WSOP2006メインイベント (ポーカーの奥深い世界番外編4) [Aug 14, 2006]

わが日本からもトッププレイヤーの方々が参加されたWSOPメインイベントであるが、ほぼ2週間にわたる熱戦を制したのは、残り90人くらいからトップを走っていたJamie Gold(敬称略、以下同じ)であった。優勝賞金は1200万ドルというから邦貨で13億円、なんともうらやましい限りである。この賞金のうちの8万分の1程度は自分が寄与しているかと思うと、なおさらである。

さて、このメインイベントの決勝テーブル、盟友あけみんと違ってメインイベントに合わせてこの時期のスケジュールを空けていた私は、職場でヒマをぶっこいていた(バチが当たる?)。自然とパソコン画面はCard Playerの実況ログばかりだったのだが、今回の勝負、大勢が決したのは夕食休憩前にその時点で2位であったRichard Leeのオールインであったというのは、おそらく実況を見ていた多くの人の同意を得られるのではないかと思う。現場にいないとその場の雰囲気や流れが理解できないことは承知の上で、コメントしてみたい。

その時点のチップ量は以下のとおり(ゲーム進行により若干の変動あり)。
Richard Lee (SB)            $16,580,000
Paul Wasicka  (BB)         $11,500,000
Allen Cunningham          $14,500,000
Michael Binger              $7,900,000
Jamie Gold   (Cut-off)    $37,500,000
Rhett Butler (Button)     $3,700,000
Blinds 120,000-240,000 Ante40,000

Leeはその何回か前のプレイでチップリーダーGoldにリレイズされて$1,000,000以上のチップを失っており、3位との差も5百万ドルから2百万ドルに縮まっていた。とはいえ、ブラインドから考えてもチップ量の差を考えてもまだまだ十分に射程圏内であり、あえて勝負に出る必要はないのではないか(それこそ順位1つが100万ドルの世界であるのだ)というのが多くの人の感じるところなのではなかろうか。

問題のゲーム、Goldがコールして、LeeがSBから$1,200,000のレイズ。これにGoldが$4,000,000でリレイズした。上にあるように、Goldのチップ量はLeeの倍以上、そしてLeeのハンド(もちろんこの時は本人以外分からない)はJJである。ここで下りても、きわどいけれども2位のまま。仮にコールしてから下りたとしても、全く勝負権がないという訳ではない。 さて、貴方ならばどうしますか?

実際には最初に書いたように、Leeはオールインし、Goldはノータイムコール。出てきたのはQQ。82対18のじゃんけんである。ボードはKK36Tと何も起こらず、Leeは2着圏から一気に飛んで6位でゲームオーバー。この時点でGoldは全チップ量の56%を確保したのである。その後はGoldがセーフティリードを保ったままゴールインとなったのだが、さて、私などと一緒にすべきレベルでないとは思いつつ、このオールインはないんじゃないかと思う。

かつてあけみんがテニアンで2/13の確率で逆転を賭けたダブルダウンを敢行したと聞いたが、このときとは状況が違う。まだまだ勝負は長く続くはずだからだ。もちろん近くで見ていないと理解できないこともあるのかもしれないが、この場面でJJに命を賭ける必要はあるのか、せめてプリフロップはコールしてフロップでオールインすればというのは、後講釈なんでしょうか(Leeの賞金も280万ドルですけど)。

[Aug 14, 2006]

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