当ならSuperbowlはこの3チームから出るはずだ。

暫定第3シード シンシナティ・ベンガルズ(11-4)[地区優勝決定]

ベンガルズが調子を上げてきた。バッカニアーズ戦では前半の劣勢を後半逆転、終わってみれば大差勝ちして見せた。今週のビルズ戦はホームなので勝ってビルズより上のシード順位を確保したい。

もし負けると、Week18のレイヴンス戦が地区優勝を懸けた戦いとなる。両チームともプレイオフを決めているので、どこまで本気で勝ちに行くかという問題はある。

暫定第4シード ジャクソンビル・ジャガース(7-8)[74%]

南地区はタイタンズが連敗、とうとうテキサンズにも逆転負けして現時点でジャガーズが暫定首位である。Week18に直接対決があるのでそこで勝ったチームが地区優勝となり、Week18サンデーナイトの最有力候補である。

QBローレンスが遅ればせながら全体1位の活躍をみせている。TD24INT7は立派だし、RBエティエンヌ(実況ではETNと言っている)のランも確実に進む。ただ、ディフェンスがなかなか良くならないので、大量失点で負けるゲームも多い。

暫定第5シード ボルティモア・レイヴンス(10-5)[プレイオフ決定]

レイヴンスがラマー・ジャクソン抜きでプレイオフを決めた。1差でWeek18に直接対決があるので、地区優勝にも望みをつないでいる。とはいえ、無理してジャクソンを出すこともないだろう。

好調のカギはディフェンスで、許したランは49ナースとレイヴンスだけが1ゲーム100ヤードを下回る。レイ・ルイスやエド・リードがいた頃のような鉄壁とはいえないが、強い時代のレイヴンスが戻りつつあるかもしれない。

暫定第6シード ロサンゼルス・チャージャース(9-6)[プレイオフ決定]

KCには2敗したものの、手堅く勝って今週プレイオフを決めた。地区優勝の可能性はないので、あと2週は気楽に調整することができる。

とはいえ、レイダース、ジャガーズ、シーホークスに黒星を喫するようではKCとはまだ差があると言わざるを得ない。第5シードまで上がらないと、プレイオフでは厳しい戦いが待っている。

暫定第7シード マイアミ・ドルフィンズ(8-7)[56%]

8勝3敗から4連敗で、ワイルドカードぎりぎりまで後退した。しかし、星が並んでも多くのチームにタイブレイクで上回る。唯一心配なのは最終週まで星一つ差だった場合、ジェッツに敗れるとシーズン終了となることだ。

4連敗は強敵揃いだったので悲観するに及ばないが、パッカーズ戦の負け方がよくなかった。タゴヴァイロアが3つのインターセプト、それも相手から奪った次の一投というのがよくなかった。そろそろQBとしてチームの柱にならなくてはならないのだが。

In the hunt 1ゲーム テネシー・タイタンズ(7-8)[27%]、ニューイングランド・ペイトリオッツ(7-8)[24%]、ニューヨーク・ジェッツ(7-8)[16%]、ピッツバーグ・スティーラーズ(7-8)[3%]

1ゲーム差には4チームいるが、自力でプレイオフというのはタイタンズだけである。タイタンズは最終週のジャガーズ戦にすべてがかかる。負傷欠場中のタネヒルが戻って来られるかどうか。

ペイトリオッツはレイダース戦のボーンヘッドが響いた。マクダニエルに花を持たせるつもりではなかっただろうが。ジェッツはQB難で急失速。ただし連勝すればドルフィンズは逆転できる。スティーラーズは他力本願。とはいえ、ロスリスバーガー抜きでここまで残るのは大健闘である。

Eliminated クリーブランド・ブラウンズ(6-9)[0%]、ラスベガス・レイダース(6-9)[<1%]、インディアナポリス・コルツ(4-10-1)[0%]、デンバー・ブロンコス(4-11)[0%]、ヒューストン・テキサンズ(2-12-1)[0%]

現状5チームがeliminated。ブラウンズはワトソンが復帰してもブレイクしなかった。いまの雰囲気をみていると、来期になってもあまり期待できないような気がする。レイダースはいくつか惜しいゲームがあったが、現状ではチーフス、チャージャースに及ばないだろう。

