ふるすたHORSE (ポーカーの奥深い世界第86話) [Jul 8, 2009]
サラリーマン生活最強のスケジュールであった6月をなんとか乗り切って、7月になった。
自分自身が行けなかったラスベガスWSOPの途中経過や結果はあえて見ないようにしていたのだけれど、終盤戦のイベント#55、デュース・トゥ・セブンで、またなかさんが準優勝第2位(!)というビッグニュースが飛び込んできた。まずもって、おめでとうございます。
デュース・トゥ・セブンは、5枚配られるドローポーカーのゲームで、通常のポーカーで強い方が負けというルールである。トリプルドロー、つまり3回引き直すことができるが、引くことが有利とは限らない(役ができるとかえって弱くなる)ので、アクションの選択肢が広い。それだけ駆け引きの利くゲームで、運より腕の占めるウェイトが大きいと思っている。
そのゲームで世界2位(!)のまたなかさんは、上野の部室の常連であり、先月AJPCメインの隣の席でも一緒にプレイしたくらいのおなじみさんである。ここ数年、よくプレイする方々が次々と世界の舞台で活躍されているのは非常にうれしいことで、なんとかみなさんに続きたいと改めて思っているところである。
さて先週の土曜日、プレイするのはAJPC以来1ヵ月半ぶりのことである。この日のトーナメントはFull Stacks改めふるすた、ゲームはHORSEである。デュース・トゥ・セブンは入っていないけれども、ミックスゲームというのはまたなかさんのニュースの後ではタイムリーではなかろうか。出張続きで疲れてはいるけれども、気合を入れて蔵前へ。
定刻の12時過ぎにコーナーポケットに到着。主催者のfullhandこばやしさん、世話役(?)のhirobowさんはじめ、顔なじみのメンバーにごあいさつ。りえさんやかずさん、せりえさんなど、部室常連の方々とも久々にお会いしてなつかしい。やはり話題は、またなかさんの活躍とか、LVに長期滞在中のいのさん (# ゚Д゚) のことになる。
12時半にゲーム開始、スタートチップは12000点。ただし、各ラウンド20分なので、ホールデム(H)、オマハ(O)、ラズ(R)、セブンスタッド(S)、エイトオアベター(E)と1周すると100分つまり1時間40分になり、常時参加しているほどの余裕がある訳ではない(常時参加して1周目で飛びそうになった人もいたようである)。
また、みんながやり慣れているホールデムはリミットで、しかもゲーム時間は1/5。勝負はむしろ、あっという間にポットの大きくなるスタッドゲームになると思われた。そして、3周目のスタッド(RSE)は1200-2400、打ちっぱなしになれば原点持っていたとしてもいっぺんに命がけである。勝負はこのあたりになるだろう。
指定されたテーブルに着くと、上がりえさん、下がmaosさん、対面にPsykaさんとAzo.さんといったおなじみの面々。1周目はホールデムがSB75/BB150、スタッドが200-400なので、何回か引きに行って失敗してもダメージは大きくない。逆に、ハイハンドが来たとしても深入りして傷口を大きくすることは避けたい。
最初のホールデムで、KKが来てリンプインするが、フロップAが出てあっさり下りる。一方、56で参加して、6がボードに2枚出て勝ったりする。なんとなくうれしいのは、妙なものである。1周目の100分が終わって2000点ほど浮いている。まだ、誰も飛んでいない。勝負はまだまだ、これからである。
2周目はホールデムがSB150/BB300、スタッドが500-1000。このあたりで、仕事が終わって直行されたsaekoさんが下に入る。
久々のポーカーであるし、長丁場のリミットゲームで手を絞るのも良し悪しというところがあるので、手がかりがあれば参加していたのだけれど、すかさずmaosさんとPsykaさんに見破られて、「今日は参加率が高いですね」と言われてしまう。実はスタッドゲームには、苦い(w)思い出があるのだ。
何年か前のDUKE、ゲームはこの日と同じHORSEのラズ。相手は後のAPTチャンピオン看板にゃtasakaさんである。勝負どころのボード3枚出たところで、こちらは出来上がりの7ロー。あちらはボードにローカードのペアがあり、現時点ではボードだけ見ても私の勝ちのはずであった。
当然ベットしたけれども、コールされる。それはいいとして、次の4枚目、こちらはラグ、あちらは7より上のカード。続けてベットするが、なんとレイズされたのである。そして、リレイズ、コールの後、最後のカードで6ローを引かれて逆転されてしまった。それが致命傷となって、そのゲーム自体もそこで飛んでしまったのである。
残り2枚の時点でこちらの7ローは見え見えで、相手からすると逆転の引き目は最大8枚。その時は、何で下りないんだ全く・・・と思っていたのだけれど、後から考えてみるとリミットなので1回のベット額が相対的に小さく、ポット量次第で完全にオッズが合ってしまうのである。
