メイン沈没・シニア連続3位の第3回AJPC ~ポーカーの奥深い世界第85話 [May 20, 2009]
いよいよ、第3回AJPCである。メインイベントの方は、第1回こそ本選出場できなかったものの、第2回は東京予選、第3回は大阪予選を突破しての連続出場である。他にも連続して予選突破した人はいるが、東西予選で1回ずつというのはおそらく私だけであろう。シニアの方は、昨年度は3位入賞を果たしており、今年も存在感を示したいところ。
まずはメインイベントである。昨年はせっかくチップリにいたのに、結果は9位。しかも10位の人と一緒に飛んで、「ファイナルに残っていないファイナリスト」となってしまった。せっかく出られるのだから、目標は昨年の雪辱である。
5月16日午前10時前、予選通過したプレイヤーが三々五々集まってくる。昨年のチャンピオンであるはたらくさん、まりさん、中尾さん。先週の東京予選を通過した、ポーカー侍さん、kopa兄ちゃん、あまみやさん、がんちゃん、のっぽしさん他たくさんの方々、オンライン予選を勝っているBBSTARさん、さえちゃん、James、まっこーさん、いずみさんの顔も見える。
大阪組は予選組の全裸の会会長、オンライン組の看板にゃさん、redさんも含め、マイクロバスで当日輸送である。おそらく飲み続けのはずなのだが、大丈夫だろうか。colt_kさんはじめ、Dukeで見かける人達もいる。
うれしかったのは上野の常連組の顔が多数見えたことで、TDとしてスーツをばっちり決めたジョシュことshadowさん、ディーラーとしてotonnさん、spikeさん、選手としてinoさんやまたなかさん、パルサーさんもいる。後からシニアの方に、あきさんやかずさん、あんがーさん、そしてなんと今年からシニアというばーとさんも現れたのでありました。
午前10時。いよいよ、ポーカーの祭典AJPCの開幕である。なんといっても、勝ち進めばWSOPというメインイベント決勝進出者の一人としてこの日を迎えることができたことは、最高に栄誉なことであろう。
決勝進出にあたり、先週一週間はきちんと調整したつもりである。飲みも控え、睡眠時間を十分にとり、食事は消化の良いものを控え目にした。そして、準備した作戦はというと、序盤の2時間はバケーションだと思ってプレイする、ということであった。おそらくチップは7000点くらいになってしまうだろうが、勝負はそれから。とにかく開始早々のバッドビートだけは避けようと思ったのである。
だから序盤戦では、ブラインドとボタン以外の時間には席を外すことが多かった。UTGくらいに戻った時に、AKとかAJもあったけれど迷わずフォールドである。2ラウンドくらいに、上家の二人がブラインド同士でオールイン合戦となり、AAがTT(最後はクワッド)に負けたのを見て、いよいよ手を絞る。というより、ほとんど手は入らない。
たまにブラインドかボタンで参加しても、ストドロ、フラドロになるのが精一杯。AAで負けた女性が残りチップをオールインした時AQが入っていたので参加し、チェックチェックで回ったのでようやくリバーでフラッシュが完成した。結果から言うと、これが今回取ったほとんど唯一のポットで、あとは、SBまで全員下りの時にブラインドをいただいただけである。
第6ラウンド、400-800まで生き延びたものの、最後はカットオフからATスチールで3倍打ったのにSB、BB両方についてこられる。フロップ9TJを見てBBからベットたくさん。仕方なくショートオールインしたところ相手はQQ。ターンQで8アウツ残ったものの、リバーラグで終了。今年のメインイベントは4時間近くかけて不完全燃焼のまま終了となった。
AJPC会場のセガ本社。
メイン飛んだのが2時前、シニアが始まるのが2時30分。メインに残っていたらそちらに専念する予定だったけれど、終わってしまったのだから仕方がない。シニアに当日申し込みして、向かいのお蕎麦屋さんであたふたとお昼にする。
メインは31人参加で、4卓スタート。テーブル4には、あきさん、かずさんと将棋の森けい二九段がいらっしゃる(”けい”は難しい漢字なので、日本将棋連盟のHPでご確認ください)。昔、名人戦の挑戦者になった時、スキンヘッドで対局場に登場したのは有名な話で、タイトルも何度か獲得された方である。