コルツ、ブロンコスはQB補強に失敗。むしろ後半健闘したのがテキサンズで、タネヒル抜きとはいえタイタンズに勝ち、カウボーイズ戦など惜しいゲームもあった。来期ドラフト全体1位で期待できるかというと、それはまた別の話。

昨年のAFCチャンピオン・ベンガルズがここへ来て急激に調子を上げている。すでにプレイオフを決め、今週のマンデーナイト次第では第1シードを狙える位置まで前進した。

[Dec 31, 2022]


SUPER WILDCARD WEEKEND

Week17マンデーナイトのビルズ@ベンガルズの大アクシデントにより、今シーズンのNFLは前例のないプレイオフへの突入となった。

NFLは2年前のコロナによる混乱の際、いくつかのゲームができないケースがあることも想定していたようで、Week18の数日前にはビルズ@ベンガルズ戦中止とプレイオフの救済策(不利になる可能性のあるチームへの対応)が発表された。

関係するチームがビルズ、ベンガルズとチーフス、レイヴンスだけということも幸いした。結果的に、チーフスが第1シードながら、ビルズに対してホームフィールド・アドバンテージがないというプレイオフとなった。

Saturday Evening
  シアトル・シーホークス(ワイルドカード)
Oサンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -10.5

グリーンベイがホームゲームでデトロイトに敗退、シーホークスがワイルドカードに滑り込んだ。しかし相手は10連勝中の49ナース。レギュラーシーズンでも2敗しており、ここも苦しいとみる。

QBジーノ・スミスはパスヤードでウィルソンを上回ったそうで、まさにここに来てワンランクアップ。とはいえ、デビュー5連勝、12TDをあげているパーディーの活躍はさらに衝撃的。20年前のブレイディ的なところもあり、Superbowlへは最短距離にいるだろう。

Saturday Night
Oロサンゼルス・チャージャース(ワイルドカード) -1
  ジャクソンビル・ジャガーズ(南地区優勝)

タイタンズがタネヒルの故障で自滅した格好だが、INTを奪わなければWeek18も危なく負けるところだったジャガーズ。本拠地とはいえ、勝ち抜くのは厳しいだろう。要所でヘンリーを抑えたディフェンスはまずまずだが、ローレンスのバスの軌道は定まらなかった。

チャージャースはWeek18は勝ち負けにかかわらず第5シードだったので、アウェイでブロンコスに敗れたのはあまり気にすることはなさそうだ。QBハーバートはマホームズ、ブレイディに次いでパスヤード3位。ただし、ここを勝っても次はおそらくKCである。

Sunday Afternoon
  マイアミ・ドルフィンズ(ワイルドカード)
Oバッファロー・ビルズ(東地区優勝) -10

レギュラーシーズンは1勝1敗なのでここまでハンデがつく対戦ではないのだが、8勝3敗から5連敗してWeek18もジェッツに大苦戦したドルフィンズの状態がよくない。この時期のバッファローも不利で、ディフェンスのビッグプレイに頼るしかない。

ビルズはWeek18を完勝したが、リターンTD2本がなければどうだったか分からない。特にディフェンスが昨シーズンほど堅くないのが気になるところで、ドルフィンズのパスオフェンスがさく裂すれば苦戦もありうる。ただし、QBは誰が出てくるのだろうか。

Sunday Evening
  ニューヨーク・ジャイアンツ(ワイルドカード)
Oミネソタ・ヴァイキングス(北地区優勝) -3

ヴァイキングスは13勝のうち11が8点差以内。11の中には大逆転のコルツ戦、ビルズ戦とともにジャイアンツ戦も含まれている。-3のハンデはFGで決まったWeek16のゲームを受けたものだが、すでにヴァイキングスは地区優勝を決めていた。

だから、このゲームはもっと差がついておかしくない。ジェファーソンはレシーブヤードでヒルを抑えてトップ。All Proほぼ確定の大活躍で、いかにも大舞台で活躍しそうなタイプだ。

