KKに泣き、KKに泣く (ポーカーの奥深い世界第9話) [Oct 5, 2005]
テニアンでは奇跡的に優勝を果たしたが、国内では依然として苦戦という状況は変わらない。先週末は続けざまKKに泣かされることになった。
まず金曜日のDUKEウィークリートーナメント、最近大盛況のDUKEは29人参加で最初のテーブルを勝ち抜くのさえ容易ではない。60点のチップをなんとか200点までかさ上げし、なんとか決勝テーブルまで残ったものの、ここから勝ち上がるにはもうひと頑張りが必要だ。幸いというかここのトーナメントはストラクチャーがきつい傾斜になっており、リミットではあるがリレイズを繰り返すとすぐにオールインになる。その意味ではノーリミットに近いため、一気に勝負をかけることが可能である。
1人飛んだ時点で、ポジションはミドル。手札にKKが来た。ブラインドはたしか20-35。アーリーポジションでコールがあり、すかさずレイズ。すると、ボタン前くらいにいたチップリーダーのLupinさんがリレイズである。ブラインドは下りたが、はじめにコールしたIさんはコール。この時点でポットは300点を超えている。ここは勝負どころ。相手2人がAAを持っていない限り、現時点では勝っているはず。リレイズすれば結局はオールインまで行くのは覚悟の上で、リレイズである(2人ともコール)。
フロップが開くと、AもKも出ない。当然ベットしたが、Lupinさんはレイズ。Iさんはここで下りる訳にはいかずオールイン。私もレイズオールインで、結局3人オープンでの勝負となった。Lupinさんはなんと、フロップで出たJと9をいずれもヒットして2ペアである。従って、Kが出なければ負け。もちろん、Kは出なかった。
この負け方は非常にくやしいが、チップ量に差があったことに加え、「引かれての負け」である。レイズにリレイズで対抗したLupinさんに素直に脱帽すべきだろう。ただ、この時には次の日もKKで泣くことになろうとは夢にも思わなかったのである。
翌日は上野のストラドル杯。まずは2時スタートのスト杯ミニ、今週の種目はリミットテキサスである。13人参加で2テーブルに分かれての展開となったが、中盤でまさかの「はまり手」3連発をくらったのである。初手はハイカード2枚。ボードはローカードばかり。最初から張り込んでいたので最後までがんばったが、Doyleさんのセットにあっさり敗退。まあ、これは仕方がない。
次の手で来たのが、KKである。ノーリミットなら迷わずオールインだが、リミットなのでベットしかできない。これに、わが師匠ビッグさんがレイズしてきた。もちろんリレイズである。ここはコールでフロップが開くと、ちゃっかりAが出ている。リバーでもう1ベット押してみたが、すんなりコールされてしまう。開けてみたら案の定、Aをお持ちである。「その1ベットは余計である」と教育的指導を受けてしまった。
不幸はさらに続く。次の手はJTかT9かで、フロップで両面待ちになり、ターンでストレートが完成した。しかし、フロップから上家のPさんが、がんがん打って来る。とりあえずフロップはコール、ターンでは逆にベットしたがコールされる。どう考えても、セット(手札がペア、ボードに3枚目が出て3カード完成)か、少なくとも2ペアができたものと思われる。しかし、3カードなら私の勝ちなのである。
どうやらここで一息つけそうだとほっとしていたら、リバーですでにフロップに出ている8が再度現れてしまった。となると、本命はフルハウス。望みはかなり薄く3ペアになったことを祈るしかない。Pさんは畳み掛けるようにベット。いつもの私ならレイズオールインなのだが、負けが見えているのではやりにくく、苦渋のコール(下りる勇気はない)。Pさんはもちろんフルであった。
この時点で残りは250点。ほとんどBBくらいしかない。しかし、最後自爆せず多少なりとも残しておいたのをポーカーの神様が見てくれていたのか、1周の間に66、88と来て辛くも生き残る。そして結構大きいポットでリバーでフラッシュを完成させて、まさかの原点復帰。結果はなんと2着にまで残ったのだから、そう簡単にあきらめるものではない。ただしヘッズアップでは、優勝したSさんとチップ量が5倍違っていて、しかもリミットなものだから、勝負どころさえつかめずに敗れてしまった。
次いで6時からのストラドル杯メイン。参加は30人、3テーブルの5000点持ちスタートである。ここもはまってしまい、初手から3手連続してカードオープンまで進んで負け。ブラインド25-50の低いリミットにもかかわらず、早くも1000点以上のビハインドである。ここはじりじりと挽回し、一時は7000点近くになったのだが、そのうち手が来なくなる。アンティ50になってからは全く参加できない状態。アンティとブラインドに削られて、2000点近くがあっという間に減ってしまった。
そろそろ勝負をかけないと私が最も嫌う「ジリ貧」になる。おりしもBBとなった。配られたカードはA2。そう、テニアンでtagamanとのオールイン対決を制したハンドである。UTGからボタンまですべてフォールド。SBのDaysieさんが無造作にコールである。ここは仮にハンドが悪くても、行く手であろう。「オールイン!」2000や3000のレイズではおそらく逆にオールインされる。そして、持ちチップはわずかながら私の方が多い。
その声を聞いたDaysieさん、「まだ、見てなかった」と一言あった後、落ち着いてハンドをみる。にっこり笑って「コール」。そして、開いたハンドは、・・・KKであった。あとの展開はご想像のとおり。
KKで攻めて泣き、KKで攻められて泣いた週末であった。次回は、KKで笑い、KKで笑う週末であってほしいものである。
p.s.最後のKKのところで私のハンドは「A3」であったとDaysie Kさんからご指摘がありましたが、何しろ本人がA2と”思い込んで”プレーしていたものですから、原文のままとさせていただきました。Daysieさん、どうもありがとうございました。
[Oct 5, 2005]