モツ煮込み    芋煮    きのこ汁    さざえの壷焼    牛スネ肉のシチュー
鯨肉のから揚げケチャップソース    ジンギスカン    ローストビーフ
トマトとオリーブの冷製パスタ    芋煮会again    鮎を焼く    スーラータン


モツ煮込み [May 5, 2005]

昨日は七輪で一日モツ煮込み。一昨日買ってきた白モツ(豚の腸をゆでたもの)を二度ほど煮こぼして一晩置き、昨日は朝から七輪で火を起こして延々と煮込む。ガス代もさることながら家中モツのにおいになってしまうのを避ける意味でも、七輪は欠かせない。

午前中いっぱい煮て、大根、人参、ネギ、こんにゃくを入れてまた煮る。さらに味噌、しょうゆ、酒を加えて煮る。夕方にはおいしいモツ煮込みの出来上がりである。

就職して間もない頃、会社がすぐ近くだったのでよく有楽町のガード下で飲んだ。店はカッコよくいえばオープンカフェだが、実際はほとんど外の吹きっさらしで、背もたれもない椅子がいくつか置いてあった。

一番目につくところにモツ煮込みを大なべでぐつぐつ煮ていて、そのうまそうなにおいが何ともいえず、「とりあえず、ビールと煮込み。」ということになってしまう。ほとんど屋台であるにもかかわらず値段はそんなに安くなくて、近くの「ニュートーキョー」(ビルの中)と大して変わらないのだが、なぜか寄ってしまったものだった。

スーパーでのモツの値段はそれほど安くはなく、輸入物の豚肉や鶏肉とそれほど大きな差はないようだが、多分昔は、二束三文とはいわないまでも、かなり安く手に入れられたのではないかと思う。そういえば、キンカン(鶏をさばいた時に出る卵のできかけ)やおから(豆腐を作るときに出る搾ったあとの大豆)もあまり見かけない。

日本のお店のほとんどがスーパーとコンビニになってしまい、流通も合理化されて、近場で生産しているのであれば当然出るはずのそれらの副産物が、気軽に運んでこられない(ものが安いだけに輸送費だけ高くつく)という事情があるのだと思う。

うちの奥さんの叔父さんという人が、もうとうに亡くなられた方なのだが、お勤めをしていなくて内職をしながら毎日家にいて、シャツとステテコと腹巻姿でよく七輪でモツを煮ていたのだそうだ。そういえば、子供の頃そういう姿の大人が結構いたように覚えている。

いまや平日の夕方にお父さんが家にいるなどということはほとんどないし、お母さんだっていないところが多い。子供も塾だったりする。日本中企業とサラリーマンだらけになってしまって、豊かになったことは間違いないが、「ゆとり」がなくなった。モツを煮ながらそんなことを考えていた。

[May 5, 2005]

七輪でぐつぐつと煮るモツ煮込み

芋煮 [Nov 01, 2005]

一昨日の日曜日、この秋初めて七輪を出して、芋煮をした。

先々月、山形の友達のところに行った際に、当地の名物である芋煮をごちそうになった。その時、ちょっとしたこつが分かったので、今回はわが家で作ってみようと思った訳である。まず、近くの産直センターへ行って材料を仕入れる。地元産の里芋とネギ、それと群馬県は下仁田産のこんにゃくである。そして、スーパーで牛肉と麩。入れるのはこれだけである。煮物というとどうしてもいろいろ入れてしまいたくなるが、山形の芋煮はシンプルに作るのがこつである。

水の入った土鍋を七輪にのせ、全体に温かくなってきたところで下茹でした里芋とこんにゃくを入れる。里芋やこんにゃくはあくがでるので、一口大に切ってから下茹でしておくのがいい。そして煮立ってから4、5分ほどたったところで、こま切れの牛肉を入れる。これもあくが出るのですくってやる。

あくが出なくなったらネギと麩(あらかじめ戻して、やはり一口大に切る。車麩を入れたが、本当は庄内麩がいい)を入れて、しょうゆ、酒、みりんで味をつける。味つけが終ったら、それほど煮込まないでネギがまだしゃきしゃきしているくらいで火からおろして、あとは余熱で十分である。