せっかく著名な森九段と同席したので、ポーカーを楽しんでいただこうとサービス精神を出す。いろいろ細かいことをやってみたり、ポイントとなるところではハンドを開いたりした。ブラインドも小さいので、あきさんの解説も入って和やかな雰囲気でゲームが進む。
と、肩の力を抜いて臨んだところ、メインと大違いでどんどん手が入る。BBの57は5がスリーカードになるし、22はフロップセット、T8はストレートに、AQはフルになるという具合に、1ラウンド30分でおそらく6~7回はポットを取ったのではないだろうか。
とはいっても、ブラインドが小さいので大してチップは増えずに7000点くらいで推移。ほどなくテーブル整理になり、テーブル3へ。ここはすでに、はたらくさんと中尾さんがぶつかった後で、中尾さんがチップを持ち、他には看板にゃさんとやまかんさんがいらっしゃる。
そして私の下家が中尾さんなので、これまでとは打って変わって慎重に打ち回さざるを得ない。そして想定内というか案の定というか、看板にゃさんが大暴れである。若干ショート気味だったのが、ダブルアップしたり、また削られたり激しく浮き沈みしている。
そして最後は看板にゃさんのオールインに、やまかんさんショートオールイン、あきさん長考の末コール。開いてみると、JJ(看板にゃ)vsKQ(やまかんさん)vsAK(あきさん)で、あきさんがターンまでフラッシュとなりスクープ、看板にゃさんとやまかんさんがゲームオーバーとなった。
間もなく、2テーブルに合体。ようやくチップリ中尾さんから逃れて、今度は侍さんが下家。そしてこの時、侍さんはメインとの掛け持ちでバケーションにすることが多かったので、かなり楽になった。下家が何をしてくるか分からないのは、大変なプレッシャーなのである。
残り7人くらいで、上家はスーツの紳士。ボタンまで全員下りでSBコールで回ってきて、ハンドQ2をチェック。フロップがQ22でフルになる。ベットされたのでコール。ターンでフラッシュ目が出て、さらに上家ベット。さてはフラッシュ完成かと思ってオールインすると、上家コール、なんとハンドはKKのスロープレイだった。リバーラグでダブルアップに成功。
そしてファイナルテーブルとなる。ここでは、イタリアからいらしたというNicolaさんと、フロップ開いてからのオールイン対決で取ったり取られたり。QQvsJTからフロップKJ9の対決はターンKリバーQでフルになり勝ったが、K8vsK7のフロップKヒット対決はリバーでフラッシュを引かれまくられた。
第10ラウンド、アンティ200の1500-3000。1ラウンド30分だから正味5時間、メインが始まってからの通算ではすでに10時間になる。Day1はこのラウンドまでで、残りは5人。チップが12000点くらいとショートだったので、オールインスチールで24000点まで増やす。65sのオールインを後ろのredさんに見られているとは思いませんでしたw
時間となったので、続きは翌日のDay2へ。総チップ量が15万点だから、これだけ持っていれば十分。トップの中尾さんでも50000点弱なので十分追い上げられると思いつつ、そのまま深い飲みに入ったのでした。
シニアDay2への持ち越しチップ、25800点だったかな?WSOPと同様に、ビニールケースに入れて保管します。
翌17日はAJPC最終日。午後1時から、シニア、メイン、レディースの順にファイナルテーブルが行われる。先頭を切って、シニアのファイナル、ラウンド11からの勝負である。
アンティ300で、ブラインドは2000-4000。残っているのは5名。1番シート村戸さん@広島、2番シートNicolaさん@イタリア、3番シート金子さん@麻雀名人、4番シート私(ボタン)、5番シート中尾さん@昨年度メインチャンプである。総チップ量が15万5千点、チップリの中尾さんでも5万点弱なので、ほぼ全員10BB以内の接戦である。
