ランナー・ランナー  (ポーカーの奥深い世界第33話) [Jan 10, 2007]

新年になった。昨年暮れから再び運勢は下降線をたどりつつあるらしく、負けたり勝てなかったりの日々が続いている。そんな中、先週の日曜日久しぶりに大阪ポーカーオフにお伺いした。

会場はいつも通り新大阪駅からすぐのCOCO PLAZA。定刻の1時半前に到着すると、主催者のTさん、Aさんをはじめ、おなじみの面々が揃っており、なんとLVから昨年のWSOPで大活躍されたMoさんも里帰り中ということで登場である。ただ、昨年度年間チャンピオンになられたVさんが東京遠征中ということですれ違いになってしまった(スト杯年間決勝で優勝されたとのこと、おめでとうございます)。

さて、今年から少しやり方を変えられて、サブトーナメントを格上げして実質2トーナメント形式で行われるということで、2時前にメイントーナメント開始。1000点持ちの5-10スタートだが、全くと言っていいほど手が来ない。だが実はこれはラッキーなことだった。Aさんに手が入りまくって、KKJJでレイズが入ったときにAAで討ち取るというケースが相次ぎ、圧倒的なチップリーダーになってしまっていたからである。

ラウンドは進んで75-150。チップはほとんど原点だから、そろそろ勝負をかけなくてはならない。13人スタートで3人飛んで5人テーブル。あと一人飛ぶとファイナルテーブルで人数が増えるのだが、5人で回していたらあっという間にブラインドに潰されてしまうだろう。何しろ下家に座っているチップリのAさんは3000点以上持っているのである。ポジションミドルでやっとAKが来た。上家のKさんがオールイン。チップ量はわずかながら私より上である。

こういう時に考えるのは、現時点で自分の方が勝っているかどうかである。開いた時に勝っていてまくられる程度の運勢であれば、仮にその場はしのいだとしても優勝を争うまでには届かないだろう。そう割り切ってじゃんけんするのだが、なにしろ勝率75%でも半分くらいしか勝てないのが私のオールインなのである。まあ、その分まとめて勝てる時に勝たせてもらえればいいのだが。

さて、Kさんは以前このトーナメントでヘッズアップになったことがあるし、テニアンでも何度もご一緒させていただいているのだが、思い切った踏み込みをなさる方である。仮に私と同様このまま回していたらチップリに吸い取られると思っているとすれば、ミドルペアかAx位でも入れてきた可能性がある。AKでコールした場合、悪くても2オーバー(約43%)、うまくすると75%の勝率が期待できる。それで負けたらそこまでの運ということでオールイン。

Aさんが考えてフォールド(実はAKsで勝っていたのだが、金持ちケンカせず)。SB、BBも下りてヘッズアップ。Kさんが「見ない方がいいんじゃない?」とおっしゃったのでまさかAA、KKかとひやっとしたが出てきたのはK8。75%である。しかし、フロップで9、T、ターンで、リバーでと見事にランナー・ランナーでストレートを作られて、あっさりひっくり返されてしまった。

時刻はまだ3時半。サブトーナメント開始予定の6時にはだいぶと間がある。こういう時にいつも思うのは、ポーカーは参加していないとホントに面白くないということである。であるならば無理に飛び込まないで、ぎりぎりまで粘って最後はBBショートオールインになるというのも当然ありうる戦略なのだが、そうしようと思いつつできないのは実に未熟である。

テーブルが一つ開いたので飛んだ人たちでミニトーナメントをするが、ここでもAAが来てスロープレイしてたら、4678と出て55に逆転されるという悲しいゲームがあったりして、どうも調子がよろしくない。本日の運勢は10点満点の2.5点といったところである。LV帰りのMoさんがメイントーナメントを制覇して、ようやく5時半。サブトーナメント開始である。

戦う前から、作戦は決めていた。こういう日に手を広げているとずるずるとチップを失ってジリ貧状態に陥る。そしてサブトーナメントは1ラウンド12分と短い。序盤は余程のハンドでなければ勝負せず、ある程度のブラインドに上がったら一気に勝負をかけることにした。そして、予想通り手は来ない。一度だけAKが来てボードにAKともに落ちてそこそこのポットは取ったが、それ以外は下りてばかりなので原点を行ったり来たりである。

そしてファイナルテーブルになっての第一局、75-150でUTG。またもハンドはAK。いつまで待ってもハイペアは来る気配はないので、とりあえずここでレイズメイク450。SBまで下りてくれたのだが、BBのMiさんが長考してコール。チップは余裕で3人分くらい持っている。フロップAJ8。Miさんチェック。ワンヒットはありそうだが、ツーペアのスロープレイではなさそう。残り500点余りを出してオールインである。

Miさんコール。おそらく遠来の私に対するサービスの意味合いもあったのだろう。ハンドはAd3dである。ダイヤは1枚しか出ていない。プリフロップで75%、この時点で85%の勝率である。しかし、ターンでダイヤ。悪い予感・・・。「3以外の黒」と呼び込んだのだが、当然のようにリバーはダイヤ。またまたランナー・ランナーで逆転負けである。

以前、運勢の強かったときはリバーで自分しか持っていないAが落ちたり、キッカー負けしていたはずのAの片割れがヒットしたりして逆転勝ちしたこともあったような気もするのだが、ここしばらくはずっと確率優位からまくられている。今年も厳しい年になるような気配だが、その分運を貯め込んで、ここ一発で目が出ることを期待したいところである。

[Jan 10, 2007]

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