地元産の里芋は柔らかくてくせがなく、冷凍のものとはやっぱり一味違う。こんにゃくも自然のこんにゃくの味がする。そして、牛の味がしみた麩は何ともいえずうまい。わが家では、給料日前など特におカネがない時で、しかもちょっと豪勢なものを食べたいという時に、よく「すき焼き風」というのをする。

牛肉は本当にちょびっと、せいぜい150gとかそんなもので、肉の代わりに麩をたくさん入れるのである。これがおそろしくうまい。ビールにも合うしごはんにも合う。家の子供達もこれを食べて育った。きっと、将来おカネのない時には同じことをするに違いない。

あまり風もなく、日が暮れても寒くなかったので、残った火でネギや油あげを焼いて食べた。酒は中越地震から立ち直った朝日酒造の「久保田・千寿」。千寿より高い酒は買えないが、千寿以外ではちょっともの足りない。芋もおいしく煮えて、久しぶりに飲みすぎてしまった日曜日でありました。

[Nov 01, 2005]

きのこ汁 [Nov 16, 2005]

秋の味覚は数多くあるが、その中でもきのこ汁は代表格ではなかろうか。日曜日は風もなく晴れた七輪日和。例によってつかの間のアウトドアである。

11月も下旬に近づくと日の落ちるのが早い。だからお昼を回ってすぐに火を起こさなくてはならない。大きめのずん胴鍋に水を張り、細かく切った鶏もも肉を水から煮始める。煮立ってくるとあくがでるので、適当にすくう。鶏なので、それほど神経質になる必要はない。いい鶏肉を使うと、何ともいえないおいしそうなにおいがしてくるから不思議である。

奥さんから聞いた話だが、TVで細木数子が「みなさん50円や100円で売っている卵を喜んで買っているが、それがどういう卵であるのか考えたことがあるのか。多少高くても、健康な鶏の産んだ卵を買うべきであり、それが鳥インフルエンザを防ぐことにもなるのだ」といっていたらしい。10年以上前に美味しんぼで山岡司郎が言ったことと似ているのはご愛嬌として、彼女の言う事は正論である。あまり好きなキャラクターではないが。

鶏肉についてももちろん同じことが言えるわけで、多少高くても鶏肉は牛肉ほどの値段はしない。もちろんそこまで切り詰めなければならないという場合もあることは理解できるが、そうでない限りはできるだけ安心できるものを使いたいものである。さて、鶏肉からいい出汁が出てきたら、きのこの前に大根、にんじん、ネギを細かく切って入れる。大根が軽く透き通るくらいまで煮たら、いよいよきのこの出番である。

今日は、しいたけ、まいたけ、ぶなしめじ、の常連に加えて、ひらたけ、やまぶしたけ、ブラウンしめじの6種類のきのこを入れた。きのこはそれほど煮込まない。ひと煮立ちして少ししたら、しょうゆ、酒、みりんで味付けをする。みそ味もおいしいというので、小分けしてみそ汁仕立てのものも作る。最後に、小麦粉をといてすいとんにする。これが最高である。すいとんを入れたら、一煮立ちで完成である。すいとんに、鶏のだしと、きのこと野菜の味がしみて、何ともいえない。このままご飯にもなるし、酒の肴にもすることができる。

きのこ汁を作った後、残った炭火で牛ももステーキを焼く。100g250円と決して高くない肉だったが、炭火で焼くと余分の脂が落ちてうまい具合に仕上がる。外側はウェルダン、中は火の通ったレアで、値段以上においしく味わうことができたのでした。

[Nov 16, 2005]

さざえの壷焼 [Aug 7, 2006]

先日の休みに銚子に行った。銚子までは車で約2時間半、高速か一般道で佐原まで行って、そこからは一般道を利根川沿いに走る。片側1車線の単調な道で、道幅もところどころ狭くてちょっと疲れる。

ただ銚子市内に入ると、魚を積むための大型トラックが通るせいか整然とした道路になる。いつも行くのは、漁港の近くにあるマリンタワーに付属して建てられたウオッセ21と呼ばれる水産物卸売センターである。

この中にある「魚座屋」という食堂で名物の海鮮丼を食べた後、センター内を見て回っていると、さざえ一山、6個で1000円という表示。うーん、これは安い。さざえといえばひとつ300円位してもおかしくないのに、これは1個166円である。