Sunday Night
  ボルティモア・レイヴンス(ワイルドカード)
Oシンシナティ・ベンガルズ(北地区優勝) -7

Week18に続いてレイヴンスとベンガルズの対決。ただ、Week14以来欠場の続くラマール・ジャクソンが戻れるとは思えず、ハントリーではバローに対抗するのは難しい。

ベンガルズは8連勝でプレイオフを迎える。レイヴンスが万全でないここは、きっちり勝ってDivisionalに向かいたい。次はおそらく中止になったビルズ再戦、今度はアウェイの戦いとなる。

Monday Night
  ダラス・カウボーイズ(ワイルドカード) -2.5
Oタンパベイ・バッカニアーズ(南地区優勝)

ワイルドカード・ウィークエンドは何チームかワイルドカードが勝つのが例年の傾向で、ここもダラスがFavoriteである。しかし、プレイオフで波乱を起こすとすればダラスよりもタンパに可能性がある。ブレイディの経験値は軽視できない。

ダラスは結果的に勝っても地区優勝がなかったWeek18だが、途中経過でも勝ち目の薄かったワシントン戦だった。Week1では3-19で完敗しており、負け越して地区優勝のバッカニアーズとはいえ簡単に勝てるとは思えない。

マンデーナイトに組まれたカウボーイズ@TB。負け越し優勝のバッカニアーズがUnderdogだが、ここ一番のブレイディの経験値は軽視できない。おそらくこれが最後のプレイオフになる。
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[Fri 13, 2023]


DIVISIOAL PLAYOFF

プレイオフは一発勝負なので番狂わせが必ずといっていいほど起きるのだが、先週のゲームは格別だった。49ナースは3Qまで接戦で終盤引き離したが、チャージャースは27点差を引っくり返されて負け、ヴァイキングスはジャイアンツとどっちが地区優勝かというゲームだった。

ビルズとベンガルズは勝ち上がったものの、ともに一度はリードされる大苦戦。ビルズはミスが目立ったし、ベンガルズはエンドゾーン直前のファンブルで命拾いした。

シーズン前予想で「今年は100倍オッズから出てくるチームはない」と書いたのに、8チーム中2チーム(ジャガーズ、ジャイアンツ)が残っている。ベスト4に残れるだろうか。

AFC Saturday
  ジャクソンビル・ジャガーズ(南地区優勝)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -8.5

Byeのチームが意外と苦戦するDivisionalだが、Wildcardのジャガーズを見てチーフスが油断するとは思えない。Week10にもマホームズが4TDパスを決めて20点差から逃げ切ったが、おそらく点差をつけるより手堅くゲームを進めるだろう。チャージャースが負けたのは、直接的にはFG失敗とボサの余計な反則が原因である。

ジャガーズは前回プレイオフに残った2017シーズンもChampionshipまで残っている。ローレンスは4INTの顔と4TDの顔とどちらが出てくるだろうか。スパニュオーロが例によってプリッツを狙ってくるはずだ。

NFC Saturday
  ニューヨーク・ジャイアンツ(ワイルドカード)
Oフィラデルフィア・イーグルス(東地区優勝) -7.5

ジャイアンツがヴァイキングスに完勝してDivisional Roundに進出。Superbowlに勝った2011シーズン以来である。ヴァイキングス戦はジョーンズのオフェンスが止まらず、見違えるようなチームになっていた。2007年も第6シードからSuperbowlを勝っている。軽視はできない。

イーグルスはシード1位でBye。こういうパターンではえてして番狂わせが起こりやすい。レギュラーシーズン2戦はきっちり勝っているし、復帰2戦目となるハーツが調子を上げてくるものと思われるので優勢とみるが、上昇度ではジャイアンツが上かもしれない。

AFC Sunday
  シンシナティ・ベンガルズ(北地区優勝)
Oバッファロー・ビルズ(東地区優勝) -4.5

ビルズは大駒抜きのドルフィンズに大苦戦。特に、アレンのインターセプトとファンブルロストはいただけなかった。とはいえ、オフェンスの決定力は健在で、要所を締めるディフェンスも堅い。中止となったWeek17の再戦だが、地元の利を生かしそうだ。

