2013 AJPC東京予選 (ポーカーの奥深い世界第100話) [May 8, 2013]
久しくポーカーをしていないのは、定年を間近に控えて仕事が多すぎるせいで、先の計画が立てられないからというのが最大の要因である。何週間か先に必ず平日に休めると分かっていないと、カシノにはなかなか行くことができない。思い立って急に行けるのは定価でエアを買える人だけであって、私はそれほど資金が潤沢ではないのである。
その意味では、何年か前は恵まれていたなぁとつくづく思う。何しろ、マカオだテニアンだケアンズだラスベガスだと、最高で年間8回海外遠征をしていたのだから。幸運の神様の後ろ髪はないし、時間は逆には流れない。チャンスはあるときに活かしておかなければ、後から悔やんでも遅い。若い時は二度と帰ってこないし、50だって60よりは若いのだ。
今年もまた職場が変わって(4年間で3度目の部署になる)、なかなか先の計画は立たない。それでも、年に一度のポーカーの祭典、AJPC・全日本ポーカー選手権にはポーカープレイヤーのはしくれとして顔を出しておきたい。
昨年は出張が入ってしまい、第1回以来続いた連続出場が途絶えてしまった。そうしている間に、セガから西新宿に会場が変わっている。これは万難を排して参加しなくてはならない。AJPCのサイトをこまめにチェックして、東京予選もシニアも登録をすませた。これまでの職場とは違い、週末やGWは原則休みである。後は大会当日を待つばかりとなった。
さて大会当日。会場はベルサール西新宿ということだが、初めての場所である。そういえば最近新宿に来たような気がしたが、よく考えたらギリヤークの新宿公演で55広場に来たのであった。住友不動産のビルが集まっているあたりから探し始めたが見当たらない。見逃したかなと思ってあせり始めたあたりが会場だった。
ビルの前にもエントランスにも若い人がいっぱいいる。しかし、顔見知りが全然いない。しばらくごぶさたしている間に、時代は変わっているようだ。いずれにしても、盛況なのは何よりである。3Dに並んで受付。4テーブルの9番を指定された。飲み物を買ったりiPODを準備したりしているうちに開始時間である。
開始のアナウンスはちくわさん、トーナメント・ディレクターはHatterさんとおなじみの声が聞こえるのはうれしい。そのうちに、同じテーブルに前々回のシニアチャンピオンべいさんが現れた。ちょっと心強い。撮影担当はてしさん。またまた昔からのおなじみの方に会うことができた。他にも多分いると思うけれど、満員盛況なのでなかなか見つけられない。
10時少し過ぎに東京予選3D組がスタート。Shuffle-up-and-Dealの声掛けはAJPC2012のチャンピオンということであった。
会場のベルサール西新宿。記念写真を撮る人もいっぱいいました。
何しろ、知っているプレイヤーはべいさんだけである。ただし、全員が若いということは見れば分かる。たぶんルーズ・アグレッシブなんだろうなと予想する。そして、3000点持ちの20分ブラインドという短期決戦では、そうそうチャンスは来ない。行ける時に行かないと、勝負どころでどうにも動けなくなる。
しばらくぶりのカードで戸惑うかなと思ったけれど、そんなことはなかった。ミドルポジションからの開始で、とりあえずフォールドできるハンドだ。3手目にA2sが来るが捨てる。フロップを見ると全然フラッシュになりそうもないのでひと安心。とりあえず1周は見ていればいいかなとちらっと思った。
ところが次のUTGで、来たハンドが99である。2、3時間のプレイでは、ベストハンドである可能性もあるハイハンドである。もう少し後に来ればいいのにとちょっと迷って、とりあえずリンプイン。この時点では、レイズが来たら下りてもいいと思っていた。3人ほどコールして、SBコール、BBチェック。250点とまずまずのポットである。
そしてフロップがKQ9。いきなりのセットである。250ベット。皆さんは次々下りて、BBがしばらく考えている。そして、メイク750のレイズ。これは一気に勝負手となってしまった。
初手のチェックからみて、KK、QQは考えにくい。それではJTかというと、レイズにかかった時間とチップ量からみてそれも違うような気がする。500点勝つために750点入れるというのは、相手を下ろすのが意図のように見えるからである。だとすると、トップペアハイキッカーあるいはトップペアストレートドローが一番ありそうなパターンである。
ならば現時点ではこちらが勝っている可能性が大きい。逆に、相手にプレッシャーをかける場面である。大して迷わずにオールイン。すぐにオールインができるくらいだから、それほどブランクの影響はなさそうだ。まあ下りるだろうと思った。私が逆の立場ならKK、QQ、JTしかコーれないし、KJとかKTではちょっと厳しい。
ところがコーられてしまったのである。出てきたのはKQ。私だったらコーらないが、プレイするのは他人である。4アウトなので確率的には80%:20%くらいでこちらが有利。ターンは5。確率は90%:10%くらいに拡大。しかしながら、リバーは非情にもKである。大逆転の1トビとなってしまった。
開始1周目でゲームオーバーというのはほとんどなく、記憶しているのはシーザースの夜のトーナメントでいきなり飛んだ時くらいである。この時は逆に、相手がフロップセットだった。荷物をまとめて早々に退出する。引かれてしまったのでは仕方がない。どうやら、この日の予選では1トビだったようだ。
50人の予選で5人勝ち抜けということは、10人のうち9人が負けるということである。だから結果には不満はない。また、80%勝てる賭けに手持ちチップすべてを張り込んだことについては、仮に相手のハンドが見えたとしてもそうしただろう。もし序盤早々に大量リードすることができれば、後の展開は非常に楽だったはずである。
それでも、負けは負け。年齢を重ねても過程に悔いがなくても、結果が負けなのは受け入れざるを得ない。やっぱりポーカーは、奥が深い。
[May 8, 2013]
AJPC2013開始前の会場の様子。