「なんでこんなに安いの?」と聞いたら(実際に聞いたのは奥さんだが)、「卸値だから」との答え。もしかしたら売れ残りなのかもしれないが、壷焼きにするつもりだから大勢に影響はない。2山12個買ったら、ほっけの干物をおまけにつけてくれた。

今年の夏は涼しい。この日も昼間は夏の日差しががんがん照りつけていたが、午後4時を過ぎて日が翳ると一気に過ごしやすくなる。久しぶりに七輪を出して火を起こす。最近は新聞紙少しと前回使った残りの炭のかけらで火が点くようになった。そして火が安定したところで新しい炭を入れて、いよいよ壷焼きの開始である。

中の身を引っ張り出して切っておくと食べやすいのだが、そのまま焼いてかぶりつくのもおいしい。下ごしらえもしなくてすむので、そのまま焼くことにした。網の上にさざえを乗せる。しばらくすると中の水が泡立って沸騰してくる。ちょっとかわいそうだ。

ここで味付けをする。醤油だけ、酒と醤油、そばつゆの各バージョンを試したが、私には酒と醤油が一番おいしい。そしてさらに焼く。煮汁が貝からあふれそうになるが、もうしばらく焼かないと肝が半生になってしまうのだ。

ほどよく焼けたら、貝とふたの間からフォークを突っ込んで身に刺し、くるくるっと回すように身と肝を取り出す。さざえは熱くなっているので軍手と皿が必需品である。肝が生っぽかったら、そこだけ切って貝の中に入れて、また網の上で焼けばいい。焼きたてのさざえの身はこりこりとして磯の味がする。ビールにも冷酒にも最高である。そして、次のさざえが焼けるまでの間、その香ばしい匂いでますます酒が進むことになる。

2000円のさざえを堪能した夏の宵でありました。

[Aug 7, 2006]

牛スネ肉のシチュー [Sep 21, 2006]

ビーフシチューでどこの肉がおいしいかといって、スネ肉ほどおいしいところはない、と勝手に思っている。

20年以上前から、100g150円位の値段はほとんど変わらず、600g買っても1000円にならない。そして、普通に煮ただけでは固かったりゼラチン質のところがぷよぷよしたりしてあまりおいしくないのだが、煮込むととてもいい味になる。この間、久々にこのスネ肉のシチューを作ってみた。

最初から煮ると6、7時間かかってしまうので、圧力鍋で少し煮てやわらかくしてから、七輪に移す。玉ねぎと人参も入れるが、何時間も煮ると溶けてしまうので、最初は半分くらいの量を大きく切って入れる。しばらく待つと、ぐずぐず煮えてくる。下の空気入れ口を閉じて弱火にするのだが、炭火なものだからそれでも火力は相当のものである。近くに寄ると熱気が伝わってくる。

スネ肉が塊のままで上下しているうちはまだまだである。この状態から2時間3時間と煮ていくと、肉をまとめているゼラチン質が溶けて、大きな塊が小さく分解されていく。こうなると、こちらのものである。

煮すぎてしまうと、肉が繊維状(コンビーフみたいな状態)にバラバラになってしまうので、ちょうどいい頃合で仕上げに入らなければならない。残りの玉ねぎ、人参(最初に入れたのより細かく切る)を入れ、じゃがいもを入れる。じゃがいもが煮えてきたら、デミグラスソースで味つけである。

デミグラスソースでちょっと煮た後で、シチューの素を入れる。デミグラスソースだけだとかなり水っぽいので、シチューの素を入れるとこってりするのだが、入れすぎると粉っぽくなるのでほどほどでいい。

少しさらさら感があるようでも、野菜が煮崩れているのでかなりいい味が出ている。それに、ここまで煮込んだスネ肉は最高にまったりした味である。ステーキや焼肉には向かないし、カレーにもいまいちなのだが、このシチューはたまらない。手間をかけただけのことはある。

別に茹でたアスパラをトッピングすると、見た目鮮やかなのと味にアクセントがついていい。牛スネ肉のシチューに、パン、スパゲティと赤ワインでこの日の夕食となった。 [Sep 21, 2006]

ちょっとピンボケしてしまいましたが、牛スネ肉のシチューとワイン。

鯨肉のから揚げケチャップソース [Nov 13, 2006]