ベンガルズは相手QBがラマー・ジャクソンなら負けていたゲーム。オフェンスラインにまたもやケガ人が出て、バローがサックされるリスクも増大している。チェイスにパスが通ればいいけれども、毎度チェイスではディフェンスに読まれてしまう。

NFC Sunday   ダラス・カウボーイズ(ワイルドカード) Oサンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -3.5

11連勝中の49ナースだが、チームにとってもQBパーディーにとってもここが正念場である。11連勝は相手に恵まれたことも確かで、プレイオフに残ったチームは3つだけである。その3つも、Wildcardで敗退してしまった。デメコ・ライアンズDCのディフェンスが、ダラスを止めることができるだろうか。

カウボーイズはバッカニアーズを攻守で圧倒、ブレイディに仕事をさせなかった。毎試合あのように強ければ49ナースにもひけをとらないが、シーズン中もヴァイキングスに圧勝した後テキサンズに苦戦、ジャガーズに敗れた。ディフェンスでパーディーにプレッシャーをかければチャンスあり。

ワイルドカード・ラウンドのカウボーイズは強かった。11連勝中の49ナースは強敵と戦っておらず、ここは正念場になるだろう。
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[Jan 20, 2023]


CONFERENCE CHAMPIONSHIP

Divisionalでは、2つのゲームで大きな負傷があった。ともにハイ・アンクル・スプレイン、足首上部のねん挫で、マホームズは足を引きずりながらプレイしたものの精彩なく、ポラードはカートで退場しそのまま復帰できなかった。

シーズンもここまで進むと、勝ち残るには実力に加えて運が必要と思われる。その意味で、プレイオフになると故障してしまうマホームズには運がないのかもしれない。そして、昨シーズンに続いてベンガルズがSuperbowlに進めば、そういう巡り合わせなのだろう。

NFC Championship
  サンフランシスコ・49ナース(西地区優勝)
Oフィラデルフィア・イーグルス(東地区優勝) -2.5

49ナースにとって、予想通り試金石となるDivisionalであった。デメコ・ライアンズDCのディフェンスがさく裂してプレスコットから2つのインターセプトを奪い、もっと楽に勝てていいのにオフェンスが進まなかった。

このゲームでも、エンジンがかかった時にはすでに大差がついているかもしれない。ハーツのラン、パスを封じこめることに加え、オフェンスやスペシャルチームでミスのないようにしないと勝てないだろう。

イーグルスはヴァイキングス戦であれだけ進んだダニエル・ジョーンズに全く仕事をさせなかった。バークレーにも60ヤードほどしか許しておらず、マキャフリーを封じればイーグルスのペースでゲームが進められる。ハンデ2.5は甘いと思う。

AFC Championship
Oシンシナティ・ベンガルズ(北地区優勝) -2.5
  カンザスシティ・チーフス(西地区優勝)
敵地のゲーム、しかも強風降雪でパスを通すにはつらいコンディションにもかかわらず、バローが240ヤードのパスを通した。加えて、ミクソンが105ヤードのラッシュ。これは、アレンとシングレタリーを足した倍より多い。2年連続Superbowlに進みそうだ。

マホームズはプレイオフになるとターフトゥになったりハイアンクルスプレインを痛めたりする。あの足の具合では、1週間で完全復活は難しい。もともとオフェンスのチームなので、ディフェンスに多くを期待するのは酷。こちらも、ハンデ2.5ではチーフスに厳しいと思う。

昨年同様、序盤はいまひとつながら終盤で調子を上げてきたベンガルズ。昨シーズンは単勝万馬券だったが、今年は人気チームの一角である。
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[Jan 27, 2023]


SUPERBOWL LVII直前予想&回顧

SUPERBOWL LVII(2023/2/12、アリゾナ・ステートファームスタジアム)
  カンザスシティ・チーフス(AFC)
Oフィラデルフィア・イーグルス(NFC) -1.5

チャンピオンシップは、チーフスがベンガルスを接戦で破り、イーグルスは49ナースに圧勝した。ともに第1シード、そしてこの5年間にSuperbowlを勝っているチーム同士の戦いとなった。