最初から誰か暴れるかもという予想に反して、静かなスタート。1周目はポジションベット、2周目はスチールで現状維持。ゲームが動いたのは2周目以降。ショートスタックの金子さん、スチールに失敗したNicolaさんのチップが苦しくなり、前後してゲームオーバーとなる。割とあっさり3位以内が確定してしまった。とはいっても、チップ量は前日のまま25000点ほど。残り13万点をあとの二人で分け合っている状況で、私ひとりがショートである。
第12ラウンド、アンティ400のブラインド3000-6000。そろそろ、仕掛けなくてはならない。BBでハンドA8。ボタンの中尾さんからメイク18000点レイズで、村戸さんフォールド。現状勝っているとみてリレイズオールイン。中尾さんコールで出てきたのはA4。確率どおり勝って一息つく。
その一周くらい後、今度は上家の村戸さんからオールイン要求のビッグレイズ。手を見るとA9ダイヤのスーテッド。コールして開いてみるとここもAx(8で1目勝ちだった?)。ターンまででフラッシュ完成し、オールイン対決に連勝。おそらくこの時点では、チップリーダーではなかっただろうか。
「おそらく」というのは、その次のハンド77で中尾さんのオールインにコール、出てきたのがTTですぐにチップを減らしたからである。この時は77をコールした時点で、リレイズされたらオールインするつもりだったので、アクションには迷わなかったのだけれど、ゲーム後侍さんに言われたように、ここで中尾さんのチップを増やしたのは最終的に響いたかもしれない。
3者のチップがほぼ並んだ。ここからいよいよ勝負である。
この時点で何を考えていたかというと、後の二人がレイズ主体に攻めてくるので、こちらは逆にフロップ以降の勝負に持ち込もうということであった。ある程度チップがあるので、1、2回はリンプして下りることも可能である。そして実際にそうなった。次あたりのBBの時、ボタンの中尾さんがオールイン。カウントすると千点単位でこちらの方が多い。そしてハンドを見ると、AKである。
BBは6000点、上乗せ3万数千点で、明らかにオーバーベットである。第一感は、「フロップ見てからでないと入りづらいな」ということであった。白状すると、AKは結構捨てることがある。事実、前日のメインでもUTGでフォールドしているし、シニアの序盤戦で、AKからフロップKヒットをかずさんにチェックレイズオールインされて下りた。それに、中尾さんとのオールイン対決は1勝1敗。何回もやっているということは、ショートスタックの方が勝つということである。
だから下りるのには特に違和感はない。けれどもこの場面で、「なんだか勝てそうにないから」という理由でAKを捨てるのであれば、一体どの手で勝負するのかとも思う。中尾さんのハンドはよくてミドルペア、おそらくはそれ以下であろうと推理した。しかし、仮に相手が22であろうと、AKは引かなければ勝てないのである。
しかし、結局はコールした。中尾さんのハンドはK5、ドミっている。そして、中尾さんを飛ばせればおそらく優勝だと一瞬思った。本当に、それは一瞬だった。フロップに5が落ちたからである。あーこれはA落ちないな、逆転はないなと直感した。75%を勝ちきれず、次のSBはほぼオートマチックオールイン。ハンドは83で届かず。結局、昨年に引き続き3位入賞でゲームオーバーとなったのである。
優勝はそのまま押し切った中尾さん。AKをまくられた時点でそうなるだろうと思った。これで、昨年のメインに続き、2冠制覇である。メイントーナメントでは、シニアともかけもちだったポーカー侍さんが5位に入賞、さすがに強いところを見せた。
正直なところ現時点では、「あそこは下りた方が自分らしかったかな?」と思う。何人かの方に、「ノータイムコールしないから、カードが変わったんだ」と言われた。確かに、内心の動揺はカードに影響するところがあるから、ノータイムコールして脅かした方がよかったのかもしれない。しかし、今回は熟考してからアクションすると決めていたのである。
それに、AKでコールしてドミネイトしたのに勝てないのであれば、今回はどうやっても優勝できなかったことも多分間違いない(2着はあったとしても)。人間としての力が足りなかったことを反省して、次回以降に向けて再び精進しようと気を取り直しているところである。
[May 20, 2009]
2年連続の3等賞。前が今年ので、後ろが昨年のです。