日曜日の昨日、久しぶりにお気に入りの魚屋に行ってみた。木枯らしが吹く季節になったので、刺身というにはちょっと寒い。生きのいいいわしが出ていたら、紫蘇と梅肉をはさみ揚げにしたらおいしいだろうと思ったのだが、お目当てのいわしの他に鯨が安く出ていた。

加熱用と書いてあるが250円である。これまで鯨料理は作ったことがないが、この量と値段なら失敗しても目をつぶって食べてしまえそうだ。という訳で、昨晩の酒のつまみは鯨肉のから揚げケチャップソースあえに挑戦してみることにした。

子供の頃給食でいやというほど食べた料理であるが、あれから40年。舌が味を覚えているかどうか不安である。まだ鯨ベーコンの方が就職したての頃有楽町のガード下で食べたことがあったし、鯨が部分解禁になってさっそく買って食べてみたくらいでなじみ深いが、ケチャップソースとなると子供の料理である。ネットで調べてみても作り方など載っていない。仕方なく、自己流で作ることにした。

鯨肉は一口大に切って、下味をつける。給食で食べた鯨は脂身の部分が多くてぷりぷりしていた記憶があるが、おそらくそうした鯨は獲ってはいけない種類なのだろう。買った鯨肉は赤身だけで脂身がない。

下味はしょうがと長ネギ、しょうゆ。にんにくを入れると鯨の味に勝ってしまうような気がして、にんにくは入れなかった。30分ほど漬けてから、片栗粉をつけてから揚げにする。記憶をたどると、鯨に白く衣が浮いていたような気がするので、小麦粉ではなく片栗粉にしたのである。

から揚げの後はケチャップソースである。いろいろ野菜を入れてもいいのだろうが、あまり野菜が多いと酢豚風になってしまうので、あっさりと鯨中心にした。玉ねぎを強火でいためてから火を弱め、ケチャップ、ウスターソース、酢、レモン汁を合わせてかき混ぜる。そこに先ほどのから揚げを入れて、温めながら全体にソースをからめて、出来上がりである。せっかくからっと揚げたから揚げがちょっとしんなりしてしまったのは気がかりだったが、さっそく味わってみる。

噛みしめると、間違いなく昔給食で食べた鯨の味である。ケチャップソースもとてもほどよく絡まっていて、おいしい。奥さんと「鯨の味だよね」「そうだね」と言いながら、あっという間に完食である。

不思議と、日本酒の冷やにもよく合った。昔、給食当番でアルマイトかなにかで出来た黄色いバケツから、おたまですくって食器に盛ったのを思い出した。鯨には気の毒だけれど、やっぱり鯨はおいしい。鯨ベーコンだって、ほんとは安いから食ってたんだよなあ、などとなつかしくなってしまったのでした。

[Nov 13, 2006]

ジンギスカン [Apr 2, 2007]

北海道といえば、ジンギスカンである。札幌に行くととりあえずサッポロビール園へ行って、生ビール大ジョッキを片手にジンギスカンをもりもり食べるというのが定番であった。

ただ最近では年をとって食欲がやや鈍ったのと、クラシック館(最近できたきれいな建物)の中ではジンギスカンが食べられない(においのためか?)ので、そういえばしばらく食べていなかった。先日アジアパー伝の記事を書いたが、札幌育ちのカモちゃんも何かというとジンギスカンを食べていたそうである。

ジンギスカンとなれば、まず鍋である。ジンギスカンの語源は行軍中のモンゴル軍がかぶとで羊肉を焼いたという話があるが、これはおそらく嘘であろう。なぜなら北海道で羊を飼うようになったのは明治以降のことだからである。ちなみにモンゴル軍は元寇のあった鎌倉時代、ジンギスカン鍋が広まったのはどうやら戦後のことらしい。もちろん、モンゴルには羊肉料理はあるがジンギスカン鍋はない。

話が横道にそれたが鍋。これは通販でいいものをみつけた。七輪用の穴あきジンギス鍋、南部鉄器製で2,980円である。これは金曜日に届いた。次はラム肉である。これは上野松坂屋の地下にスライスで売っていたので、土曜日にたれと一緒に買った。