よく似たケースが今回もあった。2周目のセブンスタッドハイ、私は4枚目まですべてスペードである。残り9枚のうち、見えていないのは7枚。残り3回引ければ半分くらいの確率でフラッシュになる。ベットされてコーるとして追加投資はあと2000点、ポットにそれ以上はあるのでオッズは合う。問題は相手関係である。
相手は2人。一人は2ペアないしストレートドロー。もう一人はボードにペアがあり現状3本の可能性がある。仮にこちらがフラッシュを引けたとして、フルでは届かない。そう思っていたら、4枚目が出た後、ストドロの方がベット、ボードペアの方が下りてくれた。比較的安心して付いていけて、最後の1枚でようやくスペードが到着、大きなポットを獲得できたのであった。
ここで再び水面上に浮いて、2周目もプラス2000点で通過。すでに200分、3時間以上が経過した。3周目になると急に厳しいストラクチャーとなって、ホールデムがSB400/BB800、スタッドが1200-2400である。ようやくそれぞれのテーブルでゲームオーバーの人が出始めて、いよいよ勝負どころである。
3周目の途中でシートチェンジ。次のテーブルではかずさん、せりえさん、makkooさんとご一緒させていただく。さすがにこのあたりになると、安易に参加するとあっという間にチップがなくなる。こうした実力者相手だと、スチールされまくりになるのでレイズについていきたくなるのだが、がまんできる間はがまんするのが大事と自分に言い聞かせる。
幸いにセブンスタッドでボードにAが2枚落ちたりして、なんとか辛抱が報われた。開始から5時間、ようやく3周目が終わってチップは2万点。次の4周目はホールデムがSB900/BB1800、スタッドが2500-5000である。スタッドの後半でレイズすると10000点、あっと言う間にオールインという状況となった。
4周目。すでに6時半を回り、残りは2テーブル。あちらではセカンドトーナメントが始まっている。3テーブル目のブレイクでkurodaさんが入ってきて、盛んにスチール。このあたりのブラインドになると、スチールの上手い人がペースを握ることが多い。こちらはホールデム、オマハではチャンスが来ず、ブラインドと様子見参加の分だけチップが減る。
そしてスタッドに入ってラズ。手持ちチップは15000点ほど。ホールカード34、ボード8で参加。周りもローカードが多いのが気になるが、2枚目でA。ベットすると、タッキーさんとmakkooさんがついてくる。makkooさんと私は、このまま行くとオールインになりそうだ。3枚目7、これで8ロー完成、ここはコール。そして4枚目6、どんどんハンドが上がる。
ここでタッキーさんのベットにリレイズオールイン。makkooさんはすでにオールインしている。あちらには絵札が見えているので、7ローはおそらく勝っているだろうと思ったのに、残念ながらタッキーさんには6ローができていた。ラストカード2が引ければ逆転だったのだけれど、そううまくはいかず9。makkooさんと仲良くゲームオーバーとなる。4周目のラズだから、およそ360分、6時間粘った(ちなみに、優勝は私のバウンティでもあるタッキーさんでした)。
引き続き、セカンドトーナメントに参加。め社長差し入れのビールとワインをいただきながら、まったりとプレイする。このトーナメントでは、珍しくAハイカードにたいへん恵まれた。
参加早々、ATからフロップATx、ターンTでフルハウス。続いてAKからフロップAKxの2ペアで、30000点スタート(WSOPメイン仕様だそうである)のチップは5万点弱に増えた。ところが調子に乗ってAQで金持ちオールインをしたところが、AKのまりさん、あとお一方QQに受けられて、開いた途端ほとんど勝ち目のない状況となり大きくチップを減らす。
ところが、残り1テーブルまで粘っていたところ、AQで再びまりさんとオールイン対決。まりさんのペアが3本になってこりゃだめだなと席を立ちかけたところ、リバーまでスペードが4枚でAsが復活、私のチップも復活したのである。
最後はtoe(とー)さんとのヘッズアップ。20万点対40万点くらいから一進一退あって、じっくりとフロップ開いてからの勝負となる。T6vsT2でお互いフロップのTがセカンドヒット、ターン6、リバー2となって、最後お互いのハンドの読み合いとなったのは楽しかった。このあたり、この夜はちょっとだけ運が向いていたようだ。
ラストハンドはJ8vsAK。フロップJTxでたまらずオールインしてしまったが、ターン8リバーAだっただけに、我慢して脳みそに汗をかくような読み合いをしないといけなかったな、と反省。ともかくも優勝。セカンドとはいえ、Player’sになってから入賞したのは初めてのことである。
時計をみると11時半。もう電車がなくなる時間になってしまった。おやつにどら焼きを食べたきり、この時間までお腹に入ったのは、め社長のビールとワインだけであった(め社長ごちそうさまでした)。ゲーム勘はそれほど鈍ってはいなかったけれど、さすがに11時間ぶっ通しのポーカーで、半死半生の状態で家路に着いたのでありました。
[Jul 8, 2009]