そして、アンディ・リードが長年HCだったチームと、現在HCであるチームのSuperbowlである。アンディ・リードも保険会社のCMに出るだけじゃなくて、ちゃんと仕事しているのであった。(本当に"Mahomes"、"Coach"と呼び合ってるんだろうか)

マホームズになってから3度目のAFCチャンピオンとなったチーフスだが、予想したようにマホームズのケガは深刻だった。ゲーム中盤以降は足をひきずる場面が何度もあり、マホームズのファンブルで流れがベンガルズに行ってもおかしくなかった。

勝利の最大の要因はディフェンスで、ベンガルズのオフェンスラインがバローを守れなかったことである。クリス・ジョーンズが要所でプレッシャーをかけ、セカンダリーもチェイスを最小限に抑えた。

とはいえ、チーフスのディフェンスというよりベンガルズのOLが弱すぎたというべきで、イーグルスのOLはベンガルスほど弱くないし、ハーツにも機動力がある。やはりチーフスはオフェンスで、マホームズが万全であればともかく2週間で完全復活は難しい。

一方のイーグルス。チャンピオンシップは49ナースのQB2人が相次いで負傷したのが最大の勝因。とはいえ、パーディーのケガはデイフェンスのプレッシャーが届いたから起こったもので、ケガがなくてもイーグルスが勝っただろう。

現地実況では、ハーツのケガからの回復が本当ではなく、100%の状態ではないと繰り返していた。パス121ヤード、ラン39ヤードの数字をみると、49ナースのディフェンスが強力なことを差し引いても本来の出来ではなかったことが分かる。

ただ、マホームズと違って足を引きずるような場面はなかった。Week18前の3週間とプレイオフ前の2週間を休み、プレイオフ2戦いずれも楽勝で後半にはセーフティーファーストでプレイできたことを考えれば、100%は無理でも80%くらいには戻せるだろう。

となると、1.5のハンデはいかにもイーグルスに甘い。プレイオフ2戦をみても、イーグルスの流れになっているのではないかと思う。イーグルスが10点差くらいつけて勝つと予想する。

チーフスが勝つとすれば、後半まで差を付けられずについて行き、最後のシリーズでマホームズのマジックが決まるというケースしか考えられないが、後半までに差をつけられるのではないかということが一点。加えて特にゲーム後半では、マホームズが満足にプレイできないおそれがある。

私が心配している展開になるとすれば、イーグルスファン以外にはあまりおもしろくないゲームになる可能性が大である。

ともにこの5年間にSuperbowlを制している第1シード同士の戦い。勝敗のカギは両チームQBのケガの回復具合。ハーツの方が100%に近いだろうと予想している。


ビートルさんからのコメント・いよいよスーパーボウル
 何だかいろんな意味で面白いイベントとなったプロボウルが終わり(これならスーパーボウル後に戻して「NFLファン感謝デー」みたいにした方がいいと思う)、今年もスーパーボウルの時がやってきました。2年ぶり3回目のAFC優勝(その他旧AFL優勝もある)のチーフスと、5年ぶり4回目のNFC優勝を成し遂げたイーグルスの対決です。チーフスのリードヘッドコーチと古巣との対決、また史上初の兄弟対決など話題は尽きません。

 ただ、内容となるとイーグルスに下馬評が傾いているようです。それを覆すにはマホームズがどれだけいい状態で試合に臨めるかにかかっています。もしも彼が予測を上回るほどの回復をしてイーグルスを慌てさせたら、スーパーボウル経験で勝る分チーフスに流れが行くのではないでしょうか。私は再び大舞台でマホームズの魔法みたいなプレーを見てみたいです。
 今年もNHKの放送は無しで寂しい限りですが、放送復活を呼び込むような好ゲームになってほしいですね。

 なお、今年もスーパーボウルまであと一歩まで来たベンガルズは残念でした。悲願達成のためにはバローを守り切れるオフェンスラインの強化がやはり急務でしょう。


スーパーボウルLVII(2/12、アリゾナ)
カンザスシティ・チーフス 38-35 フィラデルフィア・イーグルス

Superbowlは私の予想に反して接戦となり、ラスト・ドライブでマホームズが残り時間5分を潰してウィニング・フィールドゴールに結びつけ、3年ぶりにスーパーボウル制覇を果たした。