ラムは子羊の肉、羊の肉はマトンで、ラムの方が柔らかく羊独特のくさみが少ない。野菜は買い置きの春キャベツ、春タマネギ、それにもやしである。そして土曜の夜に吹いていた突風もぴたっと止んで、日曜日の午後は絶好の七輪日和となった。

鍋に軽く油をひいてから、周りに野菜を並べて、中央の高くなっているところにラム肉を置く。羊肉は脂が多いのだが、穴あきなので余分な脂が落ちてくれるのがいい。両面よく焼いたところで、たれにつけて食べる。

ジンギスのたれはりんごの擦ったのとかワインとかレモン汁とかが入っていて、ちょっと酸っぱいのが特色。鍋の周りに流れてくる脂で野菜も焼けるので、ひととおり肉を食べてはほどよく焼けた野菜を食べる。そしてもちろんビールである。

暖冬を象徴するような初夏のような一日、カモちゃんを追悼しつつ飲むビールは、心なしか酔いが回ってしまったようでした。

[Apr 2, 2007]

新調のジンギス鍋にラム投入。

ローストビーフ [Apr 10, 2007]

4月8日の日曜日は誕生日であった。お祝いメッセージをいただいた方々には、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。

この日は覚えやすくていいのだけれども、バカラでも、ブラックジャックでも、ポーカーでも、4と8という組み合わせはあまりありがたくない。大小でも8はともかく4が出ることはほとんどない(1.1.2)。

だから誕生日で賭けられるのはルーレットとせいぜいクラップスぐらいなのだが、それはともかく、シニアの仲間入りをする記念日なので出来合いのものでは面白くない。そこでローストビーフを焼いてみることにした。

市販のローストビーフを買うと、いいお店(今半とか)のものであってもちょっと肉くさいような気がする。もちろんそれがローストビーフの味だという人もいるとは思うのだけれど、肉自体を味わいたいのならステーキのレアを食べてもいいし、ローストというからにはそこにプラスアルファがあるべきだというのが私の意見である。

その意味では、100g1000円以上の和牛ヒレとかサーロインをあえて使うことはない。もう少しグレードを落として、むしろ脂があまりのっていない部位の塊り(ブロック)がいいのだが、これがデパートとか探しても置いてない(もちろん、高いものは置いてある)。

いくつかスーパーを回って、結局家の近くのスーパー(前に猫ひろしが来た所)にオージービーフの800g以上のブロックがあった。100gにすると200円もしない。しかも赤みばりばりの筋肉っぽい肉である。

肉は塩・こしょうをすりこんでたこ糸で形を整え、にんにく入りのサラダ油で表面をくまなく焼く。仕上げに赤ワインを振って火を入れ、炒めた肉を油ごと香味野菜を盛り合わせたオーブン皿に移す。香味野菜はタマネギ、セロリ、パセリ、にんにく、しょうが。そして焼いた肉の上に庭から取ってきた生のローズマリーを乗せて、170度のオーブンで50分。竹串で刺して肉汁の具合をみて、足りなそうだったのでさらに190度で10分。

焼けたローストビーフはアルミ箔で包んで皿の上に乗せ(肉汁が出てくるので)、そのまま一晩置いてさまし、その後冷蔵庫へ。香味野菜とオーブン板に残った肉汁は、赤ワインとコンソメを足してグレービーソースを作る。

そして出来上がったローストビーフを薄く切って、グレービーソースとお好みでわさび、ゆず胡椒、粒マスタードを乗せて食べてみると・・・・、これがまさに絶品であった。肉のくさみが全然なく、ほのかにローズマリーや胡椒、香味野菜の香りが口に広がる。これでこそローストビーフ!とワインがどんどん進んでしまったのでありました。

[Apr 10, 2007]

表面を焼いた肉をオーブン皿へ。香味野菜で囲みローズマリーを乗せます。


クレソンやベビーリーフを添えてグレービーソースをかけます。ワインはマルキ・ド・カロン(カロン・セギュールのセカンド)。

トマトとオリーブの冷製パスタ [Sep 3, 2007]

8月の声を聞いたとたん暑くなったと思ったら、9月になって急に涼しくなった。スパゲティが大好きなのだけれど、暑い盛りにはちょっと気が進まない。だから冷製パスタに何度か挑戦してみたのだが、これまでなかなかうまくいかなかったのである。ようやくなんとかうまく行ったと思ったら、エアコンもいらないくらいの涼しい夕方になってしまった。

