STRIP POKERで4位入賞  ~ポーカーの奥深い世界第97話 [Jun 24, 2011]

WSOPシニアは負けてしまったけれど、ラスベガスはあと2日残っている。最初はシーザースパレスの老人限定メガスタックに出ようと思ったのだが、行ってみるとシーザースのポーカールームはすでに老人で満杯である。さらに老人が並んでいて、受付が終わると席に着かずに外に行ってしまうのは、どうやらウェイティングであるらしい。

さすがにメガスタックの順番待ちをするつもりはないので、再び炎天下をエクスカリバーに戻った。結局この日参加したトーナメントは、エクスカリバー3本のMGM1本とご近所で済ませたのだけれど、ご報告したいのはエクスカリバーの看板トーナメントSTRIP POKERである。

私の定宿であるエクスカリバーは3年前と比べると格段にポーカーに力を入れていて、以前はトーナメントの宣伝などはしていなかった。ところが今回は、スロット区画のそこかしこに”STRIP POKER”の絵入り宣伝が掲げられている。確かにエクスカリバーはストリップ(ラスベガス大通り)沿いにあるけれど、そんなことをいったらそこら中のカシノがストリップ・ポーカーを名乗ることになる。それとも何か趣向があるのだろうか。

ポーカーテーブルの前には「土曜のみ午後9時から 参加費$40(プラス$10でチップ1000点追加となるので、実際は$50)。1着賞金$500保証」と書いてあるだけである($5000かと思ってよく見ましたが$500でした。参加費からみてそんなもんですが)。直前のMGMがラウンド2までであっさり負けたので、予定どおり参加を申し込む。

もらったテーブル指示のプリントが下の写真である。われわれの世代はストリップというとどうしても女の踊り子が服を脱いでいくことを想像してしまうが、まさかカシノ内でそれは許されない。とはいえ、描かれているのは有名な鉄棒ショーのイラストである。

時間になってポーカーテーブルに行ってみると、トーナメントの4テーブルのうち2番テーブルと3番テーブルの中間に特設のステージが設置されており、ステージ上にある椅子にジャケットとミニスカートといういで立ちのブロンドの女性が足を組んで座っている。なるほど。エクスカリバー(に限らないが)ではカシノ内のステージで踊り子さんたちが色っぽい踊りを披露しているのだが、それをポーカーテーブルの近くでやろうという趣向のようである。

私の指定された席は3番テーブルの#4なので、かぶりつきというほどではないが1番、4番テーブルと比べるとかなり近い。踊り子のお嬢さんは20代前半で、米国人にしてはウェストが引き締まってスタイルがよく、それでも胸は相当のボリュームである(カシノ内なので撮影できなかったのは残念である)。

ところでこちらの女性というと、カシノやホテルには私以上に腰周りがありそうな女性を見かけることが決して珍しくない。そういう女性も骨格だけみればこのお嬢さんくらいなのだろうか。そんなことはありえない。話は変わるけれど、パッキャオが中量級では壁があるはずなのと同じことであろう。そんなお嬢さんが近くで音楽に合わせて踊りだすのだから、気が散ることこの上ない。

実は今回の遠征では、WSOPから夕方のMGMまでAA、KKが一切来ていない。だから今回はなるべく粘って、明日もそんなことを気にしながらプレイしないように、AAないしKKを引いてしまいたかった。それには、それ以外の手でチップを減らさないように、99%のハンドは見ただけでフォールドすることになる。その結果、余った時間はずっとお嬢さんを見ていたのである。

お嬢さんは最初は革のジャケットとミニスカートで踊っていたのだが、いつしかジャケットを脱いで革のベストになり、さらにはTシャツ姿となった。なるほどSTRIPとはこのことかと理解したのだが、参加しないものだからチップは減る一方である。

エクスカリバーのストラクチャーは15分単位で、このトーナメントでは100-200から200-400、400-800、800-1600と加速度的に上がる。だから序盤で少々稼いでも結局みんなきつくなってじゃんけん勝負となるので、ハンドを絞って待っても大きなビハインドにはならない。

とはいえ、休憩前の800-1600などというブラインドでは、原点の4000点では全然らちが明かない。お嬢さんは全然踊り終える気配はないし、おそらくこのままだとTシャツもミニスカも脱いでビキニスタイルのダンスになるものと思われた。しかし無情にも手持ち2100点でビッグブラインドが来た。1600点を下りたら、あとは500点しか残らない。



MGM方面に向かう通路にも、STPIP POKERの宣伝。これがいろいろなところにあるのですから、エクスカリバーも力が入っています。

ミドルポジションからオールイン要求のレイズが入っていて、ハンドをみるとT8。全く勝負にならない手ではないので、500点上乗せしてコール。相手は88。相当に分が悪いが(勝率25%)、逆にTが出れば優勢である。そしてフロップTが出て、チップは4900点に増えた。

そして、次のSBで、ようやく今回遠征で初めてのAA到着(初めてであり最後となった)。本当にここまで長かった。リンプインが一人いたので、ミニマムレイズでメイク3200点。BBはコールでもう一人は下りた。フロップはカラーが偏ったりペアが出たりもせず、おもむろにオールイン。BBはコールで出てきたのは22。ここを何とか逃げ切って、チップは一気に11400点まで増えた。

ちょうどここまでで10分の休憩となる。次のブラインドは1500-3000だけれど、ボタンからのスタートだし、2周見ていても大丈夫なのは心強い。休憩明けで残りは2テーブル。周りを見ると半分近くが1周で勝負せざるを得ないチップ量で、何とか勝負圏内に入ったようだ。

休憩時間に休んでいたお嬢さんもダンスを再開した。どうやら、われわれが戦っている間はずっと踊り続けるらしい(時々椅子で休んでいるが)。後半戦はタンクトップ姿でのスタートで、胸のところにSTRIP POKERと書いてある。ずっとダンスを見ていたいのは山々だが、ここは勝負どころである。

AJスチールを決めたのと、チップリ相手のA4vs22でリバー4が出たのとで、2万点くらいでファイナルテーブルとなる。そしてボタン引きなおしでBBスタートとなったが、残り時間3分ほどなので次のレベル3000-6000になる前にブラインドを終えられそうだ。そのブラインドになると飛び込まざるを得ないプレイヤーが半分いる。

想定どおりブラインドが上がって、次々とオールインとなった。2人飛んであと残り8人。そろそろ次のブラインドが迫ってきた。黙っていたらやられそうなので、A8が来たところでオールイン。スチールできれば上等という判断だったのだが、思いもよらずレイトポジションのチップ持ち2人がオールイン。ハンドはTTKJ

フロップにKが出て、さらにターンでAが出た。メインポットを獲得して4万点弱。そして上位が食い合ったおかげで順位も上がり、ここで入賞がほぼ確定した。

その後6000-12000のラウンドに入り、ピークでは4万点を超えたのだが、最後はチップリとA9vsJ5の有利なマッチアップからフロップJ2枚でゲームオーバー。リバイが多く57人参加となっていて4着賞金は$210。$20はディーラーチップに進呈し、今回遠征では初めてのイン・ザ・マネー達成を果たしたのでありました。

どんな小さなトーナメントでも入賞すればうれしいし、次の励みになる。前の日のこの時間は大分落ち込んでいたのだが、この日は逆にハイになってしまい、珍しく決着がつくまで、勝負の行方とお嬢さんのダンスを見続けていたのでした(結局チップリともう一人がディール)。

[Jun 24, 2011]



ストリップ・ポーカーの席順シート。こういうショーをやる訳ではないのですが。

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