前半にタックルを受け足を引きずっていたマホームズは決して100%ではなかったが、後半3つのタッチダウン、ラストドライブでのレッドゾーンへのスクランブルなどケガを感じさせない活躍で、文句なしでシーズン、スーパーボウルのMVP2冠となった。

ジェイレン・ハーツはスーパーボウル初となるQBの3TDラン、3rdダウン1や4thダウン1のスニークを次々と決めて本領を発揮したが、結局のところ前半のファンブルロストが勝敗を分けることとなった。

ただ、前半10点差をつけて折り返したのだから、ハーツの不用意なプレイだけを敗因とするのは気の毒である。むしろ、後半すべてのドライブを得点に結びつけたチーフスをたたえるべきだろう。(最後のドライブもTDを取れたが、わざとエンドゾーン前でダウンした)

マホームズがすごかったのは、その後半のドライブでTDパスを通したのがトニーとムーアという伏兵だったことである。もちろん、ケルシーにはダブルチームだっただろうし、スミス・シュスターやバルデス・キャンドリックのマークもきつかったにせよ、タイリーク・ヒル抜きでシーズンを戦ってきた成果が、ようやく最後に来て実ったように思える。

そして、リードを広げたスペシャル・チームのパントリターン。リターンしたのはTDパスキャッチもあったトニーだが、チーフスのディフェンスとスペシャルチームの気合が違った。いつもこういう出来ではないだけに、マホームズが万全でないという心配があったのだろう。

かたやイーグルス。タイム・オブ・ポゼッションを重視する戦略は理にかなっていたし、ハーツのファンブルとディフェンスの反則以外目立ったミスはなかっただけに、マホームズにやられた感は強いかもしれない。38点以上取られたのは、ハーツがいなかったカウボーイズ戦だけである。

ただ、結果こうなってみると、イーグルスはシーズン中にもそれほど強い相手と当たらなかったし、プレイオフも楽勝続きで接戦の経験がなかった。ビッグプレイを決めたり、反則なしで相手を止める必要がなかったことが響いた可能性はある。

ここ一番で流れを変えるビッグプレイを決めるためには、接戦を戦って勝ち抜く経験が必要かもしれない。とはいえ、今回は相手が悪かった。そして、シーズン全試合を横綱相撲では勝てないということでもある。

2022シーズンもあっという間に終わってしまった。だが、半年すれば2023シーズンが始まる。AFCではチーフス、ベンガルズ、ビルズ。NFCはイーグルスと49ナースという今期上位に残ったチームが、来シーズンもSuperbowlを争うことになるだろう。

[Feb 14, 2023]

ビートルさんからのコメント・スーパーボウル感想
 今季のスーパーボウルはチーフスが大激戦の末にイーグルスを破り、3年ぶり3回目の世界一に輝きました。下馬評ではやや不利と言われていたチーフスでしたが、マホームズの故障を跳ね返しての大活躍とチーム全体の総合力で見事な勝利を収めました。やはりマホームズはすごかった。故障を抱えながらも安定したプレーを続け、まさにスーパースターでした。その彼を支える攻撃陣、そして守備陣やスペシャルチームのプレーも光っていたと思います。
 対するイーグルスのハーツも見事でした。チームは勝てませんでしたが、彼もMVP級の活躍でした。今回のスーパーボウルは双方のチームがいかんなく力を発揮した点で非常に良いゲームだったと思います。

 来シーズンもいろいろと楽しい要素が多いです。ブレイディが今度こそ引退し、一挙に新時代がきた感があります。私もAFCではチーフスにビルズとベンガルズが対抗する構図になると思います(NFCではやはりイーグルスが本命でしょう)。まだスーパー制覇の無いビルズとベンガルズにはできるだけ早く悲願を達成してほしいですね。来季も面白そうです。それではまた。


個人的には、シーズン開幕前二番手(対抗)にあげたチーフスが優勝して予想は当たりましたが、マホームズがケガを押して活躍したのが予想以上でした。



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