湯むきしたトマトと、黄色いパブリカを2センチ角に切り、オリーブの実を半分こにする。にんにくとアーモンドをみじん切りにし、オリーブオイル、お砂糖少々、チリシーズニングミックス、バジルと混ぜて、金属性のボールに入れて冷蔵庫で4~5時間冷やす。それとは別にコンソメの素を少量のお湯で溶かしてスープを作り、塩コショウしてこれもボールに入れて冷蔵庫へ。

スパゲティは若干柔らかめにゆでて、そのまま冷やし中華のように水で洗って冷ます。トマトのポールとコンソメのボールを混ぜて、さらに冷やしたスパゲティを入れ合体させて出来上がり。オリーブの風味、トマトの酸味、アーモンドの歯ざわり、かくし味のチリやバジルも効いて、夏向きの冷製パスタの完成。なかなかの味で、奥さんには非常に好評でありました。

一緒に作ったのはメキシコ料理チリ(チリ・コン・カン)。タマネギをみじん切りにして牛ひき肉と炒め、そこにホールトマトとミックスビーンズの缶詰、タコスソース、チリシーズニングミックスを混ぜて、弱火で煮ること30分。こちらもすばらしく辛いチリが出来上がった。

こちらはそのまま食べてもいいし、トルティーヤ(薄くて柔らかい方)で巻いて食べてもおいしい。本当はこれに白ワインでもあるともっと良かったのだが、昼にこれらを料理しながらスコッチをロックでボトル半分近く飲んで酔っ払ってしまったので、健康管理上控えざるを得なかったのは残念でありました。

[Apr 10, 2007]

トマトとオリーブの冷製パスタ(右)とチリ(左)。ラベルが見えているのはトルティーヤ。パプリカはこんなに大きく切っても、全然気にならないくらいです。

芋煮会again [Dec 5, 2007]

先週の日曜日にたまたまスーパーで庄内麩をみつけたので、その足で地元の産直センターに行って里芋を仕入れ芋煮会をした。バックナンバーをみると、約2年前にもやはり芋を煮ている。

芋煮会のもともとの発祥は、想像するに収穫祭だろう。だから、時期的には前の週の勤労感謝の日にやるのが正しいのかもしれないが、この日は風もなく、また今年は急に冷え込んだのに小春日和といっていい好天に恵まれて、七輪が呼んでいるような気がした。

火を起こしてまず鉄鍋にお湯を沸かし、牛肉、長ネギ、こんにゃくと里芋を入れて煮る。里芋は下茹でしてぬめりをとっておくと仕上がりがきれいである。お湯のままで、里芋が柔らかくなるまで煮る。

里芋が柔らかくなったら、酒、しょうゆ、みりんで味付けする。そして、庄内麩を大きめに割って入れる。他の麩でもいいのだけれど、やはり芋煮に合うのは庄内麩である。味がしみるまで少し煮て、芋煮の出来上がりである。

やはり地元の銀杏を炒って、今年の収穫に感謝しつつ一杯。里芋もよく煮えて、また牛の味のしみた庄内麩はこたえられない味わいである。今年もなんとか無事に過ごすことができそうだ。来年もまた平穏に過ごせますように、と思う。今年もいよいよ、最後の月になった。

[Dec 5, 2007]

煮えてきた芋煮。茶色く写っているのが庄内麩。


銀杏も添えて一献。紅葉もわが家産です。


鮎を焼く [Jul 15, 2008]

ガソリンが高い。暫定税率がストップしていた時は120円台だったのに、最近では180円に近い。ほとんど5割増しである。燃油サーチャージで海外へ行くのも5割増しだから、結局どこへ行くのも5割増しということである。

ようやく花粉症の季節が終わったのだけれど、そういう訳でなかなか遠出ができない。かといって、鮎も食べたい。というわけで鮎を買って来て家で焼くことにした。

千葉県北西部では一番うまい魚屋である八千代の「魚次」(うおつぐ)へ。鮎は養殖もののようで一尾280円。天然ものより心持ち体が大きい。それと九州産のさざえ一つ180円、ロシア産のほっけ580円、佐賀県産ステーキ肉780円とゴーヤ、アスパラなど夏野菜を購入。ついでに河内屋に寄って一番絞り6缶パック1080円と、久保田千寿一升3980円を買う。

今年の夏は意外と涼しいが、それでも昼日中は暑い。日が陰ってきた4時ごろから七輪に炭火を起こす。七輪を使うのは久し振りだ。細かい炭が真っ赤になり、大きな炭を入れて全体に火が回るまで3、40分。まず、初めて試みる鮎からである。

鮎は遠火の炭火で、串に差して立てて焼くとおいしいが、これは余分な水分や脂分が口から刺した串を伝わって出て行くからである。そこで、串をアルミホイルで巻き、立てて焼こうとしたのだが(写真)、中身が木であるから途中から串が燃え出してしまった。結局、普通に魚を焼くときのように網に乗せたため、水気が皮に出てきてしまい少しべちょべちょな焼き上がりになってしまった。

それでも、自分の家で焼いた鮎は特別で、初夏の味がした。引き続き、さざえ、牛肉、ほっけと七輪は大活躍し、冷えたビールと久保田千寿とともに夏の宵は魚の焼けるいい匂いでふけていくのでした。

[Jul 15, 2008]

最初はうまくいきそうだった鮎の塩焼きだったが・・・。

スーラータン [Jun 11, 2015]

横浜に行った時に調味料を買うことができたので、久しぶりにスーラータンを作った。

わが家のスーラータンは、私がマカオで食べた味を参考にしているので、Cookpadとかに載っているレシピとはかなり違う。でも私としてはかなりいい線と思っているし、奥さんもおいしいと言ってときどきリクエストがある。

その際にどうしても外せない調味料が、香醋と紅醋、老抽である。これまでは香港・マカオに行く時にあちらのスーパーで買ってきたのだが、4、5年も行っていないのでとっくの昔になくなってしまった。この間横浜でギリヤークの公演があった時に、思いついて中華街を回ってみたら、なんとあったのである。

いずれも3合瓶だからそれなりに大きいのだけれど、値段はというと3本で1000円ちょっと。これはあちらで買った値段とほとんど変わらない。最近は円安だからもっと高くなっているかと思ったら、びっくりするほど安かった。日本在住の華僑向けだろうから、商売抜きで輸送料を計算に入れていないのか、そもそも原価がタダみたいなものなのか、判断に迷うところである。

香醋は日本では「黒酢」といわれるものに近い。ちょっと見はたまり醤油のようで、実は酢である。紅醋は香港・マカオではポピュラーで、わが家では「赤酢」と呼んでいる。ギョーザにつけてもおいしい。老抽はあちらのたまり醤油で、あまりしょっぱくなく、ねっとりした感じである。あと紹興酒、豆板醤、中華スープも使うが、これらは日本のスーパーでも売っている。

寸胴にお湯を沸かして、中華スープの素と干しシイタケを戻し汁ごと入れる。そして細かく切った野菜を煮る。竹の子とタマネギは必須。今回はプラスして人参ともやしを入れた。魚介類は冷凍の海老。イカとかシーフードミックスを入れてもおいしい。味をつけてから豆腐と水溶き片栗粉、とき卵を何個か。

ポイントは、合せ調味料である。水と野菜の量にもよるが、味をみながら出来上がりで水の8%くらい。酢(香醋・紅醋)、老抽、紹興酒をそれぞれ1/3ずつの見当で、老抽は少なめ、酢と紹興酒は多めに入れる。忘れてはならないのが豆板醤で、水1リットルに対し大さじ1杯以上は入れたい。

スーラータンはスープとして食べてもおいしいが、中華麺をゆでてスープたっぷりのスーラーメンにするとまた格別である。いろいろ試したところでは、細麺の縮れたのがスープと絡まっていいみたいだ。今回は、2日連続スーラーメンにして、久しぶりに辛くて酸っぱい中華スープを味わった。

調味料はまだまだ余っているので、この夏は何度か作ってみよう。費用は竹の子(これは国産)と冷凍エビ、干しシイタケ、中華スープの素でそれぞれ何百円かかるくらいで、あとは中華麺、タマネギ、ニンジン、豆腐、もやしあたりは100円以内である。これで2日分の夕飯になるから、結構な節約レシピではないかと思っている。

[Jun 11, 2015]

中国調味料。独特の味わいがあります。ご使用は自己責